「Fletcher and the Falling Leaves」は、秋の季節の変化をやさしく描いた心温まる絵本です。小さなキツネ、フレッチャーが秋の訪れに気付き、大好きな木の葉が色づき落ちていく様子に驚きと戸惑いを覚えます。
そんなフレッチャーの冒険と優しさにあふれるストーリーは、親子で楽しむのにぴったり。今回は、この絵本を通してお子さんと一緒に、自然の変化を楽しみながら英語も学んでみませんか?
ここでは「Fletcher and the Falling Leaves」の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
フレッチャーは毎日お気に入りの木を訪れる中で、その葉が日に日に茶色くなり、やがて一枚、また一枚と落ちていくことに気付きます。葉が風に舞い散るたび、彼は木が病気だと思い込み、心配して手助けをしようとしますが、季節が秋になったことに気づきません。
大切な木が寒い冬に備えて葉を落とし、朝には美しい霜の飾りで覆われているのを見たフレッチャーは、初めて季節の変化に気づきます。この心温まる物語を通して、子どもたちに「自然のリズム」について教えてくれる絵本です。
英語学習のポイント
この絵本は、やさしい英語表現が多く、初めての英語学習に最適です。以下のようなフレーズも含まれているため、ぜひ英語学習の一環としてもご活用ください。
- “Don’t worry, it’s only autumn.”
「心配しないで、これはただの秋だから」という意味で、自然の変化をやさしく伝える表現です。「Don’t worry, ~」は「心配しないで」という日常的な表現で、落ち着かせる言い方として便利です。
- “All your leaves are gone.”
「あなたの葉っぱは全部なくなっちゃった」と、木の葉がすっかり落ちたことを表現しています。「be gone」は「なくなる」や「いなくなる」といった意味で、シンプルながら幅広く使える表現です。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
The world was changing. Each morning, when Fletcher bounced out of the den, everything seemed just a little bit different.
世界は変わりつつありました。フレッチャーが巣から跳び出すたびに、何かが少しずつ違っているように感じました。
The rich green of the forest was turning to a dusty gold, and the soft swishing sound of summer was fading to a crinkly whisper.
森の深い緑はほこりっぽい金色に変わり、夏の優しいそよ風の音がパリパリというささやきに変わっていきました。
Fletcher’s favorite tree was looking dull, dry, and brown.
フレッチャーの大好きな木は、くすんで乾燥して茶色くなっていました。
Fletcher, visiting it every day, was beginning to get worried.
毎日その木を訪れるフレッチャーは、心配になり始めました。
“I think my tree is ill,” said Fletcher.
「僕の木が病気になってるみたいだ」とフレッチャーは言いました。
“What’s wrong with it?” asked Mommy.
「何がいけないの?」とママが尋ねました。
“Its leaves are turning brown,” said Fletcher.
「葉っぱが茶色くなってるんだ」とフレッチャーが答えました。
“Don’t worry, it’s only autumn,” smiled Mommy.
「心配しないで、ただの秋だから」とママは笑顔で答えました。
Fletcher trotted back to his tree and patted the rough bark.
フレッチャーは木のもとへ駆け戻り、ざらざらした樹皮を優しく叩きました。
“Don’t worry, it’s only autumn,” he said. “You’ll soon be feeling better.”
「心配しないで、ただの秋だから。すぐに元気になるよ」と彼は言いました。
But the tree didn’t get better. Day by day, it got browner still.
しかし、木は良くなりませんでした。日を追うごとにさらに茶色くなっていきました。
One day, as Fletcher sat by the tree, the wind began to blow.
ある日、フレッチャーが木のそばに座っていると、風が吹き始めました。
A small brown leaf blew off the tree and drifted towards the ground.
小さな茶色い葉っぱが木から吹き飛ばされ、地面に向かって漂いました。
Fletcher jumped up and caught it very gently in his paw.
フレッチャーは飛び上がり、優しくその葉を手で受け止めました。
“Don’t worry, tree. I’ve got your leaf. You’ll soon be fixed,” said Fletcher.
「大丈夫だよ、木さん。葉っぱは僕が持ってるから、すぐに元気になるよ」とフレッチャーは言いました。
He looked around, scratched his head, and picked a piece of grass.
彼は周りを見回し、頭をかいて、一本の草を摘み取りました。
He carefully tied the leaf to its branch and sat happily down.
彼はその葉を枝にしっかりと結びつけ、満足げに腰を下ろしました。
Just then, another gust of wind ruffled Fletcher’s fur.
そのとき、また別の風がフレッチャーの毛を揺らしました。
The little leaf shook itself free and fluttered back to the ground.
小さな葉っぱは自分で枝から離れ、再び地面に舞い戻りました。
Fletcher picked it up again and thought very hard. Then, he poked the leaf into a twig and pushed it firmly down.
フレッチャーは再びその葉を拾い上げ、真剣に考えました。それから、彼は葉を小枝に差し込んで、しっかりと押さえました。
“Now, you hold on tight,” said Fletcher sternly. “No more flying around.” The little leaf gave a tiny rustle in reply.
「今度はしっかりつかまっててね」とフレッチャーは厳しく言いました。「もう飛び回らないでね」小さな葉っぱは小さくサラサラと音を立てて応えました。
The next day a strong wind was blowing through the forest.
翌日、森を強い風が吹き抜けていました。
Fletcher rushed out of the den and ran all the way to his tree.
フレッチャーは巣を飛び出し、木のもとへ走って行きました。
Lots of its branches were brown and bare, and little lost leaves whirled everywhere.
たくさんの枝が茶色く、葉がなくなっており、小さな落ち葉があちこちで舞っていました。
“Oh, don’t worry, tree,” he called in alarm. “I’ll catch them for you, I promise!”
「大丈夫だよ、木さん」と彼は焦りながら叫びました。「僕が捕まえてあげるから、約束だよ!」
Round and round and round whirled Fletcher after the twirling leaves.
フレッチャーはくるくると回りながら、舞い落ちる葉を追いかけました。
“Leaves! Wonderful! Just what I need for my nest,” said a squirrel, scampering up.
「葉っぱだ!すばらしい!ちょうど巣に必要なんだ」とリスが近づいてきました。
“But these belong to the tree,” said Fletcher. “Don’t take them away.”
「でもこれは木のものなんだ」とフレッチャーが言いました。「持っていかないで」
“The tree doesn’t need any of them anymore,” said the squirrel, and off he bounded.
「木はもう必要としてないよ」とリスは言い、跳ねて去っていきました。
“Help! Help! The wind and the squirrel are stealing our leaves!” cried a frantic Fletcher.
「助けて!助けて!風とリスが僕たちの葉っぱを盗んでいる!」とフレッチャーは必死に叫びました。
“Leaves! Marvelous! Just what I need to keep warm,” said a hedgehog, rolling around.
「葉っぱだ!すばらしい!暖かくするのにぴったりだ」とハリネズミが転がりながら言いました。
“But these belong to the tree,” said Fletcher, plucking leaves from the hedgehog’s prickles.
「でもこれは木のものなんだ」とフレッチャーはハリネズミの針から葉を引っ張り出しながら言いました。
“Not anymore,” snuffled the hedgehog, and away he rolled.
「もう違うよ」とハリネズミはくんくんしながら去って行きました。
“Help! The wind, and the squirrel and the hedgehog are stealing our leaves,” cried a frenzied Fletcher.
「助けて!風とリスとハリネズミが僕たちの葉っぱを盗んでいる!」とフレッチャーは取り乱して叫びました。
This time, a flock of friendly birds swooped down from the sky.
すると今度は、友好的な鳥の群れが空から急降下してきました。
They picked the leaves up in their beaks and poked them into the tree’s branches.
鳥たちはくちばしで葉を拾い上げ、それを木の枝に差し込んでいきました。
Soon the tree was leafy again, and Fletcher flopped down and smiled.
すぐに木は再び葉でいっぱいになり、フレッチャーはばたっと倒れて微笑みました。
“Thank you, thank you, birds,” he gasped as the birds fluttered and chirped away.
「ありがとう、ありがとう、鳥さんたち」と彼は息を切らしながら言いました。鳥たちは羽ばたきながら鳴き声を残して飛び去っていきました。
He lay, looking up through the leaves at the sky, and drifted off to sleep.
彼は葉の間から空を見上げながら横になり、そのまま眠りに落ちました。
But still, the wind continued to blow, and the branches danced.
しかし、風はなおも吹き続け、枝が踊っていました。
The leaves shivered and shook themselves and began to wriggle free.
葉っぱは震え、身をよじらせ、枝から離れようとし始めました。
They tossed and turned and twitched and twirled and tumbled to the ground.
葉っぱは揺れ、くねくねとし、ひらひらと回りながら地面に落ちました。
They brushed Fletcher’s ears and nose and filled his dreams with a whispering sound.
葉っぱはフレッチャーの耳や鼻に触れ、彼の夢をささやくような音で満たしました。
When Fletcher finally blinked awake, he couldn’t believe his eyes.
フレッチャーがようやく目を覚ましたとき、彼は自分の目を信じられませんでした。
Instead of a roof of dancing leaves, he could see bare branches against the sky.
踊る葉の屋根の代わりに、空に向かって裸の枝が見えました。
“Oh, tree, I am so sorry,” gulped Fletcher. “All your leaves are gone.”
「ああ、木さん、ごめんね」とフレッチャーは飲み込みました。「葉っぱが全部なくなっちゃった。」
But then he saw high in the branches one small leaf still holding on.
しかし、彼は枝の高いところに、まだしがみついている小さな葉っぱを見つけました。
“I won’t let the wind steal that one,” said Fletcher, and he began to climb.
「この葉っぱだけは風に取らせないぞ」とフレッチャーは言って、木に登り始めました。
He wriggled along to the last leaf and held it firmly onto its branch.
彼は最後の葉っぱにたどり着き、しっかりと枝に押さえつけました。
All day long, the wind blew, the branch bounced and Fletcher held tight.
一日中風が吹き、枝が弾みましたが、フレッチャーはしっかりと握り続けました。
“I’ll stay with you, leaf,” he gasped. “Don’t worry that all your friends have gone.”
「君と一緒にいるよ、葉っぱさん」と彼は息を切らしながら言いました。「みんながいなくなっても心配しないで。」
But then with a sudden whoosh of wind the branch bounced high.
しかし、突然の風の強い吹き込みで、枝が高く弾みました。
With a whispered plip! the leaf let go and fluttered like a little flag clutched in Fletcher’s paw.
小さな「プチッ!」という音とともに、葉っぱはフレッチャーの手の中で小さな旗のようにひらひらと舞いました。
Fletcher looked sadly at the leaf, the tree’s last leaf he had promised to save.
フレッチャーは木の最後の葉っぱを悲しそうに見つめました。彼はその葉を守ると約束していたのです。
He carried it carefully down the tree and all the way back to the den.
彼はその葉を大切に木から降ろし、巣まで慎重に運んでいきました。
He made it a cozy little bed and gently tucked it in for the night, but all night long he could only think of his tree, all on its own.
彼はその葉に小さなベッドを作り、優しく寝かせましたが、一晩中木のことが気になって仕方がありませんでした。
At first light he tiptoed out into the chilly dawn.
夜が明け始める頃、彼は寒い夜明けの中をそっと抜け出しました。
The wind had finally stopped blowing, and the air was damp and cold.
風はようやく止まり、空気は湿って冷たくなっていました。
The moon still hung in the clear sky, and pale stars glimmered.
澄んだ空にはまだ月がかかり、薄い星がきらめいていました。
As he came to his favorite tree, Fletcher saw a magical sight…
彼が大好きな木のところにたどり着くと、魔法のような光景が目に入りました…
The tree was hung with a thousand icicles shining silver in the early light.
木は朝の光で銀色に輝く無数のつららで飾られていました。
“You are more beautiful than ever,” whispered Fletcher to the tree made of ice.
「今まで以上にきれいだよ」と氷でできた木にフレッチャーはささやきました。
“Can the squirrel and the hedgehog keep your leaves for the cold winter nights?”
「リスさんとハリネズミさんが、寒い冬の夜のために君の葉を持っててもいい?」
A tiny breeze shivered the branches, making a sound like laughter, and in the light of the rising sun the sparkling branches nodded.
小さなそよ風が枝を震わせ、笑い声のような音を立てました。そして、昇る朝日の中でキラキラと輝く枝がうなずきました。