寝かしつけの時間、布団に連れていっても目がランランで、「もう少し!あと1回!」と全力で粘るのが子どもというもの。パジャマに着替えて、電気を消して、それでもなかなか目を閉じてくれない夜、私たち親もついため息をついてしまいがちです。
そんな「眠れない夜」をテーマにした絵本が、アメリカで話題になっています。ルーシー・ルース・カミンズ作、ニューヨーク・タイムズのベストセラー・イラストレーター、ピート・オズワルドが絵を担当した『Sleepy Sheepy and the Sheepover』。タイトルからして、「sheepover(シープオーバー)」という「sleepover(スリープオーバー)=お泊まり会」と羊(sheep)を掛け合わせたシャレが光ります。
主人公のスリーピー・シーピーが初めてのお泊まりに挑むのですが、いざ寝る時間になると「毛布がチクチクする!」「パジャマの上下が合ってない!」と次々と眠れない理由が出てきて……。ユーモアたっぷりのテキストと、ポップで温かみのあるイラストで、読んでいる大人も「あるある!」とクスッとしてしまう一冊です。
ここでは、『Sleepy Sheepy and the Sheepover』のあらすじのほか、英語学習のポイント、読み聞かせ動画などを掲載しています。
『Sleepy Sheepy and the Sheepover』の基本情報
| タイトル | Sleepy Sheepy and the Sheepover |
|---|---|
| 著者 | Lucy Ruth Cummins |
| イラスト | Pete Oswald |
| 出版社 | Simon & Schuster Books for Young Readers |
| 対象年齢(目安) | 3〜6歳 |
あらすじ
ついにやってきた、スリーピー・シーピーの「はじめてのお泊まり会(シープオーバー!)」。大好きなグラミー(おばあちゃん)とグランディ(おじいちゃん)の家に泊まれる、ワクワクいっぱいの夜のはずでした。荷物をぎゅうぎゅうに詰め込み(「念のために」と余分なものも!)、うきうきと出発したスリーピー・シーピー。到着したときは大喜びで、古い映画を見るのかな、遅くまで起きていられるのかなとドキドキでした。
ところが、ママとパパが「おやすみ」と帰っていった途端、気分は「メェ〜な気分(Baa aaad!)」に急転換。毛布がチクチクする、パジャマの上下が合っていない……そして何より、「おうちが恋しい」という、うまく言葉にもできない寂しさが込み上げてきます。
そこで機転を利かせたのが、グランディとグラミー。おやつをつまみながら、「おまえのパパが子どもの頃に大好きだった本だよ」と、名作絵本『Goodnight Moon(おやすみなさいおつきさま)』を読み聞かせます。一緒にゴロゴロしながら、クスクス笑いながら過ごすうちに、スリーピー・シーピーは気づかないうちにうとうと……。そして毛布に包まれたとき、チクチクがなんだか気持ちよく感じられて、「まるでおうちにいるみたいだ」と思いながら眠りにつくのでした。
初めての場所でのドキドキと、ホームシックの素直な感情、そして大好きな祖父母の温かい寄り添い方が、愉快なリズムと言葉遊びで軽やかに描かれています。
英語学習のポイント
1. 感情を表すユーモラスな表現
主人公の気持ちの変化を、「Yay! Woohoo!(やったー!ウーホー!)」から「Baa aaad!(メェ〜な気分=最悪!)」とユーモラスに表現しています。感情を表す口語表現のバリエーションを学べます。
- over the moon(大喜びで)
- 意味:とても嬉しい、大喜びの状態を表す慣用表現
- She was over the moon when she got the puppy.(子犬をもらって大喜びでした。)
- He was over the moon about the news.(その知らせを聞いて、彼は大喜びでした。)
- thrilled(ワクワクしている、大興奮している)
- 意味:期待や嬉しさでドキドキ・ワクワクしている状態
- The kids were thrilled for the trip.(子どもたちは旅行にワクワクしていました。)
- I’m thrilled to meet you.(お会いできて本当に嬉しいです。)
2. 「できない」気持ちを伝えるフレーズ
英語らしいユーモアで「眠れない!」と伝える表現がたくさん出てきます。日常の「できないこと」を伝えるシンプルな構文と組み合わせて覚えると使いやすいです。
- cannot + 動詞(どうしても〜できない)
- 意味:強い否定・どうしてもできない状況を表す
- I cannot sleep without my stuffed animal.(ぬいぐるみなしでは眠れない。)
- She cannot stop laughing.(彼女は笑いが止まらない。)
- tuckered out(すっかり疲れ果てた)
- 意味:遊んだり活動した後にくたくたになった状態を表すカジュアルな表現
- After all that playing, he was totally tuckered out.(あんなに遊んだら、彼はすっかりくたくたになりました。)
3. 「know just what to do」のパターン
困ったときに「何をすべきかわかっている」「頼りになる!」という気持ちを表す自然な英語表現です。家族や友人への信頼感を伝えるのにとても使いやすいフレーズです。
- know just what to do(何をすべきかまさに分かっている)
- 意味:的確な対応策を知っている、頼りになることを表す定型表現
- Don’t worry, Grandma knows just what to do.(大丈夫、おばあちゃんには分かってるよ。)
- When I’m sad, my dog knows just what to do.(悲しいとき、うちの犬はどうすべきか分かってくれてます。)
読み聞かせ動画
日本語訳(全文)
It was finally the big day, or rather the big night.
ついにその大いなる日、というか大いなる夜がやってきました。
It was time… for Sleepy Sheepy’s… very first sleepover. Yay! Woohoo!
スリーピー・シーピーにとって…初めての…お泊まり会の時間です。やったー!ウーホー!
Sleepy Sheepy packed and he stacked.
スリーピー・シーピーは荷物を詰め、積み上げました。
He fluffed and he stuffed.
ふくらませて、詰め込みました。
He had everything he would need…and a few more things too!
必要なものはすべて揃っていました…それに、もうちょっと多くのものも!
just in case.
念のために。
When they got to Grammy Sheepy and Grandy Sheepy’s, Sleepy Sheepy was over the moon.
グラミー・シーピーとグランディ・シーピーの家に着いたとき、スリーピー・シーピーは大喜びでした。
His two favorite folks all to himself.
大好きな二人の家族をひとり占めです。
Would they watch an old movie?
古い映画を見るのかな?
Would he stay up so late?
そんなに遅くまで起きているのかな?
Sleepy Sheepy was thrilled for his first all-night playdate!
スリーピー・シーピーは、初めての一晩中のお遊びデートにワクワクしていました!
But when Ma Sheepy and Pa Sheepy said goodbye and good night, Sleepy Sheepy felt quite… Baa aaad!
でも、マ・シーピーとパ・シーピーがさよならとおやすみを言ったとき、スリーピー・シーピーはすっかり…メェ〜な気分(嫌な気分)になってしまいました!
What’s the matter, my little curly-whilry?
どうしたんだい、わたしのかわいいクルクル巻き毛ちゃん?
What’s worrying you, my tough little fluff?
何が心配なんだい、わたしの強いふわふわちゃん?
But Sleepy Sheepy didn’t quite know!
でも、スリーピー・シーピーにはよくわかりませんでした!
Everything felt different, not quite right?
すべてがいつもと違って、何かが違う気がする?
Sleepy Sheepy didn’t know if he’d make it, even just for one night!
スリーピー・シーピーは、たった一晩だけでもやり遂げられるか分かりませんでした!
For one – the blanket scratched, and his PJ’s didn’t match.
ひとつには――毛布がチクチクするし、パジャマの上下が合っていません。
He loved his Grammy and Grandy so… but his tummy got twisty,
グラミーとグランディのことは大好きなのに…お腹がキリキリして、
and his eyes got misty!
おめめがうるうるしてきました!
Sleepy Sheepy… missed his home.
スリーピー・シーピーは…お家が恋しくなりました。
Sleepy Sheepy could not sleep.
スリーピー・シーピーは眠れませんでした。
But then Grandy knew just what to do.
でもその時、グランディは何をすべきかまさに分かっていました。
Baker’s gonna bake.
パン職人はパンを焼くもの。
And Grammy did too.
そしてグラミーも分かっていました。
“Goodnight Moon”
「おやすみなさいおつきさま」
Your Pa loved this book. Would you like to take a look?
おまえのパパはこの本が大好きだったんだよ。見てみるかい?
Goodnight comb and good night brush.
おやすみなさい、くし。おやすみなさい、ブラシ。
Good night nobody, good night mush.
おやすみなさい、だれもいない。おやすみなさい、おかゆ。
Good night to the old lady whispering, “Hush.”
おやすみなさい、「しずかにね」とささやいているおばあさん。
Good night stars, good night air.
おやすみなさい、お星さま。おやすみなさい、空気。
So Sleepy Sheepy, Grammy, and Grandy munched and crunched…
そこでスリーピー・シーピーとグラミー、グランディは、モグモグ、バリバリと食べました…
And giggled while they wiggled.
そして体をクネクネさせながらクスクス笑いました。
And before he knew it…
そして、気づかないうちに…
…his cute little snout was tuckered right out!
…彼のかわいい小さなお鼻は、すっかり疲れ果ててしまいました!
Then, when Sleepy Sheepy got under the covers, he sort of liked the scratch!
それから、スリーピー・シーピーが布団に入ると、なんだかそのチクチクが気に入ってきました!
So they tucked him in quite tight, (which always felt just right!)
だから二人は彼を毛布できゅっと包んであげました(それはいつも最高の心地よさでした!)
And before he knew it…
すると、気づかないうちに…
Sleepy Sheepy felt right at home. Shhhh!
スリーピー・シーピーは、まるでお家にいるような気分になりました。しーっ!
まとめ
子どもって、場所が変わると急に眠れなくなりますよね。毛布の感触が違うとか、枕が低いとか、あの繊細なアンテナには毎回驚かされます。でも、眠れない夜をなんとか乗り越えられたとき、子どもは少しだけたくましくなる気がします。
『Sleepy Sheepy and the Sheepover』は、そんな小さな葛藤を笑いながら包み込んでくれる絵本です。グランディとグラミーが取り出す解決策が「クッキーと、パパが昔好きだった絵本」というのも、なんだかほっこりしませんか。読み終えた後、私たち親がそっと「今夜、一緒に読む?」と一冊を手渡す、そんな夜があってもいいかもしれません。
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