こんにちは!
旅行の計画って、立てている時が一番楽しいけれど、いざ出発すると、思いがけないハプニングの連続…なんてこと、よくありますよね。
特に、みんなで一緒にどこかへ出かける時。天気が崩れたり、渋滞にはまったり、はたまた、誰かが協力してくれないせいで、計画が頓挫してしまったり…。
「なんで私ばっかり大変な思いをするんだろう?」なんて、ちょっぴり不満に感じてしまうことも、正直言ってあると思います。
今日ご紹介するのは、そんなトラブルだらけのドライブに、ユーモアと優しさで立ち向かうガンピーさんのお話。世界中で愛されているシリーズの第二弾、英語絵本『Mr Gumpy’s Motor Car』です。
ここでは『Mr Gumpy’s Motor Car』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
ガンピーさんが、愛車のオープンカーでドライブへ出かけようとすると、またまたご近所の子供たちや動物たちがやってきました。「私たちも連れてって!」と、みんな大騒ぎです。
ガンピーさんは「ちょっと窮屈になるけど、大丈夫だよ」と、嫌な顔一つせず、みんなを車に乗せてあげました。
走り出してしばらくは、心地よい太陽の下、楽しいドライブが続いていましたが…突然、空が真っ暗になり、激しい雨が降り始めました!
道はあっという間に泥だらけ。車のタイヤは空転し、とうとう泥道にスタックして動けなくなってしまいます。
「みんな、ちょっと車から降りて、押してくれないか?」
ガンピーさんがお願いすると、さっきまで楽しそうにしていたみんなが、途端にゴソゴソと動き出します。「私じゃないよ、私の方が若いもん!」「私は風邪ひいちゃうからダメ!」と、口々に言い訳を始め…。
さて、ガンピーさんと仲間たちは、無事に泥の中から車を動かすことができるのでしょうか?
英語学習のポイント
この絵本は、みんなが協力してほしい時に、あれやこれやと「言い訳」をするシーンが、とてもリアルで面白いんです。英語学習にも役立つ、そんな「言い訳」と、それから、ガンピーさんの優しいフレーズを2つご紹介しますね。
Not me と続く、「言い訳」オンパレード
車から降りたくないみんなが言う「言い訳」の数々。全部が “Not me”(私じゃない)から始まります。
Not me, said the goat. I’m too old.(私じゃないよ、ヤギさん。歳をとりすぎてるからね。)
Not me, said the calf. I’m too young.(私じゃないよ、子牛。若すぎるもん。)
Not me, said the sheep. I might catch cold.(私じゃないよ、ヒツジ。風邪をひいちゃうかも。)
これをものすごくざっくりいうと、「なんで私ばっかり!やだもん!」という、子供の気持ちがよく表れた表現です。
May we? - シンプルなお願い
一方で、この絵本では、子供たちや動物たちがガンピーさんに乗せてほしいとお願いする時に、みんな声を揃えて “May we?” と言っています。
これをものすごくざっくりいうと、「(許可を求める)〜してもいいですか?」という、丁寧な「お願い」です。
前作では様々な表現が出てきましたが、今回はシンプルな “May we?” に統一されていますね。子供たちや動物たちが、一斉に「お願い!」と言っている様子が伝わってきます。
例文:
「トイレに行ってもいいですか?」は “May I go to the bathroom?”
「このお菓子を食べてもいいですか?」は “May I eat this snack?”
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Mr.Gumpy was going for a ride in his car.
ガンピーさんは、彼の車でドライブに行っていました。
He drove out of the gate and down the lane.
彼は門から出て、通路に沿って運転しました。
“May we come too?” said the children.
「私たちも行っていい?」と子供たち。
“May we?” said the rabbit, the cat, the dog, the pig, the sheep, the chickens, the calf and the goat.
「私たちも?」と、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、子牛、ヤギは言った。
“All right.” said Mr.Gumpy.
「大丈夫。」ガンピー氏は言った。
“But it will be a squash.”
「しかし、窮屈になるでしょう」
And they all piled in.
そして、彼らはすべて積み重なっています。
“It’s a lovely day.” said Mr.Gumpy.
「とってもステキな日だ」とガンピー氏。
“Let’s take the old cart-track across the fields.”
「フィールドの向こうの古い荷車道を使いましょう。」
For a while they drove along happily.
しばらくの間、彼らは幸せに走った。
The sun shan, the engine chugged and everyone was enjoying the ride.
日差し、エンジンは騒がしく、みんな乗り物を楽しんでいた。
“I don’t like the look of those clouds.
「私はあの雲の外観が好きではありません。
I think it’s going to rain.” said Mr.Gumpy.
私は雨が降るだろうと思っています。」とギンピー氏。
Very soon the dark clouds were right overhead
まもなく暗い雲が頭上にあった。
Mr.Gumpy stopped the car.
ガンピーさんは車を止めました。
He jumped out, put up the hood, and down came the rain.
彼は飛び出して、フードを上げます。そして雨が降りました。
The road grew muddier and muddier, and the wheels began to spin.
道路は泥だらけになってしまい、車輪が空転し始めました。
Mr.Grumpy looked at the hill ahead.
グランピーさんは先の丘を見ました。
“Some of you will have to get out and push.” he said.
「あなたのうちの何人かは出て押して行かなければならないでしょう。」 彼は言った。
“Not me,” said the goat. “I’m too old.”
「私ではない」とヤギさん。「私は年を取りすぎている」
“Not me,” said the calf. “I’m too young.”
「私ではない」と子牛。「私は若すぎる」
“Not us,” said the chickens. “We can’t push.”
「私たちではない」とニワトリ。「私たちは押せない」
“Not me,” said the sheep. “I might catch cold.”
「私ではない」とヒツジ。「私は風邪をひく」
“Not me,” said the pig. “I’ve a bone in my trotter.”
「私ではない」とブタ。「私の脚の骨は駆ける用です」
“Not me,” said the dog. “But I’ll drive if you like.”
「私ではない」と犬。「でも、もしよければ私は運転する」
“Not me,” said the cat. “It would ruin my fur.”
「私ではない」とネコ。「それは私の毛皮を台無しにするだろう。」
“Not me,” said the rabbit. “I’m not very well.”
「私ではない」とウサギ。「私はあまりよくありません。」
“Not me,” said the girl. “He’s stronger.”
「私ではない」と女の子。「彼の方が強い」
“Not me,” said the boy. “She’s bigger.”
「私ではない」と男の子。「彼女の方が大きい」
The wheels churned..
車輪はかき回された。。
The car sank deeper into the mud.
車は泥に深く沈んだ。
“Now we’re really stuck.” said Mr.Grumpy.
「今、私たちは本当に立ち往生している。 グランピー氏は言った。
They al got out and pushed.
彼らは外に出て押した。
They pushed and shoved and heaved and strained and gasped and slipped and slithered and squelched.
彼らは押して、押して、持ち上げて、引っぱって、息切れして、すべって、ずるって、押しつけました。
Slowly the car began to move…
ゆっくりと車は動き始めた。
“Don’t stop!” cried Mr.Grumpy.
「やめないで!”」グランピー氏は叫んだ。
“Keep it up! We’re nearly there.”
「続けて!」私たちは近くまできている」
Everyone gave a mighty heave – the tyres gripped..
誰もが大きな衝撃を与えた タイヤはつかんだ。。
The car edged its way to the top of the hill.
車は丘の頂上に向かって進みました。
They looked up and saw that the sun was shining.
彼らは見上げ、太陽が輝いているのを見た。
“We’ll drive home across the bridge.” said Mr.Grumpy.
「我々は、橋の向こうへ車で帰ります。」とグランピーさん。
“There’ll be time for a swim.”
「泳ぎのための時間になるでしょう。」
“Goodbye.” said Mr.Gumpy.
「さようなら」とグランピーさん。
“Come for a drive another day.”
「別の日にドライブに行きましょう」
最後に:困った時こそ、優しくなれる?
というわけで、今回は『Mr Gumpy’s Motor Car』をご紹介しました。
散々言い訳をされたにもかかわらず、ガンピーさんは決して怒りません。誰も協力してくれない状況でも、彼は決して諦めず、みんなをリードして泥から車を動かします。
そして、すべてが終わった時、またもやガンピーさんは、みんなを温かい言葉で迎えるのです。「また別の日もドライブにおいで」と。
この絵本を読んでいると、なんだか心が軽くなるのを感じます。「やらない理由」を並べる子供たちや動物たちも、ガンピーさんの大らかさのおかげで、なんだか可愛らしく見えてきますよね。
子供たちが言い訳をして困らせてきた時、怒ってしまう代わりに、まずはガンピーさんのように「まあ、仕方ないな」と受け入れてみる。そして、一緒に困難に立ち向かう姿勢を見せてあげる。そんな大らかで優しい心こそが、周りを動かす一番の力になるのかもしれませんね。