こんにちは!
子どもって、どうしてあんなに「いたずら」が好きなんですかね?
相手がびっくりしたり、怖がったりするのを見て、ケラケラと大笑い。かと思えば、自分がやり返されると、今度は本気で怒ったり、怖がったり…。
その姿は、なんとも子どもらしくて微笑ましいものですが、見ている親としては、ちょっぴりハラハラしてしまうこともありますよね
今回は、そんな「やった、やられた」の、いたずらの連鎖を、シンプルな形と色でユーモラスに描いた英語絵本『Triangle』をご紹介したいと思います。
ここでは『Triangle』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
ここは、ぜんぶが三角の世界。
主人公の三角さんは、ある日、とんでもない「いたずら」を思いつきます。
「そうだ、四角さんをからかってやろう!」
三角さんは、自分の家を出て、たくさんの三角を通り過ぎ、名前のない形たちの横を抜け、四角たちが住む世界へ。
そして、ヘビが怖い四角さんの家のドアの前で、ヘビの鳴き真似をして「シューッ!」と脅かします。
「ヘビだー!」と大パニックになる四角さんを見て、三角さんは大笑い。いたずらは大成功!
ところが、正体がバレた途端、今度は怒った四角さんが猛ダッシュで追いかけてきます。
逃げる三角さん、追う四角さん。
そして、三角さんの家に逃げ込んだところで、思わぬ形で、四角さんの見事なリベンジが始まるのです!
この絵本がそっと教えてくれること
この絵本、なんだかすごく既視感がありませんか?
そう、まるで人間の(特に子どもの)行動を、そのまま図形に置き換えたかのようです。
自分の弱みは棚に上げて、相手の弱点を突いて、からかってしまう。
でも、いざ自分が同じことをされると、途端に冷静ではいられなくなる。
この三角さんと四角さんのやり取りは、「あるある!」と思わず笑ってしまう、人間関係の縮図のようです。
この物語の面白いところは、四角さんのリベンジが、意図したものだったのか、それとも偶然の産物だったのか、読者に委ねられている点です。
四角さんは「これは最初から僕の計画だったのさ」と得意げに言いますが、最後のページには「But do you really believe him?(でも、本当に彼のことを信じる?)」と、意味深な一文が。
もしかしたら、私たちの日常で起きる「仕返し」や「意趣返し」も、相手が本気で狙ったものではなく、ただの偶然や、予期せぬアクシデントの結果なのかもしれません。
そう考えると、腹が立つ出来事も、少しだけユーモラスに、そして客観的に見られるような気がしてきませんか?
英語学習のポイント
この絵本は、シンプルな単語の組み合わせで、生き生きとした動きを表現しています。今回は、特に「歩く」動作を表すフレーズに注目してみましょう。
walked out / walked past / walked up
walk という基本動詞に、out past up といった単語を組み合わせるだけで、歩く方向やニュアンスが豊かに表現できます。
walked out: 「(家などの中から)外へ歩いて出て行った」
walked past: 「(何か)のそばを歩いて通り過ぎた」
walked up: 「(誰かや何か)に歩み寄った」
例文:
He got angry and walked out of the room. (彼は怒って、部屋を出て行った。)
I walked past the bakery and smelled fresh bread. (パン屋の前を通り過ぎたら、焼きたてのパンの匂いがした。)
A friendly dog walked up to me in the park. (公園で、人懐っこい犬が私に歩み寄ってきた。)
up to
「〜のところまで」と場所を示すだけでなく、up が持つ「すっかり」「完全に」というニュアンスが加わることで、「すぐそばまで」「すぐ手前まで」といった、到達寸前の感じを出すことができます。
例文:
The water came up to my knees. (水が私の膝まで来た。)
He tiptoed up to the sleeping cat. (彼は眠っている猫のすぐそばまで、抜き足差し足で近づいた。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
This is triangles.
これは三角。
This is Triangle’s house.
これは三角さんの家。
This is Triangle in his house.
これは彼の家の三角さんです。
And that is Triangle’s door.
そしてあれは三角さんのドア
One day Triangle walked out his door and away from his house.
ある日、三角さんは自分の家のドアから出かけていった。
He was going to play a sneaky trick on Square.
彼は四角さんにこっそりいたずらをするつもりだった。
He walked past small triangles
彼は歩いて小さな三角を通り過ぎ、
and medium triangles and big triangles.
そして中くらいの三角と大きな三角を抜けた。
He walked past shapes that weren’t triangles anymore.
彼はもはや三角ではなくなった形を通り過ぎた。
They were shaped with no names.
彼らは名前のない形をしていました。
He walked until he got to a place where there were squares.
彼は正方形がある場所に行くまで歩いた。
Still thinking of his sneaky trick,
まだ彼のこっそりいたずらを考えながら、
he walked past big squares
彼は歩いて大きな正方形を通り過ぎ、
and medium squares and small squares.
そして中くらいの正方形と小さな正方形を通り抜けた。
until he got two squares house.
彼が2つの正方形の家につくまで。
“Now,” said Triangle.
「さあ、」と三角さん。
“I will play my sneaky trick.”
「私はこっそりいたずらを仕掛けよう」
Triangle walked up the Square’s door and said “HISS!” just like a snake .
三角さんは四角さんの家のドアに歩み寄り、まるでヘビのように「シュー!」と言った。
Square was afraid of snakes.
四角さんはヘビを恐れていた。
“Oh me oh my!” said Square.
「ああ、ああ、私!」と四角さん
“Go away, you snake! Leave my door!”
「あっちへ行け、へび! 私のドアから離れろ!」
“HISS!” said Triangle.
「シュー!」と三角。
“HISS! HISS! HISS!”
「シュー!シュー!シュー!」
“Oh dear dear dear!” said Square.
「おぉ、よしよしよし」と四角さん
“How many snakes are out there? Ten?
「どれくらいのヘビが、向こうにいますか?10?
Ten million? Go away, snakes!”
1000万? あっちへ行って、へび!」
Triangle could not hiss anymore.
三角形は、もうシューッという音を立てることができませんでした。
He was laughing too hard.
彼は、あまりに激しく笑っていました。
“Triangle!” said Square.
「三角さん!」と四角さんは言いました。
“Is that you?”
「あなたですか?」
“Yes!” said Triangle.
「はい」と三角さん。
“I know you are afraid of snakes.
「あなたがヘビを恐れていることは分かっています。
I have played a sneaky trick on you!”
私はあなたにこっそりいたずらをした!」
Square ran after Triangle, past small squares
四角さんは三角さんを後に走り去り、小さな四角を通り越し、
and medium squares and big squares.
そして、中くらいの四角と、大きな四角を通り越した。
He ran past the shapes with no names,
彼は、名前のない形を通り越して走りました、
past the big triangles and medium triangles and small triangles.
大きい三角形と中程度の三角形と小さな三角形を過ぎて。
up to Triangle’s house and right through his door.
三角さんの家のドアのそばまでやってきた。
Almost.
もう少しのところで。
“You are stuck!” Triangle laughed and laughed.
「あなたは動けないです!」と、三角さんは笑って笑って言いました。
Then he stopped.
それから、彼は立ち止まりました。
His house was all dark.
彼の家は真っ暗でした。
Triangle was afraid of the dark.
三角さんは暗いのが怖かった。
“It’s too dark!” said Triangle.
「暗すぎます!」と三角さん。
“You’re blocking my light! Go away, you block! Leave my door!”
「あなたは、私の光を遮断しています!
去ってください、じゃま!
私のドアから去ってください!」
It was Square’s turn to laugh.
それは四角さんが笑う番だった。
“I know you are afraid of the dark.
「君は暗いのが怖いんだよね
Now I have played a sneaky trick on you ! you see, Triangle,
いま、わたしは意地悪ないたずらを仕掛けているの!わかるかな三角さん、
this was my plan all along.”
これは私の計画だった。
But do you really believe him?
しかし、あなたは彼を本当に信じていますか?
最後に:いたずらの裏にあるもの
というわけで、今回は絵本『Triangle』をご紹介しました。
人をからかったり、意地悪をしたりするのは、もちろん良いことではありません。
でも、この絵本を読んでいると、その「いたずら」は、もしかしたら「相手にちょっかいを出したい」「関わりたい」という気持ちの、不器用な裏返しなのかもしれないな、なんて思えてきます。
三角さんと四角さんは、この後、仲直りできたのでしょうか。それとも、また新しいたずらの応酬が始まるのでしょうか。
そんなことをお子さんと話しながら、物語の続きを想像してみるのも、きっと楽しい時間になりますよ。