A Little Like Magic

【英語絵本】子供の「行きたくない」に寄り添う『A Little Like Magic』

こんにちは!

今日は、親子で読みたい、ちょっと心が温かくなるような英語絵本について書きたいと思います。

お子さんに「新しい場所に行ってみようよ!」とか「これ、挑戦してみない?」って誘ってみても、「やだー」「行きたくないー」って言われちゃうこと、ありませんか?

 

親としては、いろんな経験をしてほしいなーって思うけれど、無理に連れていくのも違う気がするし、なかなか難しいですよね。

「苦手なことも、やってみたら楽しいかもしれないよ?」なんて励ましてみても、子どもからすると「嫌なものは嫌!」って感じだったりして。

そんな時にこそ、そっと読んであげたくなるのが今回の絵本、「A Little Like Magic」です。

 

寒い冬の日、新しい場所に行くのがちょっと苦手な女の子が主人公。
でもその先で、少しだけ勇気を出したことで、魔法のような体験をすることになるんです。

親子の会話のヒントにもなるし、英語の優しい表現もたくさん出てくるので、読み聞かせにもおすすめです。

 

ここでは「A Little Like Magic」の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

寒さが苦手で、新しい場所に行くのもあまり好きではない女の子が主人公です。
ある日、お母さんに誘われて氷の彫刻フェスティバルに行くことになります。

最初は嫌々だったけれど、巨大な氷の彫刻をチェーンソーやドリルで削る様子を見て、だんだんと引き込まれていきます。

でも、帰ってきたら大事にしていた小さな馬のフィギュアがなくなってしまっていて、悲しみに包まれます。

翌日、再びフェスティバルに行くと、そこには不思議な氷の彫刻がありました。
それは子馬の像で、足元にはなんと、なくしたはずの馬のフィギュアが!
女の子はその氷の馬にそっと手を添えて「ありがとう」とささやきます。

「全部溶けてしまうんだよね」と言う娘に、お母さんは「そうね」と答えます。
でも彼女は「それでも、価値はあると思う」と言います。

このやりとりがすごく胸に残るんです。

氷の彫刻はやがて消えてしまうけれど、その時の気持ちや経験はちゃんと心に残る。
そんな大切なことをやさしく教えてくれる一冊です。

ちなみにこの絵本はSchneider Book Awardの受賞作でもあります。
心に寄り添うテーマが評価されているのもうなずけますね。

A Little Like Magic

英語学習のポイント

この絵本は、子どもの語彙で構成されているので、英語初心者の方やお子さんにもぴったりです。
中でも日常生活でよく使うフレーズがさりげなく出てくるのがいいところ。

今回はその中から2つ、よく使われるイディオムを紹介します。

It’ll be alright.(大丈夫だよ)

これは安心させるときにすごくよく使います。
たとえば、試験前の友達に「It’ll be alright, don’t worry.(大丈夫、心配しないで)」みたいに使えます。

I think it’s worth it.(それでも、やる価値があると思う)

“worth it”は「それに見合う価値がある」という意味で、迷っているときの背中を押してくれる言葉です。
例:「It’s hard, but I think it’s worth it.(大変だけど、それだけの価値があると思う)」など。

こういう一言って、覚えておくと会話でとても役立ちます。

というわけで、「A Little Like Magic」は、親子の絆や心の成長をやさしく描いた一冊です。
読み終わったあと、なんだか心がポカポカするような感覚になるかもしれません。
親子での読み聞かせにぴったりですよ〜!

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

I don’t like heavy coats or itchy hats or boots that don’t let me bend my ankles.
重いコートやかゆい帽子、足首を曲げられないブーツは好きじゃない。

I don’t like cold wind.
冷たい風は好きじゃない。

 

or icy roads.
凍った道も。

 

Most of all, I don’t like going places that I’ve never been before.
何よりも、今まで行ったことのない場所に行くのが好きじゃない。

It’ll be alright. Mom says. I squeeze the plastic horse inside my pocket.
「大丈夫よ」とママは言う。ポケットの中のプラスチックの馬を握りしめる。

 

It’s cold, so cold I can see my breath.
寒い、息が白くなるほど寒い。

 

I’m lost in a forest of people. But Mom is lost with me, so it’s okay.
人混みの中で迷子になった。でもママも一緒だから大丈夫。

We follow a loud whirring, brrr-ing, buzzing sound
私たちは、ウィーン、ブーン、ブンブンという大きな音をたどっていく

I hear even in my chest. Ands then we see…
胸の中にまで響いてくる。そして見えてきたのは…

 

blocks of ice, tall as our van, dotting the park.
私たちのバンと同じくらいの高さの氷の塊が、公園に点在している。

We watch as sculptors carve with
彫刻家たちが彫るのを見る

chainsaw and drill,
チェーンソーとドリルで、

chisel and pick,
ノミとつるはしで、

torch and steaming iron.
トーチと湯気の立つアイロンで。

 

We watch until we are too cold to watch anymore.
寒くて見ていられなくなるまで見続ける。

 

Then we sip hot chocolate.
それからホットチョコレートをすする。

“But won’t it all melt?”I ask.
「でも、全部溶けちゃうんじゃない?」私は尋ねる。

“Yes,” Mom says. “it will.”
「そうよ」ママは言う。「溶けちゃうわ」

 

I wonder why anyone would make a sculpture out of ice.
どうして誰かが氷で彫刻を作るのか不思議に思う。

I don’t think it’s worth it.
価値があるとは思えない。

 

When I get home, my pocket is empty.
家に帰ると、ポケットは空っぽだった。

 

I wish we’d never gone. My horse would still be safe at home with me.
行かなければよかった。私の馬はまだ私と一緒に家に安全にいただろうに。

 

It’s not there when I wake up
目が覚めてもそこにはいない

or while I’m playing with my friends.
友達と遊んでいる時も。

 

It’s not sitting on my knee
私の膝の上に座っていない

or getting ready to go out.
出かける準備をしている時も。

 

That night, I did not want to go back.
その夜、私は戻りたくなかった。

I don’t like heavy coats or itchy hats or boots that don’t let me bend my ankles.
重いコートやかゆい帽子、足首を曲げられないブーツは好きじゃない。

I don’t like cold wind or icy roads.
冷たい風や凍った道は好きじゃない。

 

I really do not like them in the dark
暗闇の中では本当に嫌いだ

when there’s no horse in my pocket.
ポケットに馬がいない時は。

 

It’s colder at night, More crowded too.
夜はもっと寒いし、人ももっと多い。

 

But, this time, I know the way, so it’s okay.
でも、今回は道を知っているから大丈夫。

And then we see.
そして私たちは見る。

 

The cold and crowd melt away.
寒さと人混みが溶けていく。

There is only light and ice and stars and Mom and me.
光と氷と星とママと私だけがいる。

 

We visit each sculpture, one by one.
私たちは一つ一つ彫刻を見て回る。

It feels a little like magic…
それは少し魔法のように感じる…

 

until I’m caught in a forest again.
再び人混みに捕まるまでは。

That’s when I spot it.
その時、それを見つけた。

There in the corner. No crowd.
隅っこに。人混みはない。

No one at all.
誰もいない。

That’s the first thing I like about it.
それが最初に気に入ったことだ。

“I’m going to see that one,” I tell Mom.
「あれを見に行く」とママに言う。

I go by myself, bits of salt crystals crunching under my wheels.
一人で行く、足元で塩の粒がザクザク音を立てる。

 

Slowly, the ice creature comes into focus:
ゆっくりと、氷の生き物がはっきりと見えてくる:

a baby horse, a foal, familiar, like a memory.
子馬、記憶のように馴染みのある子馬。

At it’s feet, an even smaller horse. My horse.
その足元には、さらに小さな馬。私の馬だ。

 

I tug my mitten off to pick it up and slip it safely back inside my pocket.
ミトンを脱いでそれを拾い上げ、ポケットに安全にしまう。

I press my palm against the ice foal’s face.
氷の子馬の顔に手のひらを押し当てる。

“Thank you.” I whisper.
「ありがとう」とささやく。

 

When I pull my hand away, it glistens,
手を離すと、それはきらめく、

reminding me the foal won’t last.
子馬が長持ちしないことを思い出させる。

 

“This will all melt,” I say to Mom, who stands behind me now.
「これは全部溶けちゃうよ」と、今は私の後ろに立っているママに言う。

“It will all be gone.”
「全部なくなっちゃうんだ」

“Yes,” she says, “it will”.
「そうよ」と彼女は言う。「そうなるわ」

“I think it’s worth it, though,” I say.
「でも、価値はあると思う」と私は言う。

 

I was right, of course. They melted.
もちろん、私は正しかった。それらは溶けた。

 

But I was also wrong.
でも、私は間違ってもいた。

 

They never went away. Not entirely.
それらは決して消え去らなかった。完全には。

 

See you next year.
また来年。

 

Sometime you have to brave the cold to experience something special.
時には、特別なことを経験するために寒さに立ち向かわなければならない。



 

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