フォニックス絵本「Shark in the Park」

【英語絵本読み聞かせ】『Shark in the Park』でフォニックスを楽しもう!

こんにちは!

子どもの「見て!あそこにワンワンがいる!」という指の先を見てみたら、猫だった…なんてこと、ありませんか?大人の目から見れば明らかな「勘違い」も、子どもの目には本当にそう見えているのかもしれません。

そんな時、私たちはつい「違うよ、あれはネコさんだよ」と、すぐに正しい答えを教えがちです。でも、その子の頭の中で繰り広げられている大発見の興奮を、ちょっとだけ一緒に味わってみるのも、なんだか楽しそうですよね。

今回は、そんな子どもの「見間違い」から始まる大騒動を、リズミカルでユーモラスに描いた英語絵本『Shark in the Park』をご紹介します。英語の音の響きがとっても楽しい一冊です!

ここでは『Shark in the Park』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

ある晴れた日、子犬のパップは公園で遊んでいました。
ふと望遠鏡を覗いてみると…なんと、そこに黒くてとがったヒレが!

「大変だ!公園にサメがいるぞ!」

パップは大慌てで、お昼寝中の太っちょ猫や、火おこし中の大きな豚、お絵描き中のめんどりさんに次々と知らせて回ります。「鋭いヒレがあって、とがった鼻があって、ギザギザの歯が…!」と、パップの説明に、みんなもだんだんドキドキ…。

本当に公園にサメなんているのでしょうか?それとも、パップの見間違い…?みんなで恐る恐る湖へ向かってみると、そこにいたのは…!

Shark in the Park (Phonics Readers)

英語学習のポイント

この絵本は「フォニックス」を意識して作られていて、特定の音が繰り返し出てくるのが大きな特徴です。
ちなみにフォニックスとは、ものすごくざっくり言うと、「英語の文字と音のルール」のこと。このルールを知っていると、知らない単語も読めるようになったり、発音がきれいになったりするんです。

ark のライミング(韻)

この絵本では、”park”(公園)、”bark”(吠える)、”shark”(サメ)、”dark”(暗い)など、ark で終わる単語がたくさん出てきます。これが心地よいリズムを生み出し、まるで歌を聴いているように楽しめます。

読み聞かせで何度もこの音に触れることで、子どもは自然と英語の音の響きを体で覚えていきます。「There’s a shark in the park!」と、ちょっと大げさに読んであげるのも楽しいですよ。

make one’s way to… 「〜へ進む、〜へ向かう」

物語のクライマックスで、パップがみんなに ”Make your way to the lake!”(湖へ進んで!)と呼びかける場面で使われています。これは「〜の方へ移動する」という意味で、丁寧な案内の時などにも使われる便利なフレーズです。

例文:
Please make your way to the exit in an orderly fashion. (順番に、出口の方へお進みください)
We made our way to the front of the stage to see the band. (私たちはバンドを見るために、ステージの前方へと進みました)

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Pup is in the park.
子犬は公園にいます。

“There’s a shark in the park!” Pup barks.
「公園にサメがいる!」子犬は吠えます。

 

Pup wakes Fat Cat.
子犬は、ファットキャットを起こします。

She meows, “Why did you bark?”
彼女はニャーニャー鳴きます、「なぜ、あなたは吠えましたか?」

“There’s a shark in the park!” Pup barks.
「サメが、公園にいます!」と、子犬は吠えます。

 

“It has a sharp, pointy fin.”
「それは鋭いとがったヒレがあります。」

 

Big Pig is lighting a fire.
ビックピッグは火をつけています。

What a bright spark!
なんと輝く火の粉でしょう!

 

“There’s a shark in the park!” Pup barks.
「サメが、公園にいます!」と、子犬は吠えます。

“It has a sharp, pointy nose.”
「それは鋭いとがった鼻があります。」

 

Hen is with her pad and pens.
めんどりのヘンはパッドとペンとともにいました。

She makes bright squiggles and marks.
彼女は明るく不規則な線とマークを創作しています。

“There’s a shark in the park!” Pup barks.
「サメが、公園にいます!」と、子犬は吠えます。

“It has sharp, pointy…
「それは鋭いとがった..

 

“There’s a shark in the park!” Pup barks.
「サメが、公園にいます!」と、子犬は吠えます。

Teeth!”
歯!」

 

Sam sheep is asleep, where it’s dark.
ヒツジのサムは暗いところで眠っています。

“There’s a shark in the park!” Pup barks.
「サメが、公園にいます!」と、子犬は吠えます。

 

“A shark?” meows Fat Cat.
「サメ?」ファットキャットはミャウと鳴いた。

“A shark?” grunts Big Pig.
「サメ?」ビックピッグはブーブーうなった。

“A shark?” clucks Hen.
「サメ?」ヘンはコッコッと鳴いた。

 

“ZZZZ” snores Sam Sheep (still fast asleep).
「ズーズー」サムシープはいびきをかいた(まだぐっすりと眠っている)

 

“Yes a shark. There’s a shark in the park!” Pup barks.
「はい、サメ。公園にサメが居ます!」子犬は吠えた。

“Make your way to the lake!”
「湖へと進んでください!」

Up pops Jake Snake.
ジェイク・ヘビはポンと鳴ります。

 

There’s no shark in the park!
サメは公園にはいません!

It’s Jake snake and his rubber ring!
それはジェイク・ヘビと浮き輪です!

最後に:「見間違い」は、冒険のはじまり

というわけで、今回は絵本『Shark in the Park』をご紹介しました。

私たちはつい、子どもの「勘違い」を「間違い」として正そうとしてしまいます。でも、この絵本のパップにとっては、あの黒い影は紛れもなく「サメ」であり、それは彼にとって世紀の大発見だったわけです。

その興奮を、周りの仲間たちが「え、サメだって?」「本当かいな?」と一緒にドキドキしながら共有していく。この過程こそが、物語の面白さなんだと思います。

もちろん、正しいことを教えるのは大切です。でも、たまには子どもの見ている世界に「へえ、サメに見えたんだ!すごいね!」と乗っかってあげる。そんな心の余裕が、子どもの豊かな想像力を、もっともっと大きく育ててくれるのかもしれませんね。