こんにちは!
最近、本を読んでいますか?
スマホの画面を眺めている時間が増えて、気づけば最後に本を開いたのはいつだっけ…なんてこと、結構ありますよね。
でも、子どもの頃、物語の世界に夢中になって、ページをめくる手が止まらなくなったあのワクワク感。たまに、ふと恋しくなったりしませんか?
今回は、そんな忘れかけていた「本と冒険する楽しさ」を思い出させてくれる、息をのむほど美しい英語絵本『A Child of Books』をご紹介したいと思います。
ここでは『A Child of Books』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
「わたしは 本の こども(I am a child of books.)」
そんな不思議な言葉と共に、一人の女の子があなたの前に現れます。
彼女は、たくさんの物語が集まる世界からやってきました。そして、「言葉の海」を渡って、あなたを冒険に誘いに来たのです。
彼女についていくと、そこは驚きに満ちた世界。
山の形をしているのは、実はびっしりと書かれた物語の文章。波を形作っているのも、全て知っているお話の言葉たち。
おとぎ話の森で道に迷ったり、お城にひそむモンスターから逃げたり…。
女の子と一緒に空想の世界を旅するうちに、読者であるあなたも、いつの間にか物語の登場人物の一人になっています。
さあ、この本の扉を開けて、彼女と一緒に冒険へ出かけませんか?
この絵本がそっと教えてくれること
「最近、本を読んでいないな…」と感じた時、心のどこかで少しだけ、罪悪感のようなものが芽生えたりしませんか?
「読書は良いことだ」と分かってはいるけれど、日々の忙しさの中で、つい後回しになってしまう。
いつの間にか私たちの中で、「本を読む」という行為が、少しハードルの高い、高尚な趣味のようになってしまっているのかもしれません。
でも、この絵本は、そんな「読まなきゃ」というプレッシャーを、ふわりと風で吹き飛ばしてくれます。
理屈や教養は、一旦ぜんぶ横に置いておいて。ただ、ページの上に広がるイマジネーションの世界で、自由に遊んでおいでよ、と。
この絵本の世界では、山も海も、みんな「言葉」でできています。
それは、「あなたの想像力ひとつで、世界はどんな風にでも創り変えることができるんだよ」という、作者からの優しいメッセージのように僕には感じられました。
絵本の最後に出てくる「imagination is free(想像力は自由だ)」という言葉が、全てを物語っています。
誰にでも開かれていて、何の準備もいらない。それが、読書という冒険の素晴らしいところなんですよね。
英語学習のポイント
この絵本は、詩的で美しい言葉で綴られています。
今回は、そんな中から会話でも使える、素敵な表現を2つご紹介します。
come away with me
物語の冒頭で、女の子が「私と一緒に来てくれませんか」と誘う場面で to ask if you will come away with me というフレーズが出てきます。come away with … は、今いる場所から離れて「(誰々)と一緒に行く・旅立つ」という意味を持つ、少しロマンチックな響きのある誘い文句です。
例文:
He asked her to come away with him and start a new life. (彼は彼女に、一緒にここを離れて新しい生活を始めようと言いました。)
Just for a day, let’s come away with me to the sea. (一日だけでいいから、僕と一緒に海へ行こうよ。)
lose oneself in …
「おとぎ話の森で道に迷う」という幻想的な場面は lose ourselves in forests of fairy tales と表現されています。lose oneself in … は、物理的に道に迷うだけでなく、「〜に我を忘れる」「〜に夢中になる・没頭する」という意味で非常によく使われます。
例文:
I love to lose myself in a good book on a rainy day. (雨の日には、良い本に没頭するのが大好きです。)
She can lose herself in her music for hours. (彼女は何時間も音楽に没頭することができます。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
I am a child of books.
私は本の子です。
I come from a world of stories.
私は物語の世界から来た。
and upon my imagination I flort.
そして私の想像の上に 私は浮かぶ。
I have sailed across a sea of words
私は言葉の海を渡って航海した
to ask if you will come away with me.
あなたが私と一緒に来るかどうか尋ねる。
some people have forgotten where I live
私が住んでいるところを忘れている人もいる
but along these words I can show you the way.
しかし、これらの言葉に沿って私はあなたに道を示すことができます。
We will travel over mountains of make-believe.
我々は、空想の山を旅行します。
Discover treasure in the darkness.
暗闇で宝を発見します。
We can lose ourselves in forests of fairy tales.
我々は、おとぎ話の森で道に迷えます。
and escape monsters in haunted castles.
そして、幽霊がでる城で怪物から逃れます。
we will sleep in clouds of song.
我々は、歌の雲の中で眠ります。
and shout as loud as we like in space.
そして我々は宇宙のように大声で叫ぶ。
for this is our world
私たちの世界のために
we’ve made from stories..
私たちは物語から作られた
our house is a home of invention
私たちの家は想像力の本場です
where anyone at all can come
誰もが来ることができる場所
for imagination is free
自由な想像力のために
最後に:想像力は、いつでも自由
というわけで、今回は絵本『A Child of Books』をご紹介しました。
この本は、文字と絵が一体となって、私たちを物語の世界へと誘ってくれる、まさに「読むアート作品」です。
忙しい毎日の中で、少し心が疲れたなと感じた時、この絵本を開いてみてください。難しいことを考える必要はありません。ただ、美しい言葉と絵の流れに、心を委ねるだけでいいんです。
それは、たった数分でできる、最高の心の小旅行。
想像力の翼を広げるのに、お金も時間も、特別な資格もいりません。本を手に取れば、いつでも、ちょっとだけ違う世界に遊びに行ける。そんな気軽な気持ちで、また本と友達になってみるのも、きっと素敵なことだと思いますよ。