新しい学校の教室に入った瞬間、周りの視線が一斉にこちらへ向くあの独特の緊張感って、誰しも一度は味わったことがあるのではないでしょうか。
自分の服装や話し方、あるいは持ってきたお弁当の匂いまで、周りのみんなと何かが違っているような気がして、思わず小さくなってしまいたくなる夜もありますよね。
周りと違う自分に少し不安を感じたときや、新しい場所で一歩を踏み出すきっかけが欲しいときに、そっと背中を押してくれる温かい絵本があります。
自分の持ち味や思い出を言葉にして届けることで、目の前の世界が少しずつやさしく広がっていく感覚を味わえる作品ですよ。
ここでは『The Day You Begin』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本の基本情報
| タイトル | The Day You Begin |
|---|---|
| 著者・イラスト | Jacqueline Woodson(著) / Rafael López(イラスト) |
| 出版社 | Nancy Paulsen Books |
| 対象年齢(目安) | 4〜8歳(未就学児〜小学生向け) |
あらすじ
新しい教室のドアを開けたとき、周りのみんなが自分とは全然違うように見えて、不安で立ちすくんでしまうことがあります。
肌の色や話す言葉、食べ物や休みの過ごし方まで、自分だけがみんなと違っているように思えて、自分の声が小さくなってしまうかもしれません。
それでも、自分の小さな出来事や物語を思い切って声に出して伝えてみたとき、不思議な変化が起こります。
あなたの言葉を聞いた誰かが「自分と同じだ」と感じたり、「面白そうだな」と興味を持ってくれたりして、世界が少しずつあなたのために場所を開けてくれるようになるのです。
日常で使える英語表現
① move from … to ~(〜から…へ引っ越す)
新しい場所へ引っ越してきたことを伝えるときや、自分の出身地を説明するときにとてもよく使われる表現です。
わかりやすく言うと、「どこどこからやってきました」と自分のルーツを自己紹介で相手に伝えるための定番フレーズという感じですね。
- move from ~ → 〜から引っ越す
- “We just moved here from Venezuela.” → ベネズエラから引っ越してきたばかりです。
- “They moved from Tokyo to Sapporo last month.” → 彼らは先月、東京から札幌へ引っ越しました。
② long after …(…してからずっと後になっても)
ある出来事が終わった後も、その状態が長く続いている様子を表すときにぴったりのイディオムです。
要するに、「〜し終わった後も、まだまだ長いこと〜していた」という時の流れや余韻を表現したいときに使えますよ。
- long after … → …してからずっと後になっても
- “You can only remember the books you kept on reading long after she’d fallen to sleep.” → 妹が眠りについた後もずっと読み続けていた本のことしか思い出すことができないのです。
- “He stayed at the library long after the class was over.” → 彼は授業が終わった後もずっと長く図書館に残っていました。
③ all at once(一瞬にして / 急に)
物語の展開がガラリと変わる瞬間や、予期せぬことが急に起きたときによく登場するフレーズです。
言い換えるなら、「次の瞬間、一気に」や「突然パッと」というように、一瞬で状況が変化するイメージを持つと理解しやすいですね。
- all at once → 一瞬にして・突然に
- “And all at once, in the room where no one else is quite like you, the world opens itself up a little wider.” → すると一瞬にして、自分と似た人が誰もいなかったその部屋で、世界がほんの少し広く開かれます。
- “All at once, the light went out and the room became dark.” → 一瞬にして明かりが消え、部屋が暗くなりました。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Maybe it will be your skin your clothes or the curl of your hair.
それはあなたの肌の色かもしれないし、服かもしれないし、髪のウェーブかもしれない。
the beautiful language of the country you left behind.
“My name is Rigoberto. We just moved here from Venezuela.”
And because they don’t understand, the classroom will fill with laughter until the teacher quiets everyone.
あなたがあとにした国の美しい言葉を、誰も理解してくれない、そんなときがあるでしょう。
「ぼくの名前はリゴベルト。ベネズエラから引っ越してきたばかりです」
みんな理解できないから、先生が全員を静かにさせるまで、教室は笑い声でいっぱいになるでしょう。
your teacher says, so soft and beautifully that your name and homeland sound like flowers blooming, the first bright notes of a song.
先生はとても優しく美しく言うので、あなたの名前と故郷がまるで咲き誇る花や、曲の最初の明るい音色のように響きます。
When the teacher asks, “What did you do last summer?
Tell the class your story.”
“We went to France,” Chayla says.
“These shells came from a beach in Maine.”
A boy named Jonathan holds out a jar filled with tiny shells so fragile, they look like they’ll turn to dust in your own untraveled hands.
“My whole family went to India, Spain, South Carolina.”
Each souvenir a small triumph of a journey.
Their travels going on and on.
先生が「この前の夏休みは何をしたの?
クラスのみんなにあなたのお話を聞かせて」と尋ねるとき。
「フランスに行ったよ」とチャイラが言う。
「この貝殻はメイン州の海岸で拾ったんだ」
ジョナサンという男の子が、どこにも旅行に行ったことのないあなたの手の中で粉々になってしまいそうなほど、とても小さくて脆い貝殻で満たされた瓶を差し出します。
「家族みんなでインド、スペイン、サウスカロライナに行ったんだ」
どのお土産も、旅の小さな勝利の証。
みんなの旅の話はどこまでも続きます。
and your days spent at home caring for your little sister,
who made you laugh out loud and hugged you hard at nap time.
You can only remember the books you kept on reading long after she’d fallen to sleep.
家で妹の面倒を見て過ごした日々、
声を上げて笑わせてくれたり、お昼寝の時間にぎゅっと抱きしめてくれた妹のことを思い出すことしかできません。
妹が眠りについた後もずっと読み続けていた本のことしか思い出すことができないのです。
And you’ll wonder how she doesn’t see the rice beneath the meat and kimchi.
You’ll wonder why she doesn’t remember that rice is the most popular food in the world.
お肉とキムチの下にお米があるのがどうして分からないんだろう、とあなたは不思議に思うでしょう。
お米が世界で一番食べられている食べ物だということを、どうして覚えていないんだろうと思うでしょう。
“I don’t want him on our team.”
“You can watch. Maybe you can have a turn later.”
「あいつをうちのチームに入れたくないな」
「見てていいよ。後で順番が来るかもしれないし」
and no one there is quite like you, until the day you begin to share your stories.
“My name is Angelina and I spent my whole summer with my little sister,”
you tell the class, your voice stronger than it was a minute ago,
“Reading books and telling stories, and even though we were right on our block it was like we got to go everywhere.”
自分と似た人が誰一人いない、そんなときがあるでしょう。あなたが自分の物語を分かち合い始めるその日までは。
「私の名前はアンジェリーナ。夏休みは丸ごと妹と一緒に過ごしました」と、
あなたはクラスに話します。一分前よりも強くなった声で。
「本を読んだり、お話を作ったりして、近所にいただけだったけれど、まるでどこへでも行けたみたいでした」
“Her name is Angelina, too.”
And all at once, in the room where no one else is quite like you, the world opens itself up a little wider to make some space for you.
「妹の名前もアンジェリーナっていうんだ」
すると一瞬にして、自分と似た人が誰もいなかったその部屋で、世界がほんの少し広く開かれ、あなたのための場所を作り出します。
where every new friend has something a little like you, and something else so fabulously not quite like you at all.
新しい友達一人ひとりがあなたと少し似ているところと、まったく違っていてとても素晴らしいところの両方を持っている場所を見つけ始める日なのです。
まとめ
最初は「周りと違って自分だけ一人ぼっちかも」と感じていても、ほんの少しの勇気を出して自分の話を開いてみることで、新しい繋がりや居場所が見つかることを優しく教えてくれる絵本です。
自分らしさを大切にしながら一歩を踏み出すきっかけをくれるこの作品を、ぜひお子様と一緒に開いて、温かいストーリーと素敵な英語表現を楽しんでみてくださいね。