こんにちは!
お店を開いて、「これは素敵!」「これは便利!」と自信のある商品を並べても、なぜかお客さんが来てくれない…。そんな経験、お店屋さんに限らず、何かを発信する人なら一度は感じたことがあるかもしれません。
一生懸命やっているのに、なぜか空回り。そんな時、突破口は意外なところから見つかるものなのかもしれませんね。
今回は、そんな商売のヒントと、英語の「音」を楽しむコツがたっぷり詰まったフォニックス絵本、『Underpants for Ants』をご紹介します。リズミカルな言葉遊びが、きっとクセになりますよ。
ここでは『Underpants for Ants』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
主人公は、お店を営むナンさん。彼女のお店には、素敵なうちわやランプ、ハンドベルなどが並んでいますが、お客さんはさっぱり来ません。
そんなある寒い夜のこと。ナンさんが夕食にしようと缶詰のスープを鍋にあけると、中からアリの一団が飛び出してきました!
「凍えるような嵐から逃げてきたんです。寒くてくしゃみが止まらない…お尻が氷みたいに冷たいんです!」。そんなアリたちの切実な悩みをきいたナンさん。彼女は得意の編み物で、彼らのために特別な「あるもの」を作り始めます。
さて、ナンさんが編んだものとは…?そして、ガラガラだったお店に、奇跡は起きるのでしょうか?
英語学習のポイント
この絵本は、英語の「音」のルールである「フォニックス」を楽しく学べるように作られています。
ちなみにフォニックスとは、ものすごくざっくり言うと、「英語の文字と音のルール」のこと。例えば「a」は「ア」、「b」は「ブ」と読む、というような基本ルールを学ぶことで、知らない単語も推測して読めるようになるんです。
an のライミング(韻)
この絵本には、Nan, fans, pan, can, grandなど、an「アン」という音で終わる単語がたくさん登場します。これがページをめくるたびに繰り返され、まるで歌のような心地よいリズムを生み出しています。
「ナンさんが(Nan) ファンの(fans) おなべを(pan)…」という風に、物語を追いながら自然に同じ音に何度も触れることができます。これがフォニックス学習の第一歩。理屈じゃなく、音の響きを楽しむことが大切なんです。
take your pick 「好きなものを選んで」
ナンさんがアリたちに毛糸を見せて、”Thin or thick? just take your pick.”(細いの?太いの?好きなのを選んで)と言う場面で使われています。これは「たくさんある中から、あなたが好きなものをどうぞ」というニュアンスで、とても親しみやすい便利なフレーズです。
例文:
- There are many kinds of juice. Take your pick! (ジュースがたくさんあるよ。好きなのを選んでね!)
- Which seat do you want? Take your pick. (どの席がいい?好きなところを選んでいいよ)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Nan sells fancy fans and lamps,
ナンは装飾的なうちわとランプを売ります
hand bells,
ハンドベル
clam shells,
二枚貝の貝殻
pants and stamps.
ナベと切手。
But customers just stay away.
しかし、お客さんはすぐに離れて行ってしまいます。
And so she sets and it’s all day.
そういうわけで彼女は丸一日座っています。
One cold night, Nan lights a candle and grabs a small pan by the handle.
ある寒い夜、ナンはろうそくを照らし、ハンドルの付いた小さなナベをつかむ。
But as she pours soup from a can..
しかし、彼女がスープを缶からついだら、..
a gang of ants leaps from the pan.
アリの一群がナベから跳びはねました。
“We sneaked in from the freezing storm.”
「我々は、冷たい嵐からこっそり入りました。」
We’re sneezing now.
私たちは今、くしゃみをしています。
Please keep us warm.
私たちを暖かく保ってください。
“Hot water bottles would be nice.”
「ボトルに暖かいお湯がいいね」
Our buttoms feel as cold as ice.
私たちの下半身は氷のように冷たく感じます。
“I can help you.” Nan declares,
「お手伝いしましょう」ナンは宣言した。
“I have yards of yarn to spare.
「私は余分な毛糸を持っています。
I’ll knit something warm to wear,”
私は、身につけるための暖かい何かを編みます」、
“Thin or thick? just take your pick.”
「細い それとも厚い?ちょうどなものを選んで」
I can knit it double quick.
わたしはそれを大急ぎで編むことができる。
Nan’s whisker twitch, Her needles click.
ナンのほおひげはぴくぴくなり、編み物針は音を立てる
Just watch!
ちょっと見て!
She’s finished in a tick.
彼女は瞬間で終わらせた。
“Handmade Underpants!”
「手作りのパンツ!」
“How grand.”
「なんて快適なんでしょう」
I’m roasting.
「私はとても暑い」
Toasty!
「暖かく快適!」
Thank you Nan.
「ありがとう ナン!」
Soon bugs are hopping up the hill.
まもなくすると虫たちが丘を上ってきました。
Nan’s shop is full, and so’s her till.
ナンのお店はいっぱいです、そして彼女もそうです。
Nan gets a snuck hug from the ants.
ナンはアリさんたちからこっそりと抱擁を受けた。
“Thanks for our wonderful Underpants!”
「私たちに素晴らしいパンツ感謝します!」
最後に:本当のニーズは、小さな声の中にある
というわけで、今回はフォニックス絵本『Underpants for Ants』をご紹介しました。
ナンさんのお店が繁盛したのは、彼女がアリたちの「お尻が冷たい」という、とても個人的で切実な悩みに、心を込めて応えたからでした。英語の学習も、これと少し似ているかもしれません。
難しい文法やたくさんの単語を覚えるのも大切ですが、まずは「この音、なんだか面白いな」「このリズム、口ずさむと楽しいな」という、小さな発見や喜びを見つけること。そんな素直な気持ちが、英語をもっと身近なものにしてくれるのではないでしょうか。