こんにちは!
子どもの頃って、自分の体に起こるちょっとした変化に、ドキッとした経験はありませんか?
例えば、初めて乳歯がグラグラし始めた時、「え、歯が取れちゃうの!? 大変だ!」って、内心パニックになったり。
大人の私たちから見れば「なーんだ、そんなことか」と笑ってしまうようなことでも、子どもにとっては一大事だったりするんですよね。
親としては、そういう子どもの不安な気持ちに、どう寄り添ってあげたらいいのかなって、ちょっと考えちゃうこともありますよね。あんまり心配しすぎても良くないし、かといって「大丈夫、大丈夫!」だけじゃ、子どもの気持ちは置き去りにされちゃうかもしれません。
今日は、そんな子どもの純粋で、ちょっぴりオーバーな(でも、だからこそ愛おしい!)心配事をユーモラスに描いた英語絵本『Parts』をご紹介したいと思います。
ここでは『Parts』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
物語の主人公は、なんだかとても困った顔をしている男の子。どうやら彼の体には、次から次へと「とんでもないこと」が起こっているようなのです。
それは3日前のこと。ふとクシを見ると、数本の髪の毛が…!「まだ5歳なのに、僕、ハゲちゃうの!?」と、彼は大きなショックを受けます。それだけではありません。
ある日、シャツをめくると、お腹から小さな「わた」のようなものが出てきました。
「うわっ、僕の詰め物が出てきちゃった!」と、彼は本気で心配します。(実はそれ、服の糸くずだったんですけどね!)
さらに、お風呂上がりにはつま先の皮がむけているのを発見!「このままじゃ、骨までむけちゃうんじゃないの!?」と、恐怖におののきます。昨日なんて、鼻から灰色のかたまりがポロリ。
「え、これって脳みそ…?」と、もうパニック寸前です。
そして今日、大好きなドクター・スースの絵本を読んでいると、今度は歯が一本グラグラしていることに気づいてしまいます。「歯がなくなったら、ごはん食べられないよ…どうしよう!」男の子の心配は、もう最高潮に。彼はついに、ある結論にたどり着きます。「僕の体をくっつけているノリが、もうダメになっちゃったんだ!」
耳が取れたり、目玉が落ちたり、咳をしたら頭がポーン!なんて、最悪の事態を想像しては、どんどん不安になっていく男の子。でも、パパがマスキングテープをたくさん持っていてくれてよかった…って、え、そういう問題!?
この後、男の子の壮大な勘違いは、一体どうなってしまうのでしょうか?
使われている英語も比較的シンプルで、ユーモラスなイラストと一緒に、親子でクスクス笑いながら読める一冊ですよ。
英語学習のポイント
この絵本には、子どもの素朴な疑問や感情を表すのにピッタリな英語表現が使われています。今回はその中から2つほどピックアップして、例文と一緒にご紹介しますね。
become aware
これをものすごくざっくりいうと、「~に気づく」という意味です。何か新しい情報や事実に、ハッと気がつく瞬間を表すのに使えます。
例文1: I slowly became aware that someone was watching me from across the street. (通りの向こうから誰かが私を見ていることに、ゆっくりと気づきました。)
例文2: She became aware of the delicious smell of cookies baking in the oven. (彼女はオーブンでクッキーが焼ける美味しそうな匂いに気づきました。)
何かを発見した時の、ちょっとしたドキドキ感が伝わってきますね。
come loose
こちらは、「緩む」とか「取れそうになる」という意味で使われる表現です。ネジが緩んだり、ボタンが取れかかっていたりするような状況を想像すると分かりやすいかもしれません。
例文1: One of the buttons on my coat has come loose, I need to sew it back on. (コートのボタンが一つ取れかかっているので、縫い付け直さないといけません。)
例文2: Be careful, that shelf looks like it’s coming loose from the wall. (気をつけて、その棚は壁から取れかかっているみたいだよ。)
絵本の中では、男の子の歯が「come loose」するわけですが、その心細さが伝わってくるようです。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
I just don’t know what’s going on or why it has to be.
私はちょうど何が起こっているのか、なぜそうでなければならないのか分かりません。
But every day it’s something worse.
しかし毎日、それはなにか、悪いことです。
What’s happening to me?
私に何が起こっているのですか?
I think it was three days ago
3日前だったと思う
I first became aware-
私は、最初に気づいた
That in my comb were caught a couple pieces of my hair.
くしが私の髪の毛を2つ絡めとったことを
I stared at them, amazed, and more
私はそれらをじっと見つめ、驚いた、そして
than just a bit appalled to think that I was only five and starting to go bald!
わたしはわずか5さいでそして禿げ始めたことにただ愕然とした。
Then later on (I don’t recall exactly when it was)
それからそのあと(私はそれがいつだったか正確には思い出さない)
I lifted up my shirt and found this little piece of fuzz.
私はシャツを持ち上げて、縮れ毛のこの小さい部分を見つけました。
I stared at it, amazed, and wondered.
私はそれをじっと見つめて、驚いて、不思議に思った。
What’s this all about?
これはいったい何なんだ?
But then I understood.
だが、私はわかりました。
It was my stuffing coming out!
それはわたしの詰め物が出てきたんだ!
Next day when I was outside playing with the water hose,
翌日、私が外の水ホースで遊んでいたとき
I saw that little bits of skin were peeling from my toes.
私はほんの少しの肌が私のつま先から剥がれているのを見ました。
I stared at them, amazed, and then
私はそれらを見つめ、びっくりしてから、
I gave a little groan, to think that pretty soon I might be peeled down to the bone.
私は少しのうめき声をあげました。そして、かなりすぐに、私が骨まで剥がされるかもしれないと思いました。
Then yesterday, before my bath,
そのあと昨日、お風呂に入る前、
as I took off my clothes,
私が服を脱ぐとき、
a chunk of something gray and wet fell right out of my nose.
灰色と湿った何かの塊が私の鼻の中から落ちた。
I stared at it, amazed, and thought,
私はそれを見つめて、驚いて、考えました。
I should be feeling pain.
私は痛みを感じるはずです。
Well, wouldn’t you if you just lost a little piece of brain?
まぁ、脳みその小さなかけらを失ったならそう思わない?
So now, today, I’m sitting here enjoying dr. Seuss,
そして今、今日、私はここに座ってドクタースースの絵本を楽しんでいる
and suddenly I realize a tooth is coming loose!
そして突然、私は歯がぐらぐら緩んでいることを理解した!
I wiggle it, amazed, dismayed, too horrified to speak.
私はそれを揺らし、驚いて、恐ろしかった、あまりにも恐ろしい話をする
Without my teeth, how can I eat?
私の歯がなくなれば、どのように食べることができますか?
Already I feel weak!
すでにわたしはよわよわしさを感じた。
Now I’m really worried.
今私は本当に心配です。
I’m as scared as I can be,
わたしはさんざんおびえた、
because finally what’s happening is very clear to see
なぜなら最後に何が起こるか明らかなので。
the glue that holds our parts together isn’t holding me!!
私たちのパーツを一緒にする接着剤は持ち合わせていません!!
And now I’m thinking to myself, what’s next in line to go?
そして今、私は自分自身に考えています。次は何ですか?
Might be my ears; might be my eyeballs.
私の耳かもしれません。 私の眼球かもしれない。
How’s a kid to know?
子供はどうやって知ることができますか?
One day I might be playing ball.. and have my arm fall off.
ある日私はボール遊びをするかもしれない、そして私の腕が落ちるかもしれない。
Or maybe I could lose my head if suddenly I cough.
または私が突然咳をしたら頭が取れる可能性もあります。
Quite soon I’ll be in pieces in a pile without shape.
まもなく、わたしは形のないかけらの山になります。
Thank goodness Dad keeps lots and lots
おかげで、パパはたくさん面倒を見なければならない。
and lots of masking tape.
そしてたくさんのマスキングテープ。
What?
なに?
You forgot?
忘れた?
to tell me teeth fall out?
私に歯が落ちると教えてくれること?
and when they do, some brand-new teeth
そしてそうなったら、新しい歯
Will soon begin to sprout?
すぐに生えはじまるだろう?
My hair, my skin, and everything–
私の髪、私の肌、そしてすべて
There’s nothing I should fear?
恐れるべきことは何もない?
So all of me is normal. Whew!
だから私のすべては正常です。 すごい!
That’s really good to hear!
それを聞けて本当に良いです!
Then tell me, what’s this yellow stuff
それなら教えて、この黄色いものは何?
I got out of my ear?
私の耳から出てきたものは
最後に:子どもの「ハテナ?」は成長のタネ
というわけで、今日は子どもの素直な(そして、ちょっぴり大げさな)心配事をユーモラスに描いた英語絵本『Parts』をご紹介しました。
子どもの頃って、世界は不思議なことだらけ。大人にとっては当たり前のことでも、子どもにとっては大発見だったり、大事件だったりしますよね。そんな子どもの「ハテナ?」を、頭ごなしに否定したり、笑い飛ばしたりするんじゃなくて、「どうしてそう思うの?」って、ちょっと耳を傾けてみる。
そうすると、子どもの豊かな想像力や、ユニークな視点に触れることができて、私たち大人もハッとさせられることがあるかもしれません。
この絵本の男の子のように、子どもたちが抱える小さな不安や疑問に、優しく寄り添ってあげられる。そんな温かい眼差しを、私たちも持ち続けたいものですね。きっと、そんなやり取りの一つ一つが、子どもの心を豊かに育てていく「タネ」になるんじゃないかな、なんて思います。