こんにちは!
以前、大人の言葉を真に受けて「体がバラバラになっちゃう!」と大パニックになっていた、あの男の子の絵本『More Parts』をご紹介したのを覚えていらっしゃいますか?
あの後、彼は無事に言葉の勘違いを卒業できたのでしょうか…?
いえいえ、とんでもない! なんと、あの物語にはさらに続きがあったんです!
というわけで今回は、パワーもボリュームも満点になったシリーズ3作目、『Even More Parts』をご紹介したいと思います。彼のさらに斜め上を行く勘違いっぷりに、もう笑いが止まりませんよ。
ここでは『Even More Parts』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
あの後も、主人公の男の子はすっかり人間不信(?)です。
だって、世の中はまだまだ、奇妙でクレイジーな言葉で溢れているのですから!
彼が今回書き留めた「聞いたことのある怖い言葉リスト」は、さらにとんでもないことになっています。
「耳が燃える(My ears are burning.)」「鼻が走る(My nose is running!)」は序の口。
しまいには「ネコに舌を持っていかれた(Cat got your tongue)」なんて聞かされて、もうパニックは最高潮!
「頭が雲の中にあって(my head is in the clouds)」、「胃の中にチョウが飛んでる(I have butterflies in my stomach)」って、僕の体の中、一体どうなっちゃってるの!?
学校へ行く前に、自分の体がバラバラにならないよう準備をしなきゃ!と、男の子はまたまた奇想天外な対策を始めるのですが…。果たして彼は無事に家を出られるのでしょうか?
この絵本がそっと教えてくれること
いやあ、英語のイディオム(慣用句)の世界は、本当に奥が深いですね!
シリーズ3作目ともなると、もはや「よくこんなに集めたな!」と感心してしまうほどのオンパレードです。
「文字通りに受け取るとホラーだけど、本当の意味を知るとクスッと笑える」。
このシリーズは、そんな言葉の持つ二面性を、子どもの純粋な視点を通して見事に描き出してくれます。
そして、この3作目で面白いのは、「That’s a pun(それはダジャレです)」というツッコミが入るところ。
「つま先を線にそろえる(toe the line)」と「レッカー車(tow truck)」をかけた言葉遊びが出てくるんです。
言葉って、比喩だけじゃなくて、音で遊ぶこともできるんだよ、という新しい扉を開けてくれるかのようですよね。
難しいと思っていた言葉の勉強も、こんな風にユーモアたっぷりの絵本と一緒なら、まるで面白い友達と出会うような感覚で、楽しくなってくるから不思議です。
英語学習のポイント
今回も、ネイティブが日常会話で使う面白いイディオムが満載です。
一度聞いたら忘れられないような、インパクト大の表現を4つ選んでみました。
Cat got your tongue?
直訳は「猫があなたの舌を持っていったの?」ですが、「どうして黙っているの?」「(驚きや恥ずかしさで)口がきけないの?」と、急に黙り込んでしまった相手に対して使う、定番のフレーズです。
例文:
You’re awfully quiet. What’s the matter? Cat got your tongue? (ずいぶん静かだね。どうしたの?声も出せないのかい?)
It cost an arm and a leg.
「腕と脚がかかった」という、なんとも痛々しい表現ですが、これは「ものすごく高かった」「大金がかかった」という意味で使われます。
例文:
I love my new car, but it cost me an arm and a leg. (新しい車は気に入ってるけど、すっごく高かったんだ。)
My ears are burning.
誰かが自分の噂話をしていると、耳が熱くなるような気がする…そんな感覚から来た表現で、「(誰かが)私の噂をしてるな」「陰口を言われている気がする」という時に使います。
例文:
Suddenly everyone looked at me. My ears were burning! (突然みんなが僕を見たんだ。絶対、僕の噂をしてたに違いないよ!)
Pull yourself together.
「自分自身をぐっと引き寄せる」というイメージから、「しっかりして!」「元気を出して!」「落ち着いて!」と、パニックになったり落ち込んだりしている相手を励ます時に使う、とても便利な言葉です。
例文:
I know you’re sad, but you need to pull yourself together and finish the job. (悲しいのは分かるけど、気をしっかり持って仕事を終わらせないと。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Sometimes I wish my stupid ears weren’t always open wide.
時々、わたしはこのバカな耳が広く聞いていなかったら良いと思います。
They hear such strange and crazy talk –
その耳はこんな奇妙で狂った話を聞く
I’m scared to go outside!
私は外に行くのが怖い!
I jotted down a list of all
私はすべてのリストを書き留めました
The scary things I’ve heard.
私が聞いた恐ろしいものを。
Believe me, all of these are real.
私を信じて、これらのすべてが本物です。
I wrote them word for word.
私は一語一語それらを書きました。
To leave my bedroom unprepared,
私のベットルームを整えないまま出ると
I’d have to be a fool!
私はバカになってしまうのだ!
Excuse me now.
今はこれで失礼します。
There’s work to do before I go to school.
学校に行く前にやるべきことがあります。
I lost my head.
面食らった。
I keep changing my mind.
心の変化を受け入れる
It makes my head spin
気が遠くなる
I laughed my head off
頭がおかしくなるほど笑った
my head is in the clouds
私はうわの空です
I keep an open mind
私は、広い心を保ちます
My mind is wandering
私の心は混乱している(さまよう)
I lost my marbles
私は気が狂った
I want all eyes on me!
私に注目して!(みんなの目が欲しい)
I cried my eyes out
私は目が腫れるほど泣きました(目が出るほど)
I have eyes in the back of my head
なんでもお見通しである(頭の後ろに目がある)
My eyes are glued to the television
テレビに釘付け(くっついて離れない)
My ears are burning.
陰口で耳が火照る(耳が燃える)
My nose is running!
鼻水が出ている。(鼻が走る)
I’ll give you an earful
私は、あなたにうんざりするほど小言を言います
Hey I’m all ears
聞きたくてたまらない。(全部が耳)
Lend me your ears
耳を貸して
My nose is buried in a book
私はいつも本を読んでいる(鼻は本に埋められている)
Keep your nose out of other people’s business
他の人の仕事に余計な口出しをしない(鼻を守りなさい)
I just follow my nose
わたしは直感に従います(鼻についていく)
I’m tongue-tied.
私はものが言えなかった(舌に縛られる)
I just got a tongue lashing
私はちょうど厳しい叱責をうけました(舌でむち打ち)
whoops a slip of the tongue
おっと、失言(舌が滑る)
I told 10 tough tongue-twisters
私は10の言いにくい早口言葉をしゃべった(ねじれる舌)
Don’t give me any of your lip!
口答えするな!(唇を私に与えないで)
Loose lips sink ships
不用意な話はしないでください(ゆるい唇は船を沈める)
I sipped my lips
私は唇を痛めた(唇を吸った)
my lips are sealed
私の唇は封印されている
I have a frog in my throat
喉の奥に何か引っかかるような気持ち(のどにカエルを飼っている)
I have butterflies in my stomach
緊張感でキリキリ(胃の中にチョウを飼っている)
Cat got your tongue
黙り込んでしまった(ネコに舌を持っていかれた)
No I have ants in my pants
不安で落ち着きがなくなる(パンツの中にアリ)
I sang my heart out.
私は私の心を歌いました。
She stole my heart
彼女は私の心を奪った
have a heart
親切にする
I have a heart of Steel
私は冷酷だ(鉄の心臓)
I’m hard-hearted
私は無常で冷酷
My stomach is growling.
お腹がグーグー鳴っている(おなかがうなる)
My fists are flying
私のこぶしが飛ぶ
My teeth are chattering
歯が浮く (歯が鳴く)
My tongue is wagging
噂をかきたてる(舌がやたらと動く)
Please lend me a hand
私に手を貸してください
I’m short-handed
私は人手不足です
You have a green thumb
園芸の才がある (緑の親指)
no two green thumbs
いいえ緑の指は2本
I love finger food
指で食べられる食べ物が大好き
It cost an arm and a leg.
大金がかかった(腕と足がかかった)
I had to foot the bill
私は勘定をもたなければなりませんでした
I had to pay through the nose
私は法外な金を払わなければなりませんでした
Try what I do Put your money where your mouth is
ぐだぐだ言ってないで 私がすることをためしてください
(鼻の上に金を置け)
I put my foot in my mouth.
私はおろかなへまを犯した。(足を口に入れる)
oof, I started off on the wrong foot
あぁ 出だしで失敗した
always put your best foot forward
いつでも全力を尽くせ
I’m feeling Footloose
私は、自由気ままであると感じています
I’d better toe the line
規則には従わないとね(足を線にそろえる)
Here’s a toe truck
ここに牽引車(tow truck) があります
That’s not an idiom
それはイディオムではありません
That’s a pun
それはしゃれです
It made my skin crawl
それは、私の皮膚をむずむずさせました(皮膚がのろのろ走る)
It made my jaw drop
大きな驚きを受けた(あごが落ちた)
It made my hair stand on end
身の毛もよだつ。
It made my stomach turn
胃がむかつく(胃が回る)
I got all bent out of shape
私は非常に怒りを感じる(形が崩れて曲がる)
I couldn’t keep a straight face
私は澄ました顔でいられなかった
I got my nose out of joint
鼻をあかされた(鼻が関節から外れる)
You twisted my arm
あなたは、私に強制しました(腕をひねる)
I went to pieces
私はぼろぼろになりました
Pull yourself together
気をしっかり
I came unglued
とても動揺しているか感情的になること。(裸になる)
You’ve got guts
君は根性がある(内臓を持っている)
There are so many crazy things
非常に多くの狂ったことがあります
I have to keep in mind!
私は心に留めておく必要があります!
I sure don’t want to accidentally
私は偶然にもそれを望まない
Leave my parts behind.
私のパーツを残してください。
Mom says, “Dear, it’s time for school.
おかあさんは言います。「ね、学校のための時間です。
Let’s go or you’ll be late.”
行きましょう、さもなければ、あなたは遅れます。」
Then dad says, “Just remember, son..
それから、おとうさんは言います。「ちょっと覚えていてください、息子、
Keep your head on straight!”
頭をまっすぐにしてなさい」
(きょろきょろしないでね)
最後に:言葉の勘違いを、親子で楽しもう
というわけで、大人気シリーズの3作目、『Even More Parts』をご紹介しました。
言葉を額面通りに受け取るだけでなく、その裏にあるユーモアや文化を感じること。
そして、わからないことがあったら、「これってどういう意味?」と、笑いながら誰かに尋ねてみること。
そんな当たり前のようで、でもとても大切なことを、この絵本は教えてくれるような気がします。ぜひ親子で、このゆかいな言葉の世界に飛び込んでみてくださいね。