子どもに英語絵本を読んであげたいけれど、文章が長すぎたり、知らない単語が多すぎたりすると、読む側の私たちのほうが先に心が折れてしまう…そんなこと、ありませんか。
『A Pig, a Fox, and a Box』は、1文がとにかく短く、使われる単語もごくシンプル。それでいて、ずる賢いキツネがブタをだまそうとするたびに自分がひどい目にあうというドタバタ展開に、子どもが声を出して笑ってくれます。Mo Willems の Elephant & Piggie が好きなお子さんなら、まず間違いなくハマるスタイルです。
実際、この絵本はアメリカで初級リーダー向けの優れた作品に贈られる「セオドア・スース・ガイゼル賞」のオナー(次点)にも選ばれており、教育の専門家からもそのクオリティが認められています。ここでは、『A Pig, a Fox, and a Box』のあらすじのほか、英語学習のポイント、読み聞かせ動画などを掲載しています。
『A Pig, a Fox, and a Box』の基本情報
| タイトル | A Pig, a Fox, and a Box |
|---|---|
| 著者 | Jonathan Fenske(文・絵) |
| シリーズ | Step into Reading, Step 2 |
| 出版社 | Random House Books for Young Readers |
| 対象年齢(目安) | 4歳〜7歳 |
あらすじ
この絵本は、小さなキツネ(Fox)と大きなブタ(Pig)の3つの短いお話で構成されています。
パート1では、キツネが段ボール箱の中に隠れてブタを驚かせようとします。ところが、箱に気づいたブタは「キツネがいないなら、この箱に座って待とう」とどっかり腰を下ろしてしまい……箱はぺちゃんこ、中のキツネもぺちゃんこに。
パート2では、懲りないキツネが今度はカツラと石を使ったトリックを仕掛けます。「カツラの上に石を積んでキツネが埋まっているように見せかけ、ブタが石をどかしている隙に箱の中から飛び出す」という作戦でしたが、ブタが投げた石が今度はキツネの箱に直撃。再びぺちゃんこの結末です。
パート3は、たった3文。「ぼくはキツネ、わたしはブタ。かくれるのが大好き、あそぶのが大好き。でも、今日はもうおしまい。」——散々な目にあったキツネの降参宣言で幕を閉じます。
英語学習のポイント
I think I will ~(~しようと思う)
自分の計画や意思を伝える時に使う、日常で頻度の高い表現です。絵本ではキツネが「I think I will trick Pig today.」と悪だくみを宣言する場面で登場します。子どもが自分の「やりたいこと」を英語で伝える練習にもなります。
- I think I will ~
- ~しようと思う
- I think I will read this book.(この本を読もうと思う。)
- I think I will go outside.(外に行こうと思う。)
- I think I will have some juice.(ジュースを飲もうかな。)
sneaky(こっそりした、ずる賢い)
人やキャラクターの性格を表す形容詞で、子どもが大好きな「ちょっと悪い」ニュアンスを持つ単語です。絵本ではキツネが自分自身を “Oh, I am such a sneaky Fox!” と得意げに称する場面が印象的です。
- sneaky
- こっそりした、ずる賢い
- The cat is being sneaky.(その猫がこっそり何かしてるよ。)
- Don’t be sneaky — tell me what you’re doing!(こそこそしないで——何してるか教えて!)
Stay where you are!(そのままじっとしていて!)
相手に「動かないで」と伝える命令文です。ブタがキツネを助けに行こうとする場面で使われています。日常でも、危ないものに近づこうとする子どもに声をかける時など、親子間でそのまま使える実用的なフレーズです。
- Stay where you are!
- そのままじっとしていて!そこにいて!
- Stay where you are — I’ll come to you.(そこにいてね——今行くから。)
- Stay where you are! Don’t move!(そこで動かないで!)
日本語訳(全文)
Part One / パート1
I am Fox.
ぼくはキツネ。
I am Pig.
わたしはブタ。
I am little.
ぼくは小さい。
I am big.
わたしは大きい。
I have a box.
ぼくに箱があるよ。
I like to play.
あそぶのが大好き。
I think I will trick Pig today.
今日はブタをかついでやろうと思うんだ。
I lift the lid.
ふたを持ち上げる。
I step inside.
中に入る。
I like to play.
あそぶのが大好き。
I like to hide.
かくれるのが大好き。
Oh Pig, come here!
おーいブタ、ここへおいで!
Oh Pig, come see!
おーいブタ、見にきてごらん!
Did I just hear Fox call for me?
今、キツネがわたしを呼ぶ声が聞こえたかしら?
I look around.
あたりを見回す。
I see no Fox.
キツネはどこにもいない。
I only see a little box.
小さな箱が見えるだけ。
So I will sit on this small box.
だから、この小さな箱に座ることにしましょう。
And I will wait for little Fox.
そして、小さなキツネを待つの。
Here I sit.
ここに座るわ。
I sit on top.
てっぺんに座る。
The box went boom and I went plop!
箱がドカンとなって、わたしはドスン!
Hee-hee. I think I broke the box.
うふふ。箱を壊しちゃったみたい。
The box is flat.
箱はぺちゃんこ。
And so is Fox.
キツネもぺちゃんこ。
Part Two / パート2
He is Fox.
かれはキツネ。
He is Pig.
彼女はブタ。
He is little.
かれは小さい。
He is big.
彼女は大きい。
I have a wig.
ぼくはカツラを持っている。
I have some rocks.
石もいくつか持っている。
Oh, I am such a sneaky Fox!
おっと、ぼくは何てずる賢いキツネなんだ!
I puts the wig under the rocks…
石の下にカツラを置いて……
and hide inside my little box.
ぼくの小さな箱の中にかくれる。
Help, Help, big Pig! Oh help!
助けて、助けて、大きなブタさん! あぁ、助けて!
Come see!
見にきて!
Did I just hear Fox call for me?
今、キツネがわたしを呼ぶ声が聞こえたかしら?
I look around.
あたりを見回す。
I see some rocks.
石がいくつか見える。
But what is that?
でも、あれは何?
It looks like Fox!
キツネみたいに見えるわ!
Oh, this is bad.
あぁ、これは大変。
Poor little Fox is under that big pile of rocks!
かわいそうな小さなキツネが、あんな大きな石の山の下に!
I will lift the rocks.
石を持ち上げるわ。
I will throw them far.
遠くへ放り投げる。
I’m coming Fox!
今行くわよ、キツネ!
Stay where you are!
そのままじっとしていて!
Uh-oh.
おっと。
But what is this?
でも、これは何?
This is a wig.
これはカツラだわ。
Oh, I’m such a silly Pig.
あぁ、わたしは何ておバカなブタなのかしら。
That big, big pile of heavy rocks was on a wig, not on a fox.
あの大きくて重い石の山は、キツネじゃなくてカツラの上にあったんだわ。
Help! Help, big Pig! Oh help!
助けて! 助けて、大きなブタさん! あぁ、助けて!
Come see! There is a pile of rocks on me!
見にきて! ぼくの上に石が積み上がってるんだ!
That sneaky Fox.
あのずる賢いキツネめ。
He is so bad.
本当に行儀が悪いんだから。
He likes to play.
あそぶのが好きなくせに。
He makes me mad.
わたしを怒らせるんだから。
I see the rocks.
石が見えるわ。
But this smart Pig knows that is just another wig.
でも、この賢いブタは、あれがただの別のカツラだって知ってるのよ。
I will leave the wig.
カツラは放っておきましょう。
I will leave the rocks.
石もそのままにしておきましょう。
This wig is flat.
このカツラはぺちゃんこ。
And so is Fox.
そしてキツネもぺちゃんこ。
Part Three / パート3
I am Fox.
ぼくはキツネ。
I am Pig.
わたしはブタ。
I am little.
ぼくは小さい。
I am big.
わたしは大きい。
I like to hide.
かくれるのが大好き。
I like to play.
あそぶのが大好き。
But I am done with that today.
でも、今日はもうおしまい。
おわりに
いたずらが裏目に出て、毎回ぺちゃんこになるキツネ。でも不思議と、かわいそうというよりも「もう、また懲りずに!」と笑ってしまうのが、この絵本の持ち味です。パート3で潔く「今日はもうおしまい」と降参するキツネの姿に、子どもたちもケラケラ笑ってくれるはず。
そして実は、何度ひどい目にあってもキツネが遊びをやめないのは、ブタのことが好きだからなんですよね。読み終わったあと、お子さんが箱を引っ張り出してきて「かくれるから見つけて!」と言い出したら、それはきっとこの絵本が気に入った証拠です。一緒に遊んであげてください。