こんにちは!
大人が当たり前に使っている言葉を、子どもが真に受けて、とんでもない勘違いをしていた…なんて経験、ありませんか?
「ちょっと手を貸して」と言ったら、本当に自分の手を外そうとしたり、「猫の手も借りたい」と聞いたら、本気で近所の猫を探しに行ったり。
子どもの純粋な思い込みって、本当に可愛らしくて、思わず笑ってしまいますよね。
今回は、そんな「言葉の勘違い」から生まれる大パニックを、アメリカンジョークたっぷりに描いたユーモラスな英語絵本『More Parts』をご紹介したいと思います。
ここでは『More Parts』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
主人公は、ちょっぴり心配性な男の子。
今日も彼は、パパとママに宛てた手紙を書いています。「世の中には、わけのわからないことが多すぎるんだ!」と。
ある日、おもちゃのトラックを壊してしまって、そのことをママに話したら、「まあ、心が壊れるほど悲しかったのね(that broke your heart)」と言われた。
え、心って壊れるの!?
パパに「手を貸して(give him a hand)」と言われれば、自分の手が取れちゃうんじゃないかと心配になり、接着剤でくっつけておこうと大慌て。
お隣さんが「君をめちゃくちゃに笑わせる(crack you up)」ジョークがあるよ、と言えば、「頭が割れちゃう!」と、一目散に逃げ出してしまいます。
次から次へと聞こえてくる、大人たちの不思議な言葉。
すっかり怖くなった男の子は、自分の部屋に閉じこもってしまいます。一体、この世界はどうなっちゃってるの…?
この絵本がそっと教えてくれること
言葉の「文字通りの意味」と「比喩としての意味」。
私たち大人は、その違いを当たり前のように理解して、日常会話でたくさんの比喩表現、いわゆる「イディオム」を使っています。
でも、子どもの視点から見たら、それはまるで暗号だらけの世界。
「心が折れる」「舌を巻く」「肝が冷える」…よく考えると、日本語にも面白い表現がたくさんありますよね。
この絵本は、そんな言葉の面白さや奥深さを、男の子の可愛らしい勘違いを通して、見事に描き出してくれています。
大人が何気なく使った一言が、子どもの頭の中では、とんでもないパニック映画に変換されている。そのギャップが、たまらなくおかしいんです。
そして、この物語が素敵なのは、最後にパパとママが、男の子の心配事を笑って、そして優しく説明してくれるところ。
「それはね、こういう意味なんだよ」という親子の会話は、単に言葉を教えるだけでなく、子どもの不安を取り除き、世界への信頼を育む、大切なコミュニケーションの時間になるのかもしれません。
英語学習のポイント
この絵本には、ネイティブが日常でよく使うイディオム(慣用句)が、これでもか!というくらい沢山出てきます。文字通りの意味を想像すると、クスッと笑ってしまって、記憶に残りやすいですよ。
今回は、その中から特に面白い4つをご紹介します。
give someone a hand
「(誰か)に手を貸す、手伝う」という意味の、最もポピュラーなイディオムの一つです。絵本の男の子のように、本当に自分の手を渡すわけではないのでご安心を。
例文:
Could you give me a hand with this heavy box? (この重い箱、手を貸してくれませんか?)
crack someone up
直訳すると「(誰か)をめちゃくちゃに割る」ですが、「(誰か)を大爆笑させる」という意味で使われます。
例文:
His stories always crack me up. (彼の話はいつも私を大笑いさせてくれます。)
Hold your tongue
「舌を持ちなさい」ではなく、「黙りなさい」「口を慎みなさい」という意味の少し強い表現です。
例文:
The teacher told the noisy students to hold their tongues. (先生は騒がしい生徒たちに静かにするよう言いました。)
lost your mind
「心をなくした」つまり、「正気じゃない」「どうかしてるよ」という意味で、相手の突拍子もない言動に対して、呆れたり驚いたりした時に使います。
例文:
Are you going to spend all your money on that? You must have lost your mind! (それに全財産を使うつもり?どうかしてるよ!)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
To Mom and Dad-
パパとママへ
There are still some things
まだいくつかのことがあります
I’d like explained.
私は説明したいと思います。
Things are bad – and getting worse!
物事は悪い – 悪化している!
Each day it’s something new.
毎日、それは新しい何かです。
With all the stuff I hear about I don’t know what to do.
私が聞いているすべてのもので、私は何をすべきか分からない。
One day I tripped on my red truck.
ある日、私は赤いトラックにつまづきました。
And it just fell apart.
そして、それはちょうど粉々になりました。
But when I told my mom, she said.
しかし、私がおかあさんに言ったとき、彼女は言った。
“I’ll bet that broke your heart.”
「それがあなたの心を悲しませた(壊した)のはまちがいありません。」
I guess that’s possible. Who knows?
私はそれが可能だと思います。 何とも言えないが
I don’t think mom would lie.
私はママがうそだとは思わない。
I’d better play more carefully.
もっと慎重に遊ぶ方がいい。
This pillows worth a try.
これは試してみる価値のある枕。
People say all kinds of things.
人々はあらゆることを言う。
That I don’t understand.
私は理解していないことを。
Like when my dad asked me if I would please give him a hand.
私の父が私に彼に手を貸せるか聞いたときのように。
I didn’t know my hands come off,
私は私の手が離れるのを知らなかった、
And I don’t want them to!
そして私はそれらを望んでいない!
So I’ll make sure they stay on.
それで私は念のためそこにあることを確認します。
With gloves and lots of glue.
手袋とたくさんの接着剤で。
Our next door neighbor had a joke.
私たちのお隣さんには面白い話がありました。
He wanted us to hear.
彼は、我々が聞くことを望んでいました。
He said, “It’s sure to crack you up!”
彼は言った、 「それが、あなたをめちゃめちゃにすることは確実です!」
I ran away in fear.
私は、恐れて逃げました。
Who wants to hear a joke like that?
誰がそのような冗談を聞きたいですか?
Not my idea of fun!
私にはおもしろくない!
I got to keep my head together.
私は一緒に頭を守らなければならない。
It’s my only one.
それは私の唯一のものです。
My teacher had me worried too.
私の先生も私に心配していました。
This happened yesterday:
これは昨日起こった:
She said to stretch our arms and legs.
彼女は腕と脚を引き伸ばすと言った。
Before we go and play.
私たちが遊びに行く前に。
I’m sure she thinks it’s good for us.
私は、彼女が私たちに良いことだと思っていると確信しています。
But that’s just too bizarre!
しかしそれはあまりにも奇妙です!
My arms and legs are long enough.
私の腕と脚は十分に長いです。
I like the way they are.
私はその姿が好きです。
I know I’ve got a lot to learn.
私は学ぶことがたくさんあることを知っています。
I’m little and I’m young.
私は小さいし若い。
But what did grandma really mean.
しかし、おばあちゃんの真意は何ですか?
When she said, “Hold your tongue.”?
彼女が言った、「あなたの舌を持ちなさい(黙りなさい)」。
My tongue’s a slimy, jiggly, squishy.
私の舌はぬるぬるしたものです。そしてぐにゃっとして、ぐちゃぐちゃです。
Slippery little squirt.
つるっとしてちょっと滑る。
It’s be my luck to squeeze too hard.
運よくつかむのはとっても難しい。
And lose it in the dirt.
汚れたところにそれをなくす。
So I decided that it’s best.
それで私はそれが一番だと決めました。
To stay here in my room.
私の部屋のここにいること。
‘Cause who knows when some little thing.
だってそんなつまらないこと誰が知ってるのか
Just might lead to my Doom?
私の運命に関わるかもしれない?
Then mom and dad came in and asked me,
それから、お母さんとお父さんが入ってきて、私に尋ねた。
“Why are you upset?”
「なぜあなたは動揺していますか?」
I told them all the things I’ve heard.
私は聞いたことすべてを彼らに話しました。
That get me in a sweat.
それで私は汗をかいた。
Like coach, who says before each game
コーチのように、各試合前に言う
Is ready to begin,
準備ができている?
He gets so nervous that he nearly.
彼はとても興奮状態になります。
Jumps out of his skin.
彼の肌から飛び出します。(びっくりしてとび上がる様子)
Or what a friend said recently –
または最近友達が言ったこと –
It gave me such a fright
それは私にこのような恐怖を与えた。
He claimed his baby sister screams.
彼は妹の叫び声にクレームを付けた。
Her lungs out every night.
彼女の肺は毎晩外へ出る。(大声で泣きわめく)
My skin could slip, my head could crack.
私の肌がすべり、頭が割れる
And I might break my heart.
そして私は私の心を壊すかもしれません。
I could lose my lungs, my hands –
私は私の肺、私の手を失うことができました –
Who knows when it might start?
それがいつ始まるのか誰が知っていますか?
What if quite by accident.
全く偶然であるとしたら。
My body flies apart?
私の体は、離れて飛びます?
Mom and Dad just smiled and looked.
ママとパパはただ微笑んで見ました。
Relieved that I’m okay.
私は大丈夫だと安心しました。
And Mom explained to me about.
そして、ママが私に説明した。
The things that people say.
人々が言うそのことについて。
And though Dad laughed,I know he didn’t.
そして、その間お父さんはただ笑っているだけだった。
Mean to be unkind.
不親切であることを意味する。
When he said, “For a minute, son…
「少しの間、息子よ..」と父が言った時、
“We thought you’d lost your mind!”
「私たちはあなたの心を失ったと思った!」
最後に:勘違いは、世界を豊かにする?
というわけで、今回は絵本『More Parts』をご紹介しました。
子どものユニークな勘違いに気づいた時、私たちはつい「違うよ、正しくはこうだよ」と、すぐに答えを教えたくなってしまいます。
でも、たまには「へえ、どうしてそう思ったの?」と、その不思議な世界を一緒に探検してみるのも面白いかもしれません。
言葉の勘違いから生まれる、親子のクスッと笑える会話。
そんな何気ないひとときが、子どもの言葉への好奇心を育て、毎日を少しだけ楽しく、豊かなものにしてくれるのかもしれませんね。