英語絵本 Dr Seussの「I Wish That I Had Duck Feet」

ドクター・スースの英語絵本|『I Wish That I Had Duck Feet』で学ぶ自己肯定感

こんにちは!

「あの子は足が速くていいな」「〇〇ちゃんみたいに、絵が上手だったらな…」なんて、つい自分にないものを欲しがってしまう気持ち、誰にでもありますよね。いわゆる「ないものねだり」というやつです。

簡単な英語絵本にいくつか親しんでくると、「そろそろ、もう少しお話の長いものにも挑戦してみようかな?」なんて思う頃かもしれません。でも、いきなり難しくなったら、子どもが楽しめなくなっちゃうかも…と、少し心配にもなりますよね。

今日は、そんなステップアップにぴったりの一冊をご紹介します。壮大な「ないものねだり」の空想旅行を通して、最後には心が温かくなるドクター・スースの名作『I Wish That I Had Duck Feet』です。

ここではこの絵本の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

主人公の男の子が、ある日ふと思います。「もし僕に、アヒルの足があったらなあ(I wish that I had duck feet.)」。そしたら、靴なんていらないし、水たまりで思いっきり遊べるぞ!と、楽しい妄想が広がります。

でも…「お母さんはきっと嫌がるだろうな。『そんな足で家に上がらないで!』って言われるに決まってる」。

じゃあ、アヒルの足がダメなら、鹿のツノはどうだ!帽子をたくさんかぶれるし、荷物も運べて便利じゃないか!…でも、そんなツノがあったら、スクールバスに乗れないや。

それならクジラの潮吹き、長いしっぽ、ゾウの長い鼻は…?少年は次から次へと奇想天外な「もしも」を思いつきますが、そのたびに「でも、こうなっちゃうからダメだ」という現実の壁にぶつかります。壮大な妄想の果てに、彼が見つけ出した「いちばん良いこと」とは、いったい何だったのでしょうか。

I Wish That I Had Duck Feet

英語学習のポイント

この絵本は、これまでの絵本より少し文章が長めです。でも、だからといって急に難しくなるわけではないのが、ドクター・スースのすごいところ。おなじみのリズミカルな言葉遊びのおかげで、子どもも飽きずに物語の世界に引き込まれていきます。

短いお話から、少しずつ長いお話へとステップアップしていくことには、素敵なメリットがたくさんあります。

一つは、子どもの「聞く力」や「集中力」が自然と育っていくこと。そしてもう一つは、より深く物語の世界に没入できることです。一冊読み終えた時の「全部読めたね!」という達成感は、子どもの大きな自信にも繋がりますよ。

そんな、ちょっぴり長めのお話の中から、物語の根幹となる便利なフレーズと、面白い表現を1つご紹介します。

I wish that I had ~

これは「〜があったらいいのになあ」と、現実にはないことを願う時の定番フレーズです。この絵本は、まさにこのフレーズのオンパレード!色々な単語を当てはめて、お子さんと一緒に「もしも」遊びができますね。

(例文)
“I wish that I had wings to fly in the sky.”(空を飛ぶための翼があったらいいのになあ。)

play him off his feet

これは「相手をヘトヘトに疲れさせるほど打ち負かす」といった意味の、面白いイディオムです。少年が「クジラの潮吹きがあれば、テニスでビッグ・ビルをこてんぱんにやっつけられるのに!」と妄想するシーンで使われています。

(例文)
“Our soccer team was so strong, we played them off their feet.”(僕たちのサッカーチームはすごく強くて、相手をヘトヘトになるまで打ち負かしたんだ。)

読み聞かせ動画のご紹介

 

日本語訳

I wish that I had duck feet.
アヒルの足があったらいいのに。

And I can tell you why.
そして、どうしてか私はあなたに伝えることができます。

You can splash around in duck feet.
あなたはアヒルの足でしぶきを跳ねることができます。

You don’t have to keep them dry.
あなたはそれらを乾燥させておく必要はありません。

 

I wished that I had duck feet.
私はアヒルの足があることを望んだ。

No more shoes!
これ以上の靴はありません!

No shoes for me!
私のための靴は他にありません!

The man down at the shoe store would not have my
size, you see.
靴屋で見下ろした人は私のサイズを持たないでしょう、みててごらんなさい。

 

If I had two duck feet,
私に2本のアヒル足があるならば、

I could laugh at Big Bill Brown.
私は、ビッグ・ビル・ブラウンを笑うことができました。

I would say, “You don’t have duck feet!
私は言います。「あなたは、アヒル足がありません!

These are all there are in town!”
これらは、町にあるすべてです!」

 

I think it would be very good to have them when I play.
私が考えるならば、私が遊ぶとき、それらを持つことは非常によいでしょう。

Only kids with duck feet on can ever play this way.
アヒルの足を持つ子供だけがこのように遊ぶことができます。

 

But…
しかし、

My mother would not like them.
私の母はそれらを好まないでしょう。

She would say. “Get off my floor!”
彼女は言うだろう。 「私の床から降りてください!」

She would say, “You take your duck feet and you take them out that door!
彼女は、「あなたはアヒルの足をもっていきなさい、そしてあなたはそれらをそのドアから出しなさい!」

 

“Don’t ever come in here again with duck feet
on Now, Don’t.”
「アヒルの足でもう二度とここに来ないでください」

So…
それで、

I guess I can’t have duck feet.
私はアヒルの足を持つことはできないと思う。

I would like to. But I won’t.
私はしたいと思います。 しかし、私はしません。

 

So..
だから、

If I can’t have duck feet,
もしアヒルの足を持てないなら、

I’ll have something else instead…
私は何か変わりのモノを持つでしょう。。

Say!
そうだ!

I know what!
なにかわかった!

I wish I had two horns up on my head!
私は私の頭の上に2つの角があったらいいのに!

 

I wish I had two deer horns.
私は2本の鹿の角があったらいいのに。

They would be a lot of fun.
それらはとても楽しいものになるでしょう。

Then I could wear ten hats up there!
そしたら私はそこに10個の帽子を着ることができます!

Big bill can just wear one.
ビックビルはただ一つ着ることができるだけです。

 

I think they would be very good to have when I play ball.
私はボールをするときにそれを持っていることがとても良いと思う。

Then nobody could stop me.
誰も私を止めることはできません。

No, sir! Nobody at all!
いいえ! 誰もまったく!

 

My horns could carry books and stuff like paper, pens and strings and apples for my teacher and a lot of other things!
私の角は私の先生のために本とか紙、ペンや紐やりんごやその他沢山のものを運ぶことができます。

 

But…
しかし…

If I had two big deer horns, I would never get a ride.
もし私が2つの大きい鹿の角を持っていたら、私は乗れません。

I could never ride the school bus.
私はスクールバスに乗ることはできませんでした。

I could never get inside!
私は中に入ることはできませんでした!

 

And so…
そしてそうしたら、

I won’t have deer horns.
私は鹿の角を持たないでしょう。

I’ll have something else instead.
代わりに別のものがあるよ。

I wish I had a whale spout.
私は鯨の噴出があったらいいのに。

 

A wheel spout on my head!
私の頭の上の鯨の潮吹き!

When days get hot it would be good to spout my spout in school.
学校で日中暑くなったら、私の吹き出し口から吐き出すのが良いでしょう。

And then Miss Banks would say, “Thanks! thanks! You keep
our school so cool.”
そうしたら、バンクス氏は、「ありがとう!ありがとう!私たちの学校をとて涼しくしてくれて。」と言うでしょう。

 

I could play all day in summer.
私は夏に一日中遊ぶことができます。

I would never feel the heat.
私は熱を感じることはありません。

I would beat Big Bill at tennis.
私はテニスでビッグビルを破るだろう。

I would play him off his feet.
私は彼を立っていられないほど疲れさせるでしょう。

 

But…
しかし、、

My mother would not like it.
私の母はそれが気に入らないだろう。

I know just what she would say:
私は彼女が言うことをちょうど知っている:

“Not in the house! You shut that off!
「家にいない!あなたはそれをやめなさい!

You take that spout away.”
あなたはその噴出を遠ざけなさい」

 

I know that she would tell me,
彼女が私に言ってくることを知っている。

“I don’t want that spout about!”
「私はその噴出を望んでいない!」

And when Mother does not want to thing,
そして、母親がそんな事を望んでいないとき、

it’s o-u-t. It’s out!
それはダメ!ダメです

 

And so…
そしてそうしたら、

I will not have one.
私はそれを持たないでしょう。

I don’t wish to be a whale.
私は鯨になりたくはありません。

I think it would be better if I had a long, long tail.
私は長い、長い尾があればよいと思う。

 

I wish I had a long, long tail, Some day I will. I hope.
私は長い、長い尾を持っていたらいいのに、いつか私はします。 私は願います。

And then I’ll show the kids in town new ways to jump a rope!
そして、私は町の子供たちにロープをジャンプする新しい方法を示します!

If I had a long, long tail.
もし私が長い、長い尾を持っていたら。

I know what I would like.
私は何が欲しいかを知っている。

I would like to ride down State Street pulling girls behind my bike.
ステート通りを降りて、私の自転車の後ろにいる女の子を引っ張りたい。

 

I wish I had a long, long tail.
私は長い、長い尾を持っていればいいと思う。

And I can tell you why.
そして、なぜ私はあなたに伝えることができます。

I could hit a fly ten feet away and hit him in the eye.
私は10フィート離れたハエに当てることができて、彼の目に当てることができます。

I know Miss Banks would like this.
私はバンクス先生がこれを好きであると知っています。

She would smile and she would say,
彼女は微笑んで、言うだろう、

“No other boy in town can hit a fly so far away.”
「この町の他の少年は遠く離れたハエを捕まえることはできない」

 

But…
しかし、

If I had a long long tail.
もし私が長い長い尾を持っていたら。

I know that Big Bill Brown would tie me in a tree!
私はビッグ・ビル・ブラウンが私を木に結びつけることを知っています!

He would!
彼はそうするでしょう!

Then how would I get down?
それで私はどうやって降りますか?

I don’t think that I would like it with my tail tied in a tree.
私は尾が木に縛られていて欲しいと思っていません。

The more I think about it..No!
もっと私はそれについて考える…いいえ!

No long, long tail for me.
長い、長いテールは私にはいらない。

 

And so..
そしてそれなら、

If I can’t have a tail,
もし私が尾を持つことができない場合、

I’ll have a long, long nose!
私は長く、長い鼻を持つでしょう!

A nose just like an elephant’s, the longest nose that grows.
鼻は、象のように、成長する最も長い鼻です。

I wish I had a long, long nose and I can tell you why.
私は長い、長い鼻を持っていればいいと思います。

I think it would be very good to get at things up high.
私は、高いものを取るのに非常によいと思います。

 

Every kid in town would love it.
町のすべての子供たちはそれを愛するでしょう。

Every kid but Big Bill Brown.
ビックビルブラウン以外のすべての子供。

And every time I saw him I would sneeze and
blow him down.
そして私は彼を見るたびにくしゃみをするでしょう。そして彼を吹き飛ばす。

 

Say!
そうだ!

I could help the firemen!
私は消防士を助けることができる!

My nose would be just right.
私の鼻はちょうどピッタリ。

I could help them put out fires a hundred times a night.
私はそれで1夜に百回の火事を助けられる。

 

Oh, I would do a lot of things that no one ever did.
ああ、私は誰もしなかったことをたくさんするだろう。

And everyone in town would say,
そして、町の誰もがいう、

“just watch that long-nose kid!”
「ちょっとその長い鼻の子供を見て!」

 

 

But.. if I had a long, long nose,
しかし、もし私が長い、長い鼻を持っていたら、

I know what Dad would do.
私は、お父さんがやることを知っています。

My dad would make me wash the car!
私のお父さんは車の洗濯をさせるだろう!

The house and the windows, too!
家と窓も!

 

My dad would make me work all day and wash vthings with that hose!
私の父は私を一日中働かせて、そのホースで汚れを洗うでしょう!

I guess it would not be so good to have a long, long nose.
私はそれで長い、長い鼻を持つことはあまり良いことではないと思う。

 

Now…
今、

Let me think about it.
私はそれについて考えてみましょう。

All these things I want are bad.
私が望むこれらの事はすべて悪いです。

And so I wish…
そして、私は望む…

I wish.. I wish..
私は望む..私は望む..

What Do I wish I had?…
私は何を持っていたいと思いますか?…

 

I know what!
私は何を知っている!

I know just what!
私は何を知っている!

I know just what to do!
私は何をすべきか知っています!

I wish that I had all those things!
私はそれらすべてのものがあったことを望む!

I’d be a Witch-what-who!
私はなんとか魔女になるだろう!

If I could be a Witch-what-who,
もし私がなんとか魔女になったら、

I’d jump high in the air.
私は空高く跳び、

I’d splash and spout and run about.
私はパシャパシャしながら噴出し、走ります。

I’d give the town of scare!
私は町を恐怖にするだろう!

 

But..
しかし..

The people would not like it.
人々はそれを好まないだろう。

They would be so scared, I bet,
彼らはとても怖いだろう、私は賭ける、

they would call the town policemen.
彼らは町の警官に電話をかけます。

They would catch me in a net!
彼らはネットで私を捕まえるだろう!

 

They would put me in the zoo house with my horns and nose and feet.
彼らは私の角と鼻と足を持つ私を動物園の家に入れた。

And hey, just hey, two times a day is all I get to eat.
ちょっと、ちょっとね、1日2回食べるだけです。

 

I think I would be very sad when people came to call.
私は人々がやってきて呼ぶとき非常に悲しいと思います。

So… I don’t think a Witch-What-Who would be much fun at all.
だから…私は魔女がまったく楽しいとは思わない。

And so..
そして

I think there are some things I do not wish to be.
私は望んでいないことがいくつかあると思います。

And that is why I think that I just wish to be like me.
そして、それが私が私のようになりたいと思っている理由です

最後に:自分探しの、壮大な寄り道

というわけで、今回はドクター・スースの想像力が光る一冊『I Wish That I Had Duck Feet』をご紹介しました。

この絵本のいいところって、「自分らしくいるのが一番だよ」という答えを、大人が先に言っちゃわないところだと僕は思うんです。アヒルの足、鹿のツノ、クジラの潮吹き…と、少年はあれこれ本気で考えて、とことん寄り道しますよね。

親としてはつい「こっちだよ」と近道を教えたくなりますが、この「ああでもない、こうでもない」と考える時間こそが、すごく大切なのかもしれません。
ちょっと長めのお話だからこそ、子どものそんな壮大な空想の旅に、たっぷりと付き合ってあげられる。そして、旅の終わりに「なーんだ、今のままの自分がいっか!」って、本人が心から思えたなら、それって最高ですよね。

親子で一緒に、この楽しい「寄り道」の時間を味わってみませんか。