こんにちは!
道端で出会った一匹の犬や猫。その可愛さに心を奪われ、「この子と一緒に暮らせたら…」なんて、想像したことはありませんか? ふわふわの毛、つぶらな瞳。ペットとの生活は、かけがえのない喜びと癒しを与えてくれますよね。
でも、一つの命を預かるということは、楽しいことばかりではありません。時には予期せぬ別れがあったり、自分の未熟さに気づかされたりすることもあります。
今日は、そんな少年と一匹の犬との出会い、突然の別れ、そして時を超えた約束を描いた、深く心に響く英語絵本『Hey Boy』をご紹介します。読み終えた後、きっと「大好き」という言葉の重みを、改めて感じられるはずです。
ここでは『Hey Boy』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
ある朝、一人の男の子が一匹の犬に出会います。「ねえ、僕のおうちに来ない?」と声をかけると、犬は喜んでついてきました。その日から、二人の冒険が始まります。毎日夢中になって、狂ったように遊び続ける少年と犬。
しかし、そんな幸せな時間は、少年の突然の怪我によって終わりを告げます。「あなたには、まだ犬のお世話は早すぎるわ」。お母さんのその一言で、二人は引き離され、犬は施設に預けられることに。
「心配しないで。僕、誰よりも早く大人になるから!」。そう固く誓った少年。しかし、彼が次に犬を訪ねた時、そこに彼の親友の姿はもうありませんでした…。
英語学習のポイント
この絵本は、少ない言葉で、登場人物の深い感情を表現しているのが特徴です。今回は、物語の中でも特に印象的で、日常会話にも応用できるフレーズを2つご紹介します。
Maybe when you’re grown up. (たぶん、あなたが大人になったらね。)
これは、犬と引き離されることになった少年にお母さんがかける言葉です。ただ未来の可能性を話しているだけでなく、ここには「今はまだダメなのよ」という、優しくも厳しい親の気持ちが込められています。
ものすごくざっくり言うと、「大人になったら、また考えましょうね」というニュアンスですね。子どもの要求をただ否定するのではなく、未来に希望を持たせつつ、今は無理だと諭す時に使える、とても深い表現です。
- “Can I get a smartphone?” “Maybe when you’re a little older.” (「スマホ買っていい?」「うーん、もうちょっと大きくなったらね。」)
in the meantime (そうこうしている間に / その間に)
物語の中で、少年が「早く大人になろう!」と努力している間に、時間が流れていってしまう…そんな切ない場面で使われる言葉です。ある出来事が起こっている「その間に」、別のところでは違うことが進んでいる、という状況を描写するのに便利です。
But in the meantime… the boy missed the dog so much.
しかしその間に…少年は犬が恋しくてたまらなかった。
少し長い文章をつなぐ時に使えると、表現の幅が広がりますよ。
- Dinner will be ready in an hour. In the meantime, you can do your homework. (夕食は1時間でできるわ。その間に、宿題をやってしまいなさい。)
- I’m waiting for the bus. In the meantime, I’ll read a book. (バスを待っているんだ。その間、本を読むことにするよ。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
One morning, a boy met the dog.
ある朝、一人の男の子が犬に出逢った。
“Hey, boy. Do you want to see my house?”
「ねぇ、私の家を見たいですか?」
That night, the boy told the dog about the adventures they would have and the games they would play.
その夜、その少年は犬に冒険についてと彼が持っているゲーム遊びについて話しました。
They couldn’t wait to get started.
彼らは始めるのを待つことができませんでした。
They played and played like crazy…
彼らは狂ったようにあそびました…
until the boy got hurt.
その少年がけがをするまで。
“You’re not ready to take care of a dog.” his mom said.
「あなたは犬の世話をする準備ができていません。」 彼のお母さんは言った。
“Maybe when you’re grown up.”
「たぶんあなたが成長したときに」
“Don’t worry, Boy. I have a plan.
「心配しないで、計画があります。
I’m going to grow up faster than anybody!” said the boy.
私は誰よりも早く成長するつもりだ!」とその少年は言った。
“You won’t be at the shelter long.”
「あなたは収容所に長くいることはありません。」
“Stay, Boy.”
「ここにいて」
For more than a month, the boy tried to grow up as fast as he could.
一ヶ月以上もの間、その少年はできるだけ早く成長しようとしました。
But in the meantime…
しかし、その間に…
the boy missed the dog so much, he decided it was okay to visit.
その少年はその犬にとても会いたかったので、彼は訪問してもいいと決心した。
But his friend was gone. Adopted.
しかし彼の友達はいなくなった。養子になった。
For a while the boy didn’t know what to think.
しばらく少年は何を考えるべきかわからなかった。
He felt sad.
彼は悲しかった。
Until an old fashioned letter arrived in the mail.
昔ながらの手紙が郵便に届くまで。
His friend was on an adventure, living somewhere the boy had never been.
彼の友人は冒険中で、その少年がかつて行ったことのないどこかに住んでいました。
“Hey boy! You’re getting so big!”
「やあ、君はとっても大きくなっている!」
They played and played like they had when they first met, until they were both exhausted and needed to rest.
疲れきって、休む必要があるまで、初めて会った時のように、彼らは遊んで、遊びました。
“When I finish growing up,” the boy told the dog.
「私が成長し終わったときに」、少年は犬に言いました。
“we’ll live on a farm.”
「農場に住むよ」
“And you can run around every day chasing sheep.”
「そして羊を追いかけて毎日走り回ることができる」
“I made my own lunch today, so it won’t be much longer.”
「今日は自分で昼食を作ったので、もうこれ以上長くはならないでしょう」
Time passed.
時は過ぎた。
The boy tried harder than ever to grow up.
その少年は今まで以上に成長しようとした。
He wanted to tell his friend everything.
彼は友達にすべてを伝えたかった。
The boy visited whenever he could.
彼は可能な限りいつでも訪問した。
“I biked here,” he told a dog.
「私はここで自転車に乗った」と彼は犬に言った。
“I also research dog food, and the best kind can be eaten by both of us.”
「私はドッグフードについても研究しています、そして私たち二人で最高の種類を食べることができます。」
“But I haven’t tried it…”
「でも試したことがない」
Sometimes a while pass between visits.
時々、訪問の間、時が過ぎます。
The dog was older now.
その犬は今、年を取った。
They didn’t run around a play as much as they used to.
彼らは昔ほど走り回っていませんでした。
“Don’t worry, Boy.” the boy whispered at the end of one visit.
「心配しないで、」 その少年はある訪問の終わりにささやきました。
“I still love you.”
「私はまだあなたを愛しています。」
More time passed.
もっと時間が経った。
Some days were bad.
何日かは悪かった。
Other days were good.
他の日は良かった。
Sometimes nothing seemed to make sense.
意味があるように見えないこともありました。
Sometimes it did.
時々それをしました。
But he never stopped missing his friend.
しかし彼は彼の友人を見逃すことを決して止めなかった。
The boy had done it – grown-up.
その少年は成し遂げた。成長した。
But he visited less and less.
しかし彼はますます訪れなくなった。
Then one day there was news.
それからある日、ニュースがありました。
The couple was no longer young enough to take care of the dog.
その夫婦はもう犬の世話をするのに十分なほど若くはなかった。
At first the boy didn’t know what to think.
最初、少年は何を考えるべきかわからなかった。
He sat down.
彼は座った。
Where would his friend live?
彼の友人はどこに住んでいますか?
But he knew the answer, and it made him happy.
しかし、彼は答えを知っていた、そしてそれは彼を幸せにした。
Ready or not, he was going to bring the dog home.
準備ができているかどうかに関係なく、彼は犬を家に持ち帰るつもりでした。
The boy drove and drove…
少年は車を走らせた。。
When he arrived, he felt nervous.
彼が到着したとき、彼は緊張しました。
Even afraid.
でも怖い。
What if he doesn’t recognize me?
彼が私を認識していないとどうなりますか?
Will he wag his tail?
彼は尾を振るのだろうか?
What if he barks?
もし彼が吠えたら?
“Hey boy!” His friend moved very slowly now.
「ねぇ!」彼の友人は今とてもゆっくり動いた。
He couldn’t see very well.
彼はあまりよく見えなかった。
But, of course, the dog was happy.
しかし、もちろん、犬は幸せでした。
And the boy was overjoyed.
そしてその少年は大喜びしました。
“Thank you,” he said.
「ありがとう」と彼は言った。
So the boy told his friend about the adventures they would have.
それで、その少年は友達に彼らが経験するであろう冒険について話しました。
And a games they would play and play and play.
そして彼らが遊んで遊んで遊ぶゲームについても。
最後に:約束の重さと、変わらない愛情
というわけで、今回は少年と犬の絆を描いた、ちょっぴり切ない絵本『Hey Boy』をご紹介しました。
「早く大人にならなきゃ!」って、大好きなワンコのために一生懸命になる少年の姿、なんだか健気で胸がきゅーっとなりますよね。この絵本って、ただ「動物かわいいね」で終わるんじゃなくて、「一つの命と一緒に暮らすって、どういうことなんだろう?」って、優しく問いかけてくれる気がするんです。
子どもはどんどん大きくなって、ワンちゃんは少しずつ年をとっていく。そんな当たり前の時間の流れが、この絵本ではすごくリアルに、そして愛おしく描かれています。でも、お互いを「大好き!」って思う気持ちだけは、ずっと変わらないんだなって。
いつかお別れが来ることを考えると、ペットと暮らすのは少し勇気がいることかもしれません。でも、この絵本を読むと、「一緒に過ごした時間」や「交わした約束」が、その子の人生にとって、きっとかけがえのない宝物になるんだろうな、と温かい気持ちになれるんです。親子で「命」について話してみる、そんな優しいきっかけになったら嬉しいです。