こんにちは!
なんだか毎日バタバタしていると、ふと「あれ、私って何のために頑張ってるんだっけ?」とか、「このままでいいのかな…」なんて、ちょっと立ち止まって考えちゃうこと、ありませんか?
特に子育てをしていると、自分のことは後回しになりがちで、気づいたら心がカサカサ…なんてことも。僕もね、時々そういう気持ちになることがあります。
今日は、そんな時に読むと、心がじんわり温かくなるような、そして「あなたがいるから、毎日がこんなにも輝くんだよ」という、大切な人への愛おしい気持ちを思い出させてくれる、とっても素敵な英語絵本『Before You』を紹介したいと思います。
詩を読むような、美しい言葉で綴られた一冊です。
ここでは『Before You』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
この絵本『Before You』は、「あなたに出会う前の私はね…」という語りから始まる、まるで一編の詩のようなお話なんです。
「あなたに会うまで、私は鉢のないお花みたいだったんだよ」
「水玉模様のない、ただのポルカドットみたいだった」
そんな風に、何かが足りなくて、どこか寂しげだった「わたし」の姿が、可愛らしい絵と一緒に描かれていきます。
尻尾を振ることのない犬のしっぽみたいだったり、袋に入っていない、ただの豆っころみたいだったり。
スープの入っていない麺、アイスクリームが乗っていないコーン。
金魚のいない金魚鉢、願い事のないバースデーケーキ。
なんだか、ちょっと想像するだけで、キュンとしちゃいませんか?
お風呂に浮かべるアヒルちゃんがいない湯船とか、幸運を運んでくれない四つ葉のクローバーとか。
青空じゃない、ただの空。
そして、「あなた」がいない、「わたし」。
そんな風に、「あなた」がいなかった頃の「わたし」の世界は、どこか色あせていて、物足りないものだった、ということが、優しい言葉で語られます。
でもね、そこからガラッと雰囲気が変わるんです!
「そしたら、あなたがやってきて、全部の調子を変えてくれたんだ!」って。
あなたが太陽を目覚めさせ、月を照らしてくれた。
そして最後には、「今の私は鳥で、あなたは私の歌だよ。だから教えて…どうしてそんなに時間がかかったの?」という、愛おしさいっぱいの言葉で締めくくられるんです。
もう、読んでいるだけで、なんだか胸がいっぱいになっちゃいますよね。
英語学習のポイント
この絵本は、リズミカルで詩的な表現がたくさん使われていて、英語の音の響きを楽しむのにもぴったりなんです。
英語学習という点では、ちょっとした前置詞のニュアンスの違いを感じ取るのに良いかもしれませんね。
例えば、絵本の前半では “with no 〜” や “without 〜” という表現がたくさん出てきます。
- “I was a flower with no pot.” (私は鉢のない花でした。)
- “I was a tail without a wag.” (私は振れない尾でした。)
これらはどちらも「〜がない」という意味ですが、”with no” は「〜という属性・性質がない」、”without” は「〜を伴わない、〜がない状態で」という、ほんの少しだけニュアンスが違うことがあります。でも、基本的には同じように「〜がない」と捉えて大丈夫ですよ。ものすごくざっくりいうと、どっちも「ないよー!」ってことです。
ここでちょっと英語のワンポイント!
“with no 〜” と “without 〜” は、日常会話でもよく使います。
例えば、「砂糖なしのコーヒー」なら “coffee with no sugar” とも “coffee without sugar” とも言えます。
例文1 (with no): He answered with no hesitation. (彼は何の迷いもなく答えたよ。)
例文2 (without): I can’t imagine life without music. (音楽のない生活なんて想像できないなあ。)
また、絵本の後半で出てくる “You put the splash into the puddle.” (あなたは、はねかす音を水たまりに入れます。) や “I had a cup, you brought the tea.” (私はカップを持っていた、あなたはお茶を持ってきた。) のような表現も面白いですね。
ここでもういっちょワンポイント!
“put 〜 into …” は、「〜を…の中に入れる」という、具体的な動きを表す時によく使います。
一方、”bring” は「(人や物を)持ってくる、連れてくる」という意味で、何かがもたらされる様子を表します。この絵本では、「あなた」が「わたし」の世界に素晴らしいものをもたらしてくれた、というニュアンスで使われていますね。
例文1 (put into): She put a lot of effort into her presentation. (彼女はプレゼンテーションにすごく力を入れたんだ。)
例文2 (bring): This song always brings back happy memories. (この歌を聴くと、いつも幸せな記憶が蘇ってくるんだよね。)
こんな風に、絵本を読みながら「この “into” はどんな感じかな?」「”brought” って、どういう時に使うのかな?」なんて、親子で言葉の持つイメージを膨らませてみるのも、楽しい英語との付き合い方かもしれません。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
I was a flower with no pot.
私は鉢のない花でした。
I was a polka with no dot.
私は水玉のないポルカでした。
I was a tail without a wag.
私は振れない尾でした。
Just a bean without a bag.
袋から出たただの豆
I was a noodle without soup.
私はスープのない麺でした。
Just a cone without a scoop.
ひとすくいのないただの円錐形コーン。
I was a bowl without a fish.
私は魚のないボウルでした。
A birthday cake without a wish.
願いのない誕生日ケーキ。
A tub without a rubber duck.
ゴム製のアヒルのない浴槽。
A four-leaf clover with no luck.
運のない四つ葉のクローバー。
I was a sky without the blue.
私は青のない空でした。
I was a ME without a YOU.
私はあなたなしの私でした。
Then you arrived and changed the tune!
その後、あなたは到着して曲を変更しました!
You woke the sun.
あなたは太陽を覚ました。
You lit the moon.
あなたは月を照らした。
You put the splash into the puddle.
あなたは、はねかす音を水たまりに入ります。
You put the squeeze into the cuddle.
あなたはしぼるように抱擁します。
You put the fizz into the pop.
あなたは炭酸をポンっとさせました。
You put the flip into the flop.
あなたはひょいとバタバタさせました。
You put the cozy in the nook.
あなたは隅に心地の良いものを置く。
You put the story in the book.
あなたは本の中の物語に委ねる。
I had a cup, you brought the tea.
私はカップを持っていた、あなたはお茶を持ってきた。
I had a boat, you brought the sea.
私はボートを持っていた、あなたは海をもたらした。
I had a drum, you brought the beat.
私はドラムを持っていた、あなたはビートをもたらした。
I had a dream, you made it sweet.
私は夢を見ました、あなたはそれを甘くしました。
Now I’m a bird and you’re my song.
今私は鳥であり、あなたは私の歌です。
So tell me now…
だから今教えて…
..what took you so long?
..何でこんな遅い?
このお話、どうでしたか?
とはいえ、「こんな詩的な絵本、うちの子に分かるかな…?」って、ちょっと心配になるかもしれませんね。
確かに、直接的なストーリーがあるわけではないので、小さなお子さんには少し抽象的に感じる部分もあるかもしれません。
でも、この絵本『Before You』の素敵なところは、言葉の美しさやリズム、そして何よりも、そこに込められた「あなたって、本当に大切な存在なんだよ」という温かい気持ちが、絵を通してストレートに伝わってくるところだと思うんです。
理屈じゃなくて、心で感じる絵本、とでも言いましょうか。
子どもって、大人が思うよりもずっと、言葉の響きや絵から伝わる感情を敏感にキャッチしますよね。
だから、全部の意味が分からなくても、「なんだか、あったかい気持ちになるなあ」「このページ、好きだなあ」って感じてくれるだけで、十分なんじゃないかなって思います。
そして、この絵本は、実は読んでいる大人自身へのメッセージでもあるような気がするんです。
毎日忙しくしていると忘れがちだけど、自分の周りにいてくれる大切な人たち、例えばパートナーや子ども、友人たちが、どれだけ自分の人生を豊かで彩りあるものにしてくれているか。
この絵本を読むと、そんな感謝の気持ちが自然と湧いてくるんですよね。
というわけで、今日は心に響く英語絵本『Before You』をご紹介しました。
誰かに出会うことで、自分の世界がこんなにも変わるんだ、こんなにも輝き出すんだっていうことを、本当に美しい言葉と絵で教えてくれる一冊です。
それは、恋人かもしれないし、友達かもしれないし、もちろん、自分の子どもかもしれません。
この絵本を読む時間が、親子にとって、お互いの存在の大切さを再確認できるような、温かくて優しいひとときになったら、こんなに嬉しいことはありません。
たまにはこんな風に、言葉のシャワーを浴びて、心を潤すのもいいものですよ。
皆さんの毎日が、たくさんの「素敵な出会い」で満たされますように。
それではまた!