6月に入り、新しいクラスや園生活にも慣れてきた一方で、日々の疲れからか、ちょっとした失敗にひどく落ち込んだり諦めたりしてしまうお子さんの姿を目にすることはありませんか?「どうしてすぐに諦めちゃうんだろう」「どう声をかけたら前を向いてくれるのかな」と、親の私たちも悩んでしまうことがありますよね。
そんなとき、親子で一緒に読みたいのが『MR. MEN LITTLE MISS: Try Again』です。いつも失敗ばかりだけれど何度でも立ち上がる「バンプさん」と、何にでも挑戦するけれど実は失敗を恐れていた「ブレイブちゃん」——対照的な2人の姿を通して、本当の「勇敢さ」と「立ち直る力(レジリエンス)」について優しく教えてくれます。
ここでは、MR MEN & LITTLE MISS Try Again.のあらすじのほか、英語学習のポイント、読み聞かせ動画などを掲載しています。
『MR. MEN LITTLE MISS: Try Again』の基本情報
| タイトル | MR. MEN LITTLE MISS: Try Again (Mr. Men and Little Miss Discover You) |
|---|---|
| 著者 | Roger Hargreaves |
| イラスト | Roger Hargreaves |
| 出版社 | HarperCollins Publishers |
| シリーズ | Mr. Men and Little Miss Discover You |
| 対象年齢(目安) | 3歳〜7歳 |
あらすじ
バンプさんは、いつも何かにぶつかったり転んだりしてばかりの、少しおっちょこちょいな男の子。でも、彼はどんなに痛い思いをしても、諦めずに立ち上がってまた挑戦する「レジリエンス(回復力)」の持ち主です。
ある日、バンプさんは何にでも勇敢に立ち向かうブレイブちゃんのエクストリーム・スポーツ大会を手伝うことになります。崖の上からのロッククライミングやマウンテンバイクなど、スリリングな競技に怖がる仲間たち。ブレイブちゃんはみんなにお手本を見せようとしますが、実は心の中で不安と恐怖に震えていました。
完璧そうに見えるブレイブちゃんが直面したプレッシャーと、それを励ますバンプさん。2人のやり取りを通じて、単に新しいことに挑戦するだけでなく、「失敗したときにどう立ち直るか」こそが本当の強さであることに気づかされる、心温まるストーリーです。
英語学習のポイント
1. bounce back(立ち直る、元気になる)
「跳ね返る」という意味から転じて、落ち込んだ状態や困難から「精神的に立ち直る」という場面でよく使われます。お子さんが落ち込んでいるときに “You can bounce back!” と声をかけてあげると、前向きな気持ちを引き出しやすいフレーズです。
- bounce back
- 立ち直る、元気を取り戻す
- He always bounces back from failure.(彼は失敗からいつもすぐに立ち直ります。)
- Kids bounce back quickly.(子どもたちは立ち直るのが早いです。)
2. give it a go(やってみる、試してみる)
「try」と同じ意味ですが、より口語的で「結果はともあれ、試しに一度やってみよう!」と軽く背中を押してあげるニュアンスがあります。公園の遊具を前に立ち止まっている時など、日常のさまざまな場面で使い回せます。
- give it a go
- やってみる、試しに挑戦する
- Let’s give it a go!(試しにやってみよう!)
- You may surprise yourself when you give it a go.(やってみたら、自分でも驚くかもしれないよ。)
3. try again(もう一度やってみる)
タイトルにもなっている、とてもシンプルだけれど心に響く表現です。失敗して落ち込んでいるお子さんに、「次はきっと大丈夫だよ」と優しく再挑戦を促すときにぴったり。靴ひもの結び方からパズルまで、うまくいかない場面で何度でも使える万能フレーズです。
- try again
- もう一度やってみる、再挑戦する
- It’s okay, let’s try again.(大丈夫、もう一回やってみよう。)
- I want to try again!(もう一度挑戦したい!)
読み聞かせ動画
日本語訳(全文)
This is a story about resilience.
これは、回復力(レジリエンス)についての物語です。
Mr Bump was always having accidents.
バンプさんはいつも事故ばかり起こしていました。
As you may have heard, if there was something for Mr Bump to bump into, he’d bump into it. Bump!
ご存知かもしれませんが、バンプさんがぶつかるようなものがあれば、彼は必ずそれにぶつかってしまうのです。ドスン!
But Mr Bump would always get back up and try again, even when he wanted to give up.
でもバンプさんは、たとえ諦めたくなっても、いつも立ち上がってまた挑戦するのでした。
Are you able to bounce back when challenges come your way?
あなたは、困難が立ちふさがったときに立ち直ることができますか?
This is what being resilient means.
これこそが、回復力があるということです。
One day, Mr Bump was having a particularly clumsy day.
ある日、バンプさんは特にドジな一日を過ごしていました。
He tripped over a leaf.
彼は一枚の葉っぱにつまずきました。
Yes, you heard me right, a leaf.
そうです、聞き間違いではありません、葉っぱです。
And he fell flat on the ground. Ouch!
そして地面にうつ伏せに倒れてしまいました。痛っ!
Then, as Mr Bump was getting up, he accidentally caught his foot in his bandages.
それから、バンプさんが起き上がろうとしたとき、不注意にも包帯に足を引っかけてしまいました。
Can you guess what happened next?
次に何が起きたか分かりますか?
That’s right, Mr Bump sent himself spinning along the path and bumped into a tree. Bump!
その通り、バンプさんは道に沿ってクルクルと回転していき、木にぶつかってしまいました。ドスン!
Poor Mr Bump. Even his bandages couldn’t hide his blushes.
かわいそうなバンプさん。包帯でさえ、彼の赤面を隠すことはできませんでした。
But do you think Mr Bump gave up and went home?
でも、バンプさんは諦めて家に帰ったと思いますか?
No, Mr Bump was resilient.
いいえ、バンプさんには回復力がありました。
He could recover from whatever setbacks came his way.
彼はどんな挫折が訪れても、そこから立ち直ることができたのです。
How do you feel after something difficult has happened?
何か大変なことが起きた後、あなたはどう感じますか?
You may have thought this story was about Mr Bump being resilient.
この物語は、バンプさんに回復力があるということについての話だと思ったかもしれません。
But what happened next is really what this story is about.
しかし、次に起きたことこそが、本当にこの物語が伝えたいことなのです。
Mr Bump was about to spend some time with Little Miss Brave.
バンプさんは、ブレイブちゃん(勇敢ちゃん)と一緒に時間を過ごすところでした。
Little Miss Brave is very brave.
ブレイブちゃんはとても勇敢です。
She is not afraid of heights or spiders or thunderstorms.
彼女は高所もクモも激しい雷雨も怖がりません。
She is not afraid of standing up for others or what she believes in.
彼女は他人のために立ち上がることや、自分が信じるもののために立ち向かうことを恐れません。
Are you brave like Little Miss Brave?
あなたはブレイブちゃんのように勇敢ですか?
I’m sure you are sometimes, but what do you do when things go wrong?
時にはそうであるに違いありませんが、物事がうまくいかないときはどうしますか?
Mr Bump dusted himself off and decided to join Little Miss Brave.
バンプさんは服のホコリを払い、ブレイブちゃんに合流することにしました。
“Would you like to help me at my extreme sports day?” she asked.
「私のエクストリーム・スポーツ大会を手伝ってくれない?」と彼女は尋ねました。
“That sounds like lots of fun,” smiled Mr Bump.
「それはとても楽しそうだね」とバンプさんは微笑みました。
So, the friends made their way to Little Miss Brave’s house.
こうして、友人同士の二人はブレイブちゃんの家へと向かいました。
As you may not know, Little Miss Brave’s house is on the edge of a cliff, so it’s the perfect place for rock climbing, mountain biking, and abseiling.
ご存知ないかもしれませんが、ブレイブちゃんの家は崖の端にあるので、ロッククライミングやマウンテンバイク、懸垂下降をするのに最適な場所なのです。
She had also set up a giant zip wire and a huge skate park with elaborate ramps.
彼女はまた、巨大なジップラインと、凝った傾斜のある大きなスケートパークも設置していました。
Little Miss Somersault wanted to try the mountain biking.
サマーソルトちゃん(宙返りちゃん)はマウンテンバイクに挑戦したがっていました。
Mr Tickle’s long limbs were perfect for rock climbing, and Mr Cool is a skateboarder extraordinaire who couldn’t wait to show off his tricks at the skatepark!
ティックルさん(くすぐり男)の長い手足はロッククライミングに最適でしたし、クールさんは並外れたスケートボーダーで、スケートパークで技を披露するのが待ちきれない様子でした!
But not everyone was feeling as brave about the extreme sports.
しかし、誰もがエクストリーム・スポーツに対して同じように勇敢に感じていたわけではありませんでした。
Little Miss Fun had been excited about the giant zip wire, but when she saw how long and high it was, she felt very nervous.
ファンちゃん(楽しさちゃん)は巨大なジップラインにワクワクしていましたが、それがどれほど長くて高いかを見ると、とても緊張してしまいました。
“I’m not sure I can do it,” she trembled.
「できるかどうか分からないわ」と彼女は震えました。
And despite Little Miss Brave’s encouragement, she saw that many of her friends also stood hesitantly at the top of the cliff.
そして、ブレイブちゃんの励ましにもかかわらず、彼女の友人の多くも崖の上でためらいがちに立ち尽くしているのが見えました。
Little Miss Brave decided that the best thing to do was to show them how much fun the activities were.
ブレイブちゃんは、アクティビティがどれほど楽しいかをみんなに見せるのが一番良い方法だと判断しました。
“Just think of all the new and scary things you’ve done before and that you’ve enjoyed,” said Little Miss Brave.
「これまでにやってみて楽しかった、新しくて怖かったことのすべてを思い出してみて」とブレイブちゃんは言いました。
“You may surprise yourself when you give it a go!”
「やってみたら、自分でも驚くかもしれないよ!」
And with that, Little Miss Brave got on her mountain bike.
そう言って、ブレイブちゃんはマウンテンバイクに乗り込みました。
But unfortunately, with all eyes on her, Little Miss Brave started to feel worried.
しかしあいにく、みんなの視線が集まる中で、ブレイブちゃんは不安を感じ始めました。
Mountain biking was harder than she remembered, and she wasn’t confident she could make it down the cliff.
マウンテンバイクは記憶にあるよりも難しく、崖を無事に下りきれる自信が持てなくなってしまったのです。
Despite what she said, Little Miss Brave was scared.
言っていたこととは裏腹に、ブレイブちゃんは怖がっていました。
“You’re almost there, Little Miss Brave,” cheered Mr Bump encouragingly.
「もうすぐそこだよ、ブレイブちゃん」と、バンプさんは励ますように声援を送りました。
Though it didn’t feel like that to Little Miss Brave as her fingers gripped the handlebars and her bike wobbled on the rocks.
ハンドルバーを握る指に力が入り、自転車が岩の上でグラグラと揺れていたブレイブちゃんにとっては、とてもそのようには思えませんでしたが。
A very relieved Little Miss Brave reached the bottom of the cliff,
すっかりホッとしたブレイブちゃんは崖の下に到着しました。
but sadly, her wobbly ride hadn’t persuaded everyone else to have a go.
しかし悲しいことに、彼女のグラグラした走りを見て、他の皆がやってみようという気にはなりませんでした。
Little Miss Brave was worried that her extreme sports day would be a disaster.
ブレイブちゃんは、自分のエクストリーム・スポーツ大会が大失敗に終わるのではないかと心配になりました。
“Why don’t I climb the rocks alongside you, Mr. Tickle?” she offered.
「ティックルさん、あなたと一緒に私が岩を登ってみるのはどうかしら?」と彼女は提案しました。
“Yes, please,” said Mr. Tickle.
「ええ、ぜひお願いします」とティックルさんは言いました。
“It would be great if you can show me what to do.”
「どうすればいいか教えてくれたら嬉しいです。」
But Mr Tickle actually turned out to be a natural rock climber, while Little Miss Brave found it difficult and really felt like giving up.
しかし、ティックルさんは実際には生まれつきのロッククライマーであることが分かり、一方でブレイブちゃんはそれを難しく感じ、本当に諦めたくなってしまいました。
“You can do it!” shouted Mr Bump as Little Miss Brave struggled to regain her hold on the rocks.
「君ならできるよ!」と、ブレイブちゃんが岩でのホールドを取り戻そうと苦戦しているときに、バンプさんが叫びました。
“You just need to try again and have confidence that it will go right this time.”
「もう一度挑戦して、今度はうまくいくと自信を持つだけでいいんだ。」
And do you know what?
そして、どうなったか分かりますか?
Her persistence paid off.
彼女の粘り強さが実を結んだのです。
Little Miss Brave reached the top of the cliff, feeling proud of herself for keeping going when she’d felt so disheartened.
ブレイブちゃんは崖の頂上にたどり着き、あんなに落胆していたのに諦めずにやり遂げた自分を誇らしく思いました。
Now the extreme sports day was properly underway!
これでエクストリーム・スポーツ大会が本格的に始まりました!
Little Miss Brave was pleased and relieved.
ブレイブちゃんは嬉しくもあり、ホッともしていました。
She decided it was time to celebrate by going down the giant zip wire,
彼女は、巨大なジップラインを下ることでお祝いをする時だと決めました。
but unfortunately, she didn’t propel herself properly and ended up hanging in mid-air.
しかしあいにく、彼女はうまく自分を前に押し出すことができず、空中ぶら下がりの状態になってしまいました。
Do you know what Mr Bump did?
バンプさんが何をしたか分かりますか?
He took to the zip wire and they glided down together!
彼がジップラインに乗り込み、二人は一緒に滑り下りて行ったのです!
“Thank you, Mr Bump,” smiled Little Miss Brave.
「ありがとう、バンプさん」とブレイブちゃんは微笑みました。
“I thought I was the one who’d be helping you, but you’ve taught me being brave isn’t just about trying things, but about being resilient and bouncing back when things go wrong.”
「私があなたを助ける側だと思っていたけれど、勇敢であるということはただ挑戦することだけでなく、物事がうまくいかないときに回復力を持って立ち直ることなのだと、あなたが教えてくれたわ。」
Which is exactly what was about to happen as Mr Bump reached the end of the zip wire.
そして、それこそがまさに、バンプさんがジップラインの終点に達したときに起きようとしていたことでした。
Bump!
ドスン!
おわりに
大人でも失敗すれば落ち込むもの。子どもたちが何かに失敗して諦めそうになったとき、「そんなときはバンプさんを思い出してごらん」と声をかけてあげるのはいかがでしょうか。
どれだけ転んでも、起き上がって「Try Again!」と言えること。それこそが、何にも怖がらないこと以上に本当の「強さ」であり「勇敢さ」なのだと、この絵本は教えてくれます。ブレイブちゃんのように完璧でなくてもいい、転んでもまた立ち上がればいい。そのメッセージは、新しい世界へ踏み出す子どもたちの心をそっと支え、背中を後押ししてくれるはずです。