街中がイルミネーションで彩られ、クリスマスソングが聞こえてくると、なんだか大人までワクワクしてきますよね。でも、お家での「クリスマスの過ごし方」に少しマンネリを感じていませんか?「子供に本場のクリスマスの雰囲気を味わわせてあげたいけれど、英語の絵本はハードルが高そう…」そんな風に思っているパパ・ママも多いかもしれません。
実は、そんな悩みを一発で解決してくれる、とっておきの動画があるんです。それはなんと、サンタクロース本人が名作絵本を読んでくれるというもの!まるで北極のサンタさんのお部屋に招かれたような気分で、英語の音と物語の世界に浸ることができます。
ここでは『Twas the Night Before Christmas』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本『Twas the Night Before Christmas』の基本情報
| タイトル | Twas the Night Before Christmas (A Visit from St. Nicholas) |
|---|---|
| 著者・イラスト | Clement Clarke Moore (詩) |
| 出版社 | 各種出版社より多数出版 |
| 対象年齢(目安) | 4歳〜大人まで |
あらすじ
タイトルは「クリスマスの前の晩のこと(クリスマスイブ)」という意味。家の中はしーんと静まり返り、子供たちはベッドでぐっすり眠っています。パパとママも長い冬の眠りにつこうとしていたその時、外の芝生で「カタカタ!」と大きな音が!
あわてて窓を開けると、そこに現れたのはミニチュアのソリと8頭のトナカイ、そして陽気なサンタクロース(聖ニコラス)でした。煙突からドスンと降りてきたサンタさんは、煤で汚れた服を着て、タバコのパイプをくわえ、お腹を揺らして笑います。彼は一言も話さず、靴下にプレゼントを詰めると、あっという間に煙突を登って帰っていきます。
去り際に彼が叫んだ言葉は、「Happy Christmas to all, and to all a good-night!」。今の私たちの知る「サンタクロース」のイメージを決定づけたと言われる、世界的名詩です。
英語学習のポイント
1. 古風な言い回し「’Twas」を知ろう
タイトルの冒頭にある“Twas”は、現代英語ではあまり使われませんが、詩や物語でよく見かける表現です。これは“It was”の短縮形です。
- ‘Twas the night before Christmas
(それはクリスマスの前の晩のことでした)
このように、音のリズムを整えるために短縮された形を知っておくと、英語の詩がもっと楽しくなります。
2. 詩的な表現「lustre」と「breast」
月の光を描写する美しい一節に注目してみましょう。“The moon on the breast of the new-fallen snow”という表現があります。
- breast
:一般的には「胸」を意味しますが、古語や文学的表現では「ふくらみ」や「表面」を指すことがあります。ここでは、降り積もったばかりの雪のふんわりとした表面を表現しています。 - lustre
:「光沢」「輝き」という意味です。真昼のような明るさを雪面に与えている様子が目に浮かびますね。
3. リズミカルな韻(ライム)を楽しもう
この絵本の最大の特徴は、心地よいリズムです。2行ごとに最後の単語が韻を踏んでいます(AABB形式)。
- house / mouse
- care / there
- beds / heads
読み聞かせの際は、この「韻」を意識して少し強調して読むと、子供たちも音の楽しさに引き込まれます。ぜひサンタさんの動画を真似してみてください。
読み聞かせ動画
日本語訳(全文)
Twas the night before Christmas.
when all through the house
Not a creature was stirring.
not even a mouse.
それはクリスマスイブのことでした。
家中一つの生き物もかすかにも動いていませんでした。
ネズミでさえ。
The stocking were hung by the chimney with care.
In hopes that St, Nicholas soon would there.
靴下は大切に煙突のそばに掛けられていました。
サンタクロースがすぐにそこへ訪れる期待を込めて。
The children were nestled all snug in their beds.
While visions of sugarplums danced in their heads.
子供たちは抱き寄せられるようにとても心地よくベットに横たわりました。
彼らの頭の中で飴玉がダンスしている間
And Mamma in her “kerchief”. and I in my cap.
Had just settled our brains for a long winter’s nap;
そして、ママは「スカーフ」を着けて、私は帽子をつけて。
ちょうど冬の長い眠りのために私たちの頭を安定させていました。
When our on the lawn there arose such a clatter,
I sprang from the bed to see what was the matter.
芝生の方ででカタカタと物音がした時、
何か問題でも起きたのかと私はベットから飛び起きました。
Away to the window I flew like a flash,
Tore open the shutters and threw up the sash.
私は即座に窓に向い
雨戸を開きサッシを上げました。
The moon on the breast of the new-fallen snow,
Gave the lustre of midday to objects below.
まっさらな雪の積もった丘の上の月、
その月明かりが地上に真昼のような光を与えていました。
When, what to my wondering eyes should appear.
But a miniature sleigh, and eight tiny reindeer,
With a little old driver, so lively and quick,
I knew in a moment it must be St,Nick.
その時、好奇心に満ちた私の眼には、
ミニチュアにしか見えないソリと8匹のトナカイ、
とっても活気にあふれ機敏な運転手も。
私は一瞬でわかった、それはサンタクロースに違いないと。
More rapid than eagles his coursers they came,
And he whistled,
and shouted, and called them by name;
ワシよりもはやく駆け抜けてくる
くちぶえをふき、
さけびながら、名前を呼ぶ掛け声
“Now, Dasher! Now, Damcer!
Now, Prancer and Vixen!
On, Comet! On, Cupid!
ON, Donder and Blitzen!
To the top of the porch!
To the top of the wall!
Now dash away!
Dash away!
Dash away all!”
「さぁダッシャー!さぁ、ダンサー!
さぁ、プランサー、ビクサー!
それ、コメット!それ、キューピット!
それ、ドンダーもブリッツエン!
門を超え!
塀を超えて!
かけあがれ!
とびこえろ!」
As dry leaves that before the wild hurricane fly,
When they meet with an obstacle, mount to the sky;
So up to the housetop the coursers they flew,
With the sleigh full of toys,
and St.Nicholas too.
嵐に舞う枯れ葉のように、
じぁまなものに出会ったら空によじ登り、
屋根の上にまいおりて、
おもちゃをいっぱいのせて、サンタも載せて。
And then in a twinkling,
I heard on the roof.
The prancing and pawing of each little hoof–
そしてきらめきながら、
私は屋根の上で聞こえた。
跳ねまわったり小さいひず目をたたく音、
As I drew in my head,
and was turning around,
Down the chimney St. Nicholas came with a bound.
私は頭を引き、振り向いた。
煙突の下に飛び出したのはサンタクロース。
He was dressed all in fur,
from his head to his foot,
And his clothes were all tarnished with ashes and soot;
彼は頭から足まで毛皮の服、
そしてその服は灰とススで汚れていました。
A bundle of toys he had flung on his back,
And he looked like a peddler just opening his pack.
彼が背負ったたくさんのおもちゃ、
そして彼はちょうど荷物を開けている物売りのようにみえました。
His eyes — how they twinkled! his dimples how merry!
His cheeks were like roses, his nose like a cherry!
His droll little mouth was drawn up like a bow,
And the beard of his chin was as white as the snow;
彼の目、なんてきらめいて!なんて陽気なえくぼ!
彼の頬はバラのような、お鼻はサクランボのよう。
彼のおどけた小さい口は弓のよう、
そして、彼のあごのあごひげは雪と同じくらい白かったです;
The stump of a pipe he held tight in his teeth,
And the smoke it encircled his head like a wreath;
He had a broad face and a little round belly,
That shook, when he laughed like a bowlful of jelly.
木のパイプをしっかり歯に咥えて、
煙は円を描いて花輪のように頭を取り囲み
彼は大きな顔と小さくまるい小腹、
笑うと、ジェリーボールのように揺れた。
He was chubby and plump, a right jolly old elf,
And I laughed when I saw him, in spite of myself;
A wink of his eye and a twist of his head,
Soon gave me to know I had nothing to dread;
彼は丸々していて、太っていました。ちょうど陽気な歳をとった妖精みたいに
そして私はその彼を見て笑ってしまいました。わたしもそうなのに;
彼は振り向きウインク
なにも怖がることはないよと、知らせてくれた。
He spoke not a word, but went straight to his work,
And filled all the stockings; then turned with a jerk,
And laying his finger aside of his nose,
And giving a nod, up the chimney he rose;
彼は何も話さず、仕事に取り掛かり、
そしてすべての靴下を満たしました。そして、グイとふりかえり、
そして、鼻先に指ゆび立てながら、うなずき、煙突の上に登って行きました。
He sprang to his sleigh, to his team gave a whistle,
And away they all flew like the down of a thistle.
But I heard him exclaim, ere he drove out of sight,
“Happy Christmas to all, and to all a good-night.”
彼はソリに飛び込み、口笛をみんなにふいて、
飛び去って行きました。
しかし、視界から消える前、私は彼の叫びを聞きました
ハッピークリスマス みんなおやすみ!
まとめ
いかがでしたか?『Twas the Night Before Christmas』は、単なる物語ではなく、サンタクロースという文化そのものを形作った特別な一冊です。
今年のクリスマスイブは、ぜひこの動画を使って「サンタさんによる読み聞かせ」をお子様と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?「今夜、このサンタさんが来てくれるかな?」と想像を膨らませながら眠りにつけば、きっと素敵な夢が見られるはずです。