春の寒暖差が激しいこの時期、子どもから急に「夜寒いから何か掛けて」と言われて、私たち親も慌てて収納から毛布を引っ張り出すことがよくありますよね。
そんな日常のちょっとした要望が、もしも農場の動物たちから、しかも「タイプライター」を使って突きつけられたとしたら。今回ご紹介するのは、農場主と動物たちの間で繰り広げられる、ユーモアたっぷりの交渉劇です。
ここでは、『Click, Clack, Moo Cows That Type』のあらすじのほか、英語学習のポイント、読み聞かせ動画などを掲載しています。
『Click, Clack, Moo Cows That Type』の基本情報
| タイトル | Click, Clack, Moo Cows That Type |
|---|---|
| 著者 | Doreen Cronin |
| イラスト | Betsy Lewin |
| 出版社 | Simon & Schuster |
| 対象年齢(目安) | 3歳~ |
あらすじ
ブラウンさんの農場にいる牛たちは、なんとタイプライターを打つのが大好き。一日中「カチ、カタ、モー」という音が響く中、ある日彼らは「夜は寒いから電気毛布が欲しい」と書き置きを残します。もちろんブラウンさんは要求を却下しますが、あきらめきれない牛たちは「じゃあ牛乳は出さない」とストライキを決行してしまうのです。
さらには寒がる雌鶏たちまでストライキに加わり、農場は卵も牛乳も取れない非常事態に。困り果てたブラウンさんと、要求を譲らない動物たち。中立な立場のアヒルを仲介役にして交渉が進む中、最後に用意された思わぬオチには、思わずクスッと笑いがこぼれます。
英語学習のポイント
「All day long」で一日の様子を表現
物語の冒頭で牛たちが一日中キーボードを叩いている様子に使われています。子供が何かに夢中になっている時に言える便利な表現です。
- All day long
- 一日中
- He has been playing with his toys all day long.(彼は一日中おもちゃで遊んでいます。)
- She is singing all day long.(彼女は一日中歌を歌っています。)
「No way」で強い拒否を伝える
電気毛布の要求に対し、農場主が突っぱねる場面で登場します。「とんでもない!」「絶対ダメ!」と強く言いたい日常シーンでよく使われます。
- No way
- とんでもない、ありえない
- “Can I eat ice cream before dinner?” “No way!”(「夕食前にアイス食べていい?」「ダメに決まってるでしょ!」)
- “Let’s play outside in the rain!” “No way, you’ll catch a cold.”(「雨の中外で遊ぼう!」「ダメよ、風邪ひいちゃうわ。」)
「a good deal」で納得のいく提案を
牛たちからの交換条件を見て、農場主が「良い取引だ」と判断するシーンに出てきます。買い物をした時や、子供とお約束をする時に使えるフレーズです。
- a good deal
- 良い取引、お買い得、いい話
- That toy was a good deal.(そのおもちゃはお買い得だったわ。)
- If you clean your room, you can watch TV. That’s a good deal, right?(部屋を片付けたらテレビを見ていいわよ。いい取引でしょ?)
読み聞かせ動画のご紹介
動物たちの鳴き声とタイプライターの音がリズミカルに重なる、楽しい読み聞かせ動画です。
日本語訳(全文)
Farmer Brown has a problem.
ブラウン農場主には悩みがあります。
His cows like to type.
彼の農場の牛たちは、タイプライターを打つのが好きなのです。
All day long he hears
一日中、彼にはこんな音が聞こえてきます。
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Clickity, clack, moo.
カチリ、カタッ、モー。
At first he couldn’t believe his ears.
最初、彼は自分の耳が信じられませんでした。
Cows that type?
牛がタイプを打つだって?
Impossible!
そんなのありえない!
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Clickity, clack, moo.
カチリ、カタッ、モー。
Then he couldn’t believe his eyes.
次に、彼は自分の目が信じられなくなりました。
Dear Farmer Brown,
親愛なるブラウン農場主様へ
the barn is very cold at night.
納屋は夜になるとても寒いです。
We’d like some electric blankets.
電気毛布を何枚かいただきたいです。
Sincerely,
敬具
The cows.
牛一同より。
It was bad enough the cows had found the old typewriter in the barn,
牛たちが納屋で古いタイプライターを見つけただけでも十分困ったことなのに、
now they wanted electric blankets!
今度は電気毛布が欲しいと言い出したのです!
“No way,” said Farmer Brown.
「とんでもない」ブラウン農場主は言いました。
“No electric blankets.”
「電気毛布なんてやるもんか」
So the cows went on a strike.
そこで牛たちはストライキに入りました。
They left a note on the barn door.
彼女たちは納屋のドアに書き置きを残しました。
Sorry.
申し訳ありません。
We’re closed. No milk today.
本日は休業です。牛乳はありません。
“No milk today!” cried Farmer Brown.
「今日は牛乳がないだって!」ブラウン農場主は叫びました。
In the background he heard the cows busy at work:
その背景で、彼は牛たちが忙しく働いている音を耳にしました。
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Clickity, clack, moo.
カチリ、カタッ、モー。
The next day he got another note:
翌日、彼はまた別の書き置きを受け取りました。
Dear Farmer Brown.
親愛なるブラウン農場主様へ
The hens are cold too.
雌鶏たちも寒がっています。
They’d like electric blankets.
彼女たちも電気毛布を欲しがっています。
Sincerely.
敬具
The cows
牛一同より
The cows were growing impatient with the farmer.
牛たちは農場主に対して、だんだん我慢ができなくなってきました。
They left a new note on the barn door.
彼女たちは納屋のドアに新しい書き置きを残しました。
“No eggs!” cried Farmer Brown.
「卵もなしか!」ブラウン農場主は叫びました。
In the background he heard them.
背景では、またあの音が聞こえてきます。
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Click, clack, moo.
カチ、カタ、モー。
Clickity, clack, moo.
カチリ、カタッ、モー。
“Cows that type. Hens on strike!
「タイプを打つ牛に、ストライキをする雌鶏だと!
Whoever heard of such a thing?
そんな話、誰が聞いたことがある?
How can I run a farm with no milk and no eggs!”
牛乳も卵もなしで、どうやって農場をやっていけと言うんだ!」
Farmer Brown was furious.
ブラウン農場主は激怒しました。
Farmer Brown got out his own typewriter.
ブラウン農場主は自分用のタイプライターを持ち出しました。
Dear cows and hens:
親愛なる牛と雌鶏たちへ
There will be no electric blankets.
電気毛布は一切支給しない。
You are cows and hens.
君たちは牛と雌鶏だ。
I demand milk and eggs.
私は牛乳と卵を要求する。
Sincerely,
敬具
Farmer Brown
ブラウン農場主より
The cows held an emergency meeting.
牛たちは緊急会議を開きました。
All the animals gathered around the barn to snoop,
動物たちはみんな、様子を伺いに納屋の周りに集まりましたが、
but none of them could understand moo.
誰一人として「モー」という言葉を理解できるものはいませんでした。
All night long Farmer Brown waited for an answer.
一晩中、ブラウン農場主は返事を待ちました。
Duck knocked on the door early the next morning.
翌朝早く、アヒルがドアをノックしました。
He handed Farmer Brown a note.
彼はブラウン農場主に書き置きを渡しました。
Dear Farmer Brown,
親愛なるブラウン農場主様へ
We will exchange our typewriter for electric blankets.
タイプライターと引き換えに、電気毛布をいただきます。
Leave them outside the barn door and we will send Duck over with the typewriter.
納屋のドアの外に毛布を置いておいてください。そうすれば、アヒルにタイプライターを持たせてそちらへ向かわせます。
Sincerely,
敬具
The cows
牛一同より
Farmer Brown decided this was a good deal.
ブラウン農場主は、これは良い取引だと判断しました。
He left the blankets next to the barn door and waited for Duck to come with the typewriter.
彼は納屋のドアの横に毛布を置き、アヒルがタイプライターを持ってくるのを待ちました。
The next morning he got a note:
翌朝、彼は書き置きを受け取りました。
Dear Farmer Brown, the pond is quite boring.
親愛なるブラウン農場主様へ。池はとても退屈です。
We’d like a diving board.
飛び込み台を一ついただきたいです。
Sincerely,
敬具
The ducks
アヒル一同より
Click, clack, quack.
カチ、カタ、クワッ。
Click, clack, quack.
カチ、カタ、クワッ。
Clickity, clack, quack.
カチリ、カタッ、クワッ。
まとめ
一生懸命に自分たちの主張をタイプライターで伝える動物たちの姿を見ていると、日頃つい「ダメ!」と口うるさく言ってしまう私たち親も、ちょっと肩の力が抜けるような気がしますよね。
子供がなかなか言うことを聞いてくれない時でも、親子でこんなふうにユーモアを交えた「交渉」を楽しめたら、毎日がもう少し穏やかなものになるかもしれません。「カチ、カタ、モー」のリズムに合わせて、ぜひお子さんと一緒に声を出しながら読んでみてくださいね。