こんにちは!
子供が自分の思い通りにならないと、わーっと泣き出したり、時には床に寝転がって手足をバタバタさせたり…。「なんでこれじゃないの!」なんて、スーパーのお菓子売り場で固まってしまう我が子を見て、途方に暮れてしまうこと、ありますよね。
頭ごなしに叱っても逆効果だし、かといって何でも言うことを聞くわけにもいかない。親としては本当に悩ましい瞬間だと思います。
そんな時、子供の心にそっと寄り添いながら、大切なことを教えてくれる素敵な英語絵本があります。今日は、そんな一冊をご紹介したいと思います。
ここでは「You Get What You Get」の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
主人公のメルビンは、自分の思い通りにならないことがあると、すぐにカンシャクを起こしてしまう男の子。クッキーのチョコチップが妹より少なかったり、ゲームで負けたりすると、もう大変です。
そんなメルビンが、学校で先生の「あるルール」に出会います。それは「You get what you get and you don’t throw a fit.」というもの。「もらえるものをもらって、文句を言わない」というような意味の、このおまじないのような言葉。学校ではしぶしぶ従っていたメルビンでしたが、ある夜、家でわがままを言う妹に、得意げにこのルールを言い放ちます。すると、それを聞いた家族の反応は…?
自分の放った言葉が、自分自身に返ってくることになったメルビン。さあ、彼はこの大ピンチをどう乗り越えるのでしょうか。
英語学習のポイント
この絵本には、日常会話で使える自然な英語表現がたくさん詰まっています。今回はその中から、特に覚えておきたいフレーズを2つピックアップしてご紹介しますね。
1. throw a fit
これは「カッとなる」「かんしゃくを起こす」といった意味のイディオムです。物語のキーワードにもなっていますね。子供が駄々をこねたり、大人が激しく怒ったりする様子を表すのにぴったりの表現です。
例えば、「He threw a fit when he found out the store was closed.」(そのお店が閉まっていると知って、彼はカンカンに怒ったんです。)のように使えます。子供の様子を描写するなら、「My daughter sometimes throws a fit when it’s time to leave the park.」(公園から帰る時間になると、娘は時々かんしゃくを起こします。)なんて言うこともできます。
2. deal with
こちらは「~に対処する」「~をうまく扱う」という意味の、とてもよく使われるフレーズです。物語の冒頭で「Melvin did not deal well with disappointment.(メルビンは失望にうまく対処しませんでした)」と出てきますね。
物事だけでなく、人の感情や問題など、幅広いものに対して使うことができます。例えば、「It’s important to learn how to deal with stress.」(ストレスにどう対処するかを学ぶのは大切です。)といった感じです。子育ての場面なら、「We need to talk about how we deal with sibling rivalry.」(私たちは兄弟げんかにどう対処するか、話し合う必要がありますね。)のように使えそうですね。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Melvin did not deal well with disappointment.
メルビンは失望にうまく対処しませんでした。
If his cookie had half as many chocolate chips as his sister’s, look out!
もし彼のクッキーのチョコチップが妹の半分だったら、見て!
If he lost his turn during a game, stand back!
試合中にターンを失ったら、後ろに下がって!
and if he didn’t get exactly what he wanted…
そして、彼が望むものを正確に得られなかった場合…
well, you know…
まあ、あなたは知っています…
“Sorry, Melvin they were out of dinosaur backpacks.”
「ごめんなさい、メルビンは恐竜のバックパックがなかった。」
No, Melvin did not deal well with disappointment.
いいえ、メルビンは失望にうまく対処しませんでした。
And this is why he hated his teacher’s favorite rule.
そして、これが彼が先生の好きな規則を嫌った理由です。
You get what you get and you don’t throw a fit.
あなたは得るものを得ます、そして、あなたはカッとなることはありません。
Because of this rule, Melvin could not throw a fit if he had to use crayons instead of markers.
この規則のために、メルビンはマーカーの代わりにクレヨンを使わなければならない場合、カッとなることはありません。
He could not throw a fit if he ended up last in line.
彼が最後に並んだ場合、彼はカッとなることはありません。
He couldn’t even throw a fit if his napkin was pink instead of green.
彼のナプキンが緑ではなくピンクだった場合、彼はカッとなることはできませんでした。
“Oh, well.” mumbled Melvin, ”at least I can still throw a fit at home.
“しかたがない。” メルビンはつぶやいた。「少なくとも、私はまだ家でカッとなることができます。
My family doesn’t know a thing, about that terrible rule.”
私の家族は、その恐ろしいルールについて何も知りません。」
But that night when it was Melvin’s turn to choose the movie, things changed as soon as he’d chosun Dynasur Rumble, his sister stomped her foot and whined.
しかし、メルヴィンが映画を選ぶ番であったその夜、彼はダイナサー・ランブルをできるだけすぐに選ぶと、妹は足を踏みつけて泣き叫びました。
“But I want to watch a pony called trouble!”
「でもわたしはポニートラブルを見たい!」
“Too bad! You get what you get, and you don’t throw a fit,” said Melvin.
「残念! あなたが得るものを手に入れ、そしてあなたはカッとしない」とメルビンは言った。
Everyone stopped and looked at Melvin.
誰もが立ち止まってメルビンを見ました。
“What did you say?” asked Dad.
“何って言ったの?” お父さんは尋ねた。
“You get what you get, and you don’t throw a fit” repeated Melvin.
「あなたが得るものを手に入れ、そしてあなたはカッとしない」メルビンは繰り返した。
“So if your cookie only has a few chocolate chips, you shouldn’t throw a fit?” asked his sister.
「それなら、あなたのクッキーがほんの数個のチョコレートチップしか持っていないなら、あなたはイライラしちゃダメではありませんか?」 彼の妹は尋ねた。
“And if you lose a turn during a game, you shouldn’t throw a fit?” ask ed his dad.
「そして、ゲーム中にターンを失った場合、あなたはイライラするべきではない?」 彼のお父さんは尋ねました。
“And if the dinosaur backpacks are all sold out,
「そしてもし、恐竜のバックパックがすべて売り切れた場合、
you should be happy with the robot one, and you absolutely should not throw a fit?! asked his mom.
あなたはロボットに満足している必要があり、絶対にカッとならないでください! 彼のお母さんはたずねた。
Melvyn gulped. There was no way to take it back everyone knew.
メルビンはゴロゴロしました。誰もが知っていることを取り戻す方法はなかった。
“Well I mean, at school you shouldn’t throw a fit.
「まあ、つまり、学校であなたはカッとなるべきではありません。
‘caue that’s the rule. But at home, you can,” he said.
なぜならそれがルールだから。でも、家ではいいよ」彼は言った。
“I think that sounds like a good rule for at home too,” said Dad.
「それは家庭でも良いルールのように思えます」とパパは言った。
“I agree!” said Mom.
“同意する!” とお母さん。
“Home and school that’s the rule!” his sister chanted.
「家と学校がルールだ!」 彼の妹は唱えた。
Melvin wanted to cry.
メルビンは泣きたかった。
He wanted to shout.
彼は叫びたかった。
He wanted to lie down on the ground and throw his arms and legs about.
彼は地面に横たわり、腕と足を振り回したかった。
But he didn’t.
しかし、彼はしませんでした。
After all you get what you get and you don’t throw a fit.
結局のところ、あなたはあなたが得るものを手に入れて、あなたはイライラしません。
最後に
というわけで、今回は英語絵本「You Get What You Get」をご紹介しました。
この絵本のタイトルにもなっている「You get what you get and you don’t throw a fit.」という言葉。直訳すると少し突き放したようにも聞こえるかもしれませんが、その根底には「世の中は、いつも自分の思い通りになるわけじゃないんだよ」という、優しくも大切なメッセージが込められているように感じます。
うまくいかない現実を受け入れて、その中で楽しみを見つけていく力。それは子供だけでなく、僕たち大人にとっても、心を少し軽くしてくれる考え方かもしれません。このユーモアあふれるお話が、親子で「がっかり」との付き合い方を学ぶ、素敵なきっかけになってくれると嬉しいです。