こんにちは!
「ジャックと豆の木」のお話に出てくる巨人って、ちょっぴり怖くて、わがままなイメージがありませんか?「人間を食ってやるー!」なんて追いかけてきたりして、子供心にドキドキしたものです。
どうも昔から、物語に出てくる巨人というのは、決まって食いしん坊で、いばりんぼうなことが多いみたいですね。
今日ご紹介する英語絵本『The hungry giant』に出てくる巨人も、ご多分に漏れず、お腹をペコペコに空かせた、とーってもわがままな巨人なんです。
ここでは『The hungry giant』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
あるところに、お腹を空かせた大きな巨人がいました。
「パンが欲しいぞ!今すぐパンを持ってこい!さもないと、この大きなトンカチで叩くぞ!」
巨人がそう吠えると、人々は怖がって、大急ぎでパンを走って取りに行きます。パンを手に入れると、巨人は次に「バターを持ってこい!」、そして「ハチミツを持ってこい!」と、次から次へと命令します。
人々は巨人を恐れるあまり、必死になって走り回り、ハチミツを探します。そして、ようやく見つけた「あるもの」を、巨人の元へと運びました。
「おぉ、これがハチミツか!」
人々が差し出したものを見た巨人は、それがハチミツではないと分かると、カンカンに怒って、持っていたトンカチでそれを思いっきり叩きつけてしまいます。その瞬間、中から飛び出してきたのは…!
さて、わがままな巨人を襲った、思わぬ悲劇(喜劇?)とは、一体なんだったのでしょうか。
英語学習のポイント
この絵本は、シンプルな命令文の繰り返しが特徴で、英語の基本的な構文を自然に学ぶことができます。今回は、巨人のいばりんぼうなセリフから、覚えておくと便利なフレーズを2つご紹介しますね。
Get me…
これは、巨人が人々に命令する時に何度も使うフレーズです。「私のために〜を持ってこい」「〜を取ってよこせ」という、かなり強い命令の言葉です。
これをものすごくざっくりいうと、「(有無を言わさず)〜を取って!」という、ちょっと上から目線のニュアンスになります。
家族や親しい友達の間で、冗談っぽく「”Get me that remote.”(そのリモコン取って!)」なんて言うことはありますが、基本的にはお店などで使う丁寧な表現ではないので、使う相手や場面には少しだけ注意が必要かもしれませんね。物語の巨人のキャラクターを、とてもよく表している一言です。
例文:
“Get me a glass of water, please.”(お水を一杯持ってきてください。)※pleaseをつけると少し丁寧になります。
“Could you get me the newspaper from the table?”(テーブルの上から新聞を取ってくれる?)
roar
「吠える」と訳されるこの単語は、もともとはライオンなどが「ガオーッ!」と吠える様子を表す言葉です。でも、この絵本のように、人が大声で怒鳴ったり、わめいたりする時にも使われます。
これをものすごくざっくりいうと、「怒りにまかせて、唸るように叫ぶ」という感じです。
ただ大声を出す “shout” とは違い、”roar” には、聞いている人が恐怖を感じるような、野性的で荒々しいニュアンスが含まれます。巨人の怖さと、お腹が空いて不機嫌な様子が、この一語で伝わってきますね。
例文:
“The manager roared at him for being late.”(上司は、彼が遅刻したことに激怒して怒鳴りつけた。)
“Don’t roar at me! I’m doing my best.”(そんなに怒鳴らないでよ!一生懸命やってるんだから。)
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
“I want some bread!” roared the giant.
「パンがほしい!」と、巨人は大声でほえた、
“Get me some bread, or I’ll hit you with my bommy
knocker.”
「私のためにいくらかのパンをとってきなさい、さもなければ、ハンマーでたたくぞ。」
So the people ran and ran and got the Giant some bread.
そこで人々は走りに走って、巨人のパンを手に入れました。
“I want some butter!” roared the Giant.
「バターがほしい!」 巨人は吠えた。
“Get me some butter, or I’ll hit you with my bommy knocker.
「私のためにいくらかのバターをとってきなさい、さもなければ、ハンマーでたたくぞ。」
So the people ran and ran and got the Giant some butter .
そこで人々は走りに走って、巨人のバターを手に入れました。
“I want some honey roared the Giant.
「ハチミツがほしい!」 巨人は吠えた。
“Get me some honey, or I’ll hit you with my bommy knocker.”
「私のためにいくらかのハチミツをとってきなさい、さもなければ、ハンマーでたたくぞ。」
So the people ran and ran.
そこで人々は走りに走った。
They looked everywhere for honey.
彼らはあちこちハチミツを探しました。
“I want some honey!” roared the Giant.
「ハチミツがほしい!」 巨人は吠えた。
“Get me some honey!”
「私のためにいくらかのハチミツをとってきなさい!」
“Get me some honey, or I’ll hit you with my bommy knocker!”
「私のためにいくらかのハチミツをとってきなさい、さもなければ、ハンマーでたたくぞ。」
The people found a beehive.
人々はハチの巣を発見した。
“Ah! Here is some honey,” they said, and they
took it to the Giant.
「ああ、ハチミツがあります」と彼らは言い、そしてそれを巨人に渡した。
“Here is some honey,” they said.
「ここに多少ハチミツがある」と彼らは言った。
The giant looked at the beehive.
巨人は蜂の巣を見た。
“That’s not honey!” he said, and he hit it with his bommy knocker.
「それは蜂蜜ではない!」 彼は言った、そして彼はトンカチでそれを打った。
The bees zoomed out.
ハチはブーンと飛び出した。
They zoomed after the Giant.
それは巨人の後をブンブン音を立てて追いかけた。
“Ow!” he roared, and he ran and ran,
「おぅ!」彼は吠えた、そして走って走った。
“Ow, ow, ow!”
「おぅ!」「おぅ!」
all the way home.
家までずっと。
最後に:わがままは、いつか自分に返ってくる
というわけで、今回は『The hungry giant』をご紹介しました。
この絵本のスカッとするところは、人々が知恵を絞って巨人に立ち向かう…のではなく、巨人が自分のわがままと乱暴さによって、勝手に痛い目にあってしまうところです。自業自得、という言葉がぴったりですね。
理不尽な要求ばかりしてくる相手に対して、まともに立ち向かうだけが解決策じゃない。時には、相手が勝手に転んでくれるのを待つ、というのも一つの手なのかもしれません(笑)。
わがままを言えば言うほど、自分の首を絞めることになる。そんなちょっぴりブラックな教訓を、この絵本はユーモラスに、そして痛快に教えてくれます。なんだか、日頃のちょっとしたモヤモヤも、笑い飛ばせるような気がしてきませんか?