家族でドライブをしながら新しい家を探すのって、どこか旅に出るような独特の楽しさがありますよね。近所のおしゃれな家を見かけたり内覧会に立ち寄ったりすると、自分がそこに住んだときの生活を想像して思わず胸が躍ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなお引っ越しや家探しをテーマにした、クスッと笑えて英語も学べる作品をご紹介します。ここではAmelia Bedelia on the Moveの簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本の基本情報
| タイトル | Amelia Bedelia on the Move |
|---|---|
| 著者・イラスト | Herman Parish / Lynne Avril |
| 出版社 | HarperCollins |
| 対象年齢(目安) | 4〜8歳(I Can Read! Level 1) |
あらすじ
ドライブが大好きなアメリア・ベデリアは、ある日ご両親と一緒に「家探し(house hunting)」のお出かけをすることになりました。ところが言葉通りの意味で受け取ってしまうアメリアは、「家は隠れていないから探す(狩る)なんて簡単!」と大勘違い。
さらにオープンハウスを訪れれば、案内してくれる不動産エージェント(agent)をスパイ(secret agent)だと思い込んだり、平屋住宅(ranch)という言葉を聞いて「お馬さんがいる牧場」だと期待したりと、おかしな取り違えを次々と繰り広げます。
いろんな建築様式の家を見て回りながら、家族にとって本当に大切な「我が家」の意味に気づいていく心温まるストーリーです。
英語学習のポイント
① 残り少なくなったり底をついたりした時に使える「run out of」
作中でアメリアのお母さんが「部屋が狭くなってきた」と伝える場面で「We are running out of room.」という表現が使われています。
この「run out of 〜」は、持っているモノや時間の猶予が少しずつ減っていき、ついにゼロになりそうな時や無くなった時にとてもよく使う重要フレーズなんですね。日本語で言うなら「〜を使い果たす」「〜を切らす」といったニュアンスになります。日常生活のちょっとした「困った!」を伝えるのにぴったりな言い回しです。
- run out of 〜 → 〜を使い果たす、〜が不足する・切れる
- “We are running out of room.” → 私たちは部屋(の広さ)が足りなくなってきています。
- “We ran out of milk this morning.” → 今朝、牛乳を使い切ってしまいました。
② 最新情報や噂話に敏感でいる時の「keep one’s ear to the ground」
不動産業者のジルが「条件に合う家をしっかり探しておきますね」とお別れ際に言うシーンで「I’ll keep my ear to the ground.」という熟語が登場します。
直訳すると「地面に耳を押し当てておく」となりますが、これをわかりやすく言うと「世間の動きや新しい情報を見逃さないようにアンテナを張っておく」という意味になります。昔のハンターやトラッカーが地面に耳をつけて遠くの足音を聞き取っていたことが由来とされているんですよ。
- keep one’s ear to the ground → アンテナを高く張る、情報に注意を払う
- “I’ll keep my ear to the ground.” → アンテナを高くして(情報を)探しておきますね。
- “He always keeps his ear to the ground for new job opportunities.” → 彼は常に新しい求人情報にアンテナを張っています。
③ 同じ単語が持つ多様なニュアンス「hard / finish / wreck」の掛け合い
アメリア・ベデリアシリーズ最大の魅力は、英語の「多義語(複数の意味を持つ言葉)」を使った言葉遊びです。
作中では大人たちが専門用語や形容詞として使った言葉を、アメリアが全く別の意味で受け取って会話が噛み合わなくなっています。言い換えるなら、子供ならではの素直な「言葉通りの解釈」が笑いを生んでいるわけですね。一つの単語が場面によってどんな意味に変化するのかを整理しておくと、英語の表現力がぐっと広がります。
- hard / finish / wreck → 固い・難しい / 完成する・終わる / 破壊する・壊滅する
- “The house has hardwood floors.” → この家はフローリング(木の床)になっています。
- “The floors are really hard.” → 床がとても硬い(ハード)わ。
- “This basement is finished.” → この地下室は(内装が)完成しています。
- “So was ours.” → うちの(地下室)も終わった(ダメになった)わ。
- “There is a huge rec room.” → 巨大なレクリエーションルームがありますよ。
- “Our whole basement was wrecked.” → うちの地下室は全体が壊滅したの。
- “The house has hardwood floors.” → この家はフローリング(木の床)になっています。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
It was fun to wonder what was inside of the people’s houses.
人の家に何があるのか想像するのは楽しいことでした。
“We are house hunting,” said Amelia Bedelia’s father.
「家探しをしているんだよ」とアメリア・ベデリアの父親は言いました。
“The houses are not hiding,” she said.
“I see 1, 2, 3, 4. Hunting for houses is easy.”
「家は隠れていないわ」と彼女は言いました。
「1、2、3、4つ見えるもの。家を探す(狩る)なんて簡単ね」
“Look at that pretty Tudor house.”
「あの素敵なチューダー様式の家を見てごらん」
“We have a front door, a back door, and a garage door,” said her father.
“That’s right,” said Amelia Bedelia.
“We live in a three-door house.”
「玄関ドアと勝手口、それにガレージのドアがあるよ」と父親は言いました。
「その通りね」とアメリア・ベデリアは言いました。
「私たちはドアが3つある家に住んでいるのね」
“There were many kings and queens in the Tudor family,” said her father.
「チューダー朝にはたくさんの国王や女王がいたんだ」と父親は言いました。
“Colonial-style homes have been popular since the American Revolution,” said Amelia Bedelia’s mother.
「コロニアル様式の家は、アメリカ独立戦争のころから人気があるのよ」とアメリア・ベデリアの母親は言いました。
“That ranch is having an open house. Let’s go in,” said her father.
“Hooray!” said Amelia Bedelia.
“I love horses!”
「あのランチ(平屋住宅)で内覧会をやっているよ。入ってみよう」と父親は言いました。
「わーい!」とアメリア・ベデリアは言いました。
「私、お馬さんが大好きなの!」
Friends and neighbors were free to stop by anytime.
It didn’t look as though there was a party here.
The house was quiet.
“Are we the first ones?” said Amelia Bedelia.
友人や近所の人たちは、いつでも自由に立ち寄ることができました。
ここにはパーティーがあるようには見えませんでした。
家の中は静かでした。
「私たちが最初の人かしら?」とアメリア・ベデリアは言いました。
“Welcome home,” said a smiling woman with a name tag marked “Jill”
「おかえりなさい」と、「ジル」と書かれた名札をつけた笑顔の女性が言いました。
“I live at my house. We came to look at your house.”
“Well, come right in,” said Jill.
「私は自分の家に住んでいるの。あなたの家を見に来たのよ」
「まあ、どうぞお入りください」とジルは言いました。
“Here are some facts about the house,” she said.
“But I’m not the owner. I’m an agent.”
「ここにはこの家についての情報が書かれています」と彼女は言いました。
「でも私は所有者ではないの。エージェント(不動産業者)よ」
Her mother smiled and said, “No, sweetie. Jill is not a spy. Not all agents are secret agents.”
母親は微笑んで言いました。「いいえ、あなた。ジルはスパイではないのよ。エージェント(代理人)がみんなシークレット・エージェント(秘密情報員)というわけではないの」
“What are you looking for?”
“We are running out of room,” said Amelia Bedelia’s mother.
“We need about 600 more square feet,” said her father.
「どのようなものをお探しですか?」
「部屋が狭くなってきてしまいまして」とアメリア・ベデリアの母親は言いました。
「あと600平方フィート(約55平方メートル)ほど広さが必要なんです」と父親は言いました。
Why did he want so many square ones?
なぜ彼はそんなにたくさんの四角い足を欲しがっているのだろう?
“I want to pick out my bedroom.”
“A ranch-style house does not have an upstairs,” said her father.
“A ranch house is built like a house on a ranch out West.”
「自分の寝室を選びたいな」
「ランチスタイルの家には二階がないんだよ」と父親は言いました。
「ランチハウスは、西部の牧場(ランチ)にある家のように作られているんだ」
“On this floor,” said her mother.
“The house has hardwood floors,” said Jill.
“It sure does,” said Amelia Bedelia.
“The floors are really hard.”
「この階(フロア)よ」と母親は言いました。
「この家はフローリング(木の床)になっています」とジルは言いました。
「本当にそうね」とアメリア・ベデリアは言いました。
「床がとても硬い(ハード)わ」
While her parents toured the house, she would hunt for the horses.
両親が家を見学している間、彼女はお馬さんを探すことにしました。
“Go through the mudroom,” said Jill, pointing to a door.
「マッドルーム(泥落とし部屋)を通ってください」とジルはドアを指さして言いました。
Amelia Bedelia opened the back door.
She could see the Tudor and the Colonial.
She could see two dogs and a garden.
Where were the horses hiding?
アメリア・ベデリアは勝手口を開けました。
彼女にはチューダー様式とコロニアル様式の家が見えました。
犬が2匹と庭が見えました。
お馬さんたちはどこに隠れているのかしら?
“This house has a full basement.”
“Our basement was full once,” said Amelia Bedelia.
“It flooded when a pipe broke.”
「この家には広い地下室(フル・ベースメント)があります」
「うちの地下室も一度いっぱい(フル)になったことがあるわ」とアメリア・ベデリアは言いました。
「パイプが壊れたときに水浸しになったの」
“So was ours,” said Amelia Bedelia.
“There is a huge rec room,” said Jill.
“Our whole basement was wrecked,” said Amelia Bedelia.
「うちのも終わった(フィニッシュ)わ」とアメリア・ベデリアは言いました。
「巨大なレクリエーションルームがありますよ」とジルは言いました。
「うちの地下室は全体が壊滅(レック)したの」とアメリア・ベデリアは言いました。
“Aha, here you are,” said Amelia Bedelia’s father.
“What a great recreation room,” said Amelia Bedelia’s mother.
“Lots of space for fun and games,” said Amelia Bedelia.
「あはは、ここにいたんだね」とアメリア・ベデリアの父親は言いました。
「なんて素晴らしいレクリエーションルームかしら」とアメリア・ベデリアの母親は言いました。
「遊びやゲームをするためのスペースがたくさんあるわね」とアメリア・ベデリアは言いました。
“Now that I know what you want, I’ll keep my ear to the ground.”
Amelia Bedelia’s stomach growled.
Jill must have heard it.
Her father did.
「ご要望が分かりましたので、アンテナを高くして(地耳を立てて)探しておきますね」
アメリア・ベデリアのお腹が鳴りました。
ジルにも聞こえたに違いありません。
父親には聞こえていました。
“I’m so hungry I could eat a horse.”
“Then let’s go,” said Amelia Bedelia.
“You won’t find a horse at this ranch.”
「馬が一頭食べられるくらい(すごく)お腹が空いたよ」
「じゃあ行きましょう」とアメリア・ベデリアは言いました。
「この牧場(ランチハウス)にはお馬さんは見つからないから」
まとめ
『Amelia Bedelia on the Move』は、家探しという身近で胸が躍る日常のひとコマを通じて、英語のユニークな言葉遊びやフレーズを楽しく学べる素晴らしい一冊です。
単語の二重の意味に気づけたとき、お子さんも「あ、そういうことか!」とニッコリ笑ってくれるかもしれません。英語の多読を始めたばかりの方や、楽しみながら語彙力を増やしたい親子に心からおすすめしたい作品です。ぜひご家庭で声を出しながら読み進めてみてくださいね。