「The Wizard of Oz (Mauro Evangelista)」は、誰もが知っている名作「オズの魔法使い」を、小さなお子さんにもわかりやすく、美しいイラストで表現した絵本です。竜巻に巻き込まれて不思議な国オズに迷い込んだ少女ドロシーの冒険を通して、勇気、友情、知恵の大切さを教えてくれます。
ここでは「The Wizard of Oz (Mauro Evangelista)」の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
カンザスの農場に住む少女ドロシーは、愛犬のトトと一緒に竜巻に家ごと吹き飛ばされ、不思議な国オズに迷い込んでしまいます。
家に帰る方法を探すドロシーは、北の良い魔女からエメラルドシティに住む魔法使いに会いに行くようにと言われ、黄色いレンガ道をたどる旅に出発します。
旅の途中で出会った脳みそが欲しいかかし、心優しいブリキの男、臆病なライオンも、それぞれの願いを叶えてもらうためドロシーと一緒に旅をします。
数々の困難を乗り越え、ついにたどり着いたエメラルドシティで、魔法使いから告げられたのは、邪悪な魔女を倒すことでした…。
英語学習のポイント
擬音語・擬態語の表現を学ぼう
この絵本では、風が吹き荒れる様子や、家が飛ばされる様子、動物の鳴き声などが、子どもにもわかりやすい擬音語や擬態語で表現されています。
例えば、
spun (スパン) : (spin-spun-spun) 回転する、くるくる回る
bump (バンプ) : ドスン、バタン
tinkled (ティンクルド) : チリンチリンと鳴る
leaped (リープト) : (leap-leaped-leapt) 跳びはねる
roar (ロアー) : 吠える、轟轟と鳴る
yelped (エルプト) : (犬などが) キャンキャン鳴く
cackled (キャックルド) : (魔女などが) キャッキャッと笑う
sobbed ( sobbed ): すすり泣く
など、色々な擬音語・擬態語が出てくるので、読み聞かせの際に、お子様と一緒に声に出して、楽しく英語の音を吸収してみましょう。
よく使われる英語表現を覚えよう
日常会話でよく使う英語表現もたくさん出てきます。
例えば、
Please, how do I get home? (すみません、どうすれば家に帰れますか?)
Can I come? (一緒に行っていい?)
Of course.(もちろん)
Help!(助けて!)
Let me come with you. (僕も連れて行って。)
Get to work!(働きなさい!)
She’s gone!(彼女がいなくなった!)
Don’t worry. (心配しないで。)
I’m so glad to be home. (家に帰って来られて本当に嬉しい。)
などは、丸覚えしておくと、色々な場面で役立ちます。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Dorothy lived on a lonely farm in Kansas, with her Uncle Henry and Aunt Em and a little dog, Toto.
カンザスの寂しい農場で、ドロシーは叔父ヘンリーと叔母エム、そして小さな犬のトトと暮らしていました。
One day, the wind began to howl. “It’s a whirlwind!” cried Aunt Em.
ある日、風が吹き荒れ始めました。「これは旋風よ!」と叔母エムは叫びました。
“Everyone to the cellar!”
「みんな地下室へ!」
But Toto had dashed for cover under the bed.
しかし、トトはベッドの下に隠れるために飛び出しました。
The wind blew harder.. and harder.. until suddenly.. it spun the house into the air.
風はますます強く吹き荒れ、突然、家を空中に巻き上げました。
The house sailed through the sky.. and landed with a bump!
家は空を舞い上がり、ドスンと着地しました!
Dorothy poked her head outside and saw some friendly faces.
ドロシーは外に顔を出し、親切な顔を見ました。
“Oh, welcome to Oz.
「ああ、オズへようこそ。
Please, how do I get home?” she asked.
どうすれば故郷に戻れるのでしょうか?」と彼女は尋ねました。
“You need to see the wizard,” said a woman.
「あなたは魔法使いに会う必要があるわ」と女性は言いました。
“He lives in Emerald City at the end of the yellow brick road.”
「彼はエメラルドシティに住んでいて、黄色のレンガ道の終わりにあります。」
And she gave Dorothy a pair of sparkling silver shoes for the journey.
そして彼女はドロシーに輝く銀の靴を旅のために与えました。
Dorothy’s new shoes tinkled on the yellow bricks as she walked along the road.
ドロシーの新しい靴は、彼女が道を歩むにつれて黄色のレンガの上でリンリンと音を立てました。
“Hello there!” called a scarecrow.
「こんにちは!」とわら人形が呼びかけました。
“Where are you going?”
「どこへ行くんだ?」
“To see the wizard,” replied Dorothy.
「魔法使いに会いに行くのよ」とドロシーは答えました。
“Can I come?” said the Scarecrow. “I want to ask the wizard for some brains.”
「僕を連れて行ってくれる?」とわら人形は言いました。「魔法使いに知恵をくださいと頼みたいんだ。」
“Of course,” said Dorothy, with a smile.
「もちろんだよ」とドロシーは微笑んで言いました。
A few miles on, they saw a tin man.
数マイル歩くと、彼らはブリキの男を見ました。
He stood stock still, his arms stuck behind his head.
彼はじっと立ち尽くし、腕は頭の後ろに固定されていました。
“Help!” he groaned. “I’ve rusted up,”
「助けてくれ!」と彼はうめきました。「さびついてしまったんだ。」
Dorothy picked up a nearby oil can and trickled oil onto his stiff joints.
ドロシーは近くのオイル缶を拾い上げ、彼の硬くなった関節にオイルをたらしました。
“We’re on our way to see the wizard,” she said.
「私たちは魔法使いに会いに行く途中なの」と彼女は言いました。
“Can I come?” asked the Tin Man. “I want to ask the wizard for a heart.”
「僕を連れて行ってくれる?」とブリキの男は尋ねました。「魔法使いに心臓をくださいと頼みたいんだ。」
They had barely set off again, when a lion leaped out of the trees with a terrible roar!
彼らが再び出発したとたん、ライオンが木々から飛び出してきて恐ろしい咆哮をあげました!
The Scarecrow trembled but Toto barked.
わら人形は震えましたが、トトは吠えました。
“Oh!” yelped the lion. “Don’t hurt me.”
「ああ!」とライオンは悲鳴を上げました。「僕を傷つけないで。」
“I heard you talking about the Wizard, and I want him to make me brave.Let me come with you.”
「魔法使いについて話しているのを聞いたんだけど、僕を勇敢にしてほしいんだ。僕を連れて行ってくれ。」
The four of them followed the yellow brick road as it wound on and on, past forests and rivers and fields.
4人は、森や川や畑を通り過ぎて、延々と続く黄色のレンガ道をたどりました。
At last, they came to a city of glittering emeralds.
最後に、彼らは輝くエメラルドの街にたどり着きました。
A gatekeeper gave each of them a pair of green glasses and led them to the Wizard’s palace.
門番は彼ら一人一人に緑色の眼鏡を与え、魔法使いの宮殿に案内しました。
“I’ll help you, if you help me,” said the wizard.
「お前たちが私を助けてくれれば、私もお前たちを助ける」と魔法使いは言いました。
“First you must kill the wicked witch.”
「まず、邪悪な魔女を倒さなければならない。」
The wicked witch lived in a castle guarded by wolves and crows.
邪悪な魔女は、オオカミとカラスが守る城に住んでいました。
But the Tin Man fought off the wolves.
しかし、ブリキの男はオオカミを撃退しました。
And the Scarecrow scared away the crows.
そして、わら人形はカラスを追い払いました。
Furious, the witch summoned her flying monkeys.
怒った魔女は、自分の空飛ぶ猿を呼び寄せました。
Soon the friends were prisoners in her castle.
すぐに、彼らは彼女の城の囚人になりました。
“Now you’re my slaves,” she cackled.
「さあ、お前たちは私の奴隷よ」と彼女は笑い声をあげました。
“Get to work!”
「働け!」
Then the witch noticed Dorothy’s beautiful silver shoes.
それから、魔女はドロシーの美しい銀の靴に気づきました。
“I want those shoes,” thought the witch.
「あの靴が欲しい」と魔女は考えました。
She waited until Dorothy was fetching a pail of water,..
ドロシーが水を汲みに行くまで、彼女は待ちました。
..then she pushed her and pounced.
そして、彼女はドロシーを突き飛ばして飛びかかりました。
Dorothy was so annoyed she threw the water all over the witch.
ドロシーは怒って、水を魔女にかけました。
At once, the witch melted away into a puddle.
すると、魔女は水たまりに溶けてしまいました。
“She’s gone!” cried Dorothy, quickly putting on her shoes.
「消えたわ!」とドロシーは叫び、急いで靴を履きました。
“We can claim our rewards.”
「私たちは報酬を受け取ることができるわ。」
The Wizard’s rewards were rather strange.
魔法使いの報酬は、かなり奇妙でした。
First, he gave the scarecrow a handful of pins.
まず、彼はわら人形に一握りのピンを与えました。
“Now I’m sharp as a pin.”
「さあ、僕はピンほど鋭くなったよ。」
Then he gave the Tin Man a heart-shaped cushion.
それから、彼はブリキの男にハート型のクッションを与えました。
And for the lion, there was a bottle marked Courage.
そして、ライオンには「勇気」と書かれた瓶がありました。
Last of all, the wizard showed Dorothy a hot-air balloon.
最後に、魔法使いはドロシーに熱気球を見せました。
“We’ll fly home,” he said.
「これで家に飛んで帰れる」と彼は言いました。
But the ropes snapped and the balloon took off without her.
しかし、ロープが切れ、熱気球は彼女なしで飛び去りました。
“Go to the good witch Glinda!” called the wizard. “She’ll help you.”
「善き魔女グリンダの元へ行きなさい!」と魔法使いは叫びました。「彼女は助けてくれるでしょう。」
Dorothy was in despair, but her friends took her to Glinda’s palace.
ドロシーは絶望しましたが、彼女の友人は彼女をグリンダの宮殿に連れて行きました。
“I’m stuck in Oz!” Dorothy sobbed, standing before the throne.
「オズに閉じ込められてしまったわ!」ドロシーは玉座の前に立って泣き崩れました。
“Don’t worry,” said Glinda, kindly.
「心配しないで」とグリンダは優しく言いました。
“The silver shoes will take you home.”
「銀の靴があなたを故郷に連れて行ってくれるでしょう。」
“Just knock the heels together and wish.”
「ただ、かかとを打ち合わせて願いを言えばいいのよ。」
Dorothy and Toto whirled through the air…and landed back on the farm.
ドロシーとトトは空を旋回し、農場に帰ってきました。
There stood Aunt Em, in front of a brand-new farmhouse.
そこには、真新しい農家の前に叔母エムが立っていました。
Dorothy ran up and threw her arms around her.
ドロシーは駆け寄り、叔母に抱きつきました。
“I’ve been on an amazing adventure,” she said.
「私は素晴らしい冒険に出かけてきたわ」と彼女は言いました。
“But oh, I’m so glad to be home.”
「でも、家に帰れて本当に嬉しいわ。」
And Toto barked as if to say “me too!”
そして、トトは「私も!」と言いたげに吠えました。