こんにちは!
かけがえのない家族の一員である、ペットとの暮らし。言葉は通じなくても、その温かい存在は、日々の生活に彩りと、たくさんの愛情をくれますよね。
でも、そんな幸せな時間には、いつか必ず終わりがやってきます。人間よりもずっと早く年を重ねていく、愛しい彼らとの「お別れ」。それは、分かっていても、とても辛く、悲しいものです。
「あの時、もっとこうしてあげればよかったかな」「大好きだよって、ちゃんと毎日伝えてあげられたかな」。いなくなってから、そんな後悔の念に駆られてしまうことも、あるかもしれません。
今日は、そんなペットとの出会いから別れ、そしてその悲しみを乗り越えるための、温かいヒントをくれる、あまりにも有名で、そして美しい英語絵本『I’ll always love you』をご紹介したいと思います。
ここでは『I’ll always love you』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
このお話の主人公は、一人の少年と、彼が世界で一番大好きな犬のエルフィー。
二人は一緒に大きくなりました。でも、犬のエルフィーは、少年よりもずっと速く年をとっていきます。いつもは元気いっぱいに庭を駆け回り、時にママの花壇を掘って怒られちゃう、やんちゃなエルフィー。そんな彼女も、次第に眠っている時間が増え、大好きだったお散歩も、だんだんとしんどそうになっていきます。
やがて、大好きだった少年の部屋がある二階への階段も、自力で登れなくなってしまいました。少年は、そんなエルフィーのために、一階に柔らかい枕を用意してあげます。そして、眠りにつく前には必ず、こう言ってあげるのでした。「ずーっと、大好きだよ」と。
そして、ある朝。少年が目を覚ますと、エルフィーは夜の間に、静かに息を引き取っていました。家族みんなでエルフィーを埋葬し、悲しみに暮れます。でも、少年は激しい悲しみの中でも、ある一つのことに救われるのです。それは、毎晩エルフィーに「大好きだよ」と伝え続けていた、という事実でした。
英語学習のポイント
この絵本は、シンプルでストレートな言葉で、深い愛情と悲しみを表現しています。今回は、この物語の核となる、心を打つフレーズを2つご紹介します。
I’ll always love you.
この絵本のタイトルであり、少年がエルフィーに毎晩語りかける、最も重要な言葉です。「私はいつもあなたを愛しています」という、ストレートな愛情表現ですね。
これをものすごくざっくりいうと、「これからもずーっと、何があっても大好きだよ」という、未来に向けた誓いのような響きがあります。”I love you.”(愛してる)でも十分に気持ちは伝わりますが、”will” をつけて “I will always love you.” とすることで、「これからもずっと愛し続けるよ」という、変わらない気持ちの強さがより一層強調されます。大切な存在に、ぜひ使ってあげたい言葉です。
例文:
親が子に、”No matter what you do, I’ll always love you.”(あなたが何をしたって、ママ(パパ)はいつでもあなたのことが大好きよ。)
旅立つ友達に、”We may be far apart, but I’ll always love you as my best friend.”(離れ離れになるけど、親友として、君のことはずっと大好きだよ。)
growing old
獣医さんが、年老いたエルフィーについて語る場面で出てくる言葉です。「年をとっていく」という意味で、生き物が自然に年齢を重ね、老いていく様子を表す、ごく自然な表現です。
これをものすごくざっくりいうと、「だんだんおじいちゃん(おばあちゃん)になってきてるんだよ」という感じです。
特別な病気なのではなく、命あるものすべての自然な変化なのだと、優しく、しかし少しだけ切なく響きます。避けられない時間の流れを、シンプルに表現した言葉ですね。
例文:
“It’s natural to get wrinkles as you are growing old.”(年をとるとシワができるのは、自然なことだよ。)
“My grandmother enjoys her garden as she is growing old.”(私のおばあちゃんは、穏やかに年を重ねながら、お庭の手入れを楽しんでいます。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
This is a story about Elfie – the best dog in the whole world.
これは、全世界で最高の犬であるエルフィーの話です。
We grew up together, but Elfie grew much faster than I did.
私たちは一緒に育ったが、エルフィーは私よりもはるかに速く成長した。
I loved resting my head and her warm coat.
私は、頭を彼女の暖かいコートに休ませるのが好きでした。
Then we would dream together.
それから私たちは一緒に夢を見ます。
My brother and sister loved Elfie very much, but she was my dog.
私の兄と妹はエルフィーをとても愛していましたが、彼女は私の犬でした。
Every day, Elfie and I played together.
毎日、エルフィーと私は一緒に遊んだ。
Elfie loveed to chase squirrels
エルフィーはリスを追うのが大好き
and to dig in my mother’s flower garden.
そしてママの花畑を掘ることも。
Sometimes my folks would very angry with Elfie when she could get into the mission.
時々わたしの家人はエルフィーが使命を果たす時とても怒る。
But they still loved her, even when the scolded her.
しかし、彼らは彼女を叱ったときでさえ、彼女をまだ愛していました。
The trouble was, no one told her except me.
トラブルであったと、誰も私以外は彼女に話しませんでした。
The years passed quickly, and while I was growing taller and
taller, Elfie was growing rounder and rounder.
すぐに何年も過ぎました。そして私の背がぐんぐん高くなっている間、エルフィーは丸く丸く成長していました。
The older Elfie got, the more as she slept, and the less she liked to walk. I was getting worried!
エルフィーが長生きするほど、彼女はもっと寝ていて歩くのが好きではなかった。 私は心配していた!
We took Elfie to the vet, but there wasn’t much he could do.
私たちはエルフィーを獣医に連れて行ったが、彼ができることはあまりなかった。
“Elfie is just growing old,” he said.
「エルフィーはただ成長しているだけです」と彼は言いました。
It soon became too difficult for Elfie to climb the stairs.
すぐにエルフィーは階段を登るのが難しくなりました。
But she had to sleep, in my room.
しかし、彼女は私の部屋で寝なければならなかった。
I gave Elfie a soft pillow to sleep on, and before we went to sleep I would say to her,
私はエルフィーに寝る柔らかい枕を与え、私たちが眠る前に私は彼女に言うでしょう、
“I’ll always loved you.” I know she understood.
「いつもあなたを愛しています」 彼女が理解しているのを知っている
One morning I woke up and discovery that Elfie had died during the night.
ある朝、私は目を覚まし、夜中にエルフィーが死んだことを発見した。
We buried Elfie together. We all cried and hugged each other.
私たちは一緒にエルフィーを葬った。 私たちは皆泣いてお互いを抱き合った。
My brother and sister loved Elfie a lot, but they never told her so.
私の弟と妹はエルフィが大好きでしたが、彼女には決して言わなかったのです。
I was very sad, too, but it helped to remember that I had told her every night, “I’ll always loved you.”
私はとても悲しかったですが、毎晩彼女に言ったことを覚えていました。「いつもあなたを愛しています」
A neighbor offered me a puppy. I knew Elfie wouldn’t have minded, but I said no.
隣人が私に子犬を申し出た。 私はエルフィーが気にしていないことを知っていましたが、私は断りました。
I gave him Elfie’s basket instead. He needed it more than I did.
私は彼にエルフィーのバスケットを代わりに贈った。彼は私より多く必要でした。
Someday I’ll have another dog, or a kitten or a goldfish.
いつか私は別の犬、または子猫や金魚を飼うでしょう。
But whatever it is, I’ll tell it every night: “I’ll always love you.”
しかし、それが何であれ、私は毎晩それを言うでしょう:「私はいつもあなたを愛しています。」
最後に:「大好き」を、言葉にすること
というわけで、今回は『I’ll always love you』をご紹介しました。
ペットとの別れは、本当に辛いものです。この絵本を読んでいると、その悲しみがダイレクトに伝わってきて、胸がぎゅっとなります。でも、この物語が教えてくれるのは、悲しみだけではありません。
それは、「大好き」という気持ちを、毎日言葉にして伝えることの、とてつもない大切さです。
いなくなってしまってからでは、もう伝えることはできません。「言わなくても分かってくれているはず」ではなく、毎日、毎晩、「大好きだよ」と伝えていたという事実が、残された少年の心をどれほど救ったことでしょう。後悔ではなく、「ちゃんと伝えられた」という温かい記憶が、悲しみを乗り越えるための、大きな支えになったのです。
これは、ペットとの関係に限った話ではないのかもしれません。家族、友達、恋人。今、あなたの隣にいる大切な人に、「大好き」を伝えることを、ためらわないでいたい。そんな当たり前で、一番大切なことを、この絵本は静かに、そして力強く教えてくれます。
この絵本のように、心温まるメッセージが込められた英語絵本を他にも紹介しています。
こんにちは!今回は、東京の“出前文化”を舞台にした、スピードと職人魂がつまった一冊の絵本『Noodles on a Bicycle』をご紹介します。この絵本のイラストを手掛けたのは、なんと2024年にコールデコット・オナー賞[…]
こんにちは!子どもから「〇〇が欲しい!」と目をキラキラさせて言われた時、どこまで与えてあげるのが正解なんだろうって、ふと立ち止まって考えてしまうことはありませんか?「もちろん、できる限り叶えてあげたい」という気持ちと、「でも[…]