「嘘をつくと誰も信じてくれなくなるよ」という、日本人にも「オオカミ少年」としておなじみのイソップ寓話。
子どもの頃に親から聞かされたり、絵本で読んだりした記憶がある方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する『The Boy Who Cried Wolf』は、その馴染み深いお話を、表情豊かなイラストとわかりやすいセリフで楽しめる英語絵本です。
短いフレーズの掛け合いや、羊の「メェー」という鳴き声など、子どもたちが役になりきって声を出せる要素が満載。
そのため、おうちでのごっこ遊びはもちろん、幼稚園や学校での英語劇の題材にもぴったりな一冊となっています。
ここでは、『The Boy Who Cried Wolf』のあらすじのほか、英語学習 of the ポイント、読み聞かせ動画などを掲載しています。
『The Boy Who Cried Wolf』の基本情報
タイトル The Boy Who Cried Wolf 著者 B.G. Hennessy イラスト Boris Kulikov 出版社 Simon & Schuster 対象年齢(目安) 3〜7歳
あらすじ 牧草地でひたすら羊の番をしている男の子は、退屈で仕方がありません。
友達も誰も遊びに来ないし、羊たちはムシャムシャと草を食べて「メェー」と鳴くばかり。
そこで男の子は、退屈を吹き飛ばすためのとんでもないイタズラを思いつきます。
「オオカミだ!オオカミが羊を狙っている!」と叫んで町へ駆け込むと、大人たちが大慌てで助けに走ってきました。
無邪気な嘘に引っかかった大人たちを見て、男の子は大満足。
味をしめた男の子は、次の日も同じように「オオカミが2匹も来た!」と嘘の警告を繰り返します。
しかし、本当にオオカミが現れた3日目、男の子がどれだけ必死に叫んでも、もう誰も助けに来てはくれませんでした。
英語学習のポイント ① 劇のセリフに最適!感情を乗せて叫ぶ “Wolf! There is a wolf after my sheep!” 「オオカミだ!」と叫ぶ劇のクライマックスで使われるセリフです。 “be after …” は「〜を追いかけている」「〜を付け狙っている」という意味を持つ日常的な表現。オオカミが羊を狙っている緊迫感をシンプルに伝えることができます。
be after … → 〜を追いかけている、〜を狙っているThere is a wolf after my sheep! → オオカミが僕の羊を狙っているんだ! The cat is after the mouse. → 猫がネズミを追いかけているよ。 ② 動物のしぐさや鳴き声を表す擬音語 “Munch, munch, munch, Baaaa” 物語の中で何度も繰り返される、羊たちの食事と鳴き声のセット。 「Munch」は口を動かしてムシャムシャ食べる音、「Baaa」は羊のメェーという鳴き声を指します。 劇の中で羊役の子どもたちがリズム良く繰り返すことで、舞台がとても賑やかになるでしょう。
Munch, munch, munch, Baaaa / Baaaaa → ムシャムシャ、メェーMunch, munch, munch, Baaaa answered the sheep. → ムシャ、ムシャ、ムシャ、メェー、と羊たちは答えました。 The rabbits are munching on carrots. → うさぎたちがニンジンをムシャムシャ食べている。 ③ 「その日の残りの時間」を表す “for the rest of the day” 嘘だと分かった後も、男の子を心配して友達が一緒にいてくれるシーンで使われます。 “the rest of …” は「〜の残り」という意味で、時間や物に対して非常によく使われる便利な日常表現。
for the rest of the day → その日の残りの時間One of his friends stayed with him for the rest of the day. → 友達の一人が、その日の残りを彼と一緒に過ごしてくれました。 I will finish this book for the rest of the day. → 今日中にこの本を読み終えるつもりです。 読み聞かせ動画のご紹介 ネイティブスピーカーによる感情豊かな朗読動画です。登場人物のセリフのテンポや、羊たちの鳴き声をどのように表現しているか、劇の練習や発音の参考にしてみてください。
VIDEO
日本語訳(全文) There was once a shepherd.
昔々、ある羊飼いがいました。
“I am so bored,” he thought.
「本当に退屈だ」と彼は思いました。
“All day long all I do is watch sheep. All the sheep do is eat. Not only that, all they say is baaaaa.”
「一日中やることと言えば羊の番だけ。羊たちがやることと言えば食べるだけ。それどころか、あいつらが言うことと言えばメェーだけだ」
Munch, munch, munch, Baaaa answered the sheep.
ムシャ、ムシャ、ムシャ、メェー、と羊たちは答えました。
“Nothing ever happens here. None of my friends come to play.
「ここでは何も起きやしない。友達も誰も遊びに来ない。
“I am the most bored boy in the world,” thought the shepherd.
「僕は世界中で一番退屈な男の子だ」と羊飼いは思いました。
Munch, munch, munch,Baaaaa answered the sheep.
ムシャ、ムシャ、ムシャ、メェー、と羊たちは答えました。
“I wonder if sheep ever get bored,” he thought.
「羊たちも退屈することがあるのかな」と彼は思いました。
He decided to teach the sheep some tricks.
彼は羊たちに芸を教えることにしました。
He expected the sheep would be happy to learn something new, but none of them seemed interested.
新しいことを学べて羊たちも喜ぶだろうと彼は期待しましたが、どの羊も興味なさそうでした。
Munch, munch, munch, Baaaaa the sheep protested.
ムシャ、ムシャ、ムシャ、メェー、と羊たちは抗議しました。
“What I need is a little excitement,” said the shepherd.
「僕に必要なのは、ちょっとした刺激だ」と羊飼いは言いました。
“Well, what would be exciting? I know,” he said.
「さて、何が刺激的かな?そうだ、あれだ」と彼は言いました。
The shepherd boy jumped up from under his tree in the pasture and ran all the way into town, yelling, “Wolf! Wolf!
羊飼いの少年は牧草地の木の下から飛び起き、町までずっと走りながら叫びました。「オオカミだ!オオカミだ!
There is a wolf after my sheep!”
オオカミが僕の羊を狙っているんだ!」
All the town’s folk came running as fast as they could to help the shepherd boy protect his sheep.
町のすべての人々が、羊飼いの少年が羊を守るのを助けようと、できる限り速く走ってやってきました。
He looked everywhere for the wolf.
彼はどこもかしこもオオカミを探しました。
No wolf in the pasture, no wolf on the hill, no wolf in the forest.
牧草地にもオオカミはいない、丘の上にもオオカミはいない、森の中にもオオカミはいない。
One of the shepherd boy’s friends stayed with him for the rest of the day to make sure the wolf was really gone.
羊飼いの少年の友達の一人が、オオカミが本当にいなくなったか確かめるために、その日の残りを彼と一緒に過ごしてくれました。
“That was a fun afternoon,” thought the shepherd boy.
「楽しい午後だったな」と羊飼いの少年は思いました。
But the next day,
しかし次の日、
munch, munch, munch, Baaaaa Life in the pasture was back to boring again.
ムシャ、ムシャ、ムシャ、メェー。牧草地での生活はまた退屈なものに戻ってしまいました。
So the shepherd boy jumped up from under his tree in the pasture and ran into town, this time yelling, “Wolves! Wolves! Wolves!
そこで羊飼いの少年は牧草地の木の下から飛び起き、町へ走っていき、今度はこう叫びました。「オオカミだ!オオカミだ!オオカミだ!
There are two wolves after my sheep!”
2匹のオオカミが僕の羊を狙っているんだ!」
And just like the day before, everyone came running lickety-split to help the shepherd boy protect his sheep.
And just like the day before, everyone came running lickety-split to help the shepherd boy protect his sheep.
And just like the day before, they looked everywhere for the wolves.
そして前日と同じように、みんなは羊飼いの少年が羊を守るのを助けようと、大急ぎで走ってやってきました。そして前日と同じように、彼らはどこもかしこもオオカミたちを探しました。
No wolves in the pasture, no wolves on the hill, no wolves in the forest.
牧草地にもオオカミはいない、丘の上にもオオカミはいない、森の中にもオオカミはいない。
“They must have run away,” the shepherd explained.
「逃げてしまったに違いないよ」と羊飼いは説明しました。
One of the boy’s friends stayed with him for the rest of the day, this time to see if there really was a wolf.
その少年の友達の一人が、今度は本当にオオカミがいたのかどうか見極めるために、その日の残りを彼と一緒に過ごしました。
“That was another fine afternoon,” thought the shepherd boy after his friend had left.
友達が帰った後、「また素晴らしい午後だったな」と羊飼いの少年は思いました。
The next day, just when the shepherd boy was beginning to get bored again, he heard…
次の日、羊飼いの少年がまた退屈し始めたその時、聞こえてきたのは……
Lunch, lunch, lunch, grrrrrrl and Lunch, lunch, lunch and lunch, lunch, lunch.
昼飯だ、昼飯だ、昼飯だ、グルルル、昼飯だ、昼飯だ、昼飯だ、そして昼飯だ、昼飯だ、昼飯だ。
And there by the edge of the pasture were three big hungry wolves.
そして、牧草地の端のそこに、3匹の大きな腹ペコのオオカミたちがいました。
The sheep started running in all directions.
羊たちはあらゆる方向に逃げ惑い始めました。
And for the third time, the shepherd jumped up from under his tree in the pasture and ran into town, this time yelling, “Wolves! Wolves! Wolves! There are three wolves after my sheep!”
そして3回目、羊飼いは牧草地の木の下から飛び起き、町へ走っていき、今度はこう叫びました。「オオカミだ!オオカミだ!オオカミだ!3匹のオオカミが僕の羊を狙っているんだ!」
But this time, no one came to help.
しかし今度は、誰も助けに来てくれませんでした。
This time, no one believed him.
今度は、誰も彼を信じませんでした。
And the shepherd boy spent the rest of the day looking for his sheep all by himself.
そして羊飼いの少年は、その日の残りをたった一人で自分の羊を探して過ごしました。
まとめ 嘘をつくことで誰からも信用されなくなる、というよく知られた教訓。
しかし、この絵本を読んでいると、少年の退屈や寂しさ、精度高く大人たちの優しい見守りにも目がいきます。
「そんな嘘をついちゃダメ」と頭ごなしに叱るのではなく、「どうしてこんな嘘をついたのかな?」と親子で語り合うきっかけになるかもしれません。
また、登場人物になりきってセリフを掛け合うごっこ遊びは、英語の発音やリズムを体で覚えるための手づくりの学びとなります。
夕暮れ時、遊び疲れた子どもと一緒に、お話の面白さやセリフの掛け合いを楽しんでみてはいかがでしょうか。