こんにちは!
「ピーマン、きらーい!」「これ、なんかヤダ!食べない!」…テーブルに並んだご飯を前に、お子さんの元気な「イヤイヤ!」が始まってしまうこと、ありますよね。
親としては、栄養を考えて一生懸命作ったのに…と、がっくり。そして、つい「見た目で判断しないで、一口だけでも食べてごらん!」なんて、お説教モードになってしまったり。
でも、子どもからすれば、知らない食べ物は未知との遭遇。ちょっぴり怖いのかもしれません。今日は、そんな食べず嫌いのお子さんの気持ちを、ユーモアたっぷりに描きながら、「もしかしたら、おいしいのかも?」という小さな好奇心の芽を育ててくれる、とっても愉快な英語絵本、『The Yak Who Yelled Yuck』をご紹介します。
ここでは『The Yak Who Yelled Yuck』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
あるところに、新しい食べ物を試すのが大嫌いな、若いヤクの女の子がいました。
ある日、パパが黄色いバナナを持ってきてくれましたが、ヤクは一口も食べずに「Yuck!(おえーっ!)」と叫ぶと、お隣さんの庭にポイッ! 次にくれたヨーグルトも、ヤムイモ(お芋)も、ぜーんぶ「Yuck!」と叫んで、ポイポイッ!
ところが、そのお隣の庭には、賢いおじいさんのヤクが住んでいました。のんびりヨーヨーで遊んでいたおじいさんヤクの頭に、ポイッと投げられたヤムイモが、ごつん!と当たってしまい…。
英語学習のポイント
この絵本は、アルファベットの「Y」の音で始まる単語がたくさん出てくる、言葉遊びが楽しい一冊です。今回は、お子さんがすぐに真似したくなる、印象的なフレーズを2つご紹介しますね。
“Yuck!” (おえーっ!/いやーっ!)
これが、主人公のヤクの口癖!日本語の「おえーっ」や「まずそう!」「いやだ!」といった、ネガティブな気持ちを、たった一言で表せる、とっても便利な言葉です。
ものすごくざっくり言うと、子どもが食べ物を前にして顔をしかめる、あの感じですね。
“Yuck!” yelled the Yak without even taking a bite.
ヤクは一口も食べずに「おえーっ!」と叫びました。
「いや!」という気持ちを表現するのに、こんな面白い響きの言葉があるんだね、と知るだけで、お子さんもなんだか楽しくなってしまうかもしれません。
You should taste things before you yell yuck. (まずいって叫ぶ前に、味見してみるべきだよ)
これは、お隣のおじいさんヤクが、主人公のヤクにかける、この物語で一番大切なセリフです。
少し長いですが、ものすごくざっくり言うと、「食べる前に『まずい!』って言うのは、やめておこうよ」という、優しいアドバイスです。“You should…” は「〜すべき」と訳されますが、ここでは「〜してみたらどうかな?」くらいの、穏やかな提案のニュアンスですね。
この一言が、頑固だったヤクの気持ちを少しだけ変える、大きなきっかけになります。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
There once was a young yak who hated trying new foods.
新しい食べ物を試すのを嫌う若いヤクがいました。
One day, the young yak’s father gave her a yellow banana.
ある日、若いヤクの父親は彼女に黄色いバナナを渡しました。
“Yuck!” yelled the Yak without even taking a bite.
「オエッ!」 一口も食べずにヤクは叫んだ。
The yak tossed the yellow banana into her neighbor’s yard.
ヤクは黄色いバナナを隣の庭に投げ入れた。
The young yak’s father gave her some yogurt.
若いヤクの父親は彼女にヨーグルトをあげた。
“Yuck!” yelled the yak.
「オエッ!」 ヤクは叫んだ。
She tossed the yogurt into her neighbor’s yard.
彼女はヨーグルトを隣の庭に投げ入れた。
The young yak’s father gave her a yam.
若いヤクの父親は彼女に山芋をあげた。
“Yuck!” yelled the yak.
「オエッ!」 ヤクは叫んだ。
She tossed the yam into her neighbor’s yard.
彼女は山芋を隣の庭に投げ入れた。
A wise old yak lived next door to the young yak.
賢く年老いたヤクは若いヤクの隣に住んでいました。
He was in his yard playing with his yo-yo.
彼は庭でヨーヨーで遊んでいた。
The yam hit the wise old yak right in the head!
山芋は賢く年老いたヤクのあまたに直撃した!
“Yikes!” yelled the wise old yak.
「ギャー!」賢く年老いたヤクは叫んだ。
“Yoo-hoo, young yak!” the wise old yak yelled over the fence.
「ヤッホー、若いヤク!」と、賢い年をとったヤクはフェンス越しに叫びました。
“Yes?” said the young yak.
「はい?」と若いヤクは言った。
“You should taste things before you yell yuck,” said the wise old yak.
「君は叫ぶ前に物事を味わうべきだ」と賢いヤクは言った。
The young yak leaped over the fence into her neighbor’s yard.
若いヤクは柵を越えて隣の庭に飛び込んだ。
She tasted a yellow banana, the yogurt, and the yam.
彼女は黄色いバナナ、ヨーグルト、そして山芋を味わった。
“Yoweee!” said the young yak.
「よろしく!」 若いヤクは言った。
“These are yummy!”
「これらはおいしいです」
And now she’s the Yak who yells, “YUM!”
そして今、彼女は「おいしい!」と叫ぶヤクです。
How many things can you find that begin with the letter Y?
Yで始まるものはいくつありますか?
Y y Cheer
Y is for yo-yo, Y is for yak
Yはヨーヨー、Yはヤク
Y is for a yummy yogurt snack
Yはおいしい ヨーグルト お菓子
Y is for yarn, yes, yard, and young
Yは糸、はい、庭そして若い
Y is for yam and a bright yellow sun
Yは山芋と明るく黄色い太陽
Hooray for Big Y, small Y, too-
ばんざい大きなY、ちいさなyも
the letter that makes you want to yell “Yahoo!”
あなたが「やっほー!」と叫びたくなる文字。
最後に:ユーモアという、最高のスパイス
というわけで、今回は食べず嫌いがテーマの、ユーモラスな絵本をご紹介しました。
もちろん、この絵本を一回読んだからといって、明日から急にピーマンが大好きになる!…なんてことは、ないかもしれません。子どもの好き嫌いは、そんなに簡単なものではないですよね。
でも、この絵本は、「食べなさい!」と叱るのとは全く違う方法で、子どもの心に働きかけてくれます。
「あ、このヤクさん、わたしと一緒だ!」「食べ物をポイってしたら、頭に当たっちゃうんだ!」
そんな風に、物語を楽しみながら、客観的に自分の姿を見て、クスッと笑ってしまう。その「笑い」こそが、頑なになった子どもの心をちょっぴりほぐしてくれる、最高のスパイスになるのかもしれません。食事の時間が、親子でもう少しだけ楽しいものになりますように。