こんにちは!
新しい環境、特に初めての学校やクラスに足を踏み入れるとき、子どもたちは「みんなと仲良くできるかな」「私の居場所はあるかな」なんて、言葉にできない不安で胸がいっぱいになることがありますよね。親としては、その背中をそっと押してあげたいけれど、どんな言葉をかければいいか迷ってしまうこともあるかもしれません。
そんな、新しい世界への一歩を踏み出す全ての子どもたちと、それを見守る大人たちに、心からおすすめしたい一冊があります。それが、今回ご紹介する英語絵本「All Are Welcome」です。
ここではAll Are Welcomeの簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
ケースの中で削られた鉛筆たち。鳴り響くベルの音。新しい一日の始まりは、たくさんの夢と希望に満ちています。この絵本は、ある学校で過ごす子どもたちの、ごく普通の一日を追いかけます。
そこには、様々な文化や背景を持つ子どもたちが集まっています。ターバンを巻いた子、ヒジャブを被った子、野球帽の子。お昼の時間に広げられるパンも、一つとして同じものはありません。みんなで音楽を奏で、アートを作り、心からの物語を分かち合います。
この物語全体を優しく包み込むのが、「All are welcome here.(ここでは誰もが歓迎されているよ)」という魔法のような言葉。どんな君でも、どこから来た君でも、ここにはあなたのための場所があるんだよ、と繰り返し語りかけてくれます。多様性こそが私たちの強さなのだと、温かく教えてくれる物語です。
英語学習のポイント
この絵本には、シンプルで心に響く英語表現がたくさん詰まっています。今回はその中から、日常会話でも役立つフレーズを2つピックアップしてご紹介しますね。
No matter how …
これは、「たとえどんなに~でも」という意味で、とてもよく使われる便利な表現です。何があっても変わらない気持ちや状況を伝えるときにぴったりなんです。
例えば、「No matter how tired I am, I always read my kids a bedtime story.」(どんなに疲れていても、子どもには必ず寝る前に絵本を読んであげるんだ)といった感じで使えます。あるいは、「No matter how you feel, you are always loved.」(あなたがどんな気持ちでいようとも、いつでも愛されているんだよ)のように、子どもへのメッセージとしても素敵ですね。
safe and sound
こちらは「無事で、安全で」という意味の、決まった言い方です。「sound」には「健全な」とか「しっかりした」という意味があって、「safe」と一緒になることで「完全に安全な状態で」というニュアンスが生まれます。物語の中では、教室が子どもたちにとって安心できる場所であることが表現されています。
日常では、「After the storm, we were all safe and sound at home.」(嵐の後、私たちはみんな家で無事でした)のように使ったり、「I just want to know that you are safe and sound.」(ただ、君が無事でいてくれることだけが知りたいんだ)というふうに、相手を心配する気持ちを表すときにも使えますよ。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Pencils sharpened in their case.
鉛筆は、ケースの中で鋭くなっています。
Bells are ringing, let’s make haste.
鐘が鳴っている、急ごう。
School’s beginning, dreams to chase.
学校の始まり、追いかける夢。
All are welcome here.
ここでは誰でも歓迎されています。
No matter how you start your day.
一日をどのように始めても。
What you wear when you play.
遊ぶとき、あなたは何になりますか。
Or if you come from far away.
または、遠くから来た場合。
All are welcome here.
ここではすべて大歓迎です。
In our classrooms safe and sound.
私たちの教室では安全で健全です。
Fears are lost and hope is found.
恐怖は失われ、希望が見つかります。
Raise your hand, we’ll go around.
手を挙げて、見渡しましょう。
All are welcome here.
ここでは誰でも歓迎されています。
Gather now, let’s all take part.
今すぐ集まって、みんなで参加しましょう。
We’ll play music, we’ll make art.
音楽を演奏し、アートを作ります。
We’ll share stories from the heart,
心温まるお話をシェアします。
All are welcome here.
ここでは誰でも歓迎されています。
Time for lunch-what a spread!
ランチの時間です。
A dozen different kinds of bread.
12種類のパン。
Pass it around till everyone’s fed.
みんなが食べられるようになるまで回してね。
All are welcome here.
誰もがここでは歓迎されています。
Open doors, rush outside.
ドアを開けて、急いで外へ。
We will swing, we will slide.
スイングし、スライドします。
We’ll have fun side by side.
一緒に楽しみましょう。
All are welcome here.
ここではすべて大歓迎です。
We are part of a community.
私たちはコミュニティの一員です。
Our strength is our diversity.
私たちの強みは多様性です。
A shelter from adversity.
逆境からの避難所。
All are welcome here.
誰もがここで歓迎されています。
We will learn from each other.
私たちはお互いから学びます。
Special talents will uncover.
特別な才能が明らかになります。
There’s a big world to discover.
発見する大きな世界があります。
All are welcome here.
ここではすべて大歓迎です。
So much to learn, so much to do.
学ぶこと、学ぶことはたくさんあります。
And when the busy day is through,
そして忙しい一日が終わったら、
Can’t wait to come back, start anew.
戻ってくるのが待ちきれません。新たに始めましょう。
All are welcome here.
ここではすべて大歓迎です。
Head for home to get some rest and greet tomorrow, ready and fresh.
家に向かい、休みを取り、明日、準備ができて新鮮な挨拶をします。
Our time together is the best.
一緒に過ごす時間は最高です。
All are welcome here.
ここではすべて大歓迎です。
You have a place here.
ここにあなたの場所があります。
You have a space here.
ここにあなたの場所があります。
You are welcome here.
あなたはここで歓迎されています。
最後に
というわけで、今回は「All Are Welcome」という、心がじんわり温かくなるような一冊をご紹介しました。
この絵本が教えてくれるのは、ただ「みんな仲良くしよう」というシンプルなメッセージだけではありません。違いを認め合い、それぞれの色を尊重することこそが、世界をより豊かで素敵な場所にするんだ、という希望のメッセージです。子どもだけでなく、私たち大人もハッとさせられる瞬間があるかもしれません。もし、お子さんが新しい環境に少しだけ不安を感じているなら、この絵本を一緒に開いてみてはいかがでしょうか。