英語絵本「I'm Here」

英語絵本『I’m Here』読み聞かせ|一人の時間が好きな子の心に寄り添う

こんにちは!

子どもの性格って、本当にさまざまですよね。みんなとワイワイ遊ぶのが大好きな子もいれば、一人で静かに空想の世界に浸るのが好きな子もいます。

でも、自分の子どもが後者のタイプだったりすると、「もしかして、お友達の輪に入れていないのかな?」なんて、親としてはつい心配になってしまうこともあるのではないでしょうか。胸のあたりが、ちょっとだけキュッとなるような、あの感じです。

でも、当の本人は案外ケロッとしていて、一人でいる時間を心から満喫しているのかもしれません。

今日は、そんな「一人」の時間を豊かに過ごす子の、静かで美しい心の世界を描いた英語絵本『I’m Here』をご紹介したいと思います。

ここでは『I’m Here』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

物語の主人公は、にぎやかな遊び場の音を「一つの大きな騒音」のように感じている一人の男の子です。

みんなは、あっち。僕は、こっち。

彼はみんなから少し離れた場所にいます。でも、決して寂しいわけではありません。そよ風が頭をなでるのを感じたり、風に舞ってきた葉っぱが膝の上でひと休みするのを眺めたり。彼の世界は、とても静かですが、驚くほど豊かです。

そんな彼の元に、ある日、一枚の白い紙がひらひらと舞い込んできます。

「どうやって僕を見つけたの?」

男の子はその紙で紙飛行機を折り、空へ向かってそっと飛ばしてあげます。彼の想像力は紙飛行機と一緒にはるか空の高くまで飛んでいき、やがてその紙飛行機が、思いがけない素敵な出会いを運んできてくれるのですが…。

さて、どんな出会いが待っているのでしょうか?

I'm Here

英語学習のポイント

この絵本は詩のように美しい言葉で綴られていますが、日常で使えるシンプルな表現もたくさん出てきます。今回は2つピックアップしてみました。

We’re off!

物語の中で、男の子が紙飛行機を飛ばす時に言うセリフです。これをものすごくざっくりいうと、「さあ、出発だ!」という意味になります。

「be off」で「出発する」「出かける」という意味になり、友人や家族との会話で「じゃあ、もう行くね!」というような気軽なニュアンスで使えます。

例文:

  •  “Are you ready to go to the park?” “Yes! We’re off!
    (公園に行く準備できた?」「うん!さあ行こう!)
  • “Okay, I’m off to the supermarket now. See you later!”
    (じゃあ、今からスーパーに行ってくるね。また後で!)

とてもシンプルで使いやすいですよね。

pick up

女の子が紙飛行機を拾い上げるシーンで Who picks up the airplane という形で出てきます。これをものすごくざっくりいうと、「~を拾い上げる」という意味です。

物理的に物を拾う時だけでなく、人を車で「迎えに行く」時などにも使える、とっても便利な言葉です。

例文:

  • “Could you pick up that book on the floor?”
    (床に落ちているその本を拾ってくれる?)
  • “I’ll pick you up at the station at 3 p.m.”
    (午後3時に駅まで(車で)迎えに行くね)

これも覚えておくと、会話の幅がぐっと広がりますよ。

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Can you hear it?
あなたには聞こえますか?

Voices.
みんなの声。

Splashes upon splashes of sound.
はねあがり飛び散る音

 

I hear it all like one big noise.
1つの大きな騒音のように聞こえる。

A big drum.
大きな太鼓。

Boom Boom.
ボン ボン

Boom Boom.
ボン ボン

 

They are there.
彼らはそこにいる。

I am here.
わたしはここにいる。

 

Yes I’m here.
そう私はここ。

I know I am.
私は私。

I am here.
私はここにいる。

 

With the breeze.
そよ風と。

Gentle wind.
穏やかな風。

I like the soft wind patting my head.
私は柔らかい風が頭を撫でるのが好きです。

 

Tumbling leaf stops at my knee for a visit.
私の膝に転がる葉が立ち止まった。

Sailing paper glides from the air to me!
風に舞う紙が空から私のところへ滑ってきた!

White rectangle.
白い四角形。

How did you find me?
どうやって私を見つけたの?

 

This is not where the paper wants to be.
これは紙が望んだ所ではありません。

No worries, friend.
心配しないで、友よ。

I’m here.
私はここにいる。

 

I make a fold.
私は、折り目を作ります。

I fold, fold, fold, fold, fold…
私は折った、折った、折った・・・

I’m done.
終わった。

Ready?
準備いい?

 

We’re off!
私たちは出かけます!

Clouds!
雲!

Higher Higher and look –
高くもっと高く そして見て

stars!
星!

 

They sparkle loudly,
彼らは派手に輝き、

like voices on a playground.
遊び場での声のようなもの。

Splashes upon splashes of sound.
はねあがり飛び散る音

Loudly I shout:
大声で私は叫ぶ:

I’m here!
私はここにいます!

 

We’ve got you!
私たちはあなたをつかまえた!

They’ve got me!
彼らはわたしを持っている!

My paper airplane and me.
私の紙飛行機と私を。

They run…
彼らは走る・・

and with a push they send me back up up up
そして押しながら彼らは後ろから私を送り出す

 

Paper airplane on a breeze.
微風に乗る紙飛行機。

Gliding back to Earth.
地球に戻って飛んでいる。

Gliding across the sandy lot, it stops,
砂だらけの向こう側へ飛んでって、それは止まった。

and is noticed by someone.
そして誰かに気づかれる。

Someone else…
他の誰かに・・

 

Who picks up the airplane.
誰が飛行機を拾うのか。

She brings it to me.
彼女はそれを私にもたらします。

My airplane!
私の飛行機!

Friends.
友達、

“I’m here,” says the plane.
「私はここにいる」と飛行機は言う。

“I’m here,” says the girl’s smile.
「私はここ」女の子は笑顔で言う。

 

Me too. I’m here.
わたしも。私はここ。

 

For the world you may be one person, but for one person – you may be the world.
世界の前であなたは一人かもしれないが、一人の人として、あなたは世界かもしれない。

 

最後に:あなたの「ここ」が、誰かの「世界」になる

というわけで、今回は英語絵本『I’m Here』をご紹介しました。

この絵本は、ただ「内気な子が友達と仲良くなれてよかったね」という単純な物語ではない、と僕は感じています。

「みんなと一緒」でなくても、一人でいる時間の中にだって、かけがえのない豊かな世界が広がっていること。そして、人との繋がりは、無理やり作るものではなくて、まるで風に乗ってきた紙飛行機のように、ふとした瞬間に自然と生まれるものなのかもしれないこと。

この絵本は、そんな大切なことをそっと教えてくれる気がします。

もしお子さんの様子を見て少し心配になった時は、「無理に輪に入らなくても大丈夫だよ」「あなたの見ている世界も、とっても素敵だよ」と、この絵本を通して伝えてあげるのはどうでしょうか。きっと、お子さんは自分のことをもっと好きになれるはずです。

「世界から見れば、あなたはただの一人かもしれない。でも、誰か一人にとっては、あなたが世界そのものかもしれない。」

物語の最後に出てくるこの言葉が、じんわりと心に染みる、本当に素敵な一冊です。