ハロウィーンの絵本には、魔女やおばけ、ヴァンパイアがよく登場します。
でも、今回の主人公はちょっと変わっています。
ヴァンパイアになってしまった、カタツムリ。
Andrea Zuillの英語絵本『Bob the Vampire Snail』は、普通のカタツムリだったBobの生活が、ある夜を境にすっかり変わってしまうお話です。
牙が生え、鏡には姿が映らず、いつの間にか空まで飛べるようになるBob。
「カタツムリとヴァンパイアを組み合わせる?」という時点でもう面白いのですが、読み進めるほど、その設定がきれいに物語へ生かされています。
ハロウィーンらしい英語はもちろん、普段の会話にも使える表現や、声に出すと楽しい音もたっぷり。ちょっと変わったハロウィーン英語絵本を探している親子にぴったりの一冊です。
絵本『Bob the Vampire Snail』の基本情報
| タイトル | Bob the Vampire Snail |
|---|---|
| 作者 | Andrea Zuill |
| 主人公 | ヴァンパイアになったカタツムリのBob |
| テーマ | 個性・友情・自分との違い |
普通のカタツムリだったBobが、突然ヴァンパイアになってしまう物語。
牙や吸血鬼の能力といったハロウィーンらしい要素を使いながら、「みんなと違ってしまったBob」が自分なりの暮らし方を見つけていく様子が、かなりユーモラスに描かれています。
『Bob the Vampire Snail』のあらすじ
カタツムリたちはみんなBobという名前。
そんな少しとぼけた説明から物語は始まります。
ある夜、Bobのまわりで突然、大きな叫び声や足音が聞こえてきました。
C-R-A-C-K…
drip, drip, drip…
poof!
何か大変なことが起こったあと、Bobは自分が以前とは違っていることに気づきます。
まず現れたのは、牙。
水たまりをのぞいても、自分の姿が映りません。
食べ物の好みまで変わり、いつもの食事がおいしく感じられなくなってしまいました。
しかも空を飛べるようになり、昼間の太陽も苦手に。
どうやらBobは、本当にヴァンパイアになってしまったようです。
けれどBobが欲しくなったのは、血ではありません。
目の前に現れた、赤くておいしそうなもの。
トマトです。
トマトをお腹いっぱい食べたBobは、ヴァンパイアとしての新しい生活を少しずつ楽しめるようになっていきます。
ただ、一つだけ困ったことがありました。
以前の仲間たちは、変わってしまったBobを怖がります。
そんなある日、Bobは自分とよく似た相手に出会います。
「自分だけじゃなかった。」
最後には、そんな安心感のある友情へとつながっていく物語です。
カタツムリなのに吸血鬼。そのズレが面白い
この絵本でまず楽しいのは、ヴァンパイアのお約束が次々とBobに起こるところです。
- 牙が生える
- 鏡に映らない
- 太陽が苦手になる
- 逆さになって眠る
- 催眠術が使える
ここまでなら、かなり立派なヴァンパイア。
でも主人公はカタツムリです。
しかも、Bobが催眠術を使って集めさせるのはトマト。
怖いはずのヴァンパイアの設定が、Bobに当てはめた途端、妙にかわいく見えてきます。
「次はどんなヴァンパイアらしいことが起こるんだろう?」と探しながら読むのも、この絵本の楽しみのひとつです。
この絵本で注目したい英語
reflection ― 鏡や水面に映った姿
He decided to see if this was true by checking his reflection in a puddle.
reflection には「反射」という意味がありますが、鏡や水面などに映った姿も表します。
Bobは水たまりで自分の姿を確認しようとします。ところが、そこには姿が映りません。
ヴァンパイアは鏡に姿が映らない、というおなじみの設定と一緒に出てくるので、reflectionの意味をイメージしやすい場面です。
hang upside down ― 逆さにつり下がる
hang upside down は「逆さにつり下がる」という表現です。
upside down は「上下逆さまに」。絵と一緒に見れば、意味もすぐにつかみやすい英語です。
hangには「つるす」「ぶら下がる」といった意味があります。Bobがヴァンパイアらしく逆さになって眠る場面なので、動きと一緒に覚えられます。
hang out ― 一緒に過ごす・遊ぶ
物語の終盤には、今度は hang out が登場します。
hang out は「一緒に過ごす」「遊ぶ」という、日常会話でもよく使われる表現。
先ほどのhang upside downと同じhangですが、hang outになると意味は大きく変わります。「逆さにつり下がるhang」と「友だちと過ごすhang out」を同じ絵本の中で比べられるのが面白いところです。
Same here. ― 私も同じ
Same here. は「私も同じ」「こっちも同じだよ」という短い表現です。
長い文章を作らなくても使えるので、子どもでも覚えやすい一言。
物語では、自分と同じような経験をした相手にBobが出会う大事な場面で使われています。単なる会話表現ではなく、友情が始まる言葉になっているのも印象的です。
音を聞くだけでも楽しい英語絵本
『Bob the Vampire Snail』には、動きや音をそのまま感じられる英語もたくさん出てきます。
drip, drip, drip
flap, flap, flap
suck, suck, suck
stomp はドシンドシ歩くような足音。
drip は液体がぽたぽた落ちる音や動きです。
そして翼が動き始めると flap, flap, flap。
トマトを吸う場面では suck, suck, suck。
意味を全部覚えてから読む必要はありません。まず音を聞いて、「これは何の音だろう?」と絵を見てみる。それだけでも英語と場面が自然につながります。
足音なら少し大げさに。羽ばたく音なら軽く。
声の調子を変えて読んでみると、ハロウィーンの読み聞かせもぐっと楽しくなります。
読み聞かせ動画はリーディング練習にも使いやすい
今回紹介する読み聞かせ動画は、ネイティブの発音がはっきりしていて、英語を聞き取りやすいのが特徴です。
さらに便利なのが、読んでいる部分に合わせて文字の色が変わること。
音声を聞きながら、「いま、どの単語を読んでいるんだろう?」と文字を追いやすくなっています。
- まずは絵を見ながらリスニング
- 慣れてきたら文字を目で追う
- 余裕があれば、動画に合わせて自分でも声に出してみる
そんなふうに、リスニングからリーディングへ少しずつ進みたい学習者にも使いやすい動画です。
「みんなと違う」Bobが見つけた友だち
Bobがヴァンパイアになると、それまで一緒にいた仲間たちは距離を取るようになります。
見た目も変わり、食べ物も変わり、できることまで変わってしまったBob。
本人も最初は、その変化を喜んでいるわけではありません。
でも物語の最後に出会った相手は、Bobとよく似た経験をしています。
ここで交わされる Same here. という短い言葉。
難しい説明はありません。でも、「自分だけじゃなかった」というBobの安心感が伝わってきます。
ハロウィーンの楽しい絵本として読みながら、「Bobは途中でどんな気持ちだったかな」「自分と似た友だちに会えたとき、どう思ったかな」と話してみるのもよさそうです。
まとめ
『Bob the Vampire Snail』は、カタツムリとヴァンパイアという意外な組み合わせを楽しめる、ユーモアたっぷりの英語絵本です。
牙、鏡、逆さに眠る姿など、ハロウィーンらしいヴァンパイアの要素もしっかり登場します。
その一方で、物語の最後に残るのは怖さではなく、Bobが自分と似た友だちに出会えた安心感。
英語では reflection や hang upside down といった物語ならではの表現に加えて、Want to hang out? や Same here. のような日常でも使える一言も拾えます。
読み聞かせ動画では音と文字を一緒に追えるので、聞くだけでなく「英語を自分で読んでみたい」という子にも使いやすい一冊です。