エリック・カールの英語絵本The Foolish Tortoise

読み聞かせで伝えたい「自分らしさ」。エリック・カールの英語絵本

こんにちは!

「あーあ、なんだか毎日同じことの繰り返しだな…」「もっと身軽になって、どこか遠くへ行ってみたい!」なんて、ふと思うこと、ありませんか?自分を縛っているルールや役割を、えいっ!と脱ぎ捨てて、自由になりたい。その気持ち、すごくよく分かります。

でも、もし本当にその「重たい荷物」を全部おろしてしまったら、私たちは本当に幸せになれるのでしょうか。

今日は、そんな「自由への憧れ」と「自分らしくいられる場所の大切さ」を、一匹のカメさんのちょっぴりほろ苦い冒険を通して教えてくれる、エリック・カールの色彩豊かな絵本『The Foolish Tortoise』をご紹介します。

ここでは『The Foolish Tortoise』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

のろまな自分にうんざりしていた、一匹のカメさん。「もっと速く、自由に世界を見て回りたい!」と、ある日ついに、自分の大きくて重たい甲羅を脱ぎ捨ててしまいます。

「やったー!自由だ!」と、身軽になったカメさんは大喜び。でも、その喜びもつかの間、彼の冒険は、危険でいっぱいのものに変わっていきます。

スズメバチの羽音に怯え、お腹を空かせた鳥に狙われ、大きな口を開けたヘビに遭遇し…。これまで自分を守ってくれていた甲羅がないことで、彼は自分がどれだけ無防備で弱い存在かを思い知らされます。

強い日差しや突然の嵐にも、なすすべがありません。果たして、自由を夢見たカメさんは、この冒険の果てに何を見つけ、何を思うのでしょうか。

英語学習のポイント

エリック・カールの絵本は、その美しい絵はもちろん、子どもにも分かりやすいシンプルな英語で書かれているのが特徴です。この絵本は、リズミカルな韻を踏んだ文章で、まるで詩を読んでいるように楽しめます。

物語の中から、気持ちを表すのに便利なフレーズを2つご紹介しますね。

be tired of ~

「〜にうんざりしている」「〜に飽き飽きしている」という意味です。カメさんが「のろまな自分にうんざりして(tired of being slow)」冒険に出る、この物語のきっかけとなるフレーズです。

(例文)
“I’m tired of eating the same lunch every day.”(毎日同じお昼ごはんなのには、もううんざりだよ。)

feel right

これは、直訳すると「正しいと感じる」ですが、そこから「しっくりくる」「落ち着く」「これでいい感じがする」といったニュアンスで使われます。物語の最後で、カメさんが「甲羅がないと、どうもしっくりこない(I don’t feel right.)」と感じる、とても重要な一言です。

(例文)
“Something doesn’t feel right about this plan.”(この計画、なんだか腑に落ちないな。)

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

A tortoise, tired of being slow, impatient to get up and go,
亀は、遅々として進まず、立ち上がろうと焦っている、

took off his large and heavy shell, and left it lying where it fell.
彼の大きくて重たい甲羅を脱ぎ、落ちたままにしておいた。

“Hooray,” he cried, “now I’ve been freed – I’ll see the world at double speed!”
「やった」と彼は叫んだ、”今は自由だ、世界を倍の速度で駆け巡るんだ!”

 

Though faster, he was not express
速くはなったが、速過ぎるわけではなかった、

And his protection was far less,
そして彼の防具ははるかに少なくなった、

So when he heard a hornet’s drone
だから、彼がスズメバチの音を聞いたとき、

The tortoise crept beneath a stone.
亀は石の下に身を隠した。

 

A hungry bird came swooping past,
空腹な鳥がすばやく通り過ぎた、

He looked so fierce and flew so fast,
彼はとても凶暴に見え、とても速く飛んだ、

The tortoise hid behind some trees
亀は木々の後ろに身を隠した、

And felt quite weak behind the knees.
膝の裏がかなり弱っていることを感じた。

 

Along his way our hero went
その道すがら、ヒーローは

And almost had an accident.
そしてほとんど事故に遭った。

A snake with open jaws slid near.
口を開けた蛇が近くに滑り込んできた。

The tortoise backed away in fear.
亀は怖さで後ずさりした。

 

A hare, a hound, a horse raced by, so rapidly they seemed to fly.
ウサギ、犬、馬が走り去った、彼らは飛んでいるように速かった。

The tortoise gasped, sat goggle-eyed-
亀は息を呑んで座り、目を見開いて-

“I’ll never be that quick,” he sighed.
「私はあんなに速くなれない」と彼はため息をついた。

 

He wandered on, the sun rose high.
彼はさまよい続け、太陽が高く昇った。

“I wish I had more shade,” he cried.
「もっと陰が欲しい」と彼は叫んだ。

A sudden thunderstorm swept in,
突然の雷雨が吹き込んできた。

And soaked the tortoise to the skin.
そして亀は水浸しになった。

 

The wind rose up, and soon the breeze
風が上がり、すぐにそよ風が

Was bending branches in the trees.
木々の枝を曲げている。

The tortoise shivered, “now I’m cold, I wish I hadn’t been so bold.”
亀は震えて、「今、私は寒い、こんなに大胆でなければよかった」と言った。

 

“I think I’ve lost the urge to roam,
「私はさまよいたくなくなったと思う、

I think it’s time that I went home.
家に帰る時だと思う。

Without my shell I don’t feel right.”
甲羅がないと、何かがおかしい。」

So when his shell came into sight,
だから、彼の甲羅が見えてきたとき

He climbed back in and said “good night!”
彼は元の位置に戻って、「おやすみ!」と言った。

最後に:あなたの「甲羅」は何ですか?

というわけで、今回はちょっぴりおバカさん(Foolish)なカメさんのお話『The Foolish Tortoise』をご紹介しました。
カメさんにとって、あれほど重くて邪魔だと思っていた甲羅が、実は自分を守ってくれる、かけがえのない「おうち」であり、「自分自身の一部」だったんですね。

私たちにとっても、時に重荷に感じるルールや環境、家族や役割といったものが、実はこのカメさんの甲羅のように、自分を危険から守り、安心させてくれる大切な場所なのかもしれません。

もちろん、カメさんのように冒険に出てみる勇気も、すごく素敵です。でも、帰る場所があるからこそ、その冒CHA険はもっと輝くのかもしれませんね。この絵本を読むと、そんな当たり前の幸せに、改めて気づかされます。

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