「水」は世界の言葉で何と言う?英語・中国語・韓国語など各国の呼び方

「水」は英語で water。

これはよく知られていますよね。

でも、中国語では?
韓国語では?
タイ語やトルコ語では?

世界を見ていくと、同じ「水」でも呼び方はかなり違います。

僕自身、旅をしていたころは、新しい国に入るたびに現地の言葉を少しずつメモしていました。

「こんにちは」「ありがとう」「いくら?」。
そして、旅先では欠かせない「水」。

今回は、現在確認できる代表的な言い方を整理しながら、当時旅先で耳にした言葉や記憶も一緒にたどってみます。

「水」は世界の言葉で何と言う?

まずは、地図で「水」を表すことばの広がりを見てみましょう。

東アジアから東南アジア、南アジア、中央アジア、西アジアへとたどっていくと、同じ「水」でも呼び方がずいぶん変わっていきます。

アジア各地で水を表す言葉と読み方を示した地図。中国語のシュイ、韓国語のムル、タイ語のナーム、ヒンディー語のパーニー、トルコ語のスなどを地域ごとに紹介

こうして地図で見ると、旅をするように東から西へことばの響きが変わっていくのが分かります。

続いて、代表的な言い方を一覧で見てみましょう。

言語「水」の表記読み方の目安
英語waterウォーター
中国語水シュイ
韓国語물ムル
ベトナム語nướcヌオックに近い音
タイ語น้ำナーム
クメール語ទឹកトゥクに近い音
ビルマ語ရေイェーに近い音
ヒンディー語पानीパーニー
ネパール語पानीパーニー
ゾンカ語ཆུチュ
カザフ語суスウに近い音
アゼルバイジャン語suス
トルコ語suス
ロシア語водаヴァダーに近い音
ペルシャ語آبアーブ
クルド語av などアヴに近い音
アラビア語ماءマーに近い音
ヘブライ語מיםマイム

カタカナ表記は、あくまで日本語で読んだときの目安です。

実際には、それぞれの言語ならではの音やアクセントがあります。

国を移ると「水」を表す言葉の発音も変わっていく

中国語の「シュイ」、韓国語の「ムル」。

そこから東南アジアへ下っていくと、ベトナム語の「ヌオック」、タイ語の「ナーム」、クメール語の「トゥク」と、音の雰囲気が変わっていきます。

旅をしていたころ、この変化を耳で追うのが面白かったんですよね。

国境を越えると景色が変わる。食べ物も変わる。そして、同じ「水」という言葉まで変わっていく。

カンボジアで印象に残っているのが、タ・プロームの遺跡です。

カンボジアのタ・プローム遺跡を覆う大きな木の根

大きな木の根が、石造りの遺跡を包み込むように伸びている景色。

旅をしていると、こうした場所の記憶と、その土地で覚えた言葉が一緒に残っていきます。

南アジアでは「パーニー」

インドでは、ヒンディー語の pānī、日本語で書けば「パーニー」に近い音。

ネパールでもよく似た言葉が使われています。

さらにブータンへ行くと、ゾンカ語では「チュ」。

土地はつながっていても、言葉の響きは少しずつ変わります。

パキスタンの山岳地帯を越えていくルートでは、派手に飾られたトラックをよく見かけました。

パキスタンの山岳地帯を走る色鮮やかな装飾トラック

国が変わると、言葉だけでなく、道の景色や車の雰囲気まで一気に変わる。

そんな変化を感じながら、次の土地で使う言葉を少しずつ覚えていきました。

中央アジアでは「su」に近い言葉も

カザフ語では「スウ」に近い音。アゼルバイジャン語やトルコ語では su と言います。

こうして耳で聞いていると、日本語の「すい」にも少し似ているように感じます。

旅をしていた当時は、

「もしかして、どこかでつながっているのかな」

なんて想像するのも楽しみのひとつでした。

ただ、日本語の「すい」とトルコ語などの su が、そのまま同じ語源というわけではありません。

似た音を見つけて、「これ、何か関係あるのかな?」と考えてみる。

そんな寄り道も、旅と言葉の面白さでした。

「ワラ」「ウォ」のように聞こえた言葉もあった

中央アジアやその周辺を旅していたころ、僕のメモには「ワラ」「ウォ」のように書かれた言葉も残っていました。

今となっては、どの土地の、どの言語だったのかまでは特定できません。

当時は、

「はるか昔にこの地域までやってきたアレキサンダー大王の遠征と、どこかでつながっていたりするのかな」

なんて想像しながら旅をしていました。

もちろん、言葉の由来として確認できた話ではありません。

でも、旅先で似た音を見つけて、歴史と結びつけて想像する。それだけでも移動する時間が楽しくなったものです。

パキスタン北部の伝統衣装を着たカラシュの子どもたち

写真は、パキスタン北部で出会ったカラシュの子どもたち。

カラシュには、自分たちの祖先をアレキサンダー大王の軍と結びつける言い伝えが残っています。

言葉の語源とは別の話ですが、こうした土地の伝承に触れると、遠い歴史が急に身近に感じられました。

昔のメモには「ミャンマーはカ」と書いてあった

今回、昔の記事を読み返していて「あれ?」となったのがミャンマーです。

当時のメモには、水を「カ」と書いていました。

ところが現在確認すると、標準的なビルマ語の「水」は「イェー」に近い発音です。

では、僕が旅先で聞いた「カ」は何だったのか。

別の民族の言葉を聞いたのかもしれない。別の単語を聞き違えたのかもしれない。あるいは、あとからメモと国名を結びつけ違えた可能性もあります。

今となっては分かりません。

ただ、昔の耳メモをこうして今あらためて調べ直してみるのも、なかなか面白いものです。

西へ進むと「アーブ」「マー」「マイム」

さらに西へ進むと、また言葉の響きが変わります。

ペルシャ語では「アーブ」。クルド語では「アヴ」に近い言い方があります。

アラビア語では「マー」、ヘブライ語では「マイム」。

中央アジアで聞く su 系とは、ずいぶん違った印象です。

ただ、音が似ているからといって、すべてが同じ語源とは限りません。

反対に、離れた場所の言葉でも、本当に古いつながりを持っている場合もあります。

「似ている気がする」ところから調べてみる。

それだけでも、世界のことばはずいぶん面白く見えてきます。

なぜこんなに「水」の言葉を覚えたのか

別に、言語学者になりたかったわけではありません。

旅をしながら、その場で必要な言葉を少しずつ覚えていっただけ。

現地の言葉をほんの少しでも使えると、人との距離がぐっと縮まります。安全面で助かることもありました。

旅先で最初に覚えていたのは、だいたいこんな言葉です。

まず覚える言葉

  • こんにちは
  • ありがとう
  • はい・いいえ
  • 私・あなた
  • 名前

買い物やお願いで使う言葉

  • いくら?
  • 1〜10、100、1000などの数字
  • まけて
  • 〜をください
  • 〜したい
  • お願いします

移動や旅先で使う言葉

  • 今日・明日
  • ホテル・バス・駅
  • これ・それ・どれ?・なに?
  • おいしい・きれい・好き・嫌い
  • 大きい・小さい
  • 水

旅先で使う日常単語って、実はそれほど多くありません。

ポケットに小さなメモを入れて、必要なときにチラチラ見ながら話していました。

新しい国に入ったら、また同じことを繰り返す。

そうしているうちに、手元には多言語のメモ帳が残りました。

カトマンズは旅人の交差点だった

英語の看板が並び旅人が情報交換するカトマンズの街並み

カトマンズは、旅人が集まる交差点のような場所でした。

街には英語の看板が並び、宿やカフェでは各国の旅行者が情報交換。

ここから次の国や街へ向かう人も多く、旅の途中でいったん立ち止まる起点のような場所だったんです。

僕もここで次のルートを考えたり、他の旅行者から情報をもらったりしました。

英語は、そんな旅人同士をつなぐ共通語としてよく使っていました。

英語も「正しく話す」より、まず通じることからだった

旅を始めたころ、英語力にはあまり自信がありませんでした。

でも、世界中の人が話す英語を聞いていると、発音もリズムも本当にいろいろ。

僕にはインド人の英語が聞き取りやすく感じることもあれば、別の地域ではさっぱり耳に入ってこないこともありました。

それでも、みんな何とか伝えようとします。

ブロークンでも構わない。別の言葉に言い換える。身振りも使う。

そんな会話を何度も見ているうちに、

「英語って、こんな感じで話していいんだ」

と、ずいぶん気楽に考えられるようになりました。

英語圏の人と話すと緊張してしまうのに、ノンネイティブ同士なら不思議と気楽に話せることもあります。

さらに、相手の母国語を一言でも使うと、そこから急に仲良くなれたりする。

多言語に触れる楽しさは、そんなところにもありました。

まとめ|ひとつの「水」から世界のことばを見てみよう

「水」という、たった一つの言葉。

でも、国を移ると呼び方も発音も変わっていきます。

シュイ、ムル、ヌオック、ナーム、パーニー、ス、アーブ、マー、マイム。

並べてみるだけでも、世界の広さを感じます。

そして旅をしていると、言葉は辞書の中だけにあるものではありません。

人に聞いて、耳で覚えて、メモして、実際に使う。

その繰り返しの中で、言葉と土地の記憶が一緒に残っていきました。

昔のメモには、今見ると「あれ?」と思うものもあります。

それも含めて、ひとつの旅の記録。

子どもと一緒に世界地図を広げて、「この国では水を何て言うんだろう?」と調べてみるのも面白いですよ。

ひとつの言葉からでも、世界はどんどん広がっていきます。

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