英語絵本「Just Big Enough」

小さいからダメじゃない!英語絵本『Just Big Enough』の心温まるメッセージ【読み聞かせ】

こんにちは!

子供の頃、背の順に並ぶといつも一番前だったな…とか、クラスの大きい子になんとなく気後れしてしまった経験、ありませんか?

「もっと背が高かったら」「もっと大きかったら、かっこいいのになあ」。

そんな風に、誰かと自分を比べて、ちょっぴり落ち込んでしまう気持ち。大人になった今でも、心のどこかに残っていたりしますよね。

子供の世界は、時としてとてもストレートです。「小さいから」という理由だけで、仲間に入れてもらえなかったり、悔しい思いをしたりすることも、あるのかもしれません。

今日は、そんな「小さいこと」に悩む男の子の気持ちに優しく寄り添い、「自分だけのサイズ」の素晴らしさを教えてくれる、とっても素敵な英語絵本『Just Big Enough』をご紹介したいと思います。

ここでは『Just Big Enough』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

主人公のリトル・クリッターは、毎朝スクールバスの同じ席に座るのが日課です。でも、ある朝、その席には大きな子がどっかりと座っていました。「そこ、僕の席だよ」と言っても、全然聞いてくれません。

休み時間には「ちびだから」とサッカーに入れてもらえず、お昼のカップケーキも、大きい子たちに全部取られてしまいます。

すっかり落ち込んだクリッターは、「僕ももっと大きかったらなあ…」と強く願うようになります。そして、ある夜に読んだマンガをヒントに、なんと「成長マシン」を発明することを思いつくのです!

木や接着剤、アルミホイルにキラキラのラメ。妹にも材料をわけてもらい、一生懸命マシンを作ります。さあ、このお手製のマシンで、クリッターは大きくなることができるのでしょうか?

Little Critter: Just Big Enough

英語学習のポイント

この絵本は、子供の素直な気持ちがシンプルな英語で表現されていて、心に響くフレーズがたくさん出てきます。今回は、特に気持ちを伝えるのに役立つ表現を2つピックアップしてみました。

I wish I were bigger.

これは、「僕がもっと大きかったらなあ」という、主人公の切実な願いを表す一言です。文法的には「仮定法」というもので、現実とは違う「もしも〜だったら」という願望を表現する時に使われます。

これをものすごくざっくりいうと、「こうだったら最高なのになあ…」という、切ないつぶやきのような感じです。ポイントは、”I was” ではなく “I were” を使うところ。こうすることで、「現実には違うんだけどね」という、叶わぬ願いのニュアンスが強まるんです。

子供が抱く様々な「〜だったらいいな」という気持ちを代弁するのに、ぴったりの表現ですね。

例文:
鳥のように空を飛べたらなあと夢見て、”I wish I were a bird so I could fly.”
テストの前日に、「もっと時間があったらなあ」とつぶやく時に、”I wish I had more time to study.”

Just big enough

この絵本のタイトルにもなっている、とても重要なフレーズです。「ただ大きい」のではなく、「ちょうどいい大きさ」「十分な大きさ」という意味を持っています。大きすぎず、小さすぎず、その目的のためにはパーフェクトなサイズ感、というニュアンスです。

これをものすごくざっくりいうと、「これで十分!」「これがベストサイズ!」という、ポジティブな肯定の言葉です。

誰かと比べて大きいか小さいか、ではなく、自分自身の「ちょうどよさ」に価値があるんだと教えてくれる、素敵な言葉ですね。

例文:
小さな箱にプレゼントがぴったり収まって、”This box is just big enough for the gift.”(この箱、プレゼントを入れるのにちょうどいい大きさだね。)

一人暮らしを始めるのに、”This apartment is just big enough for me.”(このアパートは、私一人には十分な広さだわ。)

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Every morning on my way to school, I always sit in the same seat on the school bus. But this morning…
毎朝学校に行く途中で、私はいつもスクールバスの同じ席に座ります。 しかし、今朝…

A big kid took my seat.
大きな子供が私の座を取った。

 

”Excuse me,” I said. “You’re sitting in my seat.”
「すみません」私は「あなたは私の席に座っている」といいました。

The big kid didn’t move. I guess he couldn’t hear me.
大きな子供は動きません。たぶん、私の言うことが聞こえなかったのだろう。

 

At recess, I wanted to play football with the big kids,
休憩時間に、私は大きな子供たちと一緒にサッカーをしたいと思っていました。

but they said I couldn’t play because I was too small.
しかし、彼らは私が小さすぎたためにプレーできないと言った。

 

And at lunch, the big kids took all of the cupcakes.
そしておひるごはんの時、大きな子供はカップケーキを全部取った。

They laughed when I said they had to share.
彼らは私が共有しなければならないと言ったとき笑った。

They told me the cupcakes were just for them.
彼らは、カップケーキがちょうど彼らのためにあると私に話しました。

 

“I wish I were bigger” I said to my friends. They nodded.
「私がもっと大きかったらいいなあ」と私は友達に言った。彼らはうなずいた。

That night, I couldn’t sleep, So, I read a comic book.
その夜、私は眠れなかったのでマンガを読んだ。

And that’s when I got a great idea.
そしてその時すごいアイデアが浮かんだ。

 

The next morning, I asked Dad for some wood and some glue.
翌朝、私はお父さんにいくつかの木といくつかの接着剤を頼んだ。

Mum gave me tinfoil.
ママは私にアルミホイルをくれました。

And Little Sister let me have a jar of her glitter.
そして妹はわたしに彼女のピカピカの瓶を渡してくれた。

“What are you making?” asked Little Sister.
「何を作るつもり?」と妹はたずねた。

“A growing machine,” I said.
「成長マシン」と私は言った。

 

I worked on the growing machine all morning.
私は午前中ずっと成長する機械を動かした。

When it was finished, I sprinkled glitter on it so it sparkled like the one in the comic book I had read.
それが終わったとき、私はそれの上に光りものを撒いたので、それは私が読んだ漫画雑誌のそれのようにきらめきました。

 

I made a helmet out of tinfoil.
私はアルミホイルからヘルメットを作った。

Then I put on my helmet and climbed into the growing
machine.
それから私はヘルメットを着用し、成長マシンにのぼった。

 

I set in the growing machine all afternoon.
私は午後すべて成長マシンに入った。

I even ate my lunch there.
私はそこで昼食を食べた。

 

When it became dark. Dad said it was time to come home.
暗くなった時、パパは家に帰る時間だよと言った。

“Did I grow?” I asked.
「私は成長した?」と尋ねた。

Dad shook his head and said. “Not yet.”
パパは頭を振って言った。「まだ」

 

“Maybe I should sleep in the growing machine.” I said.
「成長マシンで寝るべきかもしれない」 私は言った。

Dad didn’t think that was such a good idea.
お父さんはそれが良いアイデアだとは思わなかった。

 

The next day, I went to Grandma and Grandpa’s farm.
翌日、私はおじいちゃんとおばあちゃんの農場へ行った。

 

“What’s the matter. Little Critter?” ask Grandpa.
「どうしたリトルクリッター?」おじいちゃんがたずねた。

I told Grandpa about the big kids and how I was trying to get big, too, so that I could do all the things that big kids did.
私はおじいちゃんに、大きな子供たちについて話し、どのようにしたら私も同じように大きくなれるのか考えて、そうすればじぶんも大きな子供たちがしたことをすべてすることができると話した。

 

Grandpa took me out to the meadow.
おじいちゃんは私を草原に連れて行った。

“Look at those two horses.” he said.
「その2頭の馬を見てください。」彼は言った。

“Which one do you think is the fastest?”
「どちらが最速だと思いますか?」

“The big one!” I said.
「大きいほう!」 私は言った。

 

Grandpa let the big horse and the little horse loose.
おじいちゃんは大きな馬と小さな馬を自由にさせました。

They started to run across the field.
彼らはフィールドを越えて走り出した。

And do you know which one was the fastest?
そして、あなたがどれが一番速いのか分かりますか?

The little one.
小さなほう。

 

The next day at school, the big kids said again that I couldn’t play football because I was too small.
翌日学校では、大きな子供たちは、私が小さすぎたので私がサッカーをすることができないと再び言った。

I started to get mad.
私は怒り始めた。

“I challenge you to a relay race,” I said. “The big kids against the little kids.”
「私はあなたとリレーレースに挑戦する」と私は言った。 「小さな子供たちは大きな子供たちに対抗する」

 

The big kids laughed, but he said okay.
大きな子供たちは笑った、しかし彼は了承した。

 

The whole school came to watch the race.
学校全体がレースを見に来た。
And you know what?
そしてあなたは何が起こったかわかりますか?

The little kids won!
小さな子供たちが勝った!

 

So, I guess sometimes being small is just big enough.
だから、時には小さくても十分に大きいと思う。

最後に:あなたの「ちょうどいい」が、きっと最強

というわけで、今回は『Just Big Enough』をご紹介しました。

大きい子みたいに力はないかもしれない。でも、小さいからこそ、すばしっこく動ける。大きい馬より、小さい馬の方が速く走れることもある。この絵本が教えてくれるのは、そんな「視点の転換」の面白さです。

「大きいことは良いことだ」という、なんとなく世の中にある大きな流れ。それに乗れなくて落ち込んでしまう時、この物語は「本当にそうかな?」と優しく問いかけてくれます。そして、「君のそのサイズだからこそ、できることがあるんだよ」と背中を押してくれるのです。

誰かのものさしじゃなく、自分の「ちょうどいい」を見つけること。それこそが、一番パワフルで、素敵なことなのかもしれませんね。

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