こんにちは!
春のあたたかな日差しって、なんだかポカポカして、ついウトウトしてしまいますよね。でも、そんな風にお昼寝をたっぷりしてしまった日の夜に限って
「全然、眠くなーい!」なんて、お子さんの目がらんらんと輝いていること、ありませんか?
「羊が1匹、羊が2匹…」なんて、昔ながらの方法を試してみても、興奮している子どもにはなかなか通用しないもの。むしろ、もっと目が冴えてきちゃったりして。
今日は、そんな「まだ眠くない!」という元気いっぱいな子の気持ちに優しく寄り添いながら、静かで美しい春の夜の世界へといざなってくれる、寝る前の読み聞かせにぴったりの英語絵本『Who’s Awake in Springtime』をご紹介します。
ここでは『Who’s Awake in Springtime』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
太陽がゆっくりと沈んでいき、夜が訪れます。海の中ではお魚たちが、海のそばの池ではカモたちが、そのまた近くの草むらではカメたちが、それぞれ眠りにつく準備を始めます。
でも、ページをめくるたびに聞こえてくるのは、「Not I(私じゃないよ!)」という、元気な子どもたちの声。小さなアヒルも、子ガメも、働き者のミツバチも、みんな「まだ眠くないもん!」と、おめめはぱっちり。
物語は、海のそばの池の、その近くの草むらの、そのまた近くの庭の…というように、だんだんと視点が広がっていき、たくさんの生き物たちの「おやすみ前」の様子を覗いていきます。
そして最後に登場したのは、ふわふわの羊の親子。もちろん、子羊たちも「遊びたい!」と元気いっぱいですが、みんなで野原を飛び跳ねているうちに、いつの間にか…。さて、みんなが眠りについた後、たった一人、まだ起きているのは、いったい誰だったのでしょうか。
英語学習のポイント
この絵本は、心地よい韻を踏んだ、詩のような美しい文章が特徴です。繰り返しのリズムが、子どもの耳に自然と英語の響きを届けてくれますよ。
今回は、そんな穏やかな物語の中から、繰り返し登場するキーフレーズと、場所を表す便利な単語をご紹介します。
Not I.
これは「私ではありません」という意味ですが、現代の話し言葉でよく使われる “Not me.” よりも、少し詩的で、物語らしい響きを持つ表現です。「Who’s asleep?(眠っているのはだあれ?)」という問いかけに対して、子どもたちが「ぼくじゃないよ!」「わたしじゃないよ!」と、元気に答える、この絵本で最も大切なフレーズですね。
(例文)
- Mother: “Who ate the last cookie?”(最後の一枚のクッキー、食べたのはだあれ?)
- Child (with a playful smile): “Not I!”(ぼくじゃないよ!)
in / by / near の使い分け
この絵本では、場所を示す前置詞が効果的に使われています。「in a pond(池の中で)」から始まり、「by the sea(海のそばで)」、「near the grass(草の近くで)」と、少しずつ位置関係が広がっていくのが面白いところです。in は「中」、by は「すぐそば」、near は「近く」という、微妙な距離感の違いを感じながら読んでみると、英語の感覚がより深く理解できますよ。
(例文)
“Let’s meet near the station. There’s a cafe by the bookstore, and I’ll be waiting in the corner seat.”(駅の近くで会おう。本屋さんのそばにカフェがあるから、角の席で待ってるね。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Down, down goes the Sun, and down in the sea,
下へ、太陽のもと、そして海の下へ、
Fish find a safe place to hide.
魚は隠れる安全な場所を見つける。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the minnow.
「私ではない」とミノウは言う。
In a pond by the sea,
海のそばの池の中で、
Duck tuck their heads under their wings.
ダックは頭を翼の下に置いている。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the duckling.
「私ではない」とアヒルは言う。
In the tall green grass near the pond by the sea,
海岸の池の近くの背の高い緑の草の中で、
Turtles pull their heads and tails into their shells.
カメは、彼らの殻に頭と尾を引きます。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the little turtle.
「私ではない」と子ガメは言う。
In a garden near the grass near the pond by the sea,
池の近くの芝の近くの庭で、
Bees buzz home.
ミツバチの騒がしい家。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the busy bee .
「私ではない」と騒がしいミツバチは言う。
In the branches of a leafy tree
葉の茂った木の枝で
Near the garden
庭の近く
Near the grass
草の近く
Near the pond by the sea,
海の近くの池のそば、
Birds nestled in their nests.
彼らの巣に抱き寄せられる鳥たち。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the baby jay.
「私ではない」と赤ちゃんカケスは言う。
In a patch of clover
クローバー畑で
Near the leafy tree
青々とした木の近くで
Near the garden
庭の近くで
Near the grass
草の近くで
Near the pond by the sea,
海辺の池の近くで、
Cats curl up and close their eyes.
猫は丸くなって、彼らの目を閉じます。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the kitten.
「私ではない」と子猫は言う。
In a bush
藪の中
Near the clover
クローバーの近くで
Near the leafy tree
青々とした木の近くで
Near the garden
庭の近くで
Near the grass
草の近くで
Near the pond by the sea,
海辺の池の近くで、
Caterpillars spend their silken beds.
毛虫は、彼らの柔らかなベッドですごしています。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the small green caterpillar.
「私ではない」と小さなアオムシは言う。
Over in the meadow
草原の向こう
Where wildflowers grow,
野生の草花が成長する所で、
Up, up comes the moon,
上へ、上へと月は昇り、
And down below,
そして下の低い方では、
Near the bush near the clover
クローバーの近くの茂みの近くで
Near the leafy tree
青々とした木の近くで
Near the garden near the grass
草の近くや庭の近くで
Near the pond by the sea,
海辺の池の近くで、
Sheep huddle and cuddle in their warm wool coats.
羊はうずくまって、彼らの暖かいウール・コートを着て寄り添います。
Who’s asleep?
誰が眠っている?
“Not I,” says the lamb.
「私ではない」と子羊は言う。
“Not I,Not I,” the sheep all say.
「私ではない、私ではない」ヒツジたちはみんな言います。
“Not I,Not I, We like to play!”
「私ではない、私ではない、私たちは遊ぶのが好きです!
Sheep follow sheep,
羊は羊の後を追い、
Jumping high, jumping low,
高く跳び、低く跳び、
Sheep follow sheep.
羊は羊の後を追う。
Now where did they go?
今どこに行きましたか?
To sleep, to sleep.
眠りに、眠りに。
The sheep went to sleep!
ひつじは眠りに行きました!
Then who’s awake?
そして、誰が起きていますか?
Not the sheep.
羊でない。
Not the caterpillars.
毛虫でない。
Not the cats.
猫でない。
Not the birds in the leafy tree.
生い茂った木の中の鳥でない。
Not the bees.
ミツバチでない。
Not the turtles.
カメでない。
Not the ducks.
カモでない。
Not the fish down in the sea.
海の底の魚ではない。
Is anyone awake?
誰か起きていますか?
“I am I am.”
「わたしです わたしです」
Then come jump into bed, My sweet little lamb.
そしてベットの中に飛び込んできて、私の愛しい子羊。
最後に:眠れない夜は、みんな仲間
というわけで、今回は春の夜の生き物たちのお話『Who’s Awake in Springtime』をご紹介しました。
「早く寝なさい!」と急かすのではなく、「そうか、まだ眠くないんだね。じゃあ、他に起きている子はいないか、一緒に探しに行こうか」と、子どもの気持ちに寄り添ってくれる。この絵本には、そんな優しい時間が流れています。
心地よい繰り返しのリズムは、まるで子守唄のよう。そして、物語の最後に明かされる「まだ起きていた、たった一人の子」の正体を知った時、お子さんはきっと、安心して、そして満足して、夢の世界へと旅立ってくれるはずです。
眠れない夜も、見方を変えれば、親子だけの特別な探検の時間になる。この絵本が、そんな穏やかで素敵な夜を、毎晩運んできてくれるかもしれませんよ。