ハロウィンの絵本というと、魔女やおばけが出てくる、ちょっと怖いお話を思い浮かべます。
でも『The Little Old Lady Who Was Not Afraid of Anything』の面白さは、怖さだけではありません。
森の中を歩くおばあさんの前に現れるのは、大きな靴、ズボン、シャツ、手袋、帽子。そして、それぞれが音を立てたり、体を動かしたりしながら後ろをついてきます。
clump clump、wiggle wiggle、shake shake…
読んでいるうちに、聞くだけではちょっともったいなくなってくる絵本です。
手をたたいたり、体を揺らしたり。英語の音に合わせて親子で動いてみると、読み聞かせがぐっと楽しくなります。
ハロウィンの季節に、英語を「意味」だけでなく「音と動き」で楽しみたいときにぴったりの一冊です。
絵本の基本情報
| タイトル | The Little Old Lady Who Was Not Afraid of Anything |
|---|---|
| 作者 | Linda Williams |
| イラスト | Megan Lloyd |
| ページ数 | 32ページ |
| 対象 | 幼児〜小学校低学年くらい |
| ジャンル | ハロウィン・英語絵本 |
『The Little Old Lady Who Was Not Afraid of Anything』はどんなお話?
タイトルをそのまま訳すと、「何も怖くなかった小さなおばあさん」といった意味になります。
主人公は、その言葉どおり「私は何も怖くない」というおばあさん。
ある風の強い午後、おばあさんはハーブや木の実などを集めるため、森へ出かけます。
長い時間歩いているうちに辺りは暗くなり、家へ帰ることに。
すると道の真ん中に、大きな靴が二つ。
靴はclump clumpと音を立てます。
でも、おばあさんはひるみません。
「どいて。あなたたちなんか怖くないわ」
そう言って先へ進みます。
ところが、その靴は後ろからついてきました。
さらにズボン、シャツ、手袋、帽子…。
歩けば歩くほど仲間が増え、それぞれ違った動きをしながらおばあさんを追いかけてきます。
そして最後に現れたのは、大きなオレンジ色のかぼちゃの頭。
さすがのおばあさんも、今度は走り出します。
怖がらせたいものたちと、「怖くない」と言い続けるおばあさん。このあと、ちょっと面白い形で話がまとまっていきます。
音と動きがひとつずつ増えていく
この絵本で一番楽しいのが、追いかけてくるものが増えるたびに、英語の音や動きも増えていくところです。
靴はclump clump、ズボンはwiggle wiggle、シャツはshake shake。ページを進むごとに、音と動きがひとつずつ増えていきます。
手袋はclap clap。
帽子はnod nod。
そして、かぼちゃの頭はboo boo。
最初は一つだった音が、ページを進むごとにどんどん長くなっていきます。
「次は何が増えるかな」と待っているうちに、同じ英語を何度も耳にすることになるんですね。
小さい子なら、意味を全部説明しなくても大丈夫。
wiggleで体をくねくね。shakeで体をぶるぶる。clapで手をパンパン。
そんなふうに動きをつけると、英語と意味が自然につながってきます。
この絵本で注目したい英語
「何も怖くない」と伝える表現
afraid は「怖がって」「恐れて」という意味。
おばあさんは、次々と現れる靴や服に向かってこの言葉を繰り返します。
さらにタイトルでは、was not afraid of anything と anything が使われています。
ここでは「何も怖がらなかった」という意味になります。
同じ afraid がタイトルと物語の中で何度も出てくるので、絵本を読み終わるころには耳に残りやすい表現です。
be afraid of ~ で「~を怖がる」という形になります。
練習例文:I’m afraid of spiders.(私はクモが怖い)
練習例文:I’m not afraid of dogs.(私は犬を怖がらないよ)
「道をあけて」と言う表現
おばあさんが道をふさぐ靴や服に向かって言う言葉です。
get out of my way は「私の道をあけて」「そこをどいて」といった意味。
かなりはっきりした言い方ですが、この場面では、おばあさんの「私は怖くない」という強さがよく伝わります。
way には「道」という意味があります。my way は「私が進む道」。そこから Get out of my way. で「私の進むところからどいて」という感覚になります。
動きと一緒に覚えたい英語
この絵本では、単語を日本語に置き換えるより、実際に動いてみるほうが分かりやすいものがたくさん出てきます。
wiggle は、くねくね動く。
shake は、振る・揺らす。
clap は、手をたたく。
nod は、うなずく。
文字だけを見ると少し覚えにくい単語でも、動きと一緒なら意味をつかみやすくなります。「nodって何だっけ?」となったとき、帽子がぺこぺこと動く場面を思い出せれば、それも立派な覚え方です。
だんだん長くなる繰り返しも読み聞かせの楽しみ
物語の途中からは、それまでに登場したものがまとめて何度も繰り返されます。
靴が音を立て、ズボンが動き、シャツが震え、手袋が手をたたき、帽子がうなずく。
読み聞かせでは、この部分がひとつの山場。
最初から全部言える必要はありません。
「clapのところだけ一緒にやってみよう」「次にwiggleが出たら動いてみよう」くらいでも十分です。
慣れてくると、子どものほうから先に動き出すかもしれません。
英語を暗記するというより、物語の中で何度も同じ音に出会う。その繰り返しが、この絵本のいいところです。
怖がらせたいのに、怖がってくれない
追いかけてきた靴や服たちには、ちゃんと目的があります。
おばあさんを怖がらせたいのです。
ところが、おばあさんは簡単には怖がってくれません。
「私を怖がらせることはできない」と言われ、今度はかぼちゃの頭がしょんぼり。
ここで、おばあさんはひとつのアイデアを思いつきます。
そして翌朝。
昨日までおばあさんを追いかけていた靴や服、かぼちゃの頭は、別の場所で大活躍。
ただ追い払って終わるのではなく、「怖がらせる力」を別の役割に使ってしまいます。怖いものを倒す話とは、少し違った終わり方です。
読み聞かせ動画で英語の音を聞いてみよう
この絵本は、文字だけで読むより、英語の読み聞かせを一度聞いてみると印象がかなり変わります。
特に、clump clump、wiggle wiggle、shake shake、clap clap、nod nod の部分。
声の強弱やリズムがつくと、それぞれの動きがずっと分かりやすくなります。
今回紹介する読み聞かせ動画はこちらです。
わが家で子どもと英語に取り組んでいたころも、YouTubeの読み聞かせはよく利用していました。
目的のひとつは、ネイティブの発音や英語のリズムを何度も耳にすること。
最初から全部聞き取る必要はなく、絵本で知っている話を英語で繰り返し聞くことで、「この場面でこの音なんだ」と少しずつ耳が慣れていきます。
最近のYouTubeでは、動画によっては設定の「音声トラック」から日本語を選べるものもあります。
今回のような動画なら、まず日本語音声で物語を楽しんでから、もう一度英語に戻して聞いてみるのもひとつの方法。
内容が分かった状態なら、英語の音やリズムにも意識を向けやすくなります。
※音声トラックの種類は動画や視聴環境によって異なります。
親子で動きながら読むともっと楽しい
この絵本は、椅子に座って静かに読むだけでなく、少し体を動かしてみるのがおすすめです。
- 靴なら足踏み
- ズボンなら腰をくねくね
- シャツなら体を揺らす
- 手袋なら拍手
- 帽子ならうなずく
全部やったら、なかなか忙しい(笑)。
でも、その忙しさもこの本の楽しさです。
最後には、「どの動きが一番好きだった?」「次に何かが追いかけてきたら、どんな音がしそう?」と、自分たちで新しい英語の音や動きを考えてみるのも面白そうです。
まとめ
『The Little Old Lady Who Was Not Afraid of Anything』は、ハロウィンらしい少し不気味な雰囲気を楽しみながら、英語の音や動きにも自然と触れられる絵本です。
clump、wiggle、shake、clap、nod。
どれも、絵を見たり体を動かしたりすることで意味が伝わりやすい言葉ばかり。
そして「I’m not afraid of you.」という繰り返しも、物語を追っているうちに耳に残ってきます。
ハロウィンの時期に、親子で声を出したり体を動かしたりしながら読める一冊。
読み終わったあとも、しばらく家の中で「clump clump」が聞こえてくるかもしれません。