こんにちは!
お庭や公園で、巣から落ちてしまった様子のヒナ鳥を見かけたこと、ありませんか? 「助けてあげなきゃ!」という子供の純粋な気持ちと、「でも、どうしたらいいんだろう…」という親の戸惑い。小さな命を前にすると、いろんな感情が湧き上がってきますよね。
下手に人間が手を出さない方がいい、なんて話も聞くけれど、目の前でピーピー鳴いている小さな存在を、見過ごすことなんてできない。そんな優しい気持ちと、ちょっぴり切ないお別れ、そして温かい奇跡を描いた英語絵本が、今回ご紹介する『Just a Baby Bird』です。
ここでは『Just a Baby Bird』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
ある晴れた日、お庭で遊んでいたリトル・クリッターと妹は、か細い鳴き声を聞きつけます。声のする方へ行ってみると、そこには一羽のヒナ鳥がいました。
親鳥の姿は見当たりません。クリッター一家は、この小さな命を守ることに決めました。
パパが箱に空気の穴を開けてそっと捕まえ、ママはインターネットでヒナにあげるのにぴったりなご飯を調べます。家族みんなで協力して、一生懸命お世話をする毎日。ヒナはすくすくと、日に日に大きくなっていきます。
でも、出会いがあれば、いつかお別れの時もやってくるもの。クリッターたちの愛情を一身に受けて育った鳥が、いよいよ大空へと羽ばたいていく日が来たのです。ちょっぴり寂しいけれど、元気でね!
季節は巡り、やがてまた春がやってきました。クリッターが鳥のために作った巣箱に、ある日、見覚えのある訪問者がやってきて…。
英語学習のポイント
この絵本は、命の成長を見守る優しいストーリーの中に、日常で使えるシンプルな表現が散りばめられています。今回は、時間の経過や感情を伝えるのに便利なフレーズを2つご紹介します。
Day after day
これは、「来る日も来る日も」「日に日に」といった意味で、毎日同じことが繰り返されたり、物事が少しずつ変化していく様子を表す時に使います。これをものすごくざっくりいうと、「まーいにち、まーいにち」という感じです。
絵本の中では、”Day after day the baby bird grows bigger and bigger.”(来る日も来る日も、ヒナ鳥はどんどん大きくなっていく)と使われています。単に “Every day” と言うよりも、継続している感じや、日々の積み重ねがよく伝わってきますよね。
日記や作文でも使いやすい、便利な表現です。
例文:
夏休みの宿題をコツコツと進めて、”Day after day, I worked on my summer homework.”(来る日も来る日も、僕は夏休みの宿題に取り組んだ。)
お天気がずっと続いて、”Day after day, the sun shone brightly in the sky.”(来る日も来る日も、太陽が空で明るく輝いていた。)
How cool is that?
これは、何か素晴らしいこと、すごいこと、かっこいいことを見聞きした時に、「それって最高じゃない?」「なんて素敵なの!」と、感動や興奮を表現する口語的なフレーズです。
これをものすごくざっくりいうと、「ヤバくない!?」とか「すごくない!?」という、友達への同意を求めるようなニュアンスです。
絵本の最後、成長した鳥が家族を連れて戻ってきたのを見て、クリッターが “How cool is that?” と言います。驚きと嬉しさ、そして誇らしい気持ちが、この一言にぎゅっと詰まっていますね。
例文:
友達がコンテストで優勝したと聞いて、”She won the contest! How cool is that?”(彼女、コンテストで優勝したんだって!すごくない?)
虹が二重にかかっているのを見て、”Look, a double rainbow! How cool is that?”(見て、二重の虹だよ!最高じゃない?)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Little Sister and I play in the yard.
妹と私は庭で遊んでいます。
We hear “Peep, peep, peep.”
私たちは「ピッ、ピッ、ピッ」を聞きます。
We find a baby bird.
私たちはヒナ鳥を見つける。
But where is the mama bird?
しかし、ママの鳥はどこですか?
We look. Dad helps.
私たちが見ます。 パパが手伝います。
We do not find the mama bird.
私たちはママ鳥を見つけられません。
We tiptoe to the baby bird.
私たちは、ヒナ鳥へつま先で歩きます。
We are so very careful.
とても非常に慎重です。
But the baby bird hops away.
しかし、ヒナ鳥は離れてとびます。
Dad pokes holes in a box.
お父さんは箱に穴を開ける。
He carefully catches the baby bird with the box.
彼は箱でヒナ鳥を慎重に捕まえる。
“Let’s find the nest.” says Dad.
「巣を見つけよう」 お父さんは言う。
We look high in the trees.
私たちは木の高いところを見ます。
We look low in the bushes.
私たちは茂みの低いところを見ます。
We look everywhere.
私たちはあちらこちらを見ます。
We do not find a nest, but Dad gets stuck in a tree.
私たちは巣を見つけることはありませんが、お父さんは木に引っかかってしまいます。
We make a little nest.
私たちは小さな巣を作る。
If the maomma bird is near.
ママ鳥が近くにいる場合
She will feed her baby.
彼女は赤ちゃんに餌を与えるでしょう。
We hide and wait.
私たちは隠れて待っています。
The baby bird peeps and peeps.
ひな鳥がピーピー鳴く。
No momma bird comes.
ママ鳥は来ない。
The baby bird must be hungry.
ひな鳥はお腹をすかせているに違いない。
Mom searches online to find the right food.
ママはぴったりな食べ物を見つけるためオンラインで探します。
Mum makes dinner for the baby bird.
ママはひな鳥のために夕食を作ります。
Our bird loves it.
私たちの鳥はそれが大好物です。
We make a bed for the baby bird in an old fish tank.
私たちは古い魚の水槽でヒナ鳥のためのベッドを作る。
He is safe.
彼は安全です。
Dad puts a towel over the tank.
お父さんはタオルをタンクの上に置きます。
Now the baby bird will sleep.
今ひな鳥は眠ります。
We say, “Good night, Baby Bird.”
私たちは「おやすみなさい、ひな鳥さん」と声を掛けます。
Day after day the baby bird grows bigger and bigger.
日々、ヒナ鳥は大きく大きく育っています。
Our baby bird is so big.
私たちのヒナ鳥はとても大きいです。
Dad says, “Baby Bird is too big.
お父さんは言います、「ヒナ鳥は大きすぎます。
I build a birdhouse.
私はバードハウスを建てます。
Maybe a bird will stay.”
多分鳥は留まるだろう」
We open the tank outside.
私たちはタンクを外に開きます。
Our baby bird flies away.
私たちのヒナ鳥が飛んでいきます。
“Where will he go?” I ask.
「どこに行くの?」 私は尋ねる。
“Some birds fly south for the winter,” says Mom.
「鳥の中には冬の間に南に飛ぶものもある」とママは語る。
“Maybe our bird will be back.”
「たぶん私たちの鳥は戻ってくるだろう」
Summer ends.
夏がおわる。
Fall ends, too.
秋も終わる。
Winter comes. I always look for our bird.
冬が来た。私はいつでも私たちの鳥を探す。
Spring is here.
春がやってきた。
I hear “Tweet, tweet, tweet.”
私は、「チュンチュンチュン」と聞いた。
We all run to see.
私たちはみんな見に走った。
Our bird sits on the birdhouse.
私たちの鳥は鳥の家に座っています。
He is much bigger now.
彼は今ではずっと大きくなっています。
“Look!” I say.
「見て!」 私は言う。
“Our bird has a family. too.
「私たちの鳥には家族もいます。
How cool is that?”
なんてかっこいいの?」
He was just a baby bird.
彼はちょうどヒナ鳥だった。
Now he’s grown up – with a baby bird of his own !
今彼は育って 自分のヒナ鳥と一緒だ!
最後に:さよならは、新しい始まり
というわけで、今回は『Just a Baby Bird』をご紹介しました。
この絵本が教えてくれるのは、ただ「生き物に優しくしよう」ということだけではないように思います。それは、命を預かることの責任、成長を見守る喜び、そして、いつか必ずやってくる「手放す」ことの大切さです。
子供にとっては、愛情を注いだ相手との別れは、とても辛く、寂しい体験のはずです。でも、この物語は「さよなら」で終わりません。成長した鳥が、新しい家族と共に帰ってくる。その姿は、別れが決して終わりではなく、新しい命や物語へと繋がっていく循環の一部なのだと、優しく教えてくれます。
出会いと別れを繰り返しながら、世界は豊かになっていく。そんな温かい真実を、お子さんと一緒に感じてみてください。