こんにちは!
最近、「イクメン」という言葉もすっかりお馴染みになりましたね。お父さんが当たり前のように育児に参加する姿は、本当に素敵だと思います。でも、その一方で「ママみたいに上手くできないな…」「どう関わっていいか、時々わからなくなる」なんて、ちょっぴり自信をなくしてしまうお父さんもいるかもしれません。
その気持ち、すごくよく分かります。でも、大丈夫。海の中には、私たち以上にユニークで、愛情たっぷりな方法で子育てに奮闘する、たくさんの「イクメン」たちがいるんです。
今日は、そんなお父さんたちの静かなる活躍と、親子の絆を描いた、色彩の魔術師エリック・カールの心温まる一冊『Mister Seahorse』をご紹介します。
ここでは『Mister Seahorse』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
穏やかな海の中、タツノオトシゴのミセス・シーホースが、そろそろ卵を産む時間だとソワソワし始めます。「手伝おうか?」と優しく声をかけるミスター・シーホース。ミセス・シーホースは、彼のお腹にある袋の中に、大切な卵を産み付けます。「約束するよ。僕がしっかりこの子たちを守るからね」。
こうして、お腹の袋で卵を育てることになったミスター・シーホース。海をゆらゆらと旅する途中、彼は様々な「イクメン」仲間に出会います。
巣を作って卵を守るお父さん。口の中で卵を育てるお父さん。なんと、頭の上に卵をくっつけているお父さんまで!みんな、それぞれの方法で、一生懸命に新しい命を守っています。
仲間たちと励まし合いながら、旅を続けるミスター・シーホース。そしてついに、彼のお腹の袋の中にいる赤ちゃんたちが、生まれる時がやってきて…。
英語学習のポイント
エリック・カールさんの絵本は、美しい色彩だけでなく、シンプルで分かりやすい英語表現も魅力の一つです。この絵本は、思いやりと励ましに満ちた、優しい言葉で溢れています。
物語の中から、日常会話でも使える心温まるフレーズを2つ、ご紹介しますね。
take good care of ~
「〜の面倒をしっかり見る」「〜を大切にする」という意味の、とてもよく使われる表現です。ミスター・シーホースがお父さん仲間たちと交わす会話の中で、何度も登場します。人だけでなく、ペットや物に対しても使えますよ。
(例文)
“Please take good care of my dog while I’m away.”(旅行中、私の犬の面倒をよろしくお願いします。)
Keep up the good work.
これは、「その調子で頑張ってね」「素晴らしい仕事を続けてください」という励ましの言葉です。相手の良い働きを認めて、それを継続するように応援する、とてもポジティブなフレーズですね。
(例文)
(子どもがテストで良い点を取った時に)
“Wow, this is a great score! Keep up the good work.”(わぁ、すごい点数だね!その調子で頑張って。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
“Mr. and Mrs. Seahorse drifted gently through the sea.”
「ミスターとミセス・シーホースは海を優雅に漂っていました。」
“Mrs. Seahorse began to wiggle and twist, this way and that.”
「ミセス・シーホースは身をよじり、これをこうとねじりました。」
“It’s time for me to lay my eggs,” she said.
「卵を産む時間ですね」と彼女は言いました。
“Can I help?” asked Mr. Seahorse.
「手伝ってもいいですか?」とミスター・シーホースは尋ねました。
“Oh, yes, thank you,” said Mrs. Seahorse, and she laid her eggs into a pouch on Mr. Seahorse’s belly.
「ああ、ありがとう」とミセス・シーホースは言い、彼女は卵をミスター・シーホースのお腹にある袋に産みました。
“I’ll take good care of our eggs,” said Mr. Seahorse, “I promise.”
「私が卵をしっかりと守ります」とミスター・シーホースは言いました。「約束します。」
As Mr. Seahorse drifted gently through the sea, he passed right by a group of trumpet fish hidden in a patch of reeds.
ミスター・シーホースが海を優雅に漂っている間、彼は見事にトランペットフィッシュの仲間の群れを見逃し、それは葦のパッチに隠れていました。
But before long, Mr. Seahorse met another fish.
しかしまもなく、ミスター・シーホースは別の魚に出会いました。
“How are you, Mr. Stickleback?” asked Mr. Seahorse.
「お元気ですか、ミスター・スティクルバック?」とミスター・シーホースは尋ねました。
“Delighted,” replied Mr. Stickleback.
「喜んでいます」とミスター・スティクルバックは答えました。
“I just built a nest, and right away Mrs. Stickleback laid her eggs into it. Now I am taking good care of them until they hatch.”
「ちょうど巣を作りました。それにすぐにミセス・スティクルバックは卵を産みました。今、孵化するまでしっかりと世話をしています。」
“Keep up the good work,” said Mr. Seahorse and swam on his way.
「その良い仕事を続けてください」とミスター・シーホースは言い、彼の道を泳ぎ続けました。
As Mr. Seahorse drifted gently through the sea, he passed right by a lionfish hiding behind a coral reef.
ミスター・シーホースが海を優雅に漂っている間、彼はサンゴ礁の後ろに隠れているライオンフィッシュのそばを通り過ぎました。
But before long, Mr. Seahorse met another fish.
しかしまもなく、ミスター・シーホースは別の魚に出会いました。
“How are you, Mr. Tilapia?” asked Mr. Seahorse.
「お元気ですか、ミスター・ティラピア?」とミスター・シーホースは尋ねました。
Mr. Tilapia couldn’t answer, hmm, his mouth was full of eggs.
ミスター・ティラピアは答えられませんでした。ええ、彼の口は卵でいっぱいでした。
“I know, I know,” said Mr. Seahorse, “Mrs. Tilapia laid her eggs. Now you are taking good care of them until they hatch.”
「わかります、わかります」とミスター・シーホースは言いました。「ミセス・ティラピアは卵を産みました。今、孵化するまでしっかりと世話をしています。」
Mr. Tilapia nodded his head.
ミスター・ティラピアは頷きました。
“You must be very happy,” said Mr. Seahorse, and swam on his way.
「とても幸せでしょうね」とミスター・シーホースは言い、彼の道を泳ぎ続けました。
As Mr. Seahorse drifted gently through the sea, he passed right by a pair of leaffish hidden among the seaweed.
ミスター・シーホースが海を優雅に漂っている間、彼は海藻の中に隠れたリーフィッシュの仲間のペアを見逃しました。
But before long, Mr. Seahorse met another fish.
しかしまもなく、ミスター・シーホースは別の魚に出会いました。
“How are you, Mr. Curtis?” asked Mr. Seahorse.
「お元気ですか、ミスター・カーティス?」とミスター・シーホースは尋ねました。
“Perfectly fine,” replied Mr. Curtis.
「まったく問題ありません」とミスター・カーティスは答えました。
“Mrs. Curtis laid her eggs and I have stuck them on my head. Now I am taking good care of them until they hatch.”
「ミセス・カーティスは卵を産みました。それを私の頭に貼り付けました。今、孵化するまでしっかりと世話をしています。」
“You are doing a good job,” said Mr. Seahorse and swam on his way.
「良い仕事をしていますね」とミスター・シーホースは言い、彼の道を泳ぎ続けました。
As Mr. Seahorse drifted gently through the sea, he passed right by a stonefish hidden behind a rock.
ミスター・シーホースが海を優雅に漂っている間、彼は岩の後ろに隠れたストーンフィッシュのそばを通り過ぎました。
But before long, Mr. Seahorse met another fish.
しかしまもなく、ミスター・シーホースは別の魚に出会いました。
“How are you, Mr. Pipe?” asked Mr. Seahorse.
「お元気ですか、ミスター・パイプ?」とミスター・シーホースは尋ねました。
“Couldn’t be better,” replied Mr. Pipe, “This is Pipe laid her eggs along my belly. Now I am taking good care of them until they hatch.”
「もっと良い状態ではありません。」とミスター・パイプは答えました。「パイプ夫人は私の腹に卵を産みました。今、孵化するまでしっかりと世話をしています。」
“You should feel proud of yourself,” said Mr. Seahorse and swam on his way.
「自分を誇りに思うべきですよ」とミスター・シーホースは言い、彼の道を泳ぎ続けました。
But before long, Mr. Seahorse met another fish.
しかしまもなく、ミスター・シーホースは別の魚に出会いました。
“How are you, Mr. Bullhead?” asked Mr. Seahorse.
「お元気ですか、ミスター・ブルヘッド?」とミスター・シーホースは尋ねました。
“Tiptop,” replied Mr. Bullhead.
「最高です」とミスター・ブルヘッドは答えました。
“Mrs. Bullhead laid her eggs, and the eggs hatched. Now I’m babysitting.”
「ブルヘッド夫人は卵を産み、卵は孵化しました。今、ベビーシッターをしています。」
“You are doing a fine job,” said Mr. Seahorse, and swam on his way.
「素晴らしい仕事をしていますね」とミスター・シーホースは言い、彼の道を泳ぎ続けました。
The time had come for the seahorse babies to be born.
シーホースの赤ちゃんが生まれる時がやってきました。
Mr. Seahorse wiggled and twisted, this way and that.
ミスター・シーホースは身をよじり、これをこうとねじりました。
At last, the babies stumbled from Mr. Seahorse’s pouch and swam away.
ついに、赤ちゃんたちはミスター・シーホースの袋から出て、泳ぎ去りました。
One baby turned around and tried to come back into the pouch.
一匹の赤ちゃんが振り返り、袋に戻ろうとしました。
“Oh no,” said Mr. Seahorse, “I do love you, but now you are ready to be on your own.”
「ああ、いいえ」とミスター・シーホースは言いました。「あなたが可愛いけれども、もうあなたは自分でやっていける時なんです。」
The end.
終わり。
最後に:パパたちの、静かな誇り
というわけで、今回はエリック・カールが描く、海のイクメンたちのお話『Mister Seahorse』をご紹介しました。
この絵本を読むと、父親の育児というのは、必ずしも母親の代わりをすることではないんだな、と改めて感じさせられます。お腹の袋で、口の中で、頭の上で。みんな、自分だけのユニークな方法で、静かな誇りを持って、子どもたちを守り育てています。
周りと比べて「自分はうまくやれていないかも」なんて、もし感じてしまうことがあったら、この絵本を思い出してみてください。子育ての形は、家族の数だけあっていい。ミスター・シーホースと仲間たちが、きっと「あなたはそのままで、素晴らしいお父さんだよ」と、優しく背中を押してくれますよ。