学校のバザーやイベントで、子どもたちが一生懸命にお菓子を準備する姿ってとても微笑ましいですよね。でも、もしクラス全員がまったく同じお菓子を作ってきたらどうでしょう?
今回ご紹介する絵本は、言葉通りの勘違いから生まれるユーモアや英語ならではの面白いイディオム(慣用句)がたくさん詰まった、クスッと笑えて心が温まるお話です。
ここではAmelia Bedelia Takes the Cakeの簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本の基本情報
| タイトル | Amelia Bedelia Takes the Cake |
|---|---|
| 著者・イラスト | Herman Parish (著), Lynx Onyx (イラスト) |
| 出版社 | HarperCollins |
| 対象年齢(目安) | 4〜8歳(Level 1 I Can Read) |
あらすじ
アメリア・ベデリアのクラスでは、学校の図書館に新しい本を買うための資金集めとして「ベイクセール(手作りお菓子のバザー)」を開くことになりました。みんなそれぞれのお菓子を持ち寄るはずが、なんと全員がブラウニーを作ってきてしまいます!
山積みのブラウニーを前に困り果てるみんなですが、アメリア・ベデリアのユニークなひらめきによって、状況は一変します。会話に登場するちょっと不思議なイディオムの勘違いや、素敵なアイデアでピンチを乗り越える様子がユーモアたっぷりに描かれています。
英語学習のポイント
① 「素晴らしい・完璧だ」を伝える「take the cake」
先生が「this takes the cake」と言う場面がありますが、これは文字通り「ケーキを持っていく」という意味ではありません。日常会話でよく使われるイディオム(慣用句)で、「最高だ」「(良い意味でも悪い意味でも)飛び抜けている」という意味になります。アメリア・ベデリアが言葉通りに受け取ってしまうコミカルなやり取りを通して、印象深く覚えていただけますよ。
- take the cake → 最高である、ズバ抜けている
- “I’ve seen lots of mixups, but this takes the cake.” → これまでたくさんの勘違いを見てきたけれど、これは段違いね。
- “Her performance really takes the cake.” → 彼女のパフォーマンスは本当に飛び抜けて素晴らしいです。
② 「両方は手に入らない」を意味する「have one’s cake and eat it, too」
「You can’t have your cake and eat it, too」という表現は、英語圏でとてもよく知られた有名なイディオムです。「ケーキをそのまま手元に残しておきながら、同時に食べてしまうことはできない」ということから、「都合よく両方を手に入れることはできない」という意味になります。何かを選ぶときに使える知っておくと便利な表現です。
- have one’s cake and eat it, too → 両方の良いとこ取りをする、都合よく両立させる
- “You can’t have your cake and eat it, too.” → 両方を手に入れる(ケーキを残しながら食べる)ことはできないのですよ。
- “You have to choose one. You can’t have your cake and eat it, too.” → どちらか一つを選ばなければなりません。両方を手に入れることはできませんよ。
③ 同じだけど少し違う「same, but also not the same」
作品の中で、ズラリと並んだブラウニーを見てお友達が「They are the same, but also not the same.」と表現する素敵なシーンがあります。「同じ種類だけど、形や焼き色が一つひとつ違う」という状態を、とてもシンプルで自然な英語で表現しています。日常のふとした発見を伝えるときに真似したくなるフレーズですね。
- same, but also not the same → 同じだけど、どこか違う
- “They are the same, but also not the same.” → みんな同じなのに、同じじゃないんだ。
- “These two pictures look the same, but also not the same.” → この2枚の絵は同じように見えますが、どこか違いますね。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
The bake sale would raise money to help the library at their school buy new books.
そのベイクセールは、学校の図書館が新しい本を買うための資金を集めるものでした。
Amelia Bedelia thought everything Angel ate was angel food.
アメリア・ベデリアは、エンジェルが食べるものは何でもエンジェル・フードなのだと思っていました。
Of course, said Amelia Bedelia.
She was excited to share the super chewy brownies she had made.
もちろんね、とアメリア・ベデリアは言いました。
彼女は、自分が作った超モチモチのブラウニーをみんなと分かち合うのを楽しみにしていました。
So did Dawn and Holly and Heather.
Teddy and Clay brought brownies, too.
So did the rest of the class.
“Guys,” said Chip, “this is a bake sale, not a brownie festival.”
ドーン、ホリー、ヘザーも同じように持ってきました。
テディとクレイもブラウニーを持ってきました。
クラスの他の全員も同じでした。
「みんな」とチップが言いました。「これはベイクセールであって、ブラウニー・フェスティバルじゃないよ」
“My goodness,” she said, “I’ve seen lots of mixups, but this takes the cake.”
“Please do not take our cake,” said Amelia Bedelia, “it’s the only one we’ve got.”
「まああきれた」と先生は言いました。「これまでたくさんの勘違いを見てきたけれど、これは段違いね(これはケーキを持っていってしまうわね)」
「お願いですから私たちのケーキを持っていかないでください」とアメリア・ベデリアは言いました。「私たちが持っているのはそれ一つだけなんです」
“I have plans for it.”
“Thank you,” said Angel.
She put the money from Miss Edwards in the big glass jar.
“Go ahead and get set up,” said Miss Edwards.
“I’ll be back.”
「使い道があるの」
「ありがとうございます」とエンジェルが言いました。
彼女はエドワーズ先生からのお金を大きなガラス瓶に入れました。
「準備を進めてね」とエドワーズ先生は言いました。
「また戻ってくるわ」
“Maybe we should put out a few at a time,” said Dawn.
「一度に少しずつ並べたほうがいいかも」とドーンが言いました。
“That looks weird,” said Wade.
“We did a lot of baking, but I do not think we will sell a lot.”
“I know,” said Amelia Bedelia, “let’s put them all out at once.”
「それ、なんか変だよ」とウェイドが言いました。
「たくさん焼いたけど、あんまり売れない気がする」
「そうだわ」とアメリア・ベデリアは言いました。「全部一度に並べちゃいましょう」
They were all about the same size, but the light cakey ones were tall.
The dark chewy ones were short.
どれもだいたい同じ大きさでしたが、色の薄いケーキ風のものは背が高く、
色の濃いモチモチしたものは背が低いものでした。
Others were smooth and flat.
Teddy had put icing on his batch.
Holly had dusted her batch with powdered sugar.
他にはなめらかで平らなものもありました。
テディは自分のブラウニーにアイシングをかけていました。
ホリーは自分のブラウニーに粉砂糖を振っていました。
“That looks amazing,” said Penny.
“I’ve never seen so much chocolate.”
“It’s cool,” said Skip.
“They are the same, but also not the same.”
「すごくおいしそう」とペニーが言いました。
「こんなにたくさんのチョコレート、見たことないわ」
「かっこいいな」とスキップが言いました。
「みんな同じなのに、同じじゃないんだ」
“Too bad we can’t make one big brownie,” he said.
“We could set a world record for biggest brownie.”
「一つの大きなブラウニーにできたらよかったのにな」と彼は言いました。
「世界一大きいブラウニーとして世界記録を出せたのに」
She could see what Cliff saw.
She also saw something else.
She began moving brownies here and there and everywhere.
彼女には、クリフが見ているものが分かりました。
そして、彼女には別のものも見えていました。
彼女はブラウニーをあっちへ、こっちへ、あらゆる場所へと動かし始めました。
“Now that is one big brown ‘E’!,” she said.
「さあ、これで一つの大きな茶色の『E』の出来上がりよ!」と彼女は言いました。
“That is amazing,” said Angel.
「それ、すごいわ」とエンジェルが言いました。
Everyone got to work.
Brownie plus books equals yum!
Biggest brownie in town, spelled with chocolate!
みんなで作業に取りかかりました。
ブラウニー+本=おいしい!
街で一番大きなブラウニー、チョコレートで描かれた文字!
Parents and babysitters stopped by.
So did teachers and bus drivers.
保護者やベビーシッターも立ち寄りました。
先生やバスの運転手さんも同じようにやってきました。
Everyone wanted a taste of the biggest brown ‘E’ in town.
誰もが街で一番大きな茶色の「E」を味わってみたいと思ったのです。
“No, you bought the cake,” said Amelia Bedelia.
“I did,” said Miss Edwards.
“I thought the best bakers in town might like a snack when their work was done.”
「いいえ、先生がケーキを買ったんですよ」とアメリア・ベデリアは言いました。
「そうだったわね」とエドワーズ先生は言いました。
「街で一番のベーカーたちが仕事を終えたとき、おやつを食べたいんじゃないかと思ったの」
She was trying to smile.
“I do like angel food cakes, but I really wanted to try a brownie. We sold out before I got a taste.”
“Well, you can’t have your cake and eat it, too,” said Miss Edwards.
彼女は微笑もうとしていました。
「エンジェル・フード・ケーキも好きだけど、本当はブラウニーを食べてみたかったの。味わう前に売り切れちゃったから」
「まあね、両方を手に入れること(ケーキをそのまま残しながら食べるようなこと)はできないものね」とエドワーズ先生は言いました。
“Good point,” said Miss Edwards.
She cut the cake into even slices.
「いい指摘ね」とエドワーズ先生は言いました。
先生はケーキを均等に切り分けました。
This time they could have their cake and eat it, too!
今度は、ケーキを手にしてみんなで食べることができたのでした!
まとめ
『Amelia Bedelia Takes the Cake』は、クスッと笑えるイディオム(慣用句)の勘違いを通して、生の英語表現に楽しく親しめる素晴らしい絵本です。失敗をユーモアや工夫で乗り越えていくストーリーは、子どもたちに前向きな気持ちも届けてくれます。ぜひ親子で声を出しながら読んで、日常会話で使える面白い表現を発見してみてくださいね。