子どもが虫に夢中になる時期って、ありますよね。図鑑を何度も開いては「これなんていう虫?」と聞いてくる、あの頃。その好奇心、英語絵本に活かせたら一石二鳥だと思いませんか。
虫が主役の英語絵本はじつはそれほど多くないのですが、エリックカールの「The Very Clumsy Click Beetle」はそんな虫好きキッズにうってつけの一冊です。コメツキムシという少し珍しい昆虫が主人公で、何度失敗しても諦めずに挑戦し続けるほっこりとしたストーリーが、子どもの心をぐっとつかみます。
ここでは「The Very Clumsy Click Beetle」の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本『The Very Clumsy Click Beetle』の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | The Very Clumsy Click Beetle |
| 著者・イラスト | Eric Carle(エリック・カール) |
| 出版社 | Philomel Books |
| 対象年齢(目安) | 3歳〜6歳 |
コメツキムシってどんな虫?
「click beetle(コメツキムシ)」という虫をご存じでしょうか。仰向けにひっくり返ったとき、体をバネのようにしならせて「カチッ!」という音とともに空中に跳ね上がり、足で着地するという不思議な能力を持つ虫です。
英語の「click」はまさにその音から来ています。日本語の「コメツキ(米搗き)」も、跳ね上がる動作が米をつく様子に似ていることから名づけられました。そんなユニークな生態が、この絵本のストーリーの核心になっています。
読み聞かせの前にこのミニ知識をお子さんに伝えると、「早くどうなるか読みたい!」という気持ちがぐっと高まりますよ。
あらすじ
ある晴れた朝、若いコメツキムシが散歩に出かけます。花を登り、小石をくぐり、草むらを歩き回る元気いっぱいの一日でしたが、夜に木から落ちて仰向けになってしまいます。困り果てていると、賢い老コメツキムシが現れ、翌朝「カチッ」と音を出して跳ね上がる方法を教えてくれます。
さっそく練習を始める若いコメツキムシですが、ミミズ、カメ、カタツムリ、ネズミが見守る中、何度やっても仰向けに着地するばかり。ところが最大のピンチが訪れたとき、若いコメツキムシは奇跡を起こします。失敗を重ねながらも諦めなかった末にやってくる、小さくて大きな達成感が胸に響く物語です。
英語学習のポイント
繰り返しフレーズで英語が自然に耳に入る
この絵本の最大の英語学習的メリットは、同じフレーズが何度も繰り返されることです。ページをめくるたびに登場する以下のパターンを、読み聞かせしながら一緒に声に出してみましょう。
- “Look at me,” said the young click beetle.「僕を見てて」と若いコメツキムシは言いました。
- And with a loud click…そして、大きなカチッという音とともに……
- But it landed on its back.しかし、仰向けに着地してしまいました。
- “How very clumsy of me,”「なんて不器用なんだろう」
繰り返しパターンは、子どもが次のセリフを先読みして「あ、また!」と楽しめるようになる、絵本学習の黄金構造です。何度か読み聞かせると、気づいたらお子さんが一緒に口ずさんでいるかもしれません。
登場する動物・生き物の英語名を覚えられる
主人公のコメツキムシ以外にも、様々な生き物が登場します。虫好きのお子さんなら食いつくこと間違いなしの顔ぶれです。
- click beetle(コメツキムシ)
- earthworm(ミミズ)
- turtle(カメ)
- snail(カタツムリ)
- mouse(ネズミ)
「earthworm(ミミズ)」や「click beetle(コメツキムシ)」は、普通の英語絵本ではなかなか出てこないレアな単語です。虫好きのお子さんにとっては、まさに宝の山かもしれません。
励ましのフレーズが英会話で使えるレベルで自然
登場する動物たちが若いコメツキムシにかける言葉は、どれも日常英会話でそのまま使える励ましのフレーズばかりです。
- “Better luck next time.” “Keep trying.”(カメ)「次はうまくいくよ。頑張り続けなさい」
- “Don’t worry. You’ll get there.”(カタツムリ)「心配しないで。そのうちできるようになるわ」
- “You need a little more practice.”(ネズミ)「もう少し練習が必要だね」
子どもが何かに挑戦しているとき、親がさりげなくこれらのフレーズを使うだけで、英語が生活の中に自然に溶け込んでいきます。絵本で覚えたフレーズを実生活で使う、という好循環が生まれるきっかけになりますよ。
読み聞かせ動画
日本語訳(全文)
One fine morning, a young click beetle decided to go for a walk.
ある晴れた朝、若いコメツキムシが散歩に出かけることにしました。
At noon, it climbed up and down a flower.
正午、それは花を登ったり下りたりしました。
In the afternoon it rummaged through a pile of pebbles.
午後は、小石の山をあちこち探し回りました。
In the evening, it crawled among the tall blades of grass.
夕方は、背の高い草の間を這って進みました。
And when it turned night, the young click beetle crept up a tree.
そして夜になると、若いコメツキムシは木の上にそっと登りました。
After a while, it got tired and fell to the ground.
しばらくすると、疲れ果てて地面に落ちてしまいました。
It landed on its back.
それは仰向けに着地しました。
The young click beetle tried very hard to turn over onto its feet, but it couldn’t. “Help?” it cried.
若いコメツキムシは一生懸命足で立ち上がろうとしましたが、できませんでした。「助けて?」と、それは叫びました。
All along, a wise old click beetle had been watching the young click beetle.
その間ずっと、賢くて年老いたコメツキムシが、若いコメツキムシを見守っていました。
“Tomorrow morning, I will teach you how to click and flip through the air and land on your feet,” said the wise old click beetle.
「明日の朝、空中で音を鳴らして跳ね返り、足で着地する方法を教えてあげよう」と、賢い年老いたコメツキムシは言いました。
“In the meantime, you may as well go to sleep. Good night!”
「それまでは、もう寝たほうがいい。おやすみなさい!」
The next morning, the wise old click beetle said, “Look at me. This is how it is done.”
翌朝、賢い年老いたコメツキムシが言いました。「私を見ていなさい。こうやるんだよ」
First, it turned onto its back.
まず、それは仰向けになりました。
And then, with a loud click…
それから、大きなカチッという音とともに……
…it flipped through the air and landed on its feet.
……空中でひっくり返り、足で着地しました。
“Now you try it,” said the wise old beetle.
「さあ、やってごらん」と、賢い年老いた虫は言いました。
“Thank you. That looks easy,” replied the young click beetle.
「ありがとう。簡単そうですね」と、若いコメツキムシは答えました。
Just then an earthworm stuck his head up out of the ground.
ちょうどその時、ミミズが地面から頭を突き出しました。
“Look at me,” said the young click beetle.
「僕を見てて」と、若いコメツキムシは言いました。
And with a loud click…
そして、大きなカチッという音とともに……
…it flipped through the air. But it landed on its back.
……空中でひっくり返りました。しかし、仰向けに着地してしまいました。
“How very clumsy of me,” said the young click beetle.
「なんて不器用なんだろう」と、若いコメツキムシは言いました。
Just then, a turtle ambled by.
ちょうどその時、カメがゆっくりと通りかかりました。
“Better luck next time,” said the turtle. “Keep trying.”
「次はうまくいくよ」と、カメは言いました。「頑張り続けなさい」
“Look at me,” said the young click beetle.
「僕を見てて」と、若いコメツキムシは言いました。
And with a loud click…
そして、大きなカチッという音とともに……
…it flipped through the air. But it landed on its back.
……空中でひっくり返りました。しかし、仰向けに着地してしまいました。
“How very clumsy of me,” said the young click beetle.
「なんて不器用なんだろう」と、若いコメツキムシは言いました。
Just then, a snail slithered by.
ちょうどその時、カタツムリがずるずると通りかかりました。
“Don’t worry,” said the snail. “You’ll get there.”
「心配しないで」と、カタツムリは言いました。「そのうちできるようになるわ」
“Look at me,” said the young click beetle.
「僕を見てて」と、若いコメツキムシは言いました。
And with a loud click…
そして、大きなカチッという音とともに……
…it flipped through the air. But it landed on its back.
……空中でひっくり返りました。しかし、仰向けに着地してしまいました。
“How very clumsy of me,” said the young click beetle.
「なんて不器用なんだろう」と、若いコメツキムシは言いました。
Just then, a mouse scurried by.
ちょうどその時、ネズミがちょこちょこと通りかかりました。
“You need a little more practice,” said the mouse.
「もう少し練習が必要だね」と、ネズミは言いました。
“Look at me,” said the young click beetle.
「僕を見てて」と、若いコメツキムシは言いました。
And with a loud click…
そして、大きなカチッという音とともに……
…it flipped through the air. But it landed on its back.
……空中でひっくり返りました。しかし、仰向けに着地してしまいました。
Just then, oh, what was this? The young click beetle had never seen anything so big. It could not move! It was scared.
ちょうどその時、おや、これは何でしょう?若いコメツキムシは、これほど大きなものを一度も見たことがありませんでした。それは動けませんでした!怖かったのです。
“Quick, click and flip!” cried the wise old click beetle who was watching.
「早く、音を鳴らして跳ねるんだ!」見守っていた賢い年老いたコメツキムシが叫びました。
And the young click beetle clicked and flipped through the air. But this time it did three graceful somersaults and…
そして若いコメツキムシは、音を鳴らして空中で跳ね上がりました。しかし今度は、優雅に三回転宙返りをして、そして……
…landed on its feet.
……足で着地しました。
“Look at you!” shouted the wise old click beetle. “You have done it!”
「よくやった!」と、賢い年老いたコメツキムシは大声で言いました。「ついにやり遂げたな」
まとめ
虫好きの子どもにぴったりな英語絵本を探しているなら、エリックカールの「The Very Clumsy Click Beetle」はぜひ手に取ってほしい一冊です。コメツキムシという個性的な昆虫を主人公に、繰り返しのリズムで英語表現が自然と身につき、励ましのフレーズは日常会話にもそのまま使えます。何より「何度失敗しても、諦めなければいつか必ずできる」というメッセージが、子どもの心にまっすぐ届く物語です。
読み終えたあと、お子さんが「もう一回!」と言いたくなる、そんな絵本だと思います。他にもエリックカールの英語絵本をご紹介しています。気になる作品があればぜひのぞいてみてください。