物語は、セントパトリックデーを翌日に控えた教室から始まります。
学校でレプラコーンの話を聞いたピートは、ひとつのアイデアを思いつきます。
レプラコーンを捕まえるお店を開こう!
友達はみんな「幸運」がほしい。
テストのため。音楽の発表のため。テニスの試合のため。
そこでピートは、虹の先にいるレプラコーンを捕まえようと走り回ります。
ところが相手は、Cloverというかなり手ごわいレプラコーン。
罠を仕掛けても、音楽で誘っても、なかなか捕まりません。
『Pete the Cat: The Great Leprechaun Chase』は、そんな追いかけっこを楽しみながら、最後には“luck”って何だろう?と少し違う方向へ進んでいく絵本です。
絵本の基本情報
| タイトル | Pete the Cat: The Great Leprechaun Chase |
|---|---|
| シリーズ | Pete the Cat |
| 作・絵 | James Dean |
| テーマ | St. Patrick’s Day / leprechaun / luck |
| 読み聞かせ動画 | あり |
セントパトリックデーを舞台に、ピートがレプラコーンを捕まえようと奮闘する一冊です。
あらすじ|レプラコーンを追いかけるピート
レプラコーンを捕まえれば幸運になれる?
物語のはじめ、先生からレプラコーンの話を聞いた子どもたちは、みんな欲しがります。
理由はシンプル。
幸運になりたいから。
Squirrelはテスト。
Gusはバンドの発表。
Callieはテニスの試合。
みんな、それぞれ「ここで運がほしい」という場面を抱えています。
そこでピートは、レプラコーンを捕まえて友達に幸運を届けようと考えます。
この時点では、
luck=どこかから手に入れるもの
という感じなんですね。
でも物語の最後では、その考えが少し変わります。
虹の先で出会ったClover
ピートは虹をたどって、ようやくレプラコーンを見つけます。
名前はClover。
金の入った壺のそばにいる、いかにも捕まえられそうなレプラコーンです。
ところが、
ピートが飛びかかっても、Cloverはするり。
と余裕たっぷり。
ここから、ピートとCloverの追いかけっこが始まります。
音楽で誘ってみる。
罠を作ってみる。
お菓子で誘ってみる。
でもCloverのほうが一枚上手。
ピートが仕掛けたはずなのに、気がつけば自分がロープでぐるぐる巻きになっている場面まであります。
Pete the Catらしい、肩の力の抜けたドタバタです。
ピートはあきらめない
セントパトリックデーも、もうすぐ終わり。
それでもピートはまだあきらめません。
何度失敗しても、次の方法を考えるピート。
最後には、こぼれたキャンディをたどってCloverの隠れ家を見つけ、とうとう捕まえることに成功します。
ここまで来れば、
「やった!これでみんな幸運になれる!」
となりそうですよね。
でも、この絵本はそこでは終わりません。
Cloverが教えてくれた“luck”
捕まったCloverは、ピートに聞きます。
「どうして僕を捕まえたいの?」
ピートは、友達に幸運が必要だからだと答えます。
するとCloverは、レプラコーンを持っているから幸運になるわけではないと伝えます。
そして、ピートと友達にはすでにお互いがいる。
それだけでも十分幸運なんだ、と。
ピートはCloverを逃がします。
そして今度は、自分自身が友達を助けることにします。
Squirrelとはテスト勉強。
Gusとは発表の練習。
Callieとはテニスの練習。
すると、それぞれが自分の力を発揮していきます。
最初は「幸運を捕まえる」話だったのに、最後には「自分が誰かの力になる」話へ変わっていきます。セントパトリックデーの楽しいモチーフを使いながら、luckの見え方が少しずつ変わるところが印象的です。
この絵本で注目したい英語
「幸運」を表す good luck
good luck は「幸運」「幸運を祈る」という意味で、とてもよく使われる表現です。
Good luck! と相手に言えば、「がんばってね」「うまくいくといいね」という励ましにもなります。この絵本では、luckそのものが物語のテーマになっています。
「任せて」の I’m on it.
Squirrelにお願いされたピートは、こんなふうに答えます。
I’m on it. は、「今やるよ」「任せて」という感じの自然な表現。
何かを頼まれたときに、
「OK、やっとくよ」
と返すような場面で使えます。
短いのに、日常で覚えておくと便利な英語です。
I’m on it. は直訳だけでは意味が分かりにくい表現ですが、頼まれたことにすぐ取りかかる気持ちを伝える言い方です。
「あきらめる」の give up
give up は「あきらめる」。
そこに won’t がついているので、「まだあきらめない」という意味になります。
give up は日常でもよく使う句動詞です。物語では、失敗しても方法を変えて挑戦し続けるピートの様子と一緒に覚えられます。
「とても幸運」の as lucky as can be
as lucky as can be は、「この上なく幸運」「とても幸運」といった意味。
ただし、ここで面白いのは、金貨やレプラコーンを持っているから幸運なのではないところです。
友達がいて、助け合えること。
そのこと自体を lucky と表現しています。
as … as can be は、「この上なく〜」「とても〜」という強調の言い方です。ここでは、物語のテーマそのものにつながっています。
Cloverの言葉は韻でも楽しい
Cloverは、ただ逃げ回るだけではありません。
途中で何度か、韻を踏んだ言葉を残していきます。
物語の最後にも、luckについての短い詩が登場します。
その中で伝えているのは、
自分で作る幸運のほうが、どこかからもらう幸運より強い
という考え方。
意味を理解するのも面白いですが、読み聞かせでは言葉の音にも注目したいところ。
seek / unique のように、最後の音が響き合う言葉があります。
全部を訳そうとせず、
「今のところ、音が似てたね」
と耳で拾うだけでも楽しめます。
読み聞かせ動画で楽しもう
今回の読み聞かせ動画はこちらです。
『Pete the Cat: The Great Leprechaun Chase』の読み聞かせ動画を見る
レプラコーンを追いかけるテンポのよい場面が続くので、英語を全部聞き取れなくても物語を追いやすいタイプです。
特に、
Swoosh!
Crash!
といった音は、絵と一緒に見ると意味をつかみやすいところ。
Cloverの詩も、文字だけで読むより声で聞くとリズムが分かりやすくなります。
親子で話すなら「luckって何だろう?」
読み終わったあとなら、
「Squirrelは、どうして幸運がほしかったのかな?」
「ピートが手伝ったあと、何が変わった?」
「Cloverを持っていなくても、みんなうまくいったのはどうしてだろう?」
そんな話もできそうです。
答えを決める必要はありません。
最初のピートは「幸運を捕まえよう」としています。
最後のピートは「自分で友達を助けよう」としています。
その違いを一緒に見つけるだけでも、この物語の面白さが見えてきます。
「luckって、レプラコーンからもらうものかな?」「ピートが友達を助けたこともluckになるかな?」と、物語の最初と最後を比べて話してみるのも楽しそうです。
Pete the Catのほかの英語絵本も見てみたい方は、ねこのピート英語絵本おすすめガイドもどうぞ。
まとめ|幸運を追いかけたピートが見つけたもの
『Pete the Cat: The Great Leprechaun Chase』は、セントパトリックデーにレプラコーンを追いかける、にぎやかなPete the Catのお話です。
虹の先。
金の入った壺。
緑の煙。
何度仕掛けても逃げてしまうClover。
季節らしいモチーフを楽しみながら、最後には物語の見え方が少し変わります。
幸運を誰かからもらうのではなく、自分が友達を助ける。
ピートが見つけた“luck”は、最初に探していたものとは少し違っていたようです。
good luck、I’m on it.、give up など、日常でも使いやすい英語が物語の中で自然に出てくるのもいいところ。
セントパトリックデーの時期に、英語の音と一緒に楽しみたい一冊です。