こんにちは!
生まれたばかりの鳥のヒナが、最初に見た動くものをお母さんだ!と思い込んで、後をついていく。そんな刷り込みというお話、なんだか健気で可愛いですよね。
でも、もしそのヒナが、とっても慎重派(?)で、出会うもの一つひとつにあの…もしかして、僕のお母さんですか?と律儀に聞いて回ったらどうでしょう。想像するだけで、なんだかクスッと笑ってしまいそうになりませんか?
今日は、そんな愛らしいヒナ鳥のママ探しを描いた、世界中で愛される名作英語絵本Are you my Mother?をご紹介します。読み聞かせがもっと楽しくなる、ある面白い言葉の秘密にも迫りますよ。
ここではAre you my Mother?の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
お母さん鳥が、もうすぐ生まれる赤ちゃんのために、ごはんを探しに出かけたほんの少しの隙に、卵からかえった一羽のひな鳥。巣の中にお母さんの姿は見当たりません。
そうだ、僕から探しに行こう!
そう決心したひな鳥は、勇気を出して巣から飛び出します。もちろん、まだ飛べないので、地面にぽとん!と落ちてしまいますが、そこから彼のママ探しの冒険が始まります。
子猫に、ニワトリに、犬に、牛に。「Are you my Mother?(あなたは私のお母さん?)」と尋ねて回りますが、みんな違うよと答えるばかり。それでも諦めないひな鳥の目の前に、今度はとてつもなく大きな何かが現れて…。
英語学習のポイント
この絵本は、“Are you my Mother?” というシンプルなフレーズが何度も繰り返されるので、英語が初めてのお子さんでもすぐに覚えられます。今回は、それ以外のちょっと面白い表現を2つピックアップしてみました。
How could I be your mother? (どうして私があなたの母親になれるっていうの?)
ウシさんに「あなたがお母さん?」と尋ねた時に返ってくるセリフです。これをものすごくざっくり言うと、なれるわけないでしょ!という、ちょっと呆れたような、面白いニュアンスが含まれています。
“How could I …?” は、どうやったら私が〜できるの?(いや、できるはずない)と、少し大げさに無理だよ!と伝えたい時に使える表現なんです。
お子さんとの会話で、こんな風にユーモアを交えて使ってみるのも楽しいかもしれません。
How could I eat all this broccoli? (どうやったら僕がこのブロッコリーを全部食べられるっていうのさ?)
How could I possibly clean up this room by myself? (一体どうやったら、この部屋を一人で片付けられるっていうの?)
Snort! (フンッ!)
これは言葉というより、音を表す擬音語です。物語のクライマックスで、ひな鳥が大きなショベルカーに向かってお母さん!と呼びかけた時に、ショベルカーが返すのがこの “Snort!” という音。
これは、ブタなどが鼻を鳴らすブヒッという音や、人が不満な時に鼻をフンッ!と鳴らす感じを表します。突然こんな音を返されたら、ひな鳥がこわい!と思ってしまうのも無理はないですよね。
英語の絵本には、こういった日本語にはないユニークな擬音語がたくさん出てくるので、ぜひ音の響きも一緒に楽しんでみてください。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
A mother bird sat on her egg.
母鳥が卵の上に座っていました。
The egg jumped.
卵が跳ねました。
“I must get something for my baby bird to
eat!” she said.
「私はひな鳥が食べるための何かを得る必要があります」彼女は言った。
So away she went.
それで彼女は離れて行った。
Inside the nest, the egg jumped.
巣の中で、卵は飛び跳ねた。
It jumped and jumped and jumped.
跳ねて、跳ねて、そして跳ねた。
Until… out came a baby bird!
ひな鳥が出てくる..まで
“Where is my mother?” he said.
「私のお母さんはどこ?」彼は言った。
He did not see her anywhere.
彼はどこにも彼女を見つけられなかった。
“I will go and look for her.” he said.
「私は出かけて彼女を探します。」彼は言った。
Out of the nest he went.
彼は巣から出て行った。
Down, down, down! Plop!
降りて、降りて、降りて! ポトン!
The baby bird could not fly.
ひな鳥は飛べませんでした。
But he could walk.
しかし、彼は歩くことができました。
“Now I will go and find my mother,” he said.
「さぁ、行って母親を見つけるよ」と彼は言った。
“Are you my mother?”
「あなたは私のお母さん?」
the baby bird said to the ask a kitten.
ひな鳥は子猫に尋ねた。
The kitten just looked and looked.
子猫はただじっと見つめるだけだった。
It did not say a thing.
それは、ものを言いませんでした。
“Are you my mother?”
「あなたは私のお母さん?」
the baby bird asked a hen.
ひな鳥はニワトリに尋ねた。
“No,” said the hen.
「いいえ」とニワトリ。
“Are you my mother?”
「あなたは私のお母さん?」
the baby bird asked a dog.
ひな鳥は犬に尋ねた。
“I am NOT your mother. I am a dog,” said the dog .
「私はあなたのお母さんではありません。私はイヌです」と犬は言った。
“Are you my mother?”
「あなたは私のお母さん?」
the baby bird asked a cow.
ひな鳥はウシに尋ねた。
“How could I be your mother?”
「どうして私はあなたの母親になれますか?」
said the cow. “I am a cow.”
ウシは言った「私はウシよ」
The baby bird stopped to think.
ひな鳥は、考えるために止まりました。
The kitten and the hen were not his mother.
子猫と雌鶏は、彼の母でありませんでした。
The dog and the cow were not his mother.
犬と牛は、彼の母でありませんでした。
“I have a mother,” said the baby bird.
「私には、母がいます」と、ひな鳥は言いました。
“I know I do. I will find her. I will. I will!”
「私がすることはわかっています。彼女を見つけます。そうする。そうする!」
Just then the baby bird saw a big thing.
ちょうどその後、ひな鳥は大きなモノを見た。
“You are my mother!” he said.
「あなたは私の母です!」彼は言った。
The big thing said, “Snort!”
その大きなものは言った「フン!」
“Oh no!” said the baby bird.
「あれー!」ひな鳥は言った。
“You are not my mother.
「あなたは私の母親ではありません。
You are a scary Snort!”
あなたは怖いフンだ!」
The Snort lifted the baby bird up, up, up.
そのフンはひな鳥を上へ上へ上へと持ち上げた。
Then something happened.
それから何かが起こった。
The Snort put the baby bird right back in the tree.
フンはひな鳥を木の中に戻しました。
The baby bird was home!
ひな鳥は家にいました!
Just then the mother bird came back.
ちょうどそこへ母親鳥が帰ってきました。
“I know who you are,” said the baby bird.
「あなたが誰かわかります。」ひな鳥は言った。
“You are not a kitten or a hen or a dog.
「あなたは子猫やニワトリや犬ではない。
You are not a cow or a Snort!”
あなたは牛でもフンでもない!」
“You are a bird, and you are my mother!”
「あなたは鳥、そしてお母さん!」
最後に:探す時間も、きっと宝物
というわけで、今回はひな鳥の可愛らしい大冒険のお話をご紹介しました。
英語の絵本の読み聞かせって、なんだか難しそうに感じますよね。ちゃんと発音できるかなとか、意味を正確に伝えないととか、つい真面目に考えてしまいがちです。
でも、この絵本を読んでいると、そんなに気負わなくても大丈夫だよ、と背中を押してくれるような気がします。
ひな鳥が “Snort!” を怖いものだと勘違いしたように、子どもたちも、もしかしたら言葉の意味を正確には理解していないかもしれません。でも、それでいいんだと思うんです。
なんか変な音がしたねワンワンはママじゃなかったねって、親子で笑いながらページをめくる時間そのものが、きっと何よりの宝物になりますから。