大人気『If I Built』シリーズ第1作!『If I Built a Car』でジャックの空想旅行へ出発

大人気『If I Built』シリーズ第1作!『If I Built a Car』でジャックの空想旅行へ出発

休日の午後、リビングの床いっぱいにブロックを広げて、タイヤや羽の位置を何度も付け替えている我が子の姿を見守ったことはないでしょうか。

あるいは、自由帳の隅っこに、タイヤがたくさん付いた不思議な乗り物の絵を、鉛筆を真っ黒にして描いている姿に遭遇することもあるかもしれません。

子どもの自由な発想力は、ときに大人の想像を軽々と超えていって、私たちをハッとさせるものです。そんな子どもの「もしもこんな乗り物があったら」という無限のアイデアを、そのまま絵本にしたような作品があります。

それが、クリス・ヴァン・デューセンの『If I Built a Car』です。

本作は、アメリカで人気の『If I Built』シリーズの記念すべき第1作であり、乗り物が大好きな子どもたちから絶大な支持を集めています。お父さんの車の後部座席で、少年ジャックが繰り広げる壮大な空想のドライブは、読むたびに新しい発見を与えてくれるでしょう。

ここでは、If I Built a Carのあらすじのほか、英語学習のポイント、読み聞かせ動画などを掲載しています。

『If I Built a Car』の基本情報

 

タイトルIf I Built a Car
著者Chris Van Dusen
イラストChris Van Dusen
出版社Dutton Books for Young Readers
対象年齢(目安)3〜7歳

あらすじ

お父さんが運転する車の後部座席に座っている少年ジャック。彼は「この車も悪くはないけれど、僕が計画している車とは全然違うんだ」とお父さんに語り始めます。ジャックの頭の中には、一晩中デザインを練り、古い飛行機やツェッペリン飛行船からアイデアを借りて洗練させた、とっておきの車の設計図がありました。

その車は、丸みを帯びた流線型のボディに、衝突しても絶対にへこまない宇宙時代の新素材『ポリマージェル』が使われています。一歩車内に入ると、そこはまるで高級ホテルのよう。広々としたソファに暖炉、なんと床を開けるとプールまで現れる仕様です。さらに、スイッチ一つで食べ物が出てくるスナックバーや、自動運転をしてくれるロボットのロバートまで搭載されていて、至れり尽くせりの設備が揃っています。

この夢のマシンは、陸上を走るだけにとどまりません。水の上を船のように進み、そのまま水中へ潜水し、さらには空を飛んで世界中へバケーションに出かけることもできるのです。ジャックが語る夢の車のツアーは、最後まで読者を惹きつけて離しません。

英語学習のポイント

① 「〜から来た」を詩的に表現する “You’re from…” 構文

ジャックが自分の設計した車とお父さんの車を比べるときに使うフレーズです。”nothing at all” を加えることで、「少しも似ていない」「全く別物だ」という強い打ち消しを表現できます。日常会話では、見た目や性格、予想していたことと現実が大きく異なる場合によく使われます。

  • It’s nothing at all like… → 〜とはまるで似ても似つかない、〜とは全然違う
    • It’s nothing at all like the car I have planned. → 僕が計画している車とは、まるで似ても似つかないよ。
    • The movie was nothing at all like the book. → その映画は、原作の本とはまるで別物でした。
    • His new house is nothing at all like his old one. → 彼の新しい家は、前の家とは全く似ていません。

② “Say you were…” 「たとえば〜だと仮定してみよう」と提案する

車内のインスタント・スナックバーを紹介する場面で登場します。ここでの “Say” は「言う」ではなく、「たとえば〜と仮定しよう」「もし〜だとしたら」という口語の接続詞的な役割を果たします。相手に具体的なシミュレーションを提示して、話を引き込みたいときに非常に便利な口語表現です。

  • Say you were hungry and wanted a treat, just press it… → お腹が空いて何か美味しいものが食べたくなったとするよね。それを押せば……
    • Say you win the lottery, what would you buy first? → たとえば宝くじが当たったとしたら、最初に何を買う?
    • Say we get lost in the forest, who should we call? → もし森で迷子になったと仮定したら、誰に電話すべきだろう?

③ “out of the way” 「邪魔にならない場所に」を表現する

ロボット of the robotのロバートが普段は椅子の背もたれに収納されている様子を説明するフレーズです。”way”(道・通り道)から “out”(外れる)ということで、「邪魔にならない」「人を通すためにどく」という意味で日常的に頻繁に使われます。部屋の片付けや、人が通るスペースを空けたいときなどに役立つ実用的な表現です。

  • out of the way → 邪魔にならない場所に、邪魔にならずに
    • I’ve built him right into the back of the chair, he’s out of the way… → 彼を椅子の背もたれに直接組み込んだんだ。邪魔にならないから……
    • Please put your bag under the seat to keep it out of the way. → 邪魔にならないように、バッグは座席の下に置いてください。
    • Move this chair out of the way so we can pass. → 私たちが通れるように、この椅子を邪魔にならない場所に動かして。

読み聞かせ動画のご紹介

絵本の美しいライミング(韻)や、テンポの良い英語のリズムは、実際に耳で聴くことでより深く理解できます。YouTubeには、ネイティブスピーカーによる感情豊かな読み聞かせ動画が公開されています。絵本を開きながら、あるいは移動中の聞き流しとして、ぜひ親子で一緒に聴いてみてください。

日本語訳(全文)

Jack from the back seat said to his dad, “This car is okay, this heart is not bad.
後部座席からジャックが父親に言った。「この車も悪くないし、このエンジンも悪くないよ。
But it’s just a car, nothing great, nothing Grand.
でも、ただの車さ。素晴らしくもなければ、豪華でもない。
It’s nothing at all like the car I have planned.
僕が計画している車とは、まるで似ても似つかないよ。
I’ll work through the night to create a design, constantly analyze, tweak and refine.
一晩中働いてデザインを作り、絶えず分析し、微調整して洗練させるんだ。
I’ll study jet rockets and look at old planes, contemplate buses and Zeppelins and trains.
ジェットロケットを研究し、古い飛行機を眺め、バスやツェッペリン飛行船、列車に思いを巡らせる。
To make it as smooth and as Sleek as an eel, I’ll borrow ideas from the Wienermobile.
ウナギみたいに滑らかで艶やかにするために、ウィーナーモービルからアイデアを借りるつもりさ。
So sit back, relax, stay right where you are, it’s time to reveal my spectacular car.
だから深く腰掛けて、リラックスして、そのまま動かないで。僕の目を見張るような車をお披露目する時間だよ。
You’ll see that I’ve added a lot of neat things: flush fender skirts and retractable Wings, three headlights up front, four tail lights in back, plus two giant fins like our old Cadillac.
たくさんの素敵な仕掛けを追加したのが分かるよ。はめ込み式のフェンダースカートに格納式の翼、フロントには3つのヘッドライト、リアには4つのテールライト、さらに昔のキャデラックみたいな2つの巨大なフィンさ。
My brand new design will be curvy and round, with special jet engines that don’t make a sound.
僕のまったく新しいデザインは、曲線的で丸みを帯びていて、音のしない特別なジェットエンジンを搭載しているんだ。
I’ll paint it bright colors with accents of chrome, and top it all off with a Plexiglas Dome.
鮮やかな色で塗装してクロームのアクセントをつけ、仕上げにプレキシガラスのドームを上に載せるんだ。
I’ll build a safe car, just as safe as I can, because safety is job number one in my plan.
安全な車を作るよ、僕にできる限り安全なやつをね。だって僕の計画では安全が第一の仕事だから。
It may look like steel from afar, you can’t tell, but it’s actually made of a polymer gel, a space age concoction that I just invented, so in a collision that car won’t get dented.
遠くからは鋼鉄のように見えるかもしれない、見分けがつかないだろうけど、実はポリマージェルでできているんだ。僕が発明したばかりの宇宙時代の調合品だから、衝突してもその車は凹まないのさ。
It simply absorbs what we happen to hit, and folks would be fine in the seats where they sit.
ぶつかった衝撃をただ吸収してくれるから、みんな座席に座ったままで平気なんだ。
Come with me now and I’ll show you inside.
さあ、僕と一緒に中を見てみよう。
I’ve put in a couch, it’s comfy and wide, plus a fireplace, fish tank, and here’s something cool: the floor can slide open and look, there’s a pool.
ソファを置いたんだ、快適で広々としているよ。さらに暖炉に水槽、そしてここがカッコいいところ。床がスライドして開いて、ほら、プールがあるんだ。
Now step right this way to the back of the car, and note the red button marked instant snack bar.
さあ、車の後ろの方へこちらにどうぞ。「インスタント・スナックバー」と書かれた赤いボタンに注目して。
Say you were hungry and wanted a treat, just press it and instantly good things to eat appear in a Flash, anything that you please, from hazelnut pudding to aerosol cheese.
お腹が空いて何か美味しいものが食べたくなったとするよね。それを押せば、あっという間に美味しい食べ物が現れるんだ。ヘーゼルナッツプリンからスプレー缶入りのチーズまで、君の好きなものが何でもね。
After you’ve eaten, you might like a nap, and Robert the robot makes napping a snap.
食べた後は、お昼寝をしたくなるかもしれない。ロボットのロバートがお昼寝を朝飯前(簡単)にしてくれるよ。
I’ve built him right into the back of the chair, he’s out of the way, you won’t know that he’s there.
彼を椅子の背もたれに直接組み込んだんだ。邪魔にならないから、そこにいることすら気づかないよ。
But when you get sleepy and rise from your seat, the chair spins around without missing a beat.
眠くなって席から立ち上がると、椅子が流れるようにくるりと回転するんだ。
Robert the robot will take the controls, and he’s guaranteed not to hit telephone poles.
ロボットのロバートが操縦を引き受けてくれる。電柱にぶつからないことは保証付きさ。
Oh, I see you’re impressed with all that’s inside, so start up the motor, let’s go for a ride.
おや、中にあるものすべてに感心しているみたいだね。それじゃあモーターを始動させて、ドライブに出かけよう。
A car that smells good, now that’s something new, but if I built a car, that’s just what I do.
良い匂いのする車、それは新しいね。でも僕が車を作るなら、まさにそうするよ。
Inside the engine, I’ll add a machine to capture the odor of burnt gasoline, and change it to something more pleasing to noses, like blueberry muffins or freshly picked roses.
エンジンの中に、ガソリンの燃えた臭いを捕らえる機械を取り付けるんだ。指示通り、それを、ブルーベリーマフィンや摘みたてのバラみたいに、鼻に心地よい香りに変えてしまうのさ。
Now that we’re cruising, let’s head to the lake, there’s no need to panic or slam on the break.
巡航に入ったから、湖へ向かおう。慌てたりブレーキを急に踏んだりする必要はないよ。
My car can do something that very few can, the fenders will float like a catamaran.
僕の車は、ごくわずかな車しかできないことができるんだ。フェンダーがカタマラン(双胴船)のように浮くのさ。
We’re skimming the waves and we’re having a ball, but wait, hold your horses cause that isn’t all.
波の上を滑るように進んで大楽しみしているけれど、ちょっと待って、慌てないで。それがすべてじゃないからね。
Boating is fine till we get the urge to dive underwater…
ボート遊びもいいけれど、水に潜りたくなったら……
Then just hit submerge.
その時はただ「潜水」を押すだけさ。
Robert will drive as we burble about, we can see catfish and we can see trout.
僕たちがブクブクと進む間はロバートが運転してくれる。ナマズが見えるし、マスも見えるよ。
We might even spy the shy stickleback gar from inside our fabulous waterproof car.
僕たちの素晴らしい防水カーの中からなら、恥ずかしがり屋のトゲウオやガー(魚)を見つけることだってできるかもしれない。
Last but not least, the best feature of all comes down to a button that’s shiny and small.
最後になるけれど、何よりも最高の機能は、光る小さなボタンに集約されているんだ。
Push it and then in the wink of an eye, the car will take off, we’ll be up in the sky.
それを押せば、瞬く間に車が離陸して、僕たちは空高くへと舞い上がるのさ。
Will fly over land, we’ll fly overseas to Alaska, Nebraska, Bermuda, Belize, or take a vacation when things start to freeze and fly us all down to the Florida Keys.
陸の上を飛び、海を越えてアラスカ、ネブラスカ、バミューダ、ベリーズへ。あるいは寒くなってきたら休暇を取って、僕たちみんなをフロリダキーズまで飛ばしていくんだ。
My car will be cool, my car will be king, my car will be one big fantastic machine.
僕の車は最高で、車の中の王様で、一つの大きな素晴らしいマシンになる。
The toast of the town, the cream of the crop, the bell of the ball and the tip of the top.
街の誰もが称賛し、最高の中の最高で、舞踏会の華であり、頂点のさらに上をいく。
My car will be famous from here to Peru…
僕の車はここからペルーまで有名になるよ……
If I build a car, that’s just what I’d do.
もし僕が車を作るなら、まさにそうするんだ。

まとめ

「こんな車があったらいいな」という子どもの空想を一切否定せずに、「それならデザインを洗練させて、徹底的に安全なものを作ろう!」と前向きに形にしていくジャックの姿は、見ているだけでこちらの背筋も伸びる思いがします。

大人になると現実的なコストや技術の限界ばかりが頭に浮かんでしまいますが、この絵本を開く時間は、私たちも子どもの頃にダンボールのコックピットで抱いたような純粋な夢を思い出させてくれます。

読み聞かせのあとに、「もし自分ならどんな車にする?」とスケッチブックを広げて親子で話し合ってみるのも、温かい家族の時間になりそうです。

『If I Built』シリーズの他の作品もチェックしてみませんか?

本作『If I Built a Car』のほかにも、ジャックの想像力が炸裂するシリーズ作品があります。それぞれ異なるテーマで夢の空間をデザインしているので、ぜひあわせて読んでみてください。

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