『Stumpkin』|茎のないカボチャが教えてくれる大切なこと

【ハロウィン英語絵本】『Stumpkin』|茎のないカボチャが教えてくれる大切なこと

こんにちは!

すっかり秋めいて、街がオレンジや紫に彩られる季節になりましたね。子どもたちも「ハロウィンまだ?」なんて、そわそわし始める頃じゃないでしょうか。

キラキラした飾りの一方で、ふと周りと自分を比べて「自分にはあれが足りないな」なんて、ちょっぴり寂しくなる瞬間って、大人でも子どもでも、意外とあったりしませんか。

今日はそんな、「みんなとちょっと違う」という気持ちに、そっと寄り添ってくれるような、優しくて温かいハロウィンの英語絵本『Stumpkin』をご紹介したいと思います。

ここでは『Stumpkin』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

ハロウィンを間近に控えたお店の棚に、たくさんのカボチャが並んでいます。お客さんに選ばれて、窓辺を飾る素敵なジャック・オー・ランタンになることを、みんな夢見ていました。

主人公の「スタンプキン」も、まん無料で、とってもハンサムなカボチャです。でも、彼にはたった一つ、他のカボチャたちと違うところがありました。それは、てっぺんに立派な「茎(stem)」がなく、ちょこんと「切り株(stump)」しかないことでした。

仲間たちが次々と買われていく中、スタンプキンはいつも最後まで残ってしまいます。ハロウィンの夜が近づくにつれ、彼の不安は募るばかり。果たして、スタンプキンは自分の居場所を見つけることができるのでしょうか。

英語学習のポイント

この絵本には、シンプルで日常会話にも使いやすい表現がたくさん出てきます。今回は2つほどピックアップしてみました。

as … as …

これは、「~と同じくらい…だ」と、何かと何かを比べる時に使える表現です。文法的には「同等比較」なんて呼ばれたりしますが、要するに「どっちも同じくらいすごいよ!」って言いたい時に便利なんです。

絵本の中では、スタンプキンの素晴らしさを伝えるために、こんな風に使われています。

He was a handsome pumpkin – as orange as a traffic cone.

(彼はハンサムなカボチャで、交通整理のコーンみたいにオレンジ色をしていました)

He was as big as a basketball.

(彼はバスケットボールと同じ大きさでした)

お子さんとの会話でも、「You are as cute as a kitten!(子猫ちゃんみたいにかわいいね!)」なんて自然に使えますよ。

change one’s mind

こちらは、「気が変わる」や「考えを変える」という意味のイディオムです。言い換えるなら、「さっきまでこう思ってたけど、やっぱりやめた!」という感じです。

一度は赤ちゃんに選んでもらえたスタンプキンでしたが、残念ながらこんな展開になってしまいます。

And the baby changed his mind.

(そして赤ちゃんは気が変わりました)

日常でも、「I changed my mind. Let’s have pasta for dinner.(やっぱり気が変わった。夜ご飯はパスタにしよう)」みたいに、とてもよく使うフレーズなので、覚えておくと便利ですよ。

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

It waa few days before Halloween.
ハロウィンの数日前でした。

Outside a little shop in a big city a shopkeeper placed some pumpkins on the shelves.
大都会の小さな店の外に、店主が何個かのカボチャを棚に並べていました。

 

A girl came and looked at the pumpkins.
女の子が来て、カボチャを見ました。

When she was done, she picked one up and carried it away.
そして、その1つを手に取り、持ち帰った。

The other pumpkins were worried after their friend.
他のかぼちゃたちは、友達のその後を心配していました。

But later they spotted him across the street and way up high.
しかし、その後、彼らは通りの向こう側、ずっと高いところにいる彼を見つけた。

 

He was a Jack-o-Lantern!
彼はジャック・オー・ランタンになったのです。

Beneath his lovely stem he now had two triangle eyes , a nose, and a giant toothy smile.
かわいい茎の下には、2つの三角形の目、鼻、そして巨大な歯を見せた笑顔がありました。

He had a new home.
彼は新しい家を手に入れました。

A perch all to himself high above the street.
通りを見下ろす高台に、自分だけの場所ができたのです。

What more could anyone want thought the pumpkins.
カボチャたちは、これ以上望むものはないだろうと思いました。

They were thrilled for their friend.
カボチャたちは、友達のために大喜びしました。

And thrilled that they, too, might one day be a Jack-o-Lantern.
そして、自分たちもいつかジャック・オ・ランタンになれるかもしれないと、わくわくしていました。

 

they were all happily lost in thought, imagining themselves as jack-o-lanterns, when one pumpkin realized something was very wrong.
彼らは皆、ジャック・オ・ランタンになったつもりで 幸せな気持ちで物思いにふけっていました。

その時、一人のかぼちゃが、何かおかしいと気づきました。

 

Poor little pumpkin.
かわいそうなカボチャ

poor little stemless pumpkin.
かわいそうに 茎のないカボチャ

With just a stump, not a stem.
茎がなく切り株だけで

Poor little .. Stumpkin.
かわいそうな……かぼちゃ

Still there was plenty to like about Stumpkin.
それでもスタンプキンの好きなところはたくさんありました。

He was a handsome pumpkin – as orange as a traffic cone.
彼はハンサムなカボチャで、交通整理のコーンみたいにオレンジ色をしていました

He was as big as a basketball – and twice as round!
バスケットボールと同じ大きさで、2倍も丸かった。

Stem-sham!
茎がない!

Who knows?
どうでしょう?

Some people might even prefer a stemless pumpkin.
茎のないカボチャが好きな人もいるかもしれませんね。

 

Days passed and more people came.
日が経ち、さらに多くの人がやってきました。

Some pumpkins left.
いくつかのカボチャが去りました。

 

Some pumpkins stayed.
いくつかのカボチャが残りました。

 

It wasn’t yet Halloween.
まだハロウィンではありませんでした。

There were still plenty of windows that needed jack-o-lanterns.
ジャック・オ・ランタンを必要とする窓はまだたくさんありました.

 

Who would be lucky enough to take home Stumpkin!
スタンプキンを家に持ち帰れるのは誰でしょうか!

As orange as … an orange!
オレンジのように… オレンジ!

As big as a basketball!
バスケットボールと同じ大きさ!

Round!
まるい!

He was very nearly the perfect pumpkin.
彼はほぼ完璧なカボチャでした。

Very nearly Truly!
ほぼ本当に!

 

The next day new people came.
次の日、新しい人たちがやってきた。

 

And the shopkeeper’s cat settled on Stumpkin’s smooth top.
そして、店主の猫は、スタンプキンのつるつるした上半身に落ち着きました。

Then it happened – a brilliant baby chose Stumpkin!
そして、素晴らしい赤ちゃんがスタンプキンを選びました。

Until a bad dog ruined it.
しかし、悪い犬がそれを台無しにしました。

And the baby changed his mind.
そして赤ちゃんは気が変わりました。

Oh well, thought Stumpkin.
そうか、とスタンプキンは思った。

 

It was the day of Halloween.
ハロウィン当日でした。

There were still a few empty windows.
まだいくつかの空の窓がありました。

 

Two were left on the shopkeeper’s shelf.
店主の棚に2つ残っていた。

a boy came.
男の子がやってきました。

And when the boy left…
そして、その少年が去ると…

 

Stumpkin remained.
スタンプキンは残った。

The gourd? thoughts Stumpkin.
ひょうたんは?スタンプキンは考えた。

I guess that’s that.
と、いうことなんでしょうね。

 

It was Halloween night, and the shop had closed.
その日はハロウィンの夜で、店は閉まっていた。

There were no more days left.
もう日がないのだ。

 

The shopkeeper scooped up poor Stumpkin and carried him off.
店主は可哀想なスタンプキンをすくい上げて運び去りました。

 

Stumpkins wouldn’t be getting a window.
スタンプキンが窓を開けることはないだろう。

And he wouldn’t be getting a new home.
そして、彼は新しい家を手に入れることはありませんでした。

He already had a home.
彼にはすでに家がありました。

And that made Stumpkin very, very happy.
そして、それはスタンプキンをとてもとても幸せにしました.

最後に:「そのままで完璧」という温かい視点

というわけで、今回は絵本『Stumpkin』をご紹介しました。

「選ばれること」や「みんなと同じであること」が、幸せのすべてじゃない。この絵本は、そんな当たり前だけど忘れがちな大切なことを、静かに教えてくれる気がします。

スタンプキンが最後に見つけた幸せは、誰かに与えられたものではなく、彼がもともといた場所にありました。自分にしかないもの、自分のいる場所を大切にすること。それこそが、一番の宝物なのかもしれませんね。周りと比べて落ち込みそうな時に、きっと心を軽くしてくれる一冊です。

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