英語絵本Dr. Seuss「There's a Wocket in my Pocket!」

ドクター・スースの英語絵本|『There’s a Wocket in my Pocket!』で言葉遊び!

こんにちは!

「ママ、カーテンの後ろに、だれかいるよ」「ほら、時計の裏にも!」。子どもって時々、私たち大人には見えない「だれか」の存在を、真剣な顔で教えてくれることがありますよね。その豊かな想像力に驚かされつつも、「え、それって、もしかしておばけ…?」なんて、ちょっぴり背筋が寒くなったりして。

でも、もしその「だれか」が、怖くなくて、むしろちょっぴり面白い、不思議な生き物たちだとしたら…?

今日は、そんな子どもの空想の世界を、これでもかというくらいカラフルに、そしてリズミカルに描いた、言葉の魔術師ドクター・スースの真骨頂ともいえる一冊『There’s a Wocket in my Pocket!』をご紹介します。

ここでは『There’s a Wocket in my Pocket!』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

主人公の男の子の家には、たくさんの不思議な生き物たちが住んでいます。

ポケット(Pocket)の中には、Wocket(ウォケット)。バスケット(Basket)の中には、Wasket(ワスケット)。時計(Clock)の後ろには、Zlock(ズロック)。
そう、このお家に住む生き物たちは、みんな家の中にあるモノの名前にちなんだ、ヘンテコな名前を持っているんです。

親切でフレンドリーなやつもいれば、ソファーを占領してちょっと迷惑なやつ、歯ブラシの上に乗っかってきて「君だけは、いなくてもいいかな…」なんて思っちゃうやつもいます。

そんな、個性的すぎる同居人たちとの、ちょっぴり奇妙で、でも最高に楽しい毎日。男の子は、そんな不思議な生き物たちでいっぱいの、自分のおうちが大好きなのでした。

There's a Wocket in my Pocket: Dr. Seuss's Book of Ridiculous Rhymes (Big Bright & Early Board Book)

英語学習のポイント

この絵本、正直に言って、明確なストーリーがあるわけではありません。じゃあ、何が面白いの?と聞かれたら、答えはただ一つ。「言葉の響き」です。

「英語学習」というと、どうしても単語の意味や文法を考えてしまいがちですが、この絵本はそんな「お勉強」とは対極にあります。理屈は抜きにして、声に出して読んで、その音とリズムを楽しむのが一番です。

今回は、この絵本の醍醐味である「言葉遊び」の楽しみ方を、2つのポイントに分けてご紹介しますね。

韻遊び(ライミング)の魔法

この絵本には、「Wocket」や「Zlock」のように、辞書には載っていない造語がたくさん出てきます。でも、これにはちゃんとルールがあるんです。例えば、「Pocket」の頭文字を「W」に変えて「Wocket」。「Shelf(棚)」の頭文字を「Z」に変えて「Zelf」。

このように、同じ響きの言葉を繰り返す「韻遊び(ライミング)」こそが、ドクター・スースの最大の魅力です。お子さんと一緒に「じゃあ、Bed(ベッド)にいるのは…Zed(ゼッド)かな?」なんて、オリジナルの生き物を考えてみるのも、すごく楽しいですよ!

絵と音で覚える、おうちのボキャブラリー

言葉遊びに注目しがちですが、実はこの絵本、家の中にあるモノの英単語を覚えるのにも、すごく役立ちます。Basket(かご)、Closet(クローゼット)、Sink(流し台)、Lamp(ランプ)、Stairs(階段)など、基本的な単語がたくさん登場します。

リズミカルな文章と、面白い生き物のイラストと一緒に覚えるから、子どもも自然と「これは英語でこう言うんだ!」と、すんなりインプットできちゃうんです。

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Did you ever have the feeling there’s a WASKET in
your BASKET?
あなたはかごの中にワスケットがいると感じたことがありますか?

..Or an NUREAU in your BUREAU?
それとも、タンスの中にニュレウ?

..Or a WOSET in your CLOSET?
それとも、クローゼットの中にウォーゼット?

 

Sometimes I feel quite CERTAIN
there’s a JERTAIN
in the CURTAIN.
ときどき私はすっかり確信する
カーテンの中にジェーテンがいることを。

 

Sometimes I have the feeling
there’s a ZLOCK behind the CLOCK.
ときどき私は感じている
時計の後ろにジロックがいることを。

And that ZELF up on that SHELF!
そしてその棚の上にゼリフが!

I have talked to him myself.
私は彼と直接話しました。

That’s the kind of house I live in.
それは私が住んでいる家と似たようなものです。

There’s an NINK in the SINK.
シンクの中にはニンクがいます。

And a ZAMP in the LAMP.
そしてランプの中にはザンプ。

And they’re rather nice I think.
そして、彼らはむしろ居心地いいと思うよ。

 

Some of them are very friendly.
それらのいくつかはとってもフレンドリー。

Like the YOT in the POT.
ポットの中のヨットのように。

But that YOTTLE in the BOTTLE!
しかしボトルの中のヨトル!

Some are friendly some are NOT.
いくつかはフレンドリーだけど、いくつかはそうではない。

 

I like the ZABLE on the TABLE.
私はテーブルの上のゼーブルが好き。

And the GHAIR under the CHAIR.
そして椅子の下のゲイヤも。

But that BOFA on this SOFA..
しかしこのソファーの上のあのボファー…

Well, I wish he wasn’t there.
えーっと。私は彼がそこにいなかったらいいと思う。

 

All those NUPBOARDS in the CUPBOARDS.
戸棚の中のそれらヌープボードすべて。

They’re good fun to have about.
彼らは良いおふざけをしている

But that NOOTH GRUSH on my TOOTH BRUSH…
しかし、私の歯ブラシに乗っかってるノースグラッシュは、

Him I could do without!
彼 なしでも私はできる!

 

The only one I’m really scared of is that VUG under the RUG.
ただひとつ、私が本当に怖いのはラグの下のバグ。

 

And that QUIMENY up the CHIMNEY…
そして 煙突の上のクイムニー、

I don’t like him.
私は彼が好きではない。

Not at all.
まったく。

And it makes me sort of nervous when the ZALL scoots down the HALL.
そして、廊下を下って突進してくるザールはちょっと私を神経質にします 。

 

But the YEPS on the STEPS-
しかし、階段の上のヤップス-

They’re great fun to have around.
彼らは周りにいるのがすごく楽しいです。

And so are many, many other friends that I have found…

そして私が見つけた多くの、他の多くの友達もそうです…

..like the TELLER
テラーのように

and the NELLER
ネラーのように

and the GELLER
ゲラーのように

and the DELLER
デラーのように

and the BELLER
ベラーのように

and the WELLER
ウェラーのように

and the ZELLER
ゼラーのように

in the CELLER
地下室の中の

 

..And the GEELING on the CEILING…
天井のゲーリングや

..and the ZOWER in my SHOWER…
シャワーの中のゾワー

 

…and the ZILLOW on my PILLOW.
枕の上のジローや

I don’t care if you believe it.
もし信じられなくても構わないよ。

That’s the kind of house I live in.
それが私の家に住んでいるものたちです。

And I hope we never leave it.
私は決してそれに去ってほしくないと思う。

最後に:意味がわからなくても、それでいい

というわけで、今回はドクター・スースの言葉遊びが存分に楽しめる『There’s a Wocket in my Pocket!』をご紹介しました。

この絵本を読んでいると、「英語は、まず意味を理解しなきゃ」という、私たちの思い込みを、軽やかに吹き飛ばしてくれます。意味なんてわからなくてもいい。ただただ、声に出して読んでみて、その面白い響きに親子でゲラゲラ笑う。それだけで、英語はもう「楽しいもの」になります。

子どもの「カーテンのうしろに誰かいるよ」という言葉に、「へえ、なんて名前なの?」って返してあげられるような、そんな心の余裕をくれる一冊です。理屈はポケットのウォケットに預けて、まずは音の冒険に出かけてみませんか?

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