こんにちは!
キラキラのシール、きれいな色の石ころ、どんぐり…。子どもって、「好き!」と思ったものを集める天才ですよね。宝物でいっぱいの箱を眺めている時の、あの嬉しそうな顔。見ているこちらまで、なんだか幸せな気持ちになります。
でも、もしその「大好き」が、ちょっと行き過ぎてしまったら…? 例えば、お部屋が宝物で埋め尽くされて、自分の寝る場所もなくなってしまったとしたら、一体どうしますか?
今日は、そんな「好き」が溢れすぎて大変なことになってしまった、一匹のうさぎさんのお話。ユーモアたっぷりで、最後は心がほっこり温かくなる英語絵本、『TOO MANY CARROTS』をご紹介したいと思います。
ここでは『TOO MANY CARROTS』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
うさぎさんは、ニンジンが大好き!とにかく大好きで、行く先々でニンジンを見つけては、せっせと自分の巣穴にコレクションしていました。
ところが、ある日のこと。ニンジンを集めすぎたせいで、なんと自分の家がパンパンに!居心地の良かったはずの巣穴は、ニンジンだらけで寝るスペースすらありません。
困ったうさぎさんは、友達のカメさんのおうちにお泊まりをお願いすることに。でももちろん、大切なニンジンのコレクションも一緒です。カメさんのおうちはあっという間に壊れてしまい、今度はトリさん、リスさん、ビーバーさんと、友達のおうちを転々としますが、行く先々で大騒動を巻き起こしてしまい…。
英語学習のポイント
この絵本は、シンプルな単語と短い文章で構成されているので、英語が初めてのお子さんにもぴったりです。今回は、特に覚えやすくてインパクトのあるフレーズを2つ選んでみました。
a big problem (大問題)
文字通り「大きな問題」という意味ですが、絵本の中でこのフレーズが出てくると、なんだか「とんでもないことになっちゃった!」という焦りが伝わってきて面白いんです。
ものすごくざっくり言うと、「ヤバい!」っていう感じですね。シンプルな単語の組み合わせですが、感情を豊かに表現できます。
But rabbit had a problem. A big problem.
しかし、うさぎさんには問題がありました。大問題が。
日常会話でも、ちょっと困った時に大げさに言うと、子どもも楽しんでくれるかもしれません。
- You ate all the cookies before dinner? That’s a big problem! (夕飯の前にクッキー全部食べちゃったの?それは大問題だ!)
- Oh no, it’s starting to rain. This is a big problem. (あ、雨が降ってきた。これは大変だ。)
Not at all. (全くそんなことないよ)
これは、相手が「〜じゃない?」と心配してくれたことに対して、「いやいや、全然そんなことないよ!」と、丁寧に、でも強く否定する時に使える便利なフレーズです。
絵本の中では、カメさんが「二人にはちょっと狭すぎるかな?」と心配してくれたのに、うさぎさんが「全くそんなことないよ!」と、ちょっと強引に(笑)押し切る場面で使われています。
“Not at all,” said Rabbit.
「全くそんなことはないよ」とうさぎさんは言いました。
お手伝いを申し出てくれた時など、感謝を伝えつつ断る時にも使えて、とても上品な響きがあります。
- “Is this too heavy for you?” “Not at all. I’m fine!” (「これ、重すぎない?」「いえいえ、全然大丈夫ですよ!」)
- “Thank you for your help.” “Not at all.” (「手伝ってくれてありがとう。」「どういたしまして。」)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Rabbit loved carrots! He collected them wherever he went.
ウサギはニンジンを愛しました! 彼はどこに行ってもそれらを集めました。
Rabbit was proud of his collection and burrowed it away in his cozy hole.
ウサギは彼のコレクションを誇りに思って、それを掘り起こした居心地の良い穴にしまいました。
But rabbit had a problem. A big problem.
しかし、ウサギには問題がありました。 大問題。
He couldn’t sleep!
彼は眠れませんでした!
His cozy hole was too crowded to live in.
彼の居心地の良い穴は住むには混雑しすぎていた。
“I need a place to sleep.” Rabbit told Tortoise.
「私は眠る場所が必要です」うさぎさんはカメさんに話した。
“You could share my house.” Tortoise offered.
「あなたは私の家を共有することができます」 カメは提案した。
“It looks cozy and snug,” Rabbit said.
「それは居心地がよく、ぴったりしているようだ」とウサギは言った。
“Maybe it’s a little TOO snug for two?” suggested Tortoise.
「たぶん、居心地は2人だと狭すぎるかな?”」カメさんは申し出た。
“Not at all,” said Rabbit.
「全くそんなことはないとウサギは言った。
Uh-oh! oh dear! ouch crash!
ええとああ! まあ! ああクラッシュ!
“Oh, dear. Well, perhaps we can stay in Bird’s nest,” said Rabbit.
「まあ、おそらく私たちは鳥の巣に滞在することができるだろう」とウサギは言った。
“My nest is quite small, Rabbit,” said Bird.
「私の巣は非常に小さい、ウサギさん」と鳥は言いました。
“I’m sure we will all fit,” replied Rabbit.
「多分すべてピッタリでしょう」とうさぎさんは答えた。
Rabbit hauled all his carrots up the tree.
ウサギは彼のすべてのニンジンを木の上に運んだ。
“Whoa!” groaned Tortoise and Bird as the branch wobbled and swayed…
「うわぁ!」枝がぐらついて、揺れ動いたので、亀と鳥が唸った…
..and snapped!
そしてパチン!
Crash!
壊れた!
“I’m so sorry. Bird now three of us don’t have a place to sleep,” said Rabbit.
「とても残念です。鳥さん私たちの3人は今眠る場所がありません」とうさぎさん。
“You can sleep in my house,” offered Squirrel.
「あなたは私の家で寝ることができます」とリスさんが申し出た。
“Oh thank you, Squirrel! How kind of you.” said Rabbit.
「ああ、ありがとう、リスさん!なんて親切な人?」 ウサギは言った。
“I don’t think any more carrots will fit, Rabbit,” said Squirrel.
「これ以上のニンジンがうまく収まるとは思わない、ウサギさん」とリスは言った。
“Just a few more.” Rabbit replied.
「ほんのちょっとだけ。」 ウサギは答えた。
“Uh-oh,” whimpered Tortoise, Bird, and Squirrel.
「わぁぁ」泣くカメさん、鳥さん、そしてリスさん。
Creek! Crash! Craack!
バリバリ!ぐしゃり!
“Now four of us don’t have anywhere to sleep.” grumbled Squirrel.
「今4人はどこにも寝る場所がない」 ぼやくリス。
“You can sleep at my house,” called Beaver. “It has plenty of space .”
「あなたは私の家で寝ることができます」と、ビーバーは呼びかけました。「それは十分なスペースがある。」
“Great! I can bring even more carrots,” Rabbit said with a smile.
「すごい!私はさらにニンジンを持ち込むことができます」とウサギは微笑みながら語った。
“But with all your carrots we can’t fit inside.” said Beaver, a bit bewildered.
「しかし、あなたのニンジンをすべて、私たちは中に入れることができません。」 ビーバーは、ちょっと困惑した。
Just then, the rain started. Tortoise shivered.
Bird whimpered. Squirrel squeaked.
ちょうどその時、雨が降り始めた。 カメは震えた。
鳥はしくしく泣いた。 リスはちゅうちゅう鳴いた。
And Beaver heard a Terrible rumble as his house collapsed.
そしてビーバーは、彼の家が倒れたときにひどい騒音を聞いた。
“Oh no! My house!” yelled Beaver.
「ああ、私の家!」 ビーバーを叫んだ。
“Oh no! My carrots!” cried Rabbit.
「ああ、私のニンジン!」 ウサギは泣いた。
Aaaa crash!
あー ガシャン!
The friends groaned as they swept up onto the riverbank.
友人たちはうめき声をあげながら川岸の上へ流された。
Rabbit felt terrible. His friends were cold, tired, and homeless, and it was all his fault.
ウサギはひどい感じでした。 彼の友人たちは冷たく、疲れていて、ホームレスだった。
Even worse, Rabbit still had all of his carrots and his house.
さらに悪いことに、ウサギはまだ彼のニンジンと彼の家を全部持っていた。
And that’s when he realized there was only one thing to do..
そして、それは彼が行うことが一つしかないことを認識したときです。
..share everything with his friends! After all, carrots weren’t for collecting – they were for Sharing!
..彼の友達とすべてを共有する! 結局のところ、ニンジンは収集のためではありませんでした – それは共有のためだった!
And sharing made everything better.
そして分かち合いはすべてをより良くした。
最後に:「好き」を「幸せ」に変える魔法
というわけで、今日は大好きなニンジンに振り回される、うさぎさんのお話をご紹介しました。
友達のおうちを次から次へと壊してしまううさぎさんの姿は、ちょっぴり呆れるけれど、どこか憎めなくて、思わず笑ってしまいますよね。だって、ただ「大好き」なだけなんですもんね。
でも、この絵本は最後に、とても大切なことを教えてくれます。
自分の「大好き」を独り占めしようとすると、それは時に自分や周りを困らせる「問題」になってしまう。けれど、その「大好き」を誰かと分かち合った瞬間、それはみんなを笑顔にする、温かい「幸せ」に変わるんだ、と。
もしお子さんが、おもちゃの取り合いで喧嘩してしまった時、この絵本をそっと開いてみてください。ニンジンをみんなで美味しそうに食べている動物たちの絵が、きっと「分け合うって、なんだかいいね」という気持ちの種を、心の中に植えてくれるはずです。
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