英語絵本「Mr Gumpy's Outing」

読み聞かせにおすすめ!失敗しても大丈夫、と伝える英語絵本『Mr Gumpy’s Outing』

こんにちは!

「お約束、守れる人ー?」と子供に聞くと、元気いっぱいに「はーい!」とお返事してくれますよね。でも、その数分後には、すっかり約束なんて忘れて大騒ぎ…。

「走っちゃダメって言ったでしょ!」「静かにするって言ったのに!」。親としては、ついカミナリを落としたくなってしまいます。でも、怒ったところで、子供はケロッとしているもの。なんだか、こっちのエネルギーばかりがすり減っていくような、そんな徒労感を覚えること、ありませんか?

今日は、そんな私たちの「あるある」な悩みを、大きな優しさで包み込んでくれる、とっても素敵な紳士のお話。世界中で愛され続けている名作英語絵本『Mr Gumpy’s Outing』をご紹介したいと思います。

ここでは『Mr Gumpy’s Outing』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

川のほとりに住んでいる、ガンピーさん。ある晴れた日、一人でボートに乗って、川へ出かけようとしていました。

すると、どこからか子供たちがやってきて、「一緒に行ってもいい?」。さらには、うさぎ、ねこ、いぬ、ぶた…と、近所の動物たちが次から次へと現れて、「僕も乗せて!」「私の席はある?」と、みんなガンピーさんのボートに乗りたがります。

ガンピーさんは、嫌な顔一つせず、みんなに「いいとも」と答えます。ただし、一つだけお約束。「ケンカはしないこと」「ウサギを追いかけないこと」「むやみに跳びはねないこと」。

みんな、それぞれ「分かった!」と良いお返事をして、ボートは人でいっぱいに。初めのうちは、みんなお行儀よく、楽しい船遊びが続いていました。…が、しかし!

ヤギがキックを始め、子牛が足を踏み鳴らし、ニワトリは羽をばたつかせ…。結局、みんな約束を破って大騒ぎ!そのせいで、ボートは大きく傾いて…。

さて、約束を破ったみんなと、ガンピーさんを乗せたボートは、一体どうなってしまったのでしょうか。

英語学習のポイント

この絵本は、まるで英語の「お願い表現」の見本市!同じ「乗せて!」という気持ちを、登場人物たちがそれぞれのキャラクターに合った、様々な言い方で伝えているのが最大の見どころです。

こんなにたくさん!「一緒にいれて?」のバリエーション

この絵本には、以下のような、たくさんの「お願い」が出てきます。

  • May we come with you?(私たちも一緒に行ってよろしいですか?)
  • Can I come along?(僕もついて行っていい?)
  • I’d like a ride.(乗せてもらいたいな)
  • Have you place for me?(私の場所はあるかしら?)
  • Can you make room for me?(私のために場所を空けてくれる?)

丁寧な言い方、親しみを込めた言い方、ちょっぴり控えめな言い方…。これを全部覚える必要はありません。「こんなに色々な言い方があるんだなあ」と感じるだけでも、英語の表現の豊かさに触れる、素晴らしい体験になるはずです。

「行く」のに、どうして “come” なの?

英語を学び始めたお子さんが、ちょっぴり混乱するかもしれないポイント。それは「一緒に行く?」と誘うのに、”go” ではなく “come” を使っている点です。

これをものすごくざっくりいうと、話し相手のいる場所や、相手がいる方向へ「近づいていく」時は “come” を使う、というルールがあるんです。

動物たちは、ガンピーさんのいるボートに「近づいて」いきたいわけですから、「Can I come along?(一緒について行ってもいい?)」となるわけですね。逆に、ガンピーさんから「離れていく」のであれば “go” になります。この感覚が分かると、英語のネイティブスピーカーの気持ちに、一歩近づけるかもしれませんよ。

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

This is Mr. Gumpy.
これはミスターガンピーさんです。

Mr. Gumpy owned a boat and his house was by River.
ガンピー氏はボートを所有していて、彼の家は川沿いにあった。

One day Mr. Gumby went out in his boat.
ある日ガンピーさんはボートに乗って出かけた。

“May we come with you?” said the children.
「一緒に出かけてもいいですか?」子供たちは言った。

“Yes,” said Mr. Gumpy,
「はい、」とガンピー氏は言いました。

“if you don’t squabble.”
「もしあなたがつまらないことでけんかにならなければ」

 

“Can I come along, Mr. Gumpy?” said the rabbit.
「一緒に行くことはできますか?ガンピーさん」ウサギが言った。

“Yes, but don’t hop about.”
「はい、でも、跳んだりしないで。」

 

“I’d like a ride,” said the cat.
「私は乗りたいです」と猫は言った。

“Very well,” said Mr. Gumby.
「結構」と、ガンビーさんは言いました。

 

“But you’re not to chase the rabbit.”
「しかし、あなたはウサギを追うことはしないでください。」

“Will you take me with you?” said the dog.
「私をあなたと一緒に連れて行ってもらえますか?」と、犬は言いました。

“Yes,” said Mr. Gumpy.
「はい」と、ガンピーさんは言いました。

“But don’t tease the cat.”
「しかし、猫をいじめないでください。」

 

“May I come, please, Mr. Gumpy?” said the pig.
「どうか、わたしもいっていいですか?ガンピーさん」とブタは言った。

“Very well, but don’t muck about.”
「結構、しかし、フンまみれにしないで」

 

“Have you place for me?” said the Sheep.
「私の居場所はありますか?」とヒツジが言った。

“Yes but don’t keep bleating.”
「はい、しかしメーと鳴き続けないで。」

 

“Can we come too?” said the chickens.
「わたしたちも行くことができる?」とニワトリたちが言った。

“Yes, but don’t flap,” said Mr. Gumpy.
「はい、しかし、パタパタ動かないで」と、ガンピーさんは言いました。

 

“Can you make room for me?” said the calf.
「あなたは、私のために場所をあけることができますか?」と、子牛は言いました。

“Yes, if you don’t trample about.”
「はい、あなたがまわりを踏みつけないならば。」

 

“May I join you, Mr. Gumpy?” said the goat.
「ご一緒してもいいですか、ガンピーさん?」と、ヤギは言いました。

“Very well, but don’t kick.”
「結構、しかし、けらないでください。」

 

For a little while they all went along happily
わずかな間、彼ら全員は、首尾よく行きました

but then…
しかしその後、

The goat kicked
ヤギは蹴った

The calf trampled
子牛は踏みつけた

The chickens flapped
ニワトリははためきました

The sheep bleated
ヒツジはメーと鳴きました

The pig mucked about
ブタはまわりに肥をまきました

The dog teased the cat
犬はネコをからかいました

The cat chased the rabbit
ネコはウサギを追いかけました

The rabbit hopped
ウサギは飛びました

The children squabbled
子供たちは口論をしました

The boat tipped…
ボートは傾けられました。。

and into the water they fell.
そして彼らは水の中に落ちた。

 

Then Mr. Gumpy and the goat and the calf and the chickens and the sheep and the pig and the dog and the cat and the rabbit and the children all swam to the bank and he climbed out to dry in the hot sun.
ガンピーさんとヤギ、子牛、鶏、羊、豚と犬、猫とウサギと子供たちはすべて岸辺に泳いで、暑い日差しの中乾かすために登った。

 

“We’ll walk home across the fields,” said Mr. Gumpy.
「私たちは畑を抜けて家に帰りましょう」とガンピー氏は語った。

“It’s time for tea.”
「お茶の時間です。」

 

“Goodbye,” said Mr. Gumpy.
「さようなら」とガンピー氏は言いました。

“Come for a ride another day.”
「別の日にもう一度乗ってください」

最後に:「また別の日においで」と言える優しさ

というわけで、今回は『Mr Gumpy’s Outing』をご紹介しました。

この絵本の本当に素敵なところは、ボートがひっくり返って、みんなびしょ濡れになってしまった後の、ガンピーさんの対応です。

普通なら、「だから言ったじゃないか!」と怒りたくなりますよね。でも、ガンピーさんは誰一人として叱りません。それどころか、みんなを岸へ導き、お家に連れて帰って、温かいお茶を振る舞ってあげるのです。

そして、帰り際にはこう言うのです。「”Come for a ride another day.”(また別の日においで)」。

失敗しちゃったけど、大丈夫。また次があるよ。ガンピーさんのこの言葉は、子供たちの心に、どれほどの安心感を与えてくれることでしょう。約束を破ったことを責めるのではなく、その経験ごと、まるっと受け入れてくれる。そんな大人の在り方に、私たちも学ぶことがたくさんあるような気がします。

「ダメ!」と叱る前に、まずは「まあ、いいか」と笑ってみる。ガンピーさんのように、大らかで温かい心で、子供たちの小さな失敗を見守ってあげたいものですね。

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