英語絵本「Duck at the Door」

「英語で「くつろいでね」は?『Duck at the Door』で学ぶ、おもてなし英語」

こんにちは!

お家に誰かお客さんを招いた時、どうぞ、楽にしてくださいねって、ついつい言っちゃいますよね。英語でも “Please make yourself at home.” なんて決まり文句があるくらい、世界共通のおもてなしの心だと思います。

でも、もしも。そのお客さんが、言葉通りにくつろぎすぎてしまったら…? テレビのチャンネルは独占するわ、キッチンで奇妙な料理を作り始めるわで、気づけば我が家が乗っ取られていた!なんてことになったら、あなたならどうしますか?

今日は、そんなおもてなしの心と、ちょっぴり行き過ぎたくつろぎが巻き起こす、最高に愉快な大騒動を描いた英語絵本Duck at the Doorをご紹介したいと思います。

ここではDuck at the Doorの簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

ある吹雪の夜、アイリーンとペットたちが暮らす静かな家に、訪問者が現れます。ドアを開けると、そこにいたのは、一羽のアヒル!

彼の名前はマックス。春に生まれ、冬もきっと楽しいだろうと思って、南へ向かう群れから一羽だけはぐれてしまったのだそう。寒さと寂しさに凍えるマックスを、アイリーンと動物たちは、温かく家族に迎え入れます。

最初は、家のルールを覚えるのに必死だったマックス。でも、あっという間に環境に慣れて、1月にはテレビのリモコンをマスターし、2月には料理の才能に目覚め、3月にはすっかり我が家のようにくつろぐようになりました。

…そう、くつろぎすぎてしまったのです!

マックスが作る独創的すぎる料理に、他のペットたちはうんざり。テレビのチャンネル争いは日常茶飯事。みんな、やりたい放題のマックスに、すっかり疲れ果ててしまいました。

そんなある日、春の訪れと共に、マックスの群れが帰ってきます。みんなに会えるのが待ちきれないよ!。マックスは、お世話になった家族に別れを告げ、仲間たちの元へと帰っていくのでした。

マックスがいなくなり、家には静かな日常が戻ります。でも、なんだか物足りない。あの騒が々しさが、ちょっぴり恋しい…。そして季節は巡り、また冬がやってきたある夜、再びドアをノックする音が響き渡ります。みんなが待ちわびた、あの訪問者が帰ってきたのです!しかし、今度は、たった一羽ではなかったようで…。

英語学習のポイント

この絵本は、ストーリーの展開が面白く、その中で使われる日常的な英語表現がとても参考になります。今回は、まさにこのタイトルにぴったりの「おもてなし英語」を2つご紹介しますね。

1. “make oneself at home”

これは、自分の家にいるように、気楽にするくつろぐという意味の、とてもよく使われるイディオムです。お客さんを家に招いた時に、どうぞ、楽にしてくださいねという意味で “Please make yourself at home.” と言うのが、定番のフレーズです。

これをものすごくざっくりいうと、我が家だと思って、ごゆっくり〜という、おもてなしの言葉です。

皮肉なことに、この絵本では、マックスが “made himself right at home”(すっかり自分の家のようにくつろいでしまった)せいで、周りが迷惑するという展開になります。馴染みすぎるのも、考えものかもしれませんね(笑)。

例文:

“Welcome to my house! Please come in and make yourself at home.”(我が家へようこそ!さあ入って、ゆっくりしていってね。)

“He’s the kind of guest who really knows how to make himself at home.”(彼って、本当に我が家のようにくつろぐのが上手いタイプの客だよね。)

2. “stay behind”

これは、マックスがどうして一人ぼっちになってしまったのかを説明する、重要なフレーズです。(みんなが行ってしまうのに)残る居残るという意味があります。

これをものすごくざっくりいうと、みんなと一緒に行かずに、あえて(あるいは、うっかり)その場にとどまるという感じです。

南へ飛んでいく群れ(flock)から、彼だけが “stayed behind” したから、この物語は始まったわけですね。

例文:

“While my friends went to the party, I stayed behind to finish my homework.”(友達がパーティーに行く中、僕は宿題を終わらせるために残ったんだ。)

“Don’t stay behind! The bus is leaving.”(遅れないで!バスが出ちゃうよ。)

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

It was a quiet night until..
それは静かな夜だった それまでは..

Thunk, Creek,
トン、キィー、

and knock-knock-knock!
そして、トントントン!

Someone is out there!
誰か外にいます!

But who?
でも、誰?

 

“Let’s go ask Irene!
「アイリーンに聞いてみよう!

She always knows what to do.”
彼女はいつでもどうしたらいいか知っている」

 

“Irene!” cried Brody. “Help! Someone is knocking on our door!”
「アイリーン!」ブロディが叫んだ。「助けて!誰かがドアの外でノックしてるよ!」

“It’s the middle of the night,” said Irene.
「真夜中ですよ」とアイリーンは言った。

“Who could be knocking on our door?”
「誰がドアをノックしてるというの?」

 

It’s a dock!
アヒルです!

 

Irene brought the duck inside.
アイリーンはアヒルを中に連れこんだ。

“My name is Max,” he began. “I was born in the spring, and I loved it.
「私の名前はマックスです」と彼は始めました。 「私は春に生まれました。私はそれが大好きでした。

I stayed behind when my flock flew south because I thought I’d love winter too.
私は冬も大好きだと思ったので、私の群れが南に飛ぶとき、私は後ろにとどまった。

But it turned out to be cold and very lonely.”
しかし、それは寒くて非常に寂しいことが判明しました。

 

“Winter isn’t so bad when you have a warm
home,” said Irene.
「暖かい部屋にいるときは冬はそんなに悪くない」とアイリーンはいいました。

At first Max had a lot to learn.
最初、マックスは学ぶべきことがたくさんありました。

 

In January he learned to use the remote
control.
1月には、彼はリモコンの使い方を学びました。

(He enjoyed Wild Kingdom and World Wide Wrestling.)
(彼は野生の王国とワールドレスリングを楽しんだ)

In February he discovered he had a flair for cooking.
2月、彼は料理の才能を持っていることを発見しました。

 

By March he had made himself right at home .
3月までには彼はくつろげるようになっていた。

But by April it was clear that Max had learned too much.
しかし、4月までにマックスはあまりにも多くを学んだことは明白でした。

 

There goes another Saturday night!
ほらまた土曜日の夜ですよ!

another rerun!
別の再放送!

Rerun! I’ve got it memorized
再放送!覚えておこう。

Gimme!
くれ!

 

Dakota, Coco, and Jesse bear got tired of
Max’s new recipes.
ダコタ、ココとジェシー・クマは、マックスの新しいレシピにあきたようです。

And Brody was just tired.
そして、ブロディはちょうど疲れていました。

 

Someone had to talk to Max.
誰か、マックスと話さなければなりませんでした。

But Who?
でも誰が?

 

Just then Max burst into the room yelling,
ちょうどその時、マックスは叫びながら部屋に飛びこみました、

“Listen to the quacking!
「急いで聞いてください!

My flock has returned! I can’t wait to see them.”
私の群れが戻った! 私はそれらを見るのを待ちきれません。」

 

“Irene, please keep my chef’s hat. And Brody, you can have my rubber duckies.
「アイリーン、私のシェフの帽子を保存してください。そしてブロディ、あなたは私のラバーダッキーを持つことができます。

I will miss you all so much!”
私はあなたがすごく恋しくなるでしょう! 」

After many hugs, Max left.
多くの抱擁の後、マックスは去った。

 

With Max gone, life was ordinary again.
マックスがいなくなって、生活はまた普段通りだった。

you go first.
お先にどうぞ

no you.
いいえあなたが

The cats went back to eating plain cat food.
猫は普通の猫の食べ物を食べに戻った。

No one played keep-away with the remote control.
誰もリモコンを持ち去って遊んだ人はいなかった。

What else can we do for fun?
我々は、楽しみのために他に何をすることができますか?

 

And Brodie didn’t have to share his bed.
そして、ブローディは彼のベッドを共有する必要はありませんでした。

Life was so quiet that by October, everyone was happy to hear the sound of
quacking.
日常生活は10月までとても静かでしたから、みんなガーガー鳴く音を聞いてとても喜びました。

When there was a knock at the door, everyone was hoping the same thing.
ノックがドアにあったとき、誰もが同じものを望んでいました。

max? max? max? max? max max max max next max
マックス?マックス?マックス?マックス?…

“Max!” they shouted with joy.
「マックス!」みんな喜びながら叫びました。

“Are you staying with us all winter?” they asked.
「あなたは、冬の間ずっと我々の家に滞在していますか?」と、彼らは尋ねました。

“Yes,” said Max. “Me and…
「はい」とマックス。「私と、、

 

My Flock!”
私の群れ!」

everyone looked at Irene,
誰もがアイリーンを見た。

hoping she would say something.
彼女は何か言いげだった。

but all she could say was “Welcome Home.”
しかし彼女が言うことができるのは「ウェルカムホーム」でした。

最後に:ちょっぴり迷惑なくらいが、ちょうどいい?

というわけで、今回はDuck at the Doorをご紹介しました。

この絵本の面白いところは、多くの人が経験したことのあるであろう、最初は良かったんだけど…という気持ちの揺れ動きを、ユーモラスに描いている点です。そして、もっと面白いのが、その迷惑だったはずの存在がいなくなった途端、急にその騒が々しさが恋しくなってしまう、人間の(動物たちの?)勝手で、愛おしい心模様です。

マックスがいなくなった家は、平和で、静かで、快適。でも、なんだか物足りない。テレビのリモコンを奪い合う相手も、ヘンテコな料理を作ってくれるシェフもいない日常は、ちょっぴり退屈だったのです。

ちょっぴり迷惑で、手がかかる。でも、だからこそ愛おしい。そんな、誰かと一緒に暮らすことの面倒くささと、それに勝る温かさを、この絵本は教えてくれます。

最後のページで、マックスが連れてきた、とんでもないお土産を見た時の、アイリーンとペットたちの呆然とした顔。そして、それでもみんなをおかえりと迎え入れる、アイリーンの大きな愛情。ぜひ、絵本で確かめてみてくださいね。

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