英語絵本「Oh No, GEORGE!」

犬の絵本『Oh No, GEORGE!』読み聞かせ|ダメって言われるとやりたくなる心理

こんにちは!

「これ、触っちゃダメだよ」「おとなしく待っててね」。そう言われると、なぜかムクムクと好奇心が湧いてきて、ついやっちゃった…なんて経験、子どもの頃にありませんでしたか? 私も、なぜか「入るな」と書かれた立て札の向こう側が、とてつもなく魅力的に見えたものです。

大好きな飼い主さんと「いい子にしてる」と約束したのに、次々と現れる誘惑に心が揺れてしまう…。今回は、そんな犬のジョージの、愛らしくも人間味あふれる葛藤を描いた英語絵本『Oh No, GEORGE!』をご紹介します。失敗しちゃうけど、どこか憎めない。そんなジョージの姿に、思わずクスッと笑ってしまいますよ。

ここでは『Oh No, GEORGE!』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

飼い主のハリーがお出かけする前に、ジョージにお願いをします。「Will you be good, George?(いい子にしてられるかい、ジョージ?)」。ジョージは力強く「うん!とってもいい子にしてるよ!」と答えます。

…と、心の中ではちょっぴり(そうだといいな…)なんて思いながら。

一匹でお留守番をしていると、キッチンから甘い香りが…。そこには、おいしそうなケーキが!「いい子でいるって言ったけど…でも、ぼくはケーキが大好きなんだ」。葛藤するジョージ。果たして、彼は誘惑に打ち勝つことができるのでしょうか?

ケーキの次は、大好きな猫ちゃんが登場。その次は、掘りたくてたまらない泥んこ…。次々と現れる魅惑的なトラップに、ジョージの決心はぐらぐら。さて、ハリーが帰ってきた時、お部屋は一体どうなっているのでしょう…?

英語学習のポイント

この絵本は、思わず「あぁ、ジョージ!」と言いたくなるような、ユーモアあふれる展開が魅力です。今回は、親子の会話でもよく登場する、気持ちがこもった2つのフレーズをご紹介します。

Will you be good? 「いい子にしていられる?」

これは、ただ未来を尋ねているだけではありません。学校で習うwillは「〜でしょう」という少しぼんやりした未来のイメージですが、実はもっと「強い意志」を表す時に使われます。

なので、ハリーの「Will you be good?」は、「(絶対に)いい子でいるという意志はあるかい?」という念押しに近いニュアンス

そしてジョージの「I’ll be very good.」も、「(絶対に)いい子でいます!」という固い決意表明なんです。そう思うと、その後の失敗がもっと愛おしく見えてきますよね。

例文:
(出かける前に) I’m going out. Be good! (出かけるからね。いい子にしてなさい!)
I will finish my homework before dinner. (夕食の前に宿題を終わらせるぞ!※強い意志)

how on earth…? 「一体全体どうやって…?」

ハリーが帰宅して、散らかった部屋と空っぽのケーキ皿を見て叫ぶセリフです。これはhowを強調した言い方で、驚きや、信じられない気持ち、時には非難の気持ちを表します。

日本語で言う「一体どうやったら、こんなことになるの!?」という感じです。親が子どもに言ってしまう定番のセリフかもしれませんね。

例文:
How on earth did you get so muddy? (一体どうやったらそんなに泥だらけになるの?)
How on earth did you know my secret? (一体全体どうやって私の秘密を知ったの?)

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Harry is going out.
ハリーは外出しようとしています。

“Will you be good, George?” asks Harry.
“あなたはいい子にしてられる?、ジョージ” ハリーは尋ねる

 

“Yes,” says George.
「はい」とジョージ。

“I’ll be very good.”
「わたしはすごくよくしてるよ」

I hope I’ll be good, George thinks.
私はうまく行けることを願う、とジョージは思った。

George sees something in the kitchen.
ジョージは台所で何かを見つけた。

It’s cake! I said I’d be good, George thinks,
ケーキだ! 私はいい子にしてると言った、とジョージは思った。

but I love cake.
しかし私はケーキが大好きだ

 

What will George do?
ジョージは何をするでしょう?

Oh no, George!
あーダメ ジョージ!

 

What has George seen now?
つぎにジョージは何を見つけたのでしょう?

It’s Cat.
ネコ君です。

I said I’d be good, George thinks,
私はいい子にしてると言った、とジョージは思った。

but I love to play with Cat.
しかし私はネコ君と遊ぶのが大好きだ。

 

What will George do?
ジョージは何をするでしょう?

 

Oh no, George!
あーダメ ジョージ!

What has George seen now?
つぎにジョージは何を見つけたのでしょう?

 

Some lovely dirt!
いくらかのステキな泥土!

I said I’d be good, George thinks,
私はいい子にしてると言った、とジョージは思った。

but I love to dig in dirt.
しかし、私は泥土を掘るのが大好きです。

 

What will George do?
ジョージは何をするでしょう?

 

Oh no, George!
あーダメ ジョージ!

Harry is back.
ハリーが戻った。

“Hello, Harry! Great to see you!”
「やあハリー!会えてすごく嬉しい!」

“George! What have you done?
「ジョージ!あなたは、何をしましたか?

You’ve ruined the place.”
あなたはこの場所を台無しにしている」

 

“And how on earth did you eat a whole cake?”
「そして一体全体どうやって、あなたは全部のケーキを食べましたか?」

 

I said I’d be good, George thinks.
私はいい子にしてると言った、とジョージは思った。

I hoped I’d be good, but I wasn’t.
私はうまく行けることを願った、しかし私はそうではなかった。

 

What will George do?
ジョージは何をするでしょう?

 

“I’m sorry,” George says.
「ごめんなさい」ジョージは言った。

“I want to give you my favorite toy.”
「私はあなたに私のお気に入りのおもちゃを差し出したい」

 

“Thank you, George,” says Harry.
「ありがとう、ジョージ」ハリーは言った。

“Why don’t we go out for a nice walk?”
「私たち、素晴らしい散歩に出かけませんか?」

Great! George loves to go out.
すごい! ジョージはお出かけが大好きです。

There are so many things to see and do.
見るものやすることがとってもたくさんあります。

 

uh-oh. George has seen a cake.
あっ、ジョージはケーキを見つけました。

Will he eat it?
彼はそれを食べるでしょうか?

 

No. George goes straight past.
いいえ。ジョージはまっすぐに通り過ぎて行きました。

Well done, George!
よくできました、ジョージ!

George sees some lovely dirt.
ジョージは素敵な泥土を見つけた。

Will he have a little dig?
彼は少し掘り起こすだろうか?

Well done, George!
よくできました、ジョージ!

 

George doesn’t even try to chase Cat.
ジョージはネコ君も追いかけようとしませんでした。

Even cat is a bit surprised.
猫でさえ少し驚いています。

Something smells very interesting.
何か非常に興味深い匂いがします。

What can it be?
それはいったいなんだろう?

 

It’s a trash can.
ゴミ箱です

There’s nothing George likes more than digging in trash.
ゴミを掘る以上にジョージの好きなものは何もない。

 

What will George do?
ジョージは何をするでしょう?

 

George?
ジョージ?

最後に:失敗しても、何度でもやり直せる

というわけで、今回は絵本『Oh No, GEORGE!』をご紹介しました。

ジョージは、約束を破ってハリーをがっかりさせてしまいます。でも、彼は正直に「ごめんなさい」をして、一番大切なおもちゃを差し出すことで、その気持ちを示しました。そして、ハリーもそんなジョージを許し、一緒にお散歩に出かけます。

この絵本は、「ダメ」とわかっていても衝動を抑えられない子どもの気持ちを、温かく代弁してくれているようです。大切なのは、失敗しないことではなく、失敗した後にどうするか。そして、周りの大人がそれをどう受け止めてあげるか。そんなことを、優しく教えてくれます。

たとえまた失敗しちゃったとしても、大丈夫。そのたびに「ごめんなさい」と「次こそは」を繰り返しながら、みんな大きくなっていくんですね。

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