子どもの歯がグラグラし始めると、なんだか親の方までソワソワしてしまいませんか。いつ抜けるんだろう、ごはんの時に飲み込んじゃわないかな、なんて心配は世界共通のようです。今回ご紹介する絵本は、まさにそんな「乳歯の生み替わり」をめぐる大騒動を描いた作品となっています。
ここでは『Amelia Bedelia Lost and Found』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本の基本情報
| タイトル | Amelia Bedelia Lost and Found |
|---|---|
| 著者・イラスト | Herman Parish / Lynne Avril |
| 出版社 | HarperCollins |
| 対象年齢(目安) | 4〜8歳(I Can Read Level 1) |
あらすじ
アメリア・ベデリアの歯がグラグラ揺れ始めました。手で押してもなかなか抜けず、ごはんを食べるときや飲み込んでしまわないか心配でたまりません。学校へ行くと、友達のひじが偶然当たってついに歯が抜けます。
エドワーズ先生からもらった小さな箱に歯を大切にしまっていたアメリアですが、図工の時間に絵を描こうと箱を開けると、なんと中の歯が消えていました。せっかく抜けた大切な歯をもう一度無くしてしまったアメリアは、友達のスキップと一緒に学校中を探し回り、落とし物箱のある校長室へと向かいます。
英語学習のポイント
① 今にも落ちそうな状態を表す「hanging by a thread」
「hanging by a thread」は、直訳すると「1本の糸でぶら下がっている」という意味になります。そこから転じて、危機一髪な状態や、今にも落ちたり切れたりしそうな様子を表す決まり文句としてよく使われる表現です。
言い換えるなら、日本語の「風前の灯火」や「首の皮一枚でつながっている」という雰囲気にとても近い感覚ですね。絵本の中では、お母さんがアメリアの抜けそうな歯を見て「今にも抜け落ちそうね」と声をかける場面で使われています。
- hanging by a thread → 今にも切れそう、危険な状態にある
- “Your tooth is hanging by a thread.” → あなたの歯は今にも抜け落ちそうよ。
- “His job is hanging by a thread.” → 彼の仕事は首の皮一枚でつながっている状態です。
② 拾った人のもの!有名な慣用句「finders keepers」
「Finders keepers, losers weepers」は、子ども同士の会話でよく登場する有名な英語の口ずさみ文句です。「拾った人がもらえる、無くした人は泣くだけ」という意味で、ちょっとしたルールや冗談めかしたやり取りで使われます。
後半の「losers weepers」を省略して「Finders keepers!」とだけ言うことも多いですね。公園や学校で落とし物を見つけた時の、子どもらしい無邪気なやり取りを表現する際にぴったりのフレーズと言えます。
- finders keepers → 拾った人のもの(見つけた人が総取り)
- “Finders keepers, losers weepers.” → 拾った人のもの、なくした人は泣きを見ろ。
- “I found this coin on the floor. Finders keepers!” → 床でこのコインを見つけたよ。拾った人のものだね!
③ 過去完了形「had been」を使った「昔の場所・状態」の表現
「had been」は、過去のある時点よりもさらに前に「〜だった」「〜にあった」という状態を表す文法です。これを分かりやすくいうと、「かつてそこにあった場所や状態」を振り返って説明する時に使う表現となります。
絵本の中では、歯が抜けた後の口の中の「隙間(かつて歯があった場所)」を指す場面で登場します。日常会話でも「前までこうだったんだよ」と昔の状況を伝える時にとても役に立つ表現ですね。
- had been → かつて〜だった、〜にあった
- “Amelia Bedelia stuck her tongue through the gap where her loose tooth had been.” → アメリア・ベデリアはぐらつく歯があった隙間に舌を突き出した。
- “The cafeteria had been cleaned.” → 食堂は掃除された後だった。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
She pushed it back and forth.
She pushed it side to side.
It was a losing battle.
No matter what Amelia Bedelia did, her tooth would not fall out.
彼女はそれを前後に押した。
彼女はそれを左右に押した。
それは勝ち目のない戦いだった。
アメリア・ベデリアが何をしても、歯は抜けそうになかった。
“Your tooth is hanging by a thread,” said Amelia Bedelia’s mother.
“It will come out by itself.”
Amelia Bedelia looked in the mirror.
She did not see a thread.
「あなたの歯は今にも抜け落ちそうよ」とアメリア・ベデリアの母親が言った。
「自然に抜けるわよ。」
アメリア・ベデリアは鏡を見た。
糸なんて見えなかった。
What if her tooth came out when she was eating?
What if she swallowed it?
Then she could not put it under her pillow for the Tooth Fairy.
食べているときに歯が抜けたらどうしよう?
飲み込んでしまったらどうしよう?
そうなったら、歯の妖精のために枕の下に置くことができなくなってしまう。
“I lost my tooth at the beach,” said Holly.
“A wave knocked it out.”
“I got hit by a Frisbee,” said Skip.
“Mine gets stuck in a brownie,” said Joy.
「私は海で歯が抜けたよ」とホリーが言った。
「波に打たれて抜けちゃったの。」
「僕はフリスビーが当たったんだ」とスキップが言った。
「私のはブラウニーに挟まって抜けたよ」とジョイが言った。
“Here is your pencil back,” she said.
Skip spun around.
His elbow bumped her mouth.
“Oh!” yelled Amelia Bedelia.
「鉛筆を返すわね」と彼女は言った。
スキップはくるりと振り返った。
彼の肘が彼女の口に当たった。
「あ!」とアメリア・ベデリアは叫んだ。
“It was an accident.”
Amelia Bedelia covered her mouth with her hands.
She jumped up and down.
She did a little dance.
「わざとじゃないんだ。」
アメリア・ベデリアは両手で口を覆った。
彼女はその場でぴょんぴょん跳ねた。
彼女は小さく踊った。
“You look different,” said Rose.
“Your tooth is gone,” said Joy.
It was true.
「いつもと違って見えるよ」とローズが言った。
「歯がなくなってる」とジョイが言った。
それは本当だった。
She felt lost without it.
歯がなくなって、なんだか寂しく感じた。
“Bravo!” said Miss Edwards, her teacher.
“Where did you lose it?”
Amelia Bedelia pointed at the gap in her teeth.
「素晴らしいわ!」と担任のエドワーズ先生が言った。
「どこでなくしたの?」
アメリア・ベデリアは自分の歯の隙間を指さした。
Amelia Bedelia looked around.
“I lost it,” she said.
“I hope it is not your sweet tooth,” said Miss Edwards.
アメリア・ベデリアはあたりを見回した。
「なくしちゃった」と彼女は言った。
「甘いもの好きなところがなくなったわけじゃないといいけれど」とエドワーズ先生は言った。
“Here it is,” she said.
“Thank you,” said Amelia Bedelia.
「ここにあったよ」と彼女は言った。
「ありがとう」とアメリア・ベデリアは言った。
Amelia Bedelia dropped her tooth into it.
She snapped the little box shut.
Amelia Bedelia shook the box back and forth.
She heard her tooth rattle.
Clickety click click.
アメリア・ベデリアはその中に歯を落とした。
彼女は小さな箱をパチンと閉めた。
アメリア・ベデリアは箱を前後に振った。
歯がカタカタ鳴るのが聞こえた。
カチカチ、カチ。
She learned to drink her milk with one last tooth.
It felt funny.
彼女は歯が一本少ない状態で牛乳を飲むコツを覚えた。
なんだか変な感じがした。
She showed her tooth to all her friends.
彼女は友達みんなに自分の歯を見せた。
Amelia Bedelia wanted to paint a picture of her lost tooth.
She opened the box.
Her tooth was gone.
アメリア・ベデリアは抜けた歯の絵を描きたかった。
彼女は箱を開けた。
歯がなくなっていた。
“I know, I knocked it out,” said Skip.
“I just lost the tooth I lost,” said Amelia Bedelia.
「知ってるよ、僕がぶつかって抜けたんだろ」とスキップが言った。
「抜けた歯をまた無くしちゃったの」とアメリア・ベデリアは言った。
Amelia Bedelia nodded.
“I will help you find it,” said Skip.
“I have nothing to lose.”
アメリア・ベデリアはうなずいた。
「探すのを手伝うよ」とスキップが言った。
「減るものもないしね。」
The cafeteria had been cleaned.
The tables were spotless.
The floors were shining.
“Maybe someone took your tooth to the lost and found,” said Skip.
食堂は掃除された後だった。
テーブルには汚れ一つなかった。
床は輝いていた。
「誰かが落とし物箱に歯を持っていったのかも」とスキップが言った。
“Where did you lose your tooth?” said Mr. Rice, the principal.
「どこで歯をなくしたんだい?」と校長先生のライス先生が言った。
“Follow me,” said Mr. Rice.
“I’ve lost count of all the things in the lost and found.”
「ついてきなさい」とライス校長先生は言った。
「落とし物箱にあるものが多すぎて数えきれないんだ。」
“Hey, that is my mitten!” she said.
“I lost it a long time ago.”
She tried it on.
“It still fits,” she said.
「あ、それ私のミトンだ!」と彼女は言った。
「ずっと前になくしたやつだ。」
彼女はそれをはめてみた。
「まだぴったりだわ」と彼女は言った。
He bounced a rubber ball on the floor.
He lost his grip.
The ball smacked a shelf of tiny treasures.
Clickety click click.
Something small hit the floor.
彼はゴムボールを床で弾ませた。
彼は手から滑らせてしまった。
ボールが小さな宝物が並んだ棚に当たった。
カチカチ、カチ。
小さな何かが床に落ちた。
“Finders keepers, losers weepers,” said Mr. Rice.
“You are lucky.”
Amelia Bedelia put her tooth back in the box and shut it tight. Snap!
「拾った人のもの、なくした人は泣きを見ろ、だな」とライス校長先生は言った。
「君はついてるね。」
アメリア・ベデリアは歯を箱に戻し、しっかりと閉めた。パチン!
“Maybe the Tooth Fairy will leave you two times as much.”
「歯の妖精が二倍のご褒美をくれるかもしれないよ。」
In her dreams, the Tooth Fairy sang, “Lost and found and lost and found.”
夢の中で、歯の妖精が「落としては見つけ、落としては見つけ」と歌っていた。
Her tooth was gone.
But this time, it was not lost.
“Finders keepers,” said Amelia Bedelia.
彼女の歯はなくなっていた。
でも今度は、失くなったのではなかった。
「拾った人のものね」とアメリア・ベデリアは言った。
まとめ
歯が抜けるという日常のちょっとした冒険を、アメリア・ベデリアらしいユーモアたっぷりに描いた心温まる一冊です。「抜けた(lost)」と「失くした(lost)」の言葉遊びも秀逸で、読み進めるうちに自然と英語の豊かなニュアンスに触れることができます。
お子さんの歯がグラグラし始めた時や、初めての自力読みのステップとして、ぜひ親子で一緒にページをめくってみてくださいね。