「ファン」は実は別の英語から来た言葉

「アイドルのファン」も「扇風機のファン」も?実は別モノな“fan”の話

こんにちは!

今回は、「ファン」という言葉について書いてみたいと思います。

そう、あの「アイドルのファン」や「扇風機のファン」です。

…って、ちょっと待ってください。どっちも「ファン」だけど、意味ぜんぜん違いますよね?

実はこれ、まったく別の語源から来てるんです。偶然、同じ発音になっただけ。 でもそれが、日常ではスルッと通じてしまうから言葉っておもしろいなあと思うんですよね。

 

まずは、「アイドルのファン」からいきましょう。

これは英語の「fan」、つまり「熱狂的な支持者」「愛好者」って意味で、元をたどると「fanatic(ファナティック)」から来ています。

「fanatic」は、「熱狂的な」「夢中になってる」みたいな意味ですね。

たとえば、サッカーファン、アニメファン、ジャニーズファン……と、何かを本気で応援している人たちのことを「ファン」と呼びます。

で、日本語ではもう完全に「応援してる人」って意味が定着してます。

 

一方、「扇風機のファン」はどうかというと、これはまた別の英語で「fan(送風機)」です。

こっちの語源は「風を送る羽根」、つまり「羽のようなものが回転して空気を動かす機械」です。

エアコンの中にもファンがありますし、パソコンの冷却ファンとかもよく聞きますよね。

つまり、「羽根がくるくる回って風を送るやつ」っていう非常に物理的な意味のファンです。

そんなわけで、

  • 熱狂的な応援者 → fan(fanaticの略)
  • 風を送る機械 → fan(羽の意味)

どちらも英語では「fan」なんですが、意味もルーツもまったく違うんですね。

日本語だとどちらもカタカナで「ファン」と書くから混乱しがちですが、実は別物です。

 

でも、ここがまた面白いポイントで。

たとえば「夏はファンが欠かせないよね」と言われたとき、 それが「扇風機」の話なのか「推し活」の話なのかは文脈で判断するしかありません。

どっちも“熱を帯びてる”という点では似てるんですけどね。扇風機も熱気を飛ばすし、推し活も心が熱くなるし。

ちなみに、ここで「楽しい!」って気持ちを表す“ファン”もあるんじゃない?と思った方、するどいです!

 

でも実はそれ、“fun”であって、“fan”とはまた違うんです。

  • fun → 楽しいこと、楽しさ(たとえば “That was so much fun!”)
  • fan → 応援する人、もしくは風を送る機械

英語だと「u」と「a」のたった一文字の違いですが、意味はぜんぜん違うんですね。

 

発音もちょっと違います。

  • fun は「ファン」と「ア」に近い短くて力のある音(\ˈfʌn)
  • fan は「ファーン」に近くて、口を少し大きめに開けた「アー」(\ˈfæn)

どちらも日本語では「ファン」としか表記されないんですが、ネイティブの耳にはしっかり区別されています。

「This is so fan!」とか言っちゃうと、ネイティブには「???」となってしまうので要注意です。

funは楽しさそのもの、fanはそれを追いかける人。なんだか関係がありそうで、実は別の世界の言葉なんですね。

 

ちょっと無理やりですが、そう思うと同じ「ファン」でも通じるような気がしてきます。

とはいえ、英語学習の場面ではこの違いを意識しておいた方がいいかもしれません。

fan of 〜 と言ったら「〜のファン(支持者)」であって、「冷却装置」ではないですし、 fan noise と言えば「ファン(機械)の音」であって、「アイドルの歓声」ではないです。

文脈、大事ですね。

 

というわけで、

「ファン」という言葉は同じカタカナでも、まったく違う語源から来ていて、意味もぜんぜん違うんだよ〜という話でした。

でも、こうやって同じ音の中に違う世界が詰まっているのって、ちょっとワクワクしませんか?

他にも、似たような“同音別語源”を探してみると、言葉の不思議がどんどん見えてきますよ。

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