英語絵本「Danny the Duck with No Quack」

引っ込み思案な子に勇気をくれる一冊。『Danny the Duck with No Quack』の英語絵本読み聞かせ

こんにちは!

お友達の輪の中に、すっと入っていけない。先生に何か聞かれても、なかなか言葉が出てこない…。そんな風に、ちょっぴり引っ込み思案なお子さんの姿を見ていると、親としては「もっと自分から話せたらいいのに」なんて、少しもどかしい気持ちになってしまうこともありますよね。

でも、本人だって話したくないわけじゃないのかもしれません。ただ、何を話したらいいか分からなかったり、言葉にする勇気がほんの少しだけ足りなかったり。

今日は、そんなおしゃべりが苦手なアヒルの男の子が、知恵と勇気でピンチを乗り越える、とってもスカッとする英語絵本『Danny the Duck with No Quack』をご紹介します。

ここでは『Danny the Duck with No Quack』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

アヒルのダニーは、とっても無口な男の子。朝、みんながおしゃべりに夢中になっていても、何を話していいか分からず、いつも黙って下を向いてしまいます。「何か面白い話はないの?」と聞かれても、言葉が出てきません。

「面白い話題さえあれば、僕だっておしゃべりできるはず…!」

そう考えたダニーは、”話のタネ”を探しに、一人で冒険に出かけることにしました。すると、道端で出会ったのは、何やらズル賢そうな二匹のキツネ。

重い荷物を運ばされ、薪を集めさせられ、鍋に水を汲まされ…。本当は「嫌だ!」って言いたいのに、やっぱり声が出ません。そしてとうとう、キツネたちはダニー自身を晩ごはんのメインディッシュにしようと企むのですが…。

Danny, the Duck With No Quack (QEB Storytime)

英語学習のポイント

この絵本は、リズミカルで楽しい言葉遊びがたくさん出てきます。今回は、知っていると会話のニュアンスがぐっと豊かになる、面白い英語表現を2つご紹介します。

What’s the story? (最近どう?/何か面白い話ない?)

これは、親しい友達に会った時などに使われる、とてもカジュアルな挨拶のフレーズです。ものすごくざっくり言うと、「よっ、元気?」「なんか変わったことあった?」みたいな感じです。

絵本の中では、おしゃべり好きな鳥たちが、ダニーに「何かニュースはないの?」と話しかける場面で使われています。

“What’s the story? Tell us the news.”
「どんなお話がある?ニュースを教えてよ」

“How are you?” だけでなく、こんな聞き方もできるんだ、と知っておくと楽しいですよね。

Aren’t they …? (彼らって~じゃない?/~だよね?)

これは「否定疑問文」といって、普通の疑問文とは少しニュアンスが違います。「彼らは驚いていますか?」と聞くのではなく、「彼ら、驚いてるんじゃない?(きっと驚いてるよね!)」という、驚きや同意を求める気持ちを表すことができるんです。

絵本では、いつも無口だったダニーが冒険譚をペラペラと話し始めたのを聞いて、周りのみんながびっくり仰天している様子を描写するのに使われています。

And aren’t they all amazed to hear Danny quacking?
そして、ダニーが話しているのを聞いて、みんなさぞかし驚いたんじゃないかな?

お子さんが何かすごいことをした時に、“Aren’t you clever!”(あなたって賢いじゃない!)なんて言ってあげると、気持ちがより伝わるかもしれません。

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Every morning, the ducks and the hens gather in the yard for a good gossip.
毎朝、アヒルとめんどりは、良いうわさ話のために庭に集まります。

“How’s the quack, Danny?” ask the chicken.
「調子はどう?ダニー」 鶏めんどりは尋ねた。

“What’s the story? Tell us the news.”
「どんなお話しがある?ニュースを教えてください。」

 

But Danny’s a shy little duck, and he never knows what to say.
しかし、ダニーは恥ずかしがり屋の小さなアヒルです。彼は何を言いたいのか分かりません。

 

He keeps his beak firmly shut, bowss his head and turns away.
彼は彼のくちばしをしっかりと閉じたまま、お辞儀をするとくるりと回った。

 

“Come on, Danny!” squawk the birds one day.
「さあ、ダニー!」と、鳥はある日大声で騒ぎます。

“Don’t be such a scaredy quack! There must be something you can tell us!”
「そんなに怖がりにならないで!わたしたちに何か話せることがないといけません」

Danny swallows and open his beak – but nothing counts out.
ダニーは呑み込んでくちばしを開きます しかし、なにも出てきません。

Not a peep, not a splutter, not a cackle, not a hoot.
鳴き声も、しゃべり声も、クワックワッもホ~もありません。

He’s lost his quack!
彼は鳴き声を失ってしまいました。

 

Right, thanks Danny, that’s it.
そう、ダニー ありがとう。

And he takes off up the lane to find a tail worth telling.
そして、彼は、話す価値があるものを見つけるため、通路を立ち去ります。

Yes, he wanders up the track to find his quack.
はい、彼は鳴き声を見つけるためにわだちの上を追跡します。

 

He waddles along and waddles along, till he meets two scrawny foxes.
彼は、2匹のやせこけたキツネに会うまで、よたよた前へよたよた歩きます。

This thing’s heavy!
このものは重いです!

Who’ll help us carry it?
私たちがそれを運ぶのを誰が手伝いますか?

That duck!
あのアヒル!

And Danny knows he shouldn’t – these are tricky looking foxes.
そして、ダニーは彼がそうしてはならないということを知っています-これらは慎重を要するキツネに見えます。

 

He opens his beak to say that he won’t.
彼はそうならないためにくちばしを開きます。

But nothing comes out.
しかし何も出てきません。

 

“We’ve carried it far enough,” groans one fox. “Now who’ll collect the wood?”
「私たちはそれを遠くからもう十分に持ってきました。」一匹の狐がうめいた。「今、誰が木を集めるの?」

“The duck with no quack,” sniffs the other.
「鳴かないアヒル」別のものがクンクン嗅ぎながら言った。

 

And Danny knows he shouldn’t – these are hungry looking foxes. He opens his mouth to say no.
そして、ダニーは彼らが飢えている狐だと分かり、そうすべきではないことを知っています。

 

“Now who’ll fill the pot with water?” ask one Fox.
「今、誰が鍋に水を満たしますか?」一匹の狐がたずねた。

“The duck with no quack,” smirks the other.
「鳴かないアヒル」他のものは笑いながら言った。

And Danny knows he shouldn’t –
そして、ダニーは彼がそうすべきではないことを知っています –

these are scary-looking foxes.
これらは恐ろしい狐です。

He opens his beak as wide as he can, and what does he say?
彼は彼のくちばしをできる限り広く開き、彼は何か言いますか?

Nothing.
何もない。

 

“Now who’ll be the dinner?” say one fox, licking his lips.
「今誰が夕食になるの?」 1匹のキツネが唇をなめながら言った。

“The duck with no quack!” cries the other, jumping up.
「鳴かないアヒル!」 他のキツネは叫び、飛び跳ねた。

 

They rush towards Danny they’re just about to grab him, when…
彼らはダニーに向かって急いで彼を捕まえるつもりです。

“Quackity – quack! it’s a duck attack!” squawks Danny.
“クワッキティ – ガーガー!アヒルに攻撃だ!” ダニーは大声で叫びます。

He throws himself to the side of the pot.
彼は、ポットの側面に身をかわします。

 

The two foxes are so surprised, they tumble right inside!
2匹のキツネはとても驚きます、彼らは待っただ中に転落します!

 

“How’s the quack, Danny?” asked the other ducks, when he rushes back to the farmyard.
ダニー、調子はどう? 彼が農場に急いで戻ったとき、他のアヒルが尋ねた。

“Yeah, what’s the cluck, duck?” ask the hens.
「よう、どうだい?コッコッ」めんどりが尋ねた。

And aren’t they all amazed to hear Danny quacking?
そして、彼ら全員は、ダニーがギャーギャーいっているのを聞いて驚いたのなんの。

Aren’t they all astonished at the tale he has to tell?
彼が伝える話に彼らはすべて驚いているんじゃない?

 

“I wandered down the track and I met a pair of foxes…”
「小道を徘徊し、私は一組のキツネに会った…」

“They were carrying a pot, and I knew they wanted to cook me..”
「彼らは鍋を持っていて、私は彼らが私を料理したいと思った。」

No!
まぁ!

“They made me gather wood…”
「彼らは私に木を集めさせた…」

Help!
助けて!

 

“I had to fetch some water…”
「私は水を取らなければならなかった…」

Nasty!
最低!

“I filled the pot with water… and guess who’s in it now?”
「私は水で鍋を満たした…そして今そこに誰がいるでしょう?」

“The Foxes!”
「キツネたち!」

 

“Go away!” cluck the angry hens.
「どこかに行って!」 鶏はコッコッと怒った。

“And don’t come back!” quack the ducks.
「そして戻ってくるな!」 アヒルが鳴いた。

And Danny’s quack is the loudest.
そして、ダニーの鳴き声は一番大きなものです。

“Quackity – quack!” he says. “Don’t come back!”
“クワックティック – クワックワッ!” 彼は言う。 「戻ってくるな!」

QUACK!
クワックワッ!

最後に:言葉は、君を守る「武器」になる

というわけで、今回は無口なアヒル、ダニーの物語をご紹介しました。

おしゃべりが苦手だと、なんだか損をしているように感じてしまうことがあるかもしれません。でも、ダニーは決してただ黙っていたわけではありませんでした。周りをよーく観察して、頭の中で一生懸命考えて、そして「ここぞ!」という最高のタイミングで、言葉を”武器”として使ったのです。

この絵本は、「無理におしゃべりにならなくてもいいんだよ」と教えてくれているような気がします。

普段は無口でも、自分のペースで大丈夫。でも、もしもの時、誰かを守りたい時、そして自分自身を守らなければいけない時、言葉は君の大きな力になってくれる。そんな温かくて力強いメッセージが、この絵本には込められています。引っ込み思案な君の心に、小さな勇気の種を蒔いてくれる一冊です。

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